軌道エレベーター派

伝統ある「軌道エレベーター」の名の復権を目指すサイト(記事、画像の転載は出典を明記してください)

軌道エレベーターが登場するお話(17) CALL OF DUTY INFINITE WARFARE

2017-03-20 17:17:35 | 軌道エレベーターが登場するお話
 CALL OF DUTY INFINITE WARFARE
(コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア)
アクティビジョンほか(2016年)

 ゲームソフトを取り上げるのは初めてですね。本作はPlayStation 4、Xbox One、Microsoft Windows用シューティングゲームの人気シリーズの一作です。多くのFPS同様、ゲームモードが1人ぼっちでプレイする「キャンペーン」ど、ネットにつないで多人数が参加して楽しむ「マルチプレイ」の2モードに分かれます。昨今はマルチプレイが目玉ですが、ここでは軌道エレベーターについて述べるのが目的なので、シナリオが固定しているキャンペーンを基に紹介します。

あらすじ 人類が外惑星に進出した未来。国際宇宙同盟連合(UNSA)に大規模な攻撃を仕掛けてきた反体制過激派組織 "Settlement Defence Force"(SDF)に対し、UNSAの軍人ニック・レイエスは残存部隊を指揮して反撃を開始する。プレイヤー諸君、レイエスを操って太陽系の戦場を駆け巡り、SDFと闘え! (`д´)/

1. 本作に登場する軌道エレベーター
 本作では火星に軌道エレベーターが存在し、末端部が造船工廠になっていて、SDFの艦艇の供給元になっているようです。ここを破壊することで戦局を決定づけられる天王山であり、ゲームのラストステージの舞台となります。レイエスたちは火星で地上戦を闘った後に「軌道プラットフォーム」に侵入。造船所の破壊を試みます。末端の造船所を破壊したければ、ピラーを壊して破断させてしまえば手っ取り早いのですが、お約束なんでしょうね。
 火星の静止軌道高度は約1万7000km。火星の軌道エレベーターは色んなSFに登場していて、二大衛星の一つフォボスと交差(避ける)のもおなじみですが、本作の軌道エレベーターは全長など詳細が不明です。末端部の造船所も、低重力なのか無重量状態なのか描写ではよくわからず、静止軌道に位置する(つまり科学考証的には間違い)なのか、質量バランス的にも末端なのか不明です。本作の世界ではマクロスみたいな巨大な軍艦が大気圏内でも悠然と飛んでて、重力制御も空間跳躍もできているようなので、科学的検証に意味はなさそうです。これなら軌道エレベーター自体が不要な気もするんですが。



 昇降機は、遊園地のアトラクションみたいに肩や首を覆うバーで体を固定してギューンと上昇。ピラーはトラス構造になっており、エレベーターシャフト以外の役割は果たしていないようです。このためか、レイエスたちが乗ったエレベーターが上昇していく様子が数カットあるだけであっという間に終点に到着し、大した描写はありません。
 この後は、敵を掃討しながら造船所の中枢部に達して爆破を試みるという展開で、室内描写がほとんど。窓から宇宙を背景にした造船所の景色が見える程度で、普通の宇宙ステーションと似たようなもので、軌道エレベーターならではという描写は特にないです。
 ただ面白いのは、磁力なのか、何らかの人工的な引力をつくり出しているのかわかりませんが、場所によっては低重力が働く環境になっていて、レイエスたちは通路に足をつけて歩き、進んでいくと通路が真下に向かって直角に曲がるんですね。それでも普通に歩けるのでプレイしていて不思議な感覚を覚えるのですが、これはFPSの視点ならではの体験ですね。これも軌道エレベーターは関係ありませんが。

 余談ですが、火星近傍宙域で艦隊戦をプレイするステージがあり、波動砲みたいな母艦の主砲で敵艦を粉砕するという、ジェノサイドな戦法を展開するのですが、その敵艦群の背景に火星の軌道エレベーターが見えています。でも主砲を軌道エレベーターに撃っても壊れないんです。どんだけ頑丈なんだよ!
 

