パピとママ映画のblog

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深夜食堂 ★★★★

2015年02月24日 | アクション映画ーサ行
安倍夜郎の人気コミックを基にしたテレビドラマの劇場版。繁華街の一角にあるこぢんまりとした食堂を舞台に、その店主と客たちが織り成す人間模様が展開する。監督はテレビドラマ版も手掛けている『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』などの松岡錠司。食堂のマスターにふんする『秘密』などの小林薫を筆頭にオリジナルキャストが集結、高岡早紀、多部未華子、田中裕子ら実力派が新たに加わる。人情味にあふれた物語はもちろん、おいしそうな料理の数々にも目を奪われる。
あらすじ:ネオンの光がまばゆい繁華街。その路地裏でマスター(小林薫)が営む小さな食堂「めしや」に、誰かが骨つぼを置き忘れていく。さまざまな憶測が飛び交う中、新しいパトロンを探している最中に隣り合わせになった年下の男に惹(ひ)かれるたまこ、毎晩のように店に現れては常連客のあけみに会いたいと騒ぐ謙三、無銭飲食したのが縁となって住み込みで働くことになったみちるなど、クセありワケありの者たちがマスターの作る素朴な料理に舌鼓を打ちながら涙と笑いに満ちたドラマを繰り広げていく。

<感想>深夜のTVドラマ、毎週火曜日に放送されるので楽しみに観ております。東京の繁華街の片隅にある“めしや”。夜12時ごろに暖簾が出るこの店には、マスターが作る素朴な味といこごちの良さを求めて、夜な夜な客がやって来る。主人公の寡黙なマスター役の小林薫の絶妙な演技をはじめとして、愉快な常連客に、ワケありな客を演じるのは個性的な俳優たち。
パチンコ帰りにやってくる忠さん(不破万作)に、ゲイバーの小寿々(綾田俊樹)、ヤクザの竜ちゃん(松重)の注文はタコ型に切ったウンィンナー炒め、それに子分のゲン。お茶漬けシスターズは、梅とタラコと鮭を注文する女性たちまでフル来店だから、ドラマシリーズからのファンにも満足ですよ。

今作では、4つの物語りが“めしや”の春夏秋冬とともに展開する。故郷を追われた女、震災で全てを失った男のやるせない心情。常連客も総出演して、マスターの私生活も垣間見れますから。いつも気にしながら店を覗く交番のおまわりさんに、オダギリジョーが、さりげなく演じて可笑しさがいいですね。

今夜も常連客で賑わう“めしや”、マリリンが客席で見つけた妙な忘れ物、それは「骨壺」をネタに、様々な憶測が飛び交う深夜の食堂、というか居酒屋である。
まずは、「とろろご飯」みすぼらしい女がめしやで食い逃げをする。翌日その女が訪ねて来て、昨日の食事代を支払う金がないので「働かせてくれ」と戻って来た女、暫く面倒を見ることに。丁度、マスターの右手が腱鞘炎なのか痺れがきて包丁が握れなくなる。彼女が包丁を研ぐのを見て、2階へ住み込みで手伝ってもらうことに。その女、みちるを演じたのが多部未華子。

故郷の新潟、親不知で自分の店を出す夢を抱えて悪い男を頼って上京し、持っていたお金を持ち逃げされ、無一文になり飛び出して、マスターのめしやに辿り着いたというわけ。「とろろご飯」はそのみちるにとって未来の思い出のご飯なのだ。すり鉢で山芋をすり、だし汁を注ぎながらとろろ汁みたいにする。ご飯は、土鍋で一人前を七輪で炊くから、これは上手いわけだ。
そのみちるを探して、ヒモの男が現れ、金ずるのみちるを連れて帰ろうと必死だ。それにはさすがのマスターもひと肌ぬぐのだ。

被災地のボランティアのあけみを追いかけて、福島から出てきた健三(筒井道隆)。津波に奥さんがのまれて亡くなり、生きる希望を失い掛けていたところへ、ボランティアのあけみが東京から来て、カレーライスを炊き出してくれた。絶望の中で食べたカレーライス。それは、あけみにカレーライスの作り方をおしえたのがめしやのマスターであり、追いかけて来て“めしや”で同じカレーライスを食べて、よけいにあけみが恋しくなる。二人で手首に願い事をして付けた赤いミサンガ、これが切れたら願い事が叶うというのだが、優しくしてくれたあけみに恋焦げれて勝手にそう思っているだけ。
丁度東京であけみも上司と不倫をして別れ、ボランティアへでもいけば気が張れて自分の人生も変わるだろうと。ストーカー男の健三はあけみに夢中で、東京へ来て土方の日雇い仕事をしながらあけみへプロポーズをして、福島へ連れて帰ろうと考えていた。
しかし、彼女の方は、全然その気が無くて、しつこく付きまとわれて迷惑そう。諦めきれない男が、めしやで酒浸り。仲に入るマスターも、男女の恋には何故か感知しない。大の大人同士のことだもの、二人で解決するのが賢明だと思っての事だろう。


そして、卵のせナポリタンのお話では、これまでお手当を貰い生活をしてきたたまこ(高岡早紀)。そのパトロンが亡くなり、当てにしていた遺産も無く、めしやで知り合った若いはじめ(柄本時生)といきなり同棲し始めることに。彼女が注文するのが、鉄板の皿に卵焼きがのった上に、ナポリタンが乗せてありご馳走に見えますね。

それに、新橋の料亭の女将(余貴美子)も常連客の一人で、どうやらマスターに惚れている様子。一番のメニューは甘めの玉子焼きで、ゲイバーの小寿々やいろんな客が好んで注文する。もちろんみつるも上手に卵焼きを作ってくれる。
それに、あの骨壺はどうしたのかというと、半年もの間マスターが2階で御線香を手向けて弔ってやらねばと、だが、その後に一度は警察の一時預かりにしたものの、引き取りに行き近くのお寺へ供養してもらう、心優しいマスター。

ですが、その骨壺の中身は砂浜の砂で、どうして骨壺をこの店へ置き忘れていったのかが判らない。そのお骨の主が現れた。土下座をしてあやまる女に田中裕子が演じていて、この二人はよくTVで共演していたものだ。どうやら夫が愛人の元へ行き、亡くなって骨を引き取ったらしい。それでも、昔は愛した夫で、甲子園の土を骨壺に入れて一緒に埋葬してくれと頼まれたと言うのだ。しかし、よく半年もの間夫の骨壺をめしやに忘れて、まぁ引き取りに来たからいいものを、とんだお話だこれは。
ラストは、外は雪でハロウインの日だというので、みんな仮装してやって来る。ドラキュラや、ガイコツとか派手な格好して誰が誰だかすぐ分かるのが笑える。
そこへ、新橋の女将の店で修業中のみちるが、重箱に煮しめを作って持ってくる。みんな家族のように和気合い合いとして、マスターの気配りと腕前に客たちが毎晩のように通って来るのだ。やっぱり、TV版も映画版も、どちらも味わい深くて、ほっこりとしてくるから不思議だ。
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