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CYCODELIC WEBLOG

今思った事は主にTwitterで書いています。このブログは何か余程の事でなければ書いていません。

老人と甘柿

2010-11-17 | (かつての)日常のWeblog

また醜い写真です。紅葉はいまいちですが、柿は豊作の様子です。

うちの会社の隣にはよそ様の畑があります。そこはしかたなく何かをちょぼっとだけ生産しているようなどーでもいいような状態の畑です。生産物はもちろん売り物ではなくね、趣味でやっている家庭菜園のほうがマシなほど。定期的にコヤシ(うんこだよ!う・ん・こ)を山積みされ、春には強風で土埃が飛んでくる、我が社にとっては迷惑でしかない小さな畑ですが、そんなことで文句は言えません(笑)。土地主はおばあさん。でも足腰が悪くて農耕は一切せず、おばあさんの弟だと言うじいさんが一人たまにやってきて畑をいじっています。

そこに一本の小振りな(しかし古い)柿の木があります。それがこれ。
これが見事な甘柿なのです。今年は例年になくいっぱい実っていました。

甘柿には宿命があり、見たこともない人がかわるがわる現れ、そそくさと実を獲って行きます。だから道沿いの実が減っていきます。この写真でも手前の枝にはほとんど実が残っていません。一方、コソ泥の手が届かない奥の方や高い所の実は食べ切れないほど残っていまして、最終的には秋の野鳥たちの食事になるのです。なお、それも食べ尽くされてしまうと、その後で、他の渋柿の実が次の食事になります。真冬まで完熟実が残っているのは甘くない証拠です。おっと脱線しました。話を戻します。

ある日、おばあさあんがやってきて柿を少しもいでいました。(偶然そばにいいた私に)「いっぱい成っているので獲って下さいねぇぇ」(志村けん調)と言われました。このおばあさんは毎年そう言ってくれます。なので我が社では毎年の柿をもいで(といってもほんの数個ですが)頂戴しています。
そこでおばあさんの帰ったしばらく後、うちの工場長が子供に持って帰ろうと2~3個ばかりもごうとしていたところ、たまたまタイミング悪く畑にやってきたじいさんに「ゴルァ勝手に獲るな馬鹿野郎」(荒井注調)と怒られてしまいましたとさ。
おばあさんとじいさんはどうやら全然連携していないみたいです。

さらに後日ですが、近所の小学生2人(カツオと中島みたいなもん)が無断で柿を獲ろうとしていたところ、またもやじいさんに発見されてしまいました。厳重注意&セッキョーしたあげく、その場で4個もいでから2人に2個ずつ「ほらやるからもってけ」と手渡しし俺ってイイ人だなぁ顔をしてあげていました。
私が思うに子供の心理というのは、柿も一応欲しいんだけど成っている木から獲るのが楽しい行為なのではないかな、と思ったりしますが…ま、それがじいさんというものです。

ちなみに、姉弟とは似ないもので、おばあさんは愛想が良いのですが、じいさんはきわめて無口で、いつも目を合わさず、こっちから言わない限りすれちがっても挨拶すらしません。

じいさんは畑に入った誰か近所の飼い犬を、鎌を降り乱しながら追いかけ追い回し追い払っていたという伝説もあります。

じいさんは無愛想なのに、近くで数台の消防車の音が聞こえてきたら(偶然そばにいいた私に)とても嬉しそうに声を弾ませて「どっちだろうねえ?」とたずねてすっ飛んで観に行ったという伝説もあります。

 


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