仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

金融腐蝕列島 呪縛

2017年07月21日 | ムービー
『金融腐蝕列島 呪縛』(1999年/原田眞人監督)を見た。
物語は、「1997年。丸野証券の利益供与事件による総会屋・小田島敬太郎(若松武史)の逮捕により、300億円という不正融資疑惑が持ち上がった朝日中央銀行(ACB)本店に東京地検特捜部の強制捜索が入った。ACBの上層部は責任を回避しようとするばかりだったが、"ミドル4人組"と呼ばれる企画本部副部長の北野浩(役所広司)、石井卓也(矢島健一)、MOF担の片山昭雄(椎名桔平)、広報部副部長の松原秀樹(中村育二)らは新頭取に中山公平(根津甚八)常務を推した。また、銀行内に一条(もたいまさこ)ら弁護士を含めた真相調査委員会が結成され、ACBを闇社会や古い慣習などの"呪縛"から解き放ち、再生させようと奔走するのだが・・・」という内容。
大勢の報道陣を前にして頭取以下役員数人が並び、立ち上がって「大変申し訳ございません」と謝罪する。
現実社会においてでさえも、見慣れてしまった光景だ。
「頭の下げ方はプロですね」という記者の台詞があったが、ホント、ぴったりと揃っていて何だか笑えたのだった。
(^。^)
ホテルの一室にこもって様々な対策を練る役員たちが煮詰まって、遂に「若手の意見も聞いてみましょう」ということになり、北野らの話に耳を傾けてくれることになるのだが、彼らはそれほど若くないように見えた。
しかし、OBの佐々木英明(仲代達矢)がいまだに役員として名を連ねて人事を牛耳り、頭取といえど単なる首のすげ替えに過ぎないような体制内では充分すぎるほどに"若手"なのだろう。
(^_^;)
権力の座に居座り続けるOB、合併前の旧銀行の派閥争い、また、総会屋やその背後の暴力団など、ACBが断ち切らなければならない"呪縛"は数多く存在するようだったが、石井副部長は銃撃されたし、「駅のホームはまん中歩けよ」という台詞があったように、改革の道は前途多難の様子。
原作は、『呪縛 金融腐蝕列島2』(高杉良著)という小説で、実際に起きた第一勧業銀行総会屋利益供与事件などがモデルになっているのだそうだが、それだけにあまり"作り物"のようには見えなくて、面白い物語だった。

探偵はBARにいる

2011年10月01日 | ムービー
ユナイテッド・シネマ札幌で『探偵はBARにいる』(2011年/橋本一監督)を見た。
物語は、「ススキノのBAR"ケラー・オオハタ"を根城にする探偵(大泉洋)。事務所を持たず携帯電話も持たず、この店で酒を飲みながら依頼の電話を待っている。そんな探偵の元へ、コンドウキョウコと名乗る人物から"札幌経済法律事務所の弁護士・南(中村育二)に会い、去年の2月5日カトウはどこにいたかを聞いてほしい"との不思議な依頼を受けた。早速ベンチャー企業の社長を装い、南との接触を果たした探偵だったが・・・」という内容。
この物語の主人公は自分を"俺"と称していて、周囲の人達も皆、彼の名前を呼ばないものだから探偵の氏名は不詳のまま。
見ている途中、「あれ!?探偵は高田って名前だったかな!?」と思ったりもしたが、それは相棒(松田龍平)のほうの名前だった。
しかし、名前など分からなくても、物語は何の問題もなく進んでいくのだ。
(^_^)
原作は同名の小説(シリーズ第1作)『探偵はBARにいる』(東直己著)ではなく、シリーズ第2作目『バーにかかってきた電話』(同)なのだという。
読んだことは無いが10作以上も続くシリーズらしいので、映画の方も人気が出るかもしれない。
なかなかに面白い作品だった。