2. ストーリーについて
 キャンペーンモードのストーリーは、導入部を除き、一貫してニック・レイエスを主人公にして展開します。UNSAがジュネーブで観艦式みたいなことをやっている最中にSDFの攻撃を受け、主力艦隊が壊滅。その場での残存兵を統率して状況を収めたレイエス少佐は、地球圏に残された2艦のうち空母「リトリビューション」に乗り込みます。さらに艦内の最上級先任将校としてリトリビューションの指揮を任され、中佐に昇進。各惑星系を転戦してSDFを排除していきます。
 。。。ですがこのレイエス、勇猛果敢で優秀なのですが、責任感があるんだかないんだか。現場(惑星)に到着するたびに下艦して陸戦部隊の指揮まで執るわ、戦闘機で出撃してドッグファイトするわ、もう肉体労働者の鑑みたいな人物。彼の副官で、戦時特例で副艦長になるソルターも降下しちゃう。まあね、確かにレイエスはもともと特殊部隊を率いてたらしいし、最前線で闘わなきゃゲーム楽しめないのわかるけどさ、お前が死んだら誰がリトリビューションの指揮とるの? とツッコみたくなります。

 レイエスは仲間への愛が強く、体を張って部下たちを守り、どんな状況下でも全員を生きて連れて帰ることにこだわります。尊敬すべき気質ですが、指揮官としてはかなりの甘ちゃんです。決して仲間を見捨てないという、この無責任さと表裏一体の偏った責任感は、やがて彼を追い詰めます。仲間の一部を犠牲にしないと敗北する状況にあっても、任務のために非情になれず、結果としてより多くの犠牲を招いて戦局を不利にしていきます。
 彼が責任を自覚して一皮むけるのは終盤、敵に決定打を与えられないままリトリビューションが轟沈し、味方に多大な損害を出してからで、その後も「命の選択」を迫られる場面が何度も訪れて、指揮官として成長していきます。キャンペーンでは、この辺の成長を描いた物語も楽しめるようになっています。彼をサポートする人工知能E3N(イーサン)と共に戦場を戦い抜き、時には命を救われて友情が育まれていくのも見どころです。ただ、個人的にはラストはいただけませんでした。


3. FPSの好み話
 PS4のFPSゲームというと、この『コールオブデューティ』(以下COD)と『バトルフィールド』(以下BF)のシリーズが双璧らしいです。両方やってみたのですが、やはり好みがはっきり出ますね。
 どちらも自分が死亡すると、少し前の場面に戻ってやりなおすことになりますが、BFに比べてCODはリプレイの間隔が短く、個人的にはイマイチです。たとえばBFだと区切りが長くてマップも広いので、火炎放射器兵(私はジェイソンと呼んでいる)を始末するのに、背中の燃料タンクを狙撃したり、ワイヤートラップやダイナマイトを仕掛けた場所に誘い込んで爆殺したりと、多様な戦術を楽しめて、作戦を考える楽しみがあります。
 あと私はスナイプが好きなので、どうしてもロングレンジのスコープ付きの武器で闘いたい(そしてほかの兵たちの後ろに隠れ、自分だけ安全を確保して狙撃するのである)ので、スピード感重視の接近戦が多いCODは少々物足りなさも感じました。
 とはいえ、これはこれで楽しめるし、何より映像が美しくて、アニメでなく実写映画に匹敵するCGで軌道エレベーターを描いてくれたのはありがたいです。本当にゲーム映像の進化に驚かされた一作でした。

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君は『宇宙戦艦ヤマト2202』をみたか

2017-02-26 14:37:12 | その他の雑記
 観てきました、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章嚆矢編』。首長竜になって待ってましたよ! 早速感想書かずにいられません。まだご覧になってない方も多いでしょうから、重要なネタバレは避けつつ書きたいと思いますが、取り急ぎ言っておきます。「レンタルされるまで待とうかなあ?」とか思ってる方、今すぐ劇場で観ろ。

 今、
 すぐ、
 劇場で、
 観ろ! (`д´)/


 このシーンとかあの場面とか、観る前にネタバレされたら一生後悔するぞ。特に、これだけは言うのを許してほしい。アンドロメダの登場シーン、最高にカッコいいぞ! K田さん、O澤君、観ましたか!? 銀河英雄伝説のトールハンマーみたいで、もうヤマトよりこっちが主役艦でいいんじゃないかと。艦長はあいつか!

