仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

仁左衛門賞 / 2012年

2012年12月19日 | 映画サークル
ましけ映画サークルの12月例会&忘年会も終了し、いろいろあった平成24年もあっという間に過ぎ去ってしまいそうな勢いであるが、今年のましけ映画サークルの例会で取り上げたのは、
【1月/守○企画】『バトル・オブ・シリコンバレー(原題Pirates of Silicon Valley)』(1999年/マ-ティン・バ-ク監督/アメリカ)
【2月/仁左衛門企画】『ちゃんと伝える』(2009年/園子温監督)
【3月/忠○企画】『名探偵登場(原題MURDER BY DEATH)』(1976年/ロバート・ムーア監督/アメリカ)
【4月/仁左衛門企画】『花のあと』(2010年/中西健二監督/東映)
【5月/長○見企画】『アイアンマン2(原題Iron Man 2)』(2010年/ジョン・ファヴロー監督/アメリカ)
【6月/小○企画】『サマーウォーズ』(2009年/細田守監督)
【7月/守○企画】『スリーデイズ(原題The Next Three Days)』(2008年/ポール・ハギス監督/アメリカ)
【8月/忠○企画】『リミット(原題Buried)』(2010年/ロドリゴ・コルテス監督/スペイン)
【9月/守○企画】『グレート・ディベーター/栄光の教室(原題The Great Debaters)』(2007年/デンゼル·ワシントン監督)
【10月/小○企画】『ハート・ロッカー(原題The Hurt Locker)』(2009年/キャスリン・ビグロー監督)
【11月/仁左衛門企画】『神の左手悪魔の右手』(2006年/金子修介監督)
【12月/忠○企画】『フライング・コップ2(原題POLICE SQUAD!)』
といった作品だったが、記録を取り始めた平成17(2005)年以来、例会が中止にならなかったのはナント今年が初めてのことだったようで、何だかんだと忙しい人が多い割りには、結構日程調整をしながらみんなで映画を楽しんでいたんだなぁと嬉しくなる。
(^_^)
それでは、今年の12本の映画の中から恒例の"仁左衛門賞"を選定してみよう。
上記12作品の内まず候補作としてあげられるのは、『花のあと』『サマーウォーズ』『スリーデイズ(原題The Next Three Days)』、『リミット(原題Buried)』の4作品だろうか。
そして、その候補作の中から栄えある【ましけ映画サークル・仁左衛門賞/2012年】に選ばれたのは【8月/忠○企画】『リミット(原題Buried)』(2010年/ロドリゴ・コルテス監督/スペイン)
おめでとう!!ロドリゴ・コルテス監督!!今年はあなたに"灰色のモアイ像"を進呈しよう。
これからもハリウッドでは作れない作品を世界に提供していただきたい。
さて、マヤの長期暦ではあと数日で人類の歴史が終わってしまうらしいのだが、そんなことは無しにして、来年もいろいろなお勧め映画を皆で一緒に楽しみたいものである。
(^_^)

花のあと

2012年04月17日 | 映画サークル
本日(2012年4月17日)開催の"ましけ映画サークル"4月例会は急遽仁左衛門企画となり、『花のあと』(2010年/中西健二監督)を見た。
物語は、「江戸時代、海坂藩。寺井甚左衛門(國村隼)の長女・以登(北川景子)は幼い頃から父に剣術の手ほどきを受けている剣豪。ある時、羽賀道場を訪ね試合をしたものの道場一番の剣の使い手・江口孫四郎(宮尾俊太郎)は不在だった。城内で桜見物をした折、偶然孫四郎に声を掛けられた以登はその人柄に淡い想いを抱き、そしていつか試合をすることを約束する。父への願いが通じ、一度だけ孫四郎との手合わせが叶った以登だったが・・・」という内容。
"海坂藩"とくれば、それは藤沢周平原作の時代小説で、雪山や清流など美しい自然の風景が映える、しかし、何か物悲しい物語である。
その物悲しさを"桜の花"に例えているのがこの『花のあと』なのだが、以登の「惜しいこと」という台詞でそれを明確にさせている。
しかもそれは以登だけではなく、友人の津勢(佐藤めぐみ)、父・甚左衛門、孫四郎にもこの"残念さ"が共通する。
それが単にお涙頂戴のただただ悲しい物語にならなくて済んだのは、以登が50年前の恋の物語として語っているからだろう。
"爽やかさ"とは少し違う、時間が経ったゆえに生まれた過去に対する"潔さ"というものだろうか。
ただ、藤井勘解由(市川亀治郎)と加世(伊藤歩)は別の意味で"残念"な登場人物だったが、いかにもという感じのキャラクター設定が分り易過ぎた。
(^_^;)
寺井甚左衛門は何故、片桐才助(甲本雅裕)を選んだのかとも思ったが、最後にそのあたりのもやもやが解決される所はほっとする。
派手さはなく淡々と展開したが、良い物語だった。