パピとママ映画のblog

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人生はマラソンだ! ★★★

2014年08月05日 | アクション映画ーサ行
経営難の自動車修理工場を救うため、スポンサーを得てロッテルダム・マラソン完走に挑む中年男4人の奮闘を描くヒューマンコメディー。健康不安に息子との確執など、それぞれに問題を抱える登場人物たちが愛する家族や仲間のためゴールを目指す物語は、無名の監督、キャストながら本国オランダでヒットを記録した。スポーツとは無縁だったメタボオヤジたちが、フルマラソン完走に向け練習を重ねるうちに体が引き締まり、走る楽しさに目覚めていく様子は感動的。
あらすじ:ロッテルダムで自動車修理工場を経営するギーア(ステファン・ドゥ・ワレ)は、ある日経営不振による多額の税金滞納が発覚。ギーアと従業員のニコ(マルセル・ヘンセマ)、レオ(マルティン・ヴァン・ワールデンベルフ)、キース(フランク・ラメルス)らは税金を支払うため、「全員完走できたら税金を肩代わり。できなければ工場を譲る」とスポンサーを口説き、ロッテルダム・マラソン出場を決意する。フルマラソン完走を目指し、メタボ中年オヤジ四人は練習を開始するが……。

<感想>私も以前は、毎朝30分くらいジョギングをしていたのに、最近は億劫になり週に2回程度で気分次第で走る。本格的なマラソンには参加したことがないのだが、そのマラソン映画がオランダで大ヒットを記録した、コメディ・ドラマです。

経営する工場をかたに、中年男4人組が、ロッテルダム・マラソンに参加するお話で、演出の泥臭さ、野暮ったさに、いささか辟易しながら見ていたのだが、終盤で感動させられました。
そうだ、年寄りも頑張らなくちゃという、我が身に引き寄せて覚悟を新たに、毎日継続することに健康の秘訣があると確信しました。

おそらくこの映画は、基本的に不細工な作りであることが、私にとっての感動を生んだのだと思う。ヤボで下手くそな映画だと突き放す人もいるに違いありません。つまり、これはぶきっちょに謳いあげられた人生の応援歌だと思えば納得する。

実際に、80万人の群衆の中で撮られたというロッテルダム・マラソンに便乗して、ロケーションされるも、ランニングシーンは圧巻なのだが、その走りの迫力に欠けることといったらないのが残念。走りがあってこそ、走れなくなることに生きてくるはずなのだが、段取りとしてのイメージしかなかった。
ランナーたちの大群が通った後のコースは、給水後のコップなど大量のゴミで派手に飾られ、沿道の応援者たちは路上にテーブルセットを持ち出して、お茶を飲みながら待っているという、何ともお国柄の現れるマナー事情も楽しいですよね。
そこから一転して、経営者は不治の病に。手術中の工場長を病院で待つ間、「入院するならパジャマが必要ね」と、身の回りの品を買いに行く親戚の女。事の重大さを知らぬがゆえに、呑気なテンションが心に刺さります。
妻にも癌で余命半年と言ってないので、マラソンなんてその身体ではとんでもないことで、心臓麻痺で死んでしまうのがオチです。それが、後300mでゴールというところでギーアが倒れて、帰らぬ人となります。ラストで病院からギーアを車いすに乗せて、ゴールを一緒に決める感動シーンも何だか薄いですから。
メタボ親父がマラソンで、いくらトレーニングしたからといって、30キロまでは走れるという彼らが、残りを走り切れるのか。それが映画だから、完走するのですからね。
悪くはない題材なのだが、肝心の走るシーンが撮り切れていないのが致命的。要は動きをどう画面に収め、繋げていくかという感性が作り手に欠けているような気がした。
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