うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評 ~ 「フリーズする脳」 思考が止まる、言葉に詰まる

2012年02月13日 | 書評
今週の書評です。

今週のチョイスはこちら・・・




「フリーズする脳  ~思考が止まる、言葉に詰まる」   築山 節 著


脳神経外科医である築山氏。

氏の著書を読むのは「脳が冴える15の習慣」に次いで、こちらで2冊目です。



「あれ、今何していたっけ・・・?」


まるでパソコンがフリーズしてしまうように、思考が停止してしまうことってありませんか・・・。
思い出したくても思い出せない!

以前は高齢者特有の症状であった「ボケ」の症状。
現代の若い人たちに非常に増えているのだそうです。


この著書は実際に著者の診察にやって来た、10人の30~40代(若い!)の患者の症例を紹介しながら、
その原因とそうならないための対策を紹介している。



10人の症例に共通する原因はおもに2つ。


1. パソコン、インターネットの普及のよる脳の機能退化。

~ 今まで「脳」が一生懸命行っていた「思い出す」「記憶する」「調べる」といった作業。
  これを全てコンピューターがやってくれるようになった。
 
 


2. 仕事が専門家、細分化されたことによる「無意識な時間」の増加。

~ 高度な仕事でも、慣れてくると「無意識」にこなせるようになる。
  ずーっと同じ環境で同じことをしていると、無意識にこなせることが増えていく。
  「無意識な状態」というのは、脳をあまり使っていない状態。



脳の「前頭葉」と言われる部分。
人はこの「前頭葉」で「思考、感情のコントロール」を行う。

目や耳などから入ってきた情報を整理し、組み立て、行動系統に命令する。

1.2のいずれのパターンも、この前頭葉の機能を使わないことにつながるのですね・・・。
当然使っていない機能は退化していく。

(レントゲン写真でも見事に委縮していました!)


便利な世の中になったのに、ヒトの脳が退化していく・・・・。
なんとも皮肉な話です。

他人事ではありませんね。
自分でも多少思い当たる節があるだけに怖い・・・。



意識的にこの「前頭葉」の機能を使っていくことが大切なのです。
自分の置かれている環境や、便利なツールとはうまく付き合っていかなくてはいけません。




「脳が冴える・・・」でも紹介されていた事柄が、ここでも紹介されていました。


・脳というのはもともと「怠ける」ようにできている。

 これは脳の原始的な機能である「感情系」がそれを求めるからで、その要求に従っていくと
 最後には何もしない人になってしまう。



・脳の「基礎回転数」という概念。

 忙しくあれこれマルチにこなしている人は、知らず知らずのうちに脳の機能をフル活用している。
 ハイスペックの自動車のエンジンの回転数と同じように、脳の「基礎回転数」は環境によってつくられる。



おかげさまで「毎日忙しく」過ごさせていただいております。
まさしく「貧乏暇なし」ってやつです。

でもこの自分の今の環境、本当に感謝しなくてはいけないのですねぇ。

忙しい状況を冷静に分析しながら、生活のバランスを取っていく。
そんな感じで生活できれば最高です。
 


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