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1. 本作の印象
 私が足を運んだ新宿ピカデリーでは、前作『宇宙戦艦ヤマト2199』の上映時と同じように、巨大なヤマトの模型が展示してあるほか、前作全七章の公開時のポスターパネルも掲示されていました。パンフ買うだけで結構な行列で、もう少しで上映時間に間に合わないところだった。



 さて初作『宇宙戦艦ヤマト』の続編は、1978年公開の劇場作品『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』と同年放映のTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』がありますが、本作ではサブタイトルに「愛の戦士たち」が入っていることもあり、ここでは『さらば-』の方を「旧作」と呼ぶことにします。
 脚本・シリーズ構成は『亡国のイージス』や『機動戦士ガンダムUC』で人気の福井晴敏氏。これはふさわしい人選かも知れません。というのも、思ってたんだよ前から、古代進の暑苦しいまでの情熱や正義感って、バナージ・リンクスに通じるものがあると! というのは冗談ですが、非常に楽しみです。
 旧作はヤマトの帰還から2年後だったのが、本作では3年後。3年でも大した復興ぶりです。本作では森雪の私服のデザイン一つとっても(旧作ではたしか森英恵さんか誰かのデザインだったような?)、前作同様、要所要所はよくも悪くも旧作をなぞった感じで、この辺は旧作ファンの心をくすぐるのがお上手です。それでいて展開に出し惜しみがない。

2. 波動砲搭載艦の位置づけ
 その中で気になっていたのは、どういう理屈で波動砲を使えるようにするのか? という点でした。前作で「地球イスカンダル和親条約」締結に伴い、波動エネルギーの兵器転用が禁じられ、地球への帰り道、ヤマトは波動砲にダサい悪いフタ(砲口封印プラグ)を取り付けて航行していました。本作の制作決定後、早くから新造戦艦アンドロメダのデザインが発表されており、登場しなきゃファンは怒るし(テーマ曲の『アンドロメダ』もちゃんと流れるぞ!)、では条約との矛盾をどう回避するか? おおかた「拡散波動砲は条約の適用対象外」とかいうロジックなのだろうと推察していました。

 アンドロメダや主力戦艦など、旧作に登場する地球側の軍艦は「拡散波動砲」を搭載してます。ヤマトの波動砲が狙撃銃なら、こちらは散弾銃か榴弾砲みたいな感じで、対象をある程度広範囲で攻撃するという代物。旧作ではこのために、白色彗星の弱点である渦の中心を狙いづらかったのです。で、本作では実にあっさりと「ただの口約束」(芹沢談)ですと。「ありゃワシの誤診じゃった」に匹敵するこの無責任ふり。
 工エエェェ(´д`)ェェエエ工 本作では地球はガミラスと宥和政策を進めているのですが、これじゃイスカンダルを崇拝してるガミラスからも軽侮を買うだけじゃないか。やはり旧ヤマトクルーたちは不満を感じているようで、その点は以前予想した通りでした。

 これ以上のネタバレは避けておきます。代わりに、今回の記事では「死にそうな奴」に勝手にオッズをつけてみようと思います。旧作では主要人物がバタバタ死んでいくので、本作では果たしてどれだけの犠牲が出るか、その中に主要キャラの誰が含まれるのか? 非常に気になります。。。っていうか、ファンは期待してるんだよ、本作でも『さらば-』の方をベースにして主要キャラの多くが死傷し、多大な犠牲を払ってガトランティスを倒すドラマを! しかも福井晴敏先生といえば、「皆殺しの富野」こと富野由悠季監督の後継者と目される方ですぞ。
 てなわけで、次節はブックメーカー・軌道エレベーター派の予想オッズです。

3. メインキャラ死亡予想オッズ一覧
 計算法は p=設定年齢に比した前作におけるキャラの活躍度とし、 死亡率=p/1-p で算出しました(嘘)。カッコ内は前作での役職です。

<0.0>
加藤(旧姓・原田)真琴(衛生士)
 前作メインキャラの中で、この人は乗艦しないだろうからオッズ0です。ちなみに本作でちょこっと出てきますが気の毒な事情を抱えています。

<0.1>
桐生美影(技術科員)
 『星巡る方舟』ではヒロイン的立場を演じた桐生。制作者側としてもこの娘を死なすには若すぎるでしょう。十中八九死ぬであろう斉藤(後述)とも親しい以上、むしろ斃れていったヤマトの戦士たちの遺志を引き継ぐ側に立つ人物になるはずです。「生き残るべき未来の世代のクルー」という位置づけがふさわしいと思います。

柏木、大島など(元)ヤマトAKBの面々
 今回乗艦するのかわかりませんが、実在のモデルがいるので死なせるわけにもいかんでしょう。出てこない可能性の方が大きいですね。
 
<0.2>
相原義一(船務科通信長)
 相原は「いい人」すぎて死んでもインパクトがない。旧作でも生き残っている。岬に気があったみたいだけど、とても人柄はいいのにまったく問題にされず、視界に入ってすらいなかった。女性から見て「いい人いい人どうでもいい人」なのかなあ ( ;∀;) 何の話でしたかね?

