うちの芝生が一番青い

Tokyoに暮らす、ごくごく平凡で標準的な【ナイスサーティーズ】の奮闘記。

書評  「生き方」  稲盛和夫 著

2009年11月30日 | 書評
早いもので、明日からは「坊主も走る」師走・・・、もう年末です。


実家が商売をやっていたこともあり、年末というとなんだかみょーに騒がしい気持ちになります。
今年はこんな経済状況なので「忙しい年末」といった感じではなさそうですが・・・。

でも気持ちだけはちゃんと前向きに、一年を締めくくりたいと思います。


本日は書評です。

今週のセレクトは  「生き方」 稲盛和夫 著




読書って凄いなぁ、って改めて思った。

稲盛和夫氏と言えば、京セラやKDDIを一代で築き上げた「カリスマ経営者」である。
しかも人格者としても有名で、かの松下幸之助氏や本田宗一郎氏と肩を並べるほどの人物だと思う。


当たり前のことだが、こんな凄い人に「会って、話を聞かせてもらう」なんてことは絶対に不可能である。
でもその著書を読めば、氏の哲学や思想を知ることができてしまうのである。

今回はアマゾン中古で買ったので、わずか500円程度のコストでだ。


なんだかすごーく「徳した気分」である。


この「生き方」という、題名である。背筋を伸ばして、姿勢正しく読ませていただいた。

本の内容としては・・・


「人間として、何が正しいのか・・・」

この原理原則を、ありとあらゆるシーンにおいて、判断の基準にしていきましょう。ということを説いている。

「嘘をつくな」「正直であれ」「人に迷惑をかけるな」「他人に親切にせよ」「謙虚たれ」

大切なのはそんな「当たり前のこと」ばかりなのだ。


中でも氏が一番強調しているのが、「利他の心」という概念。
すなわち 「してもらう」側から「してあげる」側の人間になりましょう、思いやりの心を持ちましょう。ということだ。

この心は成功を呼ぶ強い原動力になる、のだそうだ。


このほかにも氏の哲学には「仏教的」な考え方が沢山出てくる。
実際、会長職を引退した後「仏門」に入られているようだ。

この仏教的な哲学、ちょっと興味深いので勉強してみようかな・・・。


でも一代で巨大企業を2つも作り上げた稲盛氏。このようなソフトな話ばかりではない。

そのいくつかをご紹介・・・。


・人生や仕事の成果 = 「熱意」 × 「能力」 × 「考え方」 
 中でも「考え方」はどんな人間でも変えられる。しかも掛け算、可能性は無限なのである。


・「事を成したい」と思ったら、誰よりも強く、身が焦げるような熱意でもって「思い続けること」が大切。
 「こうありたい」と思うこと自体に、それを現実にする力が備わっている。


・出来ないことがあっても、それは「今の自分」が出来ないだけにすぎない。
 「未来の自分」には可能である、と未来進行形で考えることが大切である。


・「運命」は「宿命」ではない。善き思い、行いを重ねていけば「運命」は変えられる。


そして

私たちはいくつになっても「夢」を語り、明るい未来を描ける人間でありたい。
夢を描けない人間には「創造」や「成功」がもたらされることはないし、人間的な成長もない。

夢を描き、創意工夫を重ね、ひたむきに努力を重ねていくことを通じて、人格は磨かれていく。
「夢」や「思い」というのは人生のジャンプ台である・・・。



なんだか勇気が湧いてきたぞー!

こんな素晴らしい考え方に出会えるなんて・・・。

これからもこの読書習慣を続けていこうという「思い」が強くなりました。


稲盛さん、ありがとう。





ゆず 考

2009年11月29日 | 日記
毎年この時期には、いろんな方から「ゆず」を頂戴する。




この「ゆず」という果物、たたずまいが良い。

欧米産のオレンジやグレープフルーツのような「エラそうな」ところがない。


色も良い。淡くてかつ鮮やかな黄色は、まさしく日本の色、そして冬の色。


まだまだシーズン初めの貴重な品。(たくさん頂くようになると、そのありがたみも薄れてくるが・・・)

料理とゆず風呂で、その味と香り満喫しましょう。


まずは半分に切り、果汁を搾ります。



うーむ部屋中いい香り、この香りのよさ欧米人にはわかるまい・・・。


この果汁を使って作ったのがこの「ポン酢」と「味噌ヨーズ」




ポン酢は簡単、醤油+酢+みりん少々+この果汁   市販のものに比べて香りが違います。

味噌ヨーズは 田舎味噌+白みそ+みりん少々+だし少々+マヨネーズ+この果汁  生野菜につけて食べると最高



残った皮は刻んでネットに入れて「ゆず風呂」にします。




このネット、動かすたびにいい香りが「ふわっ」




日本人はいい文化をもっているなぁ。

身近にあるこんな小さな果物で、何気ない生活のワンシーンを豊かにしてしまう。


あぁ、日本人に生まれてよかったなぁ。

ちょっと大げさですが、中年にさしかかってきたこの頃。

こんなちょっとしたことに幸せを感じるのでございます。

  




