仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

リピーテッド

2018年04月21日 | ムービー
『リピーテッド(原題BEFORE I GO TO SLEEP)』(2014年/ローワン・ジョフィ監督/イギリス・アメリカ・フランス・スウェーデン)を見た。
物語は、「目が覚めると、隣には見知らぬ男性が寝ていた。ベッドから出てシャワールームに駆け込んだ女性は、壁に沢山貼られている二人の写真を見る。戻ると、夫のベン(コリン・ファース)と名乗るその男性が彼女に説明を始めた。"君の名前はクリスティーン・ルーカス(ニコール・キッドマン)といい、自動車事故の後遺症によって記憶障害を患っている。朝に目が覚めると前日までの記憶を何もかも失っているので、自分は誰なのか、何歳なのか、結婚していることなど、毎朝すべてを説明している。そうして10年以上暮らしている"というのだったが・・・」という内容。
ベンが出勤すると、ナッシュ(マーク・ストロング)と名乗る男性から電話がかかってくる。
彼女の主治医だというのだが、夫に内緒で治療をしているというのが怪しい。
しかも、病院までの送迎もナッシュの自家用車でしてくれるのだから、これはホント怪しい。。
医者がそんなことをするわけがない。
(^。^)
まったくもって謎の展開が続く。
怪しいのは、「愛してる」と言いながら暴力を振るう描写だ。
人間の本質として、やはりそれはあり得ないと思うのだ。
これは、『わたしが眠りにつく前に(原題Before I Go to Sleep)』(2011年/S・J・ワトソン)という世界的なベストセラーとなったミステリー小説が原作とのこと。
この作者の小説家としてのキャリアは、"小説の書き方講座"を受講したことから始まっているらしいのだが、最近は日本でも、数ヶ月間こういう講座に通った後に小説家デビューを果たすという人も多く現れてきているようで、第158回芥川賞(2018年1月16日発表)で『おらおらでひとりいぐも』が受賞作となった若竹千佐子氏もそのような講座に通った人のようだ。
埋もれている才能や未来の可能性というものには限りがなくて、何かをきっかけとして、突然、世の中に飛び出てくるのだろう。
(^_^)

マジック・イン・ムーンライト

2017年08月18日 | ムービー
『マジック・イン・ムーンライト(原題Magic in the Moonlight)』(2014年/ウディ・アレン監督/イギリス・アメリカ)を見た。
物語は、「1928年、ベルリン。中国人のウェイ・リン・スーと名乗って世界ツアーをしているマジシャン、スタンリー・クロフォード(コリン・ファース)の楽屋を友人のマジシャン、ハワード・バーカン(サイモン・マクバーニー)が訪ねてきた。コート・ダシュールにいるキャトリッジ一族がソフィ・ベイカー(エマ・ストーン)という霊能力者とその母親(マーシャ・ゲイ・ハーデン)に入り込まれ、長男のブライス(ハミッシュ・リンクレイター)がソフィに夢中になっていることを心配した姉キャロライン(エリカ・リーセン)と夫のジョージ(ジェレミー・シャモス)にペテンの暴露を頼まれたものの、自分では彼女のインチキを暴くことができなかったので、君にトリックを見破ってほしいというのだ。ハワードの依頼を引き受けたスタンリーは、婚約者のグレース(ジャッキー・ウィーヴァー)と一緒に休暇を楽しむはずだったのだが・・・」という内容。
イギリス人のスタンリーはとてつもない皮肉屋で、肉親であるおばのヴァネッサ(アイリーン・アトキンス)からは「もう少し温厚なら友達もできるのに」と言われるし、ハワードからは「もう少し皮肉を控えてくれ。ことがスムーズに運ぶから」と言われもするのだが、マッタク意に介することなく、辛辣な言葉が次から次に口から出てくる。
「この子は6歳の時、地元で一番優しい司祭様に"君だけは地獄行きだ"と言われたほどよ」というから、筋金入りだ。
(^。^)
このヴァネッサおばさんがナカナカ魅力的な人に描かれているのだが、「私たちは何も知らない。人間なんてちっぽけな存在なの。水を替える人を知らない金魚よ」という台詞には妙に納得してしまったのだった。
(^_^;)
また、スタンリーに「貧しく生まれついた者を非難してはいけない」という台詞があったのだが、似たような台詞が『華麗なるギャツビー』(1974年/ジャック・クレイトン監督)にもあった。
両作品に共通しているのは、"1920年代が舞台"ということなのだけれど、貧富の差が激しかっただろう1920年代の各国の社交界には、実際にそういう思想があったのだろうか。
いろいろ興味深く思えた作品だった。

モネ・ゲーム

2016年10月21日 | ムービー
『モネ・ゲーム(原題Gambit)』(2012年/マイケル・ホフマン監督/アメリカ・イギリス)を見た。
物語は、「イギリスで絵画のキュレーターをしているハリー・ディーン(コリン・ファース)は、メディア王であり美術品の収集家でもあるライオネル・シャバンダー(アラン・リックマン)のもとで働いていたが、彼の横柄さには長年不満を持っていた。いよいよ我慢の限界に達したハリーは、友人の退役軍人ネルソン少佐(トム・コートネイ)が描いたモネの贋作"積みわら・夕暮れ"をシャバンダーに買い取らせ、その代金1,100万ポンドを手に逃亡しようと企てた。シャバンダーに疑われないような作品にまつわるストーリーを考え、ネルソン少佐と共にアメリカに渡り、PJ・プズナウスキー(キャメロン・ディアス)を探し出した。計画通りに彼女を仲間に引き入れることに成功したハリーだったが・・・」という内容。
第二次世界大戦中、ナチスにより略奪されたその名画は、ゲーリング国家元帥の別荘に飾られていたのだが、別荘がパットン将軍率いる第1師団に襲撃された際に、隊長だったPJの祖父ブライアン・プズナウスキー軍曹の手に渡ったのだという。
その大戦以降の所有者がプズナウスキー家になったというのがハリーが作り上げたストーリーだったのだが、PJはテキサス州でのトレーラーハウス暮らし。
ハリーに代わって鑑定しようとしたマーティン・ザイデンベイバー(スタンリー・トゥッチ)の「70年近くもトレーラーハウスの壁に飾ってあったの?」というような台詞があったが、確かにそれは誰もが抱く疑問だろうし、不思議と何の劣化もないその絵を本物であるとはそう簡単には信用してもらえないだろう・・・。
(^_^;)
チケット代を負担してPJをイギリスまで呼び寄せたハリーだったが、予算にはあまり余裕がないようで、彼の自宅に寝泊まりさせようとするのが何ともショボい。
結局は彼女を高級なサヴォイホテルに宿泊させることになるものの、このホテル内でのドタバタ劇は意外と面白かった。
(^_^)
また、劇中で2016年11月8日にアメリカ大統領選挙を控えるドナルド・トランプ氏の名前が出てきて驚いたのだが、その名前は尊敬の対象としては使われていないようなのが笑えたのだった。