<0.3>
沢村翔(戦術科航空隊員)
 桐生ほどではないけど、やはりこいつも「次世代」側の人だと思います。ただし桐生と微妙な仲なので、彼女の生存とバーターで死亡する可能性もアリ。
 
<0.5>
古代進と森雪(戦術長と船務長)
 言わずと知れた主人公とヒロイン。この2人が死ぬかどうかで、本作の評価は大きく分かれることになり、本当にどちらか予想がつかない。ですのでちょうどオッズ半分としました。ちなみに本作の古代は序盤から主人公ポジション全開です。

<0.6>
島大介(航海長)
 旧作では生き残っている(完結編で死ぬが)が、親友である古代との今生の別れは旧作の大きな見せ場でしたから、これも「古代の生存」のバーターとして、ドラマにインパクトを与えるためのシナリオ上の人身御供となる可能性もあるので0.6としました。

岬百合亜、西条未来、星名透、太田健二郎、北野哲也(船務科員、同、保安部員、航海科気象長、戦術科員)
 このあたりは、気の毒だけど「死なせやすい」位置づけのキャラで、死亡者の数稼ぎに使われそうなキャラと言えます。私は西条のファンなんですけどね。岬だけは前作でも重要度は1ランク上のポジションで、しかも若いですが、星名といい仲なので、どっちかが死ぬ可能性があると踏んで、0.6としました。この5人全体で生存率4割といった感じです。

<0.75>
加藤三郎(戦術科航空隊長)
 旧作では白色彗星都市から帰還する古代をヤマトに送り届ける使命を果たしたと同時に戦死。本作では子供できちゃったからね! これほどの死亡フラグもなかなかないです。なので死亡可能性かなり大。パンフレットの人物紹介からして、真琴とそろってすごく陰気そうで「生活に困窮した夫婦」という感じ。特に加藤の表情にはどよーんと暗い影がかかってて、死相にすら思える。このまま死ぬのは気の毒過ぎるので、せめて抱えている事情に何らかの光明を見出してからにしてほしいです。

山本玲、篠原弘樹(いずれも戦術科航空隊員)
 旧作の山本は男で、満身創痍のコスモタイガーIIで都市に特攻して死亡。本作では登場早々、颯爽と活躍しました。この二人も微妙な仲で、しかも航空隊員なので2人そろって仲睦まじく死亡するという展開がありそうな感じがします。制作サイドとしても、個人技で闘う航空隊員は艦橋クルーに比して戦死するシーンを描きやすいでしょう。

新見薫(技術科情報長)
 この人も死なせやすいキャラ。年代的にはヤマトクルーの中間層といったところだし、最近おばさんじみてきてる。過去にドリルミサイルを反転させたり、ガミロイド兵をハックしたりとハイテク面で活躍しているので、本作においても、いかにも白色彗星都市の防御を破る役を担いそうでもある。何よりも亡き古代守の恋人だったので、戦局に貢献した末に、守のことを思い出しながら彼のもとへ旅立つ、という死に際が似合いそうです。

<0.85>
真田志郎(技術長兼ヤマト副長)
 旧作では白色彗星都市の中枢に爆弾を仕掛けて自爆。古代に「弟のように思っていた」と告げて艦に戻させるあたり、泣けました。個人的にはそれ以上に、彼を守り抜いて死んだ斉藤に「隊長……ありがとう」つぶやくのが好きです。

佐渡酒造、徳川彦左衛門、山崎奨、榎本勇(艦医、機関長、機関科応急長、掌帆長)
 この方々はお歳を召してますのでねぇ……ストーリー上の立ち位置からして棺桶に片脚突っ込んでるというか、若者を差し置いて生き残る筋書きがつくりづらいのではないかと思われます。4人全員とは言いませんが、若者たちが倒れる以上、彼らも半分くらいは死なないと許されない立場とさえ言えましょう。なお旧作では、佐渡先生は攻撃で艦が振動した際に医療器具に挟まれて死亡、徳川機関長は交戦中に機関部が破損した中、死の直前までメンテを続けていました。

