仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

インサイド・ルーウィン・デイヴィス

2018年09月28日 | ムービー
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(原題Inside Llewyn Davis)』(2013年/ジョエル・コーエンイーサン・コーエン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「1961年のニューヨーク。ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)は、歌はうまいがなかなか売れないフォーク歌手で、知人の家を泊まり歩く日々が続いていた。大学教授ミッチ・ゴーフェイン(イーサン・フィリップス)の家に泊めてもらった朝、ドアの隙間から飼い猫が外に出てしまい、オートロックの家の中に戻すことが出来なくなってしまった。仕方なく、猫を抱いて地下鉄に乗り、ジーン・バーキー(キャリー・マリガン)の家を訪ねたのだが、彼女は留守。非常口から中に入り、猫を置いて外出するルーウィンだったが・・・」という内容。
用事を済ませてジーンの家に戻ると、ドアを開けるなり「何よ、あの猫!?」と言われるルーウィン。
メモも残していかなかったものだから、ジーンは「私達に世話をさせる気?」とプンプン。
だが、彼女がご機嫌斜めなのには、別の理由があった。
"私達"と言ったのは、彼女には大好きなジム・バーキー(ジャスティン・ティンバーレイク)という男性がいるからなのだが、ジーンの妊娠はルーウィンとの間のことかもしれないからなのだった。
中絶手術の費用を負担すると言いながらも、ジムに金を貸してくれと言うルーウィン。
もう何だか最低な展開だ。
プロデューサーに呼ばれ、ジムとアル・コーディ(イーサン・フィリップス)との3人で急きょレコーディングし、ヒットと縁遠そうな楽曲だと思ったルーウィンは、印税収入よりその場での200ドルを選択したのだが、そのケネディを歌った曲がヒットしそうだと聞くエピソードは、つくづく見放されてしまっている皮肉屋の彼を象徴しているようにも思えた。
マイナスはマイナスを引き付け続けるのだろう。
これは、実在したフォーク歌手デイヴ・ヴァン・ロンクの自伝をヒントにして制作された作品とのことだが、どうにもやりきれないエピソードの連続。
第66回カンヌ国際映画祭(2013年5月19日)のコンペティション部門で上映され、審査員特別グランプリを受賞したらしく、それなりに高い評価を得ているようだが・・・。
んー・・・。

ステイ・フレンズ

2016年11月12日 | ムービー
『ステイ・フレンズ(原題Friends with Benefits)』(2011年/ウィル・グラック監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ニューヨーカーのジェイミー・レリス(ミラ・クニス)は、ヘッドハンティングのエージェント。次の仕事は、ロサンゼルスで活躍する敏腕アート・ディレクターのディラン・ハーパー(ジャスティン・ティンバーレイク)をスカウトすることだ。ニューヨークに招待されたディランは、彼女の説得により転職を決め、ニューヨークへと移り住む。互いに恋愛感情を持ち合わない2人は仲の良い友達関係になったのだが・・・」という内容。
ジョージ・クルーニーって、クールに生きたいアメリカ人の理想の姿なの!?」と聞きたくなるくらいに、会話に名前が出てくるのだが、本人は出演していない。
彼はクリント・イーストウッド同様(!?)、アメリカ人の誰もが知っているアメリカ人ということなのだろうか。
(^_^;)
ディランがGQに転職する際の契約書は1年契約らしかったが、1年というのは長期契約に属するらしい。
アメリカ人の労働契約というのは基本的にもっと短いものなのか!?
「長期契約を結ぶのは初めて!?」と聞くジェイミーに「携帯電話は2年契約で失敗した」と答えるディランの台詞は面白かった。
(^_^)
また、ここぞという時にまんまるな目で下から見上げるジェイミーに「子犬の目はよせ!!」と言うディラン。
「ばれたか」と答えるジェイミーだったが、彼女はやはりただものではない。
百戦錬磨という言葉が似合ってしまう女性のようだ。
あまりに調子よく振る舞っている、いつでもハイテンションの人間を見ていると腹が立ってくるが、ジェイミーはぎりぎりセーフのライン上といったところだろうか。
(^。^)
恋愛なし、感情なし、甘い言葉厳禁を条件にしたセックス・フレンドからスタートという、今までなかった感じのラブコメのような気がしたが、好景気で高揚している現在のアメリカのちょっとしたバブルの時代の作品なのだろうと思う。
おそらく数年以内にはこれを模した日本映画が作られるのではないだろうか。

TIME

2016年02月16日 | ムービー
『TIME(原題In Time)』(2011年/アンドリュー・ニコル監督/アメリカ)を見た。
物語は、「遺伝子操作技術が進んだ近未来。人間は25歳に達すると加齢が止まるようになっていた。しかし、時間=貨幣となった社会で、人々は時間(自分の命)を使ってあらゆる消費を賄い、左腕に光る余命のデジタル表示が「00:00:00」になる時、絶命してしまうようにもなっていた。貧困層は労働の対価として僅かな時間を受け取って苦しい生活を続け、富裕層はまるで永遠にも思えるような時間を所有して余裕ある生活を送っていた。貧困ゾーンで暮らすウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)は、酒場でマフィアに絡まれていた富裕ゾーンの男ヘンリー・ハミルトン(マット・ボマー)を助けたことで、人生に絶望していた彼から100年以上の時間をプレゼントされたのだが・・・」という内容。
"時間=貨幣"とはとても厳しい世界で、物価の上昇も激しく、ウィルの母レイチェル(オリヴィア・ワイルド)は時間が足りなくてバスに乗ることもできない。
また、富裕ゾーンや貧困ゾーンは"関所"ともいえる料金所で仕切られているために、実質的に自由な移動が不可能。
貧乏人は貧乏なまま一生を終えてしまうようだ。
残酷な運命を作り出す社会システムに挑戦しようとする主人公ウィルが、人質のはずの大富豪の娘シルヴィア・ワイス(アマンダ・サイフリッド)を連れ、時間監視局員レイモンド・レオン(キリアン・マーフィー)から逃亡を続ける様子が何ともスリリングで、"タイム・イズ・マネー"を地でいった荒唐無稽な世界が舞台ではあるものの、資本主義というものを強烈に表現している作品でもあり、これは面白い。
超おすすめだ。
(^_^)