軌道エレベーター派

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軌道エレベーターが登場するお話 番外編 ACE COMBAT7 SP MISSIONS

2021-02-13 11:21:11 | 軌道エレベーターが登場するお話
ACE COMBAT7 SKIES UNKNOWN SP MISSIONS
(エースコンバット7 スカイズ・アンノウン スペシャルミッション)
バンダイナムコエンターテインメント(2019年)

あらすじ エルジア軍の新鋭潜水艦「アリコーン」が反乱・逃亡。艦長のマティアス・トーレスは「1000万人救済計画」の遂行を図る。計画を止めるため、トリガーらロングレンジ部隊が立ち向かう。大人気ゲームの追加ミッション。

 以前紹介したエースコンバット7の、キャンペーンモードの有料DLC追加ミッションです。当初ほかの作品を取り上げるつもりだったのですが、本編が全世界での売上が250万本を突破したというので記念に一筆。
 以後、この追加ミッションを「本作」、一般販売されている、20ミッションからなるキャンペーンモードを「本編」と呼びます。

1. 本作に登場する軌道エレベーター
 とにかくも大ヒットおめでとうございます。で、国際軌道エレベーター(ISEV)については本編紹介時に解説済みで、本作では地図上に出てくるくらいで直接登場はしません。すまんな (`·ω·´)

 代わりに内容の概説を。本作は、本編におけるミッション13と14の間にあたるサイドストーリーです。1ミッションずつでもDLしてプレイできますが、エルジア軍の超大型潜水艦アリコーンを敵とした3部作になっています。

 このアリコーン、エスコン名物のトンデモ超兵器で全長492m。世界最大のアクーラ(タイフーン)級原潜の3倍弱。マクロスクォーターよりでかい。バラストタンクの容積どのくらいあるんでしょうね。
 艦載機の発着機能を持つ、事実上の潜水空母であり、SLBMなどの戦略兵器は積んでない代わりに艦載機に巡航ミサイルを搭載できるほか、超大型レールキャノンで砲弾を戦略的距離で発射できます。ちなみに魚雷発射管がなくて潜航中は攻撃できないみたいです。設計思想が理解に苦しむ。

 この艦のトーレス艦長がイッちゃってる人で、潜水艦ごと反乱逃亡し、救済と称してオーシアの人民を大量虐殺しようとするのが全体のお話。各ミッションには、本編とは一味違うプレイ機能もあってかなり楽しめます。

2. プレイ感想
SPミッション1
 最初のミッションはアリコーンを出航前に拿捕する作戦。航空優勢を確保するのが目的で、本編のクライマックスよりも大規模な空戦が展開されます。
 このミッションで面白いのは、中盤で電子戦をサポートする支援機が戦場に到着し、マップ上に示される有効範囲内に入ると、ミサイルの命中精度とスピード、リロードなどあらゆる性能が格段に向上するんですわ。
 ミサイルというより砲弾を連射している感じで、撃てばすぐ当たるから、これが快感! しかし命中精度はわかるけど、電子的支援でミサイルのスピードが上がるというのは、どういう原理なんでしょう?
 ミッション後半では「ミミック隊」という、これまた殺人ジャンキーな姉弟パイロットが登場し翻弄されますが、撃墜はできず痛み分けで終わります。クリアしても作戦自体は失敗し、アリコーンは潜航・逃亡します。

SPミッション2
 2戦目は、港湾のイージスアショアや艦船の殲滅戦。好きなだけ補給ができるのが私好みでした。
 後半でミミック隊が再登場するのですが、こちらのレーダーや兵器誘導をジャミングする上に、2機がヒラヒラと舞う木の葉のような機動をするものだから、とにかく撃墜が困難です。個人的には、この2機との交戦中にかかるBGMが、本編とは一味違うノリのいい曲で良かったです。
 ミミック隊を倒すとクリア。アリコーン自体は登場しないものの、戦闘にいそしんでいる間にアリコーンに核搭載の余裕を与えてしまうことになります。