<0.9>
南部康雄(戦術科砲雷長)
 この男の命は、森雪とバーター関係にあるとのではないかと思われます。本作で彼女への思慕を断ち切ったのかどうかはわかりませんが、実は今でも密かに森を想っていて、彼女を救うという見せ場を残してこの男が死ぬだろう、と思います。こういう背景があるので、シナリオ上非常に「死なせ甲斐のある」人物。ただ愛されタイプで非常にキャラの立った奴なので、失うには惜しい人材です。できれば生き延びてほしい。

土方竜(国連宇宙軍空間防衛総隊司令官)
 この人死んでくれなきゃ古代がヤマトの艦長になれない。彼の遺志や薫陶を次いで、キャラたちが本気を出す、という材料になりうるので、演出上でも死ぬために登場する立ち位置と言っていいでしょう。旧作ではヤマトに救助されて艦長を引き受け、最後は彗星都市の弱点を看破して古代たちに伝えて逝きました。ですが今回は、前作からの役職上、軍での地位が高すぎてヤマトに乗艦できるような行動の自由がないのでは、とも感じます。ですので「もし乗ったら必ず戦死する」という意味で0.9。

<1.0>
斉藤始(空間騎兵隊月面方面軍副連隊長)
 この人は、本作で死ぬために『星巡る方舟』から登場したようなものなので死亡必須。旧作では真田さんが都市中枢部に爆弾を仕掛ける間彼を守り、爆弾のセット終了まで持ちこたえた直後に目を見開いたままバタン、と倒れて死亡。旧作最大の功労者と言ってもいい人物。このキャラを登場させたことで、『さらば』は名作へと飛翔したのだと言っていい。本作はまだ登場してませんが、活躍に期待してます。

<枠外1.0>
土門竜介と揚羽武
 いずれも『宇宙戦艦ヤマトIII』の死亡要員として登場した人物なのですが、前作で潜宙艦やフラーケンも登場したことだし、この2人が本作に出てきたら面白いなという希望も込めて。でも、本作でも死ぬために出てくるようなものなので、気の毒過ぎるかも。ちなみに土門は、太陽活動を正常化するハイドロジェンコスモ砲を修理しようとしたら攻撃を受け死亡、揚羽はコスモタイガーでボラー連邦のブラックホール砲に特攻して散っていきました。

芹沢虎雄(国連宇宙軍極東管区軍務局長。名前が「虎鉄」の資料もあり)
 こいつ、ヤマトにクーデターを起こさせた張本人なのに、軍の幹部として登場してました。何の責任も問われなかったのか!? とツッコみたくなりましたが、本作でも何か陰謀が動いている気配があり、今回もその首魁役を与えられているのだと思われます。となると、本作で始末される可能性あり、いや消されてしまえ、ということでオマケに添えておきました。

 てな感じで、好き勝手に書いてしまいましたが、私の浅薄な予想をいい意味で裏切ってくれるような、嬉しい驚きのある展開を期待しています。ヤマトの話題だと毎回長くなってしまって申し訳ありません。とにかくも第一章から楽しめました。何とエンディングはあの曲ですよ!
 ジュリーーーーー!(´Д` )
 次章の上映は6月。待ち遠しいですが、これから1年余りの間、再びヤマトを楽しむことができるのは幸せです。

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宇宙インフラ整備のための低コスト宇宙輸送技術の研究開発

2017-02-19 12:37:52 | 研究レビュー
宇宙インフラ整備のための低コスト宇宙輸送技術の研究開発
第23期学術の大型研究計画に関するマスタープラン
(マスタープラン2017)採択
(公募は2016年)


 軌道エレベーターの構築を念頭に置いた研究開発案「宇宙インフラ整備のための低コスト宇宙輸送技術の研究開発」が、日本学術会議の「第23期学術の大型研究計画に関するマスタープラン(マスタープラン2017)」に採択されました。多分野の連携により、段階を経て将来の軌道エレベーター実現を模索する内容となっています。この記事は宇宙エレベーター協会(JSEA)と内容の多くが重複しますが、今回はJSEAの立場では言いづらい毒舌も若干書き足して紹介しようと思います。

1. 概要
 最初に断っておきますと、計画を実施すると決定したわけではありません。日本科学学術会議は1949年設立の内閣府の諮問機関。マスタープランは、研究・実験プランを広く公募し、この中から同会議で重要性のあるものを選び、国への提言としてまとめるもので、平たく言えば「全国の研究者から寄せられた研究プランの中で、これらが有望・有益そうですよ」と国に示すといったところです。今回の「宇宙インフラ──」(以下「本案」と略記)は、カテゴライズされている「学術大型研究計画」(区分Ⅰ)だけでも163件ある公募プランの一つです。この中から予算を得て実施されるものもあり、当サイトで紹介した「STARS-C」も、2014年のマスタープランに採択され、その後予算化されたものの一つです。