ワカサギいただきました

2009年11月27日 | グルメ


日が暮れるのが早くなりました。

最近は営業回りしていても、あっという間に日が落ちてきます。

来週はもう12月だものなぁ・・・。



先日釣りの好きなお客さんに「ワカサギ」を沢山いただきました。



「もうそんな季節かぁ」、と感傷にふけりながらレッツ・クッキング。

定番はてんぷらですが、今回はイタリアン風に仕上げてみましょう。


フレッシュなワカサギに塩コショウした後、小麦粉をまぶします。



たっぷりのオリーブオイルを熱しながら、にんにくを低温で加熱し、

にんにくの風味をオイルに移します。


そこへ先ほどのワカサギを投入、揚げ焼きしていきます。


すべてのワカサギを調理したら次はソース作り。

残ったオイルにバルサミコビネガーとバターを加えて焦がさないように煮詰めて・・・

最後に乾燥保存のバジルを加えて出来上がり。




ほうれん草とキノコのスパゲッティも作って・・・



今日は贅沢に赤ワインとともに頂きます。




この近辺にはフレンチやイタリアンのレストランはほぼ皆無。

自分で作るしかないのです。


ワカサギは小さいので崩さないようにカリッと仕上げるのが少々難しかったです。

でも味はなかなかいい線いってましたよ。

というわけで☆5つ・・・。


冬の足音

2009年11月25日 | グルメ
空気がすっかり冷たくなってきました。




青空の色も冷たい空気で「透明な」青色です。




お客さんからこんな立派な「カブ」を頂戴した。

マイ・ファームでも挑戦した正護院大カブだが、こんなに大きくはならなかったなぁ。
何が違ったのだろう・・・。

カブと言えば漬物だが、ポトフが食べたくなったのでレッツ・クッキング。



今回はニンジン、シメジ、ベーコンとともに万能鍋「ルクルーゼ」にどぼんっ。




最後にオリーブオイル少々、香りづけに乾燥させたイタリアンパセリをトッピング。

このルクルーゼというフレンチ・プロダクト、煮込み料理にはその実力を存分に発揮します。




少々高い買い物ですがそれこそ「一生もの」、一生美味しいカレーやスープが食べられます。




それでは頂きましょう。

お味は・・・もちろん☆5つです。






書評  夢見通りの人々

2009年11月24日 | 書評
本日は書評です。

最近、ややこむづかしい本ばかり読んでいたので、少し息抜きを・・・。


「夢見通りの人々」 宮本輝 著





この小説はもう何度も読んでいる大好きな物語だ。

持っているはずなのに、あれれ、本棚をいくら探しても出てこない。

仕方なく「アマゾン中古」でオーダー。


宮本輝氏は「ヒューマン・ドラマ」を描かせたらピカイチである。

それも、ドタバタ喜劇などではない。

人間の「明るい部分」と「暗い部分」を絶妙に描く、れっきとした「純文学」のそれである。

また舞台が関西であることが多い。
生の「関西弁」のセリフの数々は、「西の人間」でなくとも、物語の中に引きずり込まれる魅力がある。


ストーリーは大阪の町なかの、さびれた商店街「夢見通り商店街」が舞台。

ここで詩集の自費出版を夢見ながら、冴えないサラリーマン生活を送る主人公「里見春太」。

そして商店街で、それぞれいろんな事情を抱えながら、自分たちの商いを営む商店主とその家族。

そんな彼らを描く、ショートストーリーをつないだ構成となっている。


この話に登場する人物は春太をはじめとして、みな「光り輝いて いない・・・」


やくざ出身の「肉屋」の兄弟、盗みグセのある息子に悩む「時計屋」の店主。

ドタバタ喧嘩の絶えない「中華屋」の夫婦、訳あって厚化粧の「スナック」のママ。

いつも偉そうな「パチンコ屋」の社長に、美少年好きのゲイの「カメラ屋」の店主などなど。


みんななんだか冴えない・・・。

でもいろんな悩みを抱えながら、一生懸命この狭い商店街で暮らしている。


そして物語は決してハッピーエンドでなく、人々の生活は物語が終わってもたいして変わらない。
でも読んだあとにとても「優しい気持ち」になるのはなぜだろう。

うーん、これぞ宮本輝、氏の描く世界の真髄である。

文句なしの☆5つ。

彼の作品を読んだことがない方には、間違いなくお勧めの「エントリー」作品。
是非お試しあれ。