SPミッション3
 アリコーンを深海からあぶり出し、戦術核をオーシア首都に発射しようとするのを阻止して決着をつけるミッション。
 対艦攻撃やら対地爆撃やら弾道ミサイル撃墜やら、たった1機の戦闘機に何でもやらせるエスコンですが、今回は対潜哨戒機の仕事をさせられます。
 アリコーンが潜む海域の上を飛び回って磁気感知で位置を特定。アリコーンが水中から無人戦闘機を発艦させ、友軍の対潜哨戒機を攻撃するので、広い海域を行ったり来たりして守るのがけっこう大変です。
 探知後はアリコーンが浮上と潜航を繰り返し、潜航中は無人機と空戦、浮上したら対艦攻撃し、追い詰められたトーレス艦長は降伏するフリをするという海江田艦長みたいな真似をして時間を稼ぎ、レールキャノンを展開して核を発射しようとします。
 原理不明なバリアを回避しながら、キャノンの根元にある使徒みたいな「コア」(何なんこれ?)を艦前方から狙って破壊すると撃沈。ちなみにクリア後に調子こいてキャノンと艦体のすき間をくぐろうとすると、仰角を維持する力を失ったキャノンがパタンと下りてきて潰される危険があるのでご注意を。
 以上、全体として、本編を経験した人向けに難易度の高い内容になっていました。

余談
 ついでに触れておきたいのが、追加DLCとして購入できる架空の機体「ADF-11レーベン」。本編の最後に敵となる無人機と同じ機体なのですが、なんとファンネル、じゃなかったウェポンUAV(無人攻撃機)が使えるんですよ。
 主翼下にUAV2機を搭載しており、ロックオンするとピューンと飛んでいって、敵を追い回してレーザー攻撃してくれます。一定時間経過したら、突如パイロンに復活します。帰ってきたのか沸いて出たのかは不明。計24基分使えます。

 1回の攻撃力は大したことないのですが、少しずつ確実に敵にダメージを与え、数回使えばほぼ撃墜できます。上記のミミック隊や、本編の敵エースパイロット・ミハイのように、到底ついていけないアクロバティック飛行をする相手には持ってこいで、見事にくらいついてくれます。あとは見てるだけでいい。
 こうした敵の凄腕パイロットや無人機などは、ミサイルを撃っても避けまくり、こっちは撃たれたミサイルを回避するのに必死でストレスが溜まるのですが、この機体を使えば形勢逆転。あのミハイが回避運動に追われる様を見て積年の恨みを晴らすことができ、「いいザマだぜハハ! (`∀´)」と天狗になっちゃいます。
 ちなみに本体の機銃もレーザーで、バルカン砲より弾数も威力もあります。
どうだ、プレイしたくなったろうSS木君!

3. ストーリーについて
 本作では、情報分析官のデイヴィッド・ノースと対話式のAIが語り部になっているという、本編とは違うテイストに仕上がっていますが、本編同様、人物の動機づけなどはやや薄味。
 特に殺人狂トーレス艦長は、「1000万人だぞ!」などと大声で叫びまくるあたりがファナティック過ぎて逆に狂気に見えず、「このおじさん何言ってるのかわかんない」という感じで痛い人っぽくなってしまっているのが少々残念でした。メメントモリとでも言えばいいんでしょうか、彼は1000万人の虐殺が救済になるという自己の美学にこだわっていた節がありますが、狂気や美学にはもっと理知的な雰囲気を宿らせた方が雰囲気が出ると思うのです。
 幅広い年齢層がプレイを楽しめることが優先だから、こうした過剰演出は仕方ないかな、とも感じます。

 しかし、本編をACEモードまでやり尽くし、「もっとプレイしたい!」と飢餓感にさいなまれていた私としては、本作は天の恵みのようでありました。できることならさらに追加DLCミッションを作ってほしいものです、軌道エレベーターの登場もよろしく。バンダイナムコさん、期待しています!




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