 本案は、エネルギー問題解決の道筋をつけることを理由に、軌道エレベーターと、高高度の高速航空機の研究開発を同時並行で進め、両者を結びつけた、宇宙からエネルギー・資源を獲得する総合的な輸送システムの構築を提案しています。
 本案では、現代のエネルギー資源の枯渇は時間の問題であり、人類社会の持続的発展には、宇宙太陽光発電(SSPS)による地上への送電などの「エネルギー供給手段にイノベーションを興す必要がある」と強調。その手段の一つとして軌道エレベーターを挙げ、SSPS以外にも衛星の軌道投入や、月からの資源輸送などに利用できる、としています。
 ただし軌道エレベーター(この場合は静止軌道エレベーター)実現までには時間も手間もかかるため、それまでの間、小型の軌道エレベーターの開発を進め、サブオービタルフライトが可能な航空機などと組み合わせた「ハイブリッド宇宙エレベーター」なるものの開発を提案しています。
 本案で提唱しているハイブリッド宇宙エレベーターは、主に

 (1) 地上に接しない小型の軌道エレベーター
 (2) 有翼型往還機などのスペースプレーン
 (3) 成層圏プラットフォーム

 ──という三つの基本要素で構成されています。以下、この三要素について概説します。

2. 主な内容
 (1)の地上に接しない軌道エレベーターというのは、回帰周期が地球の自転と同期せず、地球周回軌道を周りながら、その両端の高度に相当する軌道の間で、接舷した質量を輸送するものです。
 (2)は、大気圏内と宇宙空間の両方を飛行する機能を持つ往還機で、ジェット/ロケット複合エンジンを搭載した有翼2段式往還機(TSTO)などを挙げています。知られているところではヴァージン・ギャラクティック社のスペースシップ1・2などもこの仲間と言え、さらに発展させて低軌道域まで到達させるといったところでしょうか。
 (3)は、高度数十kmにバルーンなり飛行船なりを係留し、地上との間でエレベーターシステムを設けるもの。




 本プランではミッションの一例として、(3)の成層圏プラットフォームに(2)の往還機を運んで、そこから自由落下による初期加速を経て低軌道域まで上昇させ、(3)の非同期型の軌道エレベーターに接舷、クライマーで荷物なり人なりを運ぶという案を図示しています。(3)は(2)の機能次第ではスルーすることも可能で、これに似た構想は、下図のように軌道エレベーターの研究史において20世紀のうちに打ち出されており、静止軌道エレベーターへの過渡期のシステムとしては、特に新しい発想ではありません。



 (1)は静岡大や日大などの「STARSプロジェクト」、大林組が打ち出した「宇宙エレベーター建設構想」、(2)の航空機は九州工大の有翼ロケット実験機計画をはじめ、各大学や宇宙航空う研究開発機構(JAXA)などの機関が研究中。(3)も静岡大や日大などが取り組んでおり、これらをミックスさせて一体的に進めていこうという主旨になっています。
 また本案では、社会科学的な考察の必要性もうたっていて、科学面以外での評価を行い、取り入れていくとしています。

 「実施計画表と将来計画」では、2050年をゴールとしていますが、これは大林組が掲げる「2050年」に気を遣った結果でしょう。また本案の予測シナリオの中には、「軌道エレベーターは実現しない」というシナリオもあり、その場合は、この回答にいきつくまでの技術の蓄積による低コスト手段確立やスピンアウトの意義を説いています。
 こうしたプランの推進に、軌道エレベーター関連で200億円、航空機500億円、社会科学に1000万円が必要であるとし、総額約700億円を見積もっています。

3. マスタープラン裏事情
 本案は、軌道エレベーター分野にとっては、すでに研究実績もあって権威や信頼性、歴史も持つ往還機分野などと組むことで、夢想じみて受け取られがちな軌道エレベーターの学問を、現実的な土俵に上げて評価してもらえるというメリットがあると言えるでしょう。実施されるかはまだわからないですが、総合プランとして国に訴えようという動きにまで至ったのは、素直に喜びたいところです。

 しかし色んな業界の方々が口をそろえて言っていたのですが、マスタープランは実質的に、科研費争奪戦コンペのプレゼンテーションであり、それはもうドロドロした政治的駆け引きの世界でもあるのだそうです。研究者は自分が打ち込む研究のお金が欲しい。政治家や官僚をその気にさせて予算をぶんどってくる内容であれば、そこに乗っかって研究費がもらえればありがたいわけです。そして軌道エレベーターは、まだ海のものとも山のものともわからない段階ですが、理論上は低コストなど売りが多いのは紛れもない事実ですし、話題性として「華」がある。

 本案においても、軌道エレベーター以外の分野は、その華のある話題を取り入れることで話題性や研究の伸び白を得られる、翻って軌道エレベーター分野にとっても、実績ある分野と組んでスクラム交渉ができる、といった相互利益を計算に入れた生存戦略なのだろう、と推察しています。「エネルギー問題解決のために低コストの宇宙輸送システムが必要」というのは、その合致した利益に目的を与える後付けの理屈であり、お上への説得材料としている。本案に目を通していると、そういう各方面への色んな配慮というか苦労のようなものを、ひしひしと感じるのです。代表提案者を元日本航空宇宙学会長の青木隆平氏としているところも、ネームバリューから当然といえば当然の選択ですが、影響力を考慮していると思われます。

 さらに邪推してしまうと、軌道エレベーター関連の見積もり額が航空機の半分以下というのは、一見軌道エレベーターを表看板として注目を集めるのに利用しつつ、本案で実験を握る主役は航空機分野の方なのではないか? という気もします。仮に予算が降りて研究が進めば、非常に巨大なシステムゆえに、現在は想像もしていない道の課題が山ほど出てくることは必定。大幅な修正の可能性もありますし、また各要素技術、特に軌道エレベーターに関しては実測値というものがほとんどないので、進捗次第で各分野の結合が失われることも十分出てくるでしょう。
 本案では、10年で「着手可能」なステージにまで持っていくことを目安としている一方で、「達成困難な場合には、その場合のシナリオにあった計画に見直す」と述べられています。それは次の10年につなげるための余白であると同時に、軌道エレベーター分野がお役御免になってほかの分野に占められていく含みを持たせてあるようにも見えるのは、うがちすぎでしょうか? しかしこれだけ多分野がかかわっていると、本案の枠組みの中での予算やヘゲモニーを巡って対立が生じ、使い捨てられるおそれをつい懸念してしまうところです。

4. 結び
 とはいえ、もとより軌道エレベーター分野は、あまりにも多岐にわたる技術を要する以上、全体としては大風呂敷で、少々強引にでも進めていかなければならないテーマであることは間違いありません。実測値などをほとんど持たない軌道エレベーター分野は、今は利用されてでも実績を上げていかなくてはなりません。どうも今までお行儀良すぎた一面もあって、もっとガツガツと野心的になる必要がある、とも思っていました。マスタープランにエントリーするというのは、そういう生存競争に参加することあり、他分野と共闘して生き延びていかなくてはいけない。
 その意味では大風呂敷上等でもあります。邪推が過ぎましたが、こうした実際に研究に取り組んでいる主体のタッグによる提案に結実したことを素直に喜び、実現につながることを祈るばかりです。今後マスタープラン関連では、6月に文部科学省の「ロードマップ2017」が策定される予定になっています。今後も行く末に注目していきたいと思います。
 マスタープラン2017については、日本学術会議のホームページで閲覧できます。

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「専門書・論文レビュー」を「研究レビュー」に変更しました

2017-02-19 12:33:17 | その他の雑記
 本日より、「専門書・論文レビュー」のコーナー名を「研究レビュー」に変更しました。近年、軌道エレベーター関連の動きが活発化したことで、専門書や論文だけでなく、静岡大などのSTARS-Cのように実働的なプロジェクトなども出てきたため、こうしたプロジェクトや多彩な発表事項なども含め、レビュー対象の幅を広げる必要が出てきたことが理由です。また、文体もこのコーナーだけは「ですます調」のない真面目な書き方だったのですが、その限りではないこととしました。
 これに伴い、昨年12月28日の「(解説)STARS-Cのミッションと意義」を「ニュース」からこのカテゴリーに変更しました。また、本日、「宇宙インフラ整備のための低コスト宇宙輸送技術の研究開発」をアップします。引き続き、よろしくお願いいたします。

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『君の名は。』の彗星の軌道

2017-02-05 20:21:48 | その他の雑記
 『君の名は。』世界的大ヒットで記録更新中だそうです。おめでとうございます。その『君の名は。』(以下「本作」)について、水を差すようでファンに怒られそうですが、初見以来気になっていたことについて少々ツッコんでみようと思います。
 もとより「お前らスマホ使ってて3年の時間差わからんの?」「入れ替わってる時に自宅に電話しようと思わないの?(もし電話したら、瀧は3年前の自分と話せるのだろうか)」「『直接会って相談しよう』って思わない? てか瀧君、三葉ちゃんと会ってみたくないの? やっぱ奥寺先輩がいいの?」とか、ツッコミどころは山ほどあるんですが、これはお約束というやつで、深く問うてはならないのでしょう。ていうか実際そう言われました、「面白くて3回観た」という御婦人に。
 それでも、宇宙好きとしてどうしても引っかかっていたのが、画面に一瞬映った「ティアマト彗星」の軌道。こんな図だったように記憶してます。

 

 地球の衛星!? ( ゚д゚)

 観たのが昨年9月だったし、チラっと観ただけだったので、細部の違いはご容赦下さい。それだけに当時は「見間違いかも知れない。そのうちレンタルされたら確認してみよう」などと思っていたのですが、年頭あいさつの原稿を書いていて思い出し、「自分の見間違いでなければ、ほかにも疑問に思った人たちがいるだろう」と思ってネットで検索してみました。そしたら出るわ出るわ、ツッコまれまくりでした。やっぱ見間違いじゃなかったんだ。

 公転周期1200年の衛星って、遠地点どこにあるんだ? そもそもこんな回帰周期の長い彗星はありえず、軌道は放物線になって二度と太陽系に帰ってこないのが普通です。でも精神が入れ替わるとか時間を超越するとか、オカルトじみた超常現象アリの世界なので、これもこういうものなんだ、と言われればそれで仕方ないです。

 でもせっかくですので、ここでは本作に好意的解釈をしてみたい。一つは、とりあえずティアマト彗星は、現実の彗星と同様に太陽を焦点の一つとして周回しており、軌道も閉じた長楕円だとして、今回の接近で地球と偶然ニアミスしたために地球の引力で軌道が捻じ曲げられてしまったという可能性。つまり彗星が地球スイングバイをした。本来は月軌道の内側まで入ってきても力が足りないだろうし、じゃ前回の1200年前の接近時はどうだったのか、回帰周期が狂っちゃうんじゃないの? など色々疑問が残りますが。
 今一つは、あえてうがった見方をして、事情があって意図的にこういう設定をしている可能性。実際、よく覚えてないのですが、軌道が正しく描かれたカットもあったみたいです。もしティアマト彗星が太陽を周回する天体だったとしたら、下の図2のように1200年ぶりに近日点に近づく時期に、地球は正反対の方に位置している可能性もあるわけで、必ずしも地球とニアミスするとは限らない。

 

 本作ではそのために、無理矢理地球の衛星にしてしまったのでしょうか? それなら必ず地球と接近しますので。実際問題、このくらい近くを通らないと分裂した破片が地球に落ちてくるなんて到底ありえそうにないですし。
 しかし原因不明の分裂(本編では「ロシュの限界の外側を通る」と言うセリフがあったので、潮汐による分裂ではない。てか地球の重力じゃ力が足りないでしょう)を起こして、毎回必ず彗星の破片が落ちてくる町に、たまたま精神が他人と入れ替わるという特殊能力を持つ一族が住んでるという偶然が重なるよりも、ヒロインの三葉の一族が彗星を引き寄せていると考える方が自然でしょうから、物理法則を捻じ曲げてティアマト彗星に地球の衛星軌道を周らせているのかも知れない、という解釈も充分可能ではないかと。
 迷惑な一族だなあ。人里離れた場所に引っ越せよと思わないでもない。こうなるとティアマト彗星ってのは、彗星ではなく、三葉の一族に粘着してるストーカーみたいな存在としか思えない。ひょっとしたら一族を根絶させるための兵器か何かかも。何か恨みでも買ったのだろうか。

 この辺の答えは、それこそDVDになった時に判明すると思います。制作者側が修正を加えていたらただのミスでしょうし、そうでなければ上記の理由であえてそういう設定にしているということなのでしょう。ちょっと意地悪いですが、これも余興の一つとして、レンタルを楽しみに待つことにします。

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