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「世界はおそらく重大な変化を目撃することになるだろう」

2018-06-16 | 板門店宣言を次々実行

世紀を超えた朝米対決の清算

「世界は重大な変化を目撃することになる」

シンガポールのセント-サ島で行われた史上初の朝米首脳会談は「ディール(取引)」の場ではなく、長きにわたる朝米対決を清算するための対面となった。

金正恩委員長とトランプ大統領が共同声明に署名した。(朝鮮中央通信)

会談の後に発表された共同声明の核心は、朝米敵対関係の清算と新たな両国関係の樹立を首脳同士で合意したことにある。今後、米国が対決時代の偏見と慣行から抜け出し、関係改善のための信頼構築措置を講じれば、朝鮮も相応した措置をとることになる。

朝米首脳会談で議論された朝鮮半島非核化も同様だ。米国が懸念する朝鮮の核武力は朝米敵対関係の産物であり、米国が朝鮮敵視政策を放棄し核による脅威を終わらせることが、双方の安全を保障し朝鮮半島の非核化を推進するための先決条件となる。

新たな朝米関係樹立を目指す共同声明にトランプ大統領が署名したことは、金正恩委員長に対して第二次世界大戦後、米国の歴代政権下で続いてきた朝鮮への敵視と恐喝、圧殺策動に終止符を打つことを確約したことを意味する。

1945年8月、2発の原爆投下で日本の降伏を早めた米国は、朝鮮半島に残る日本軍の武装解除を口実に38度線を引いた。解放された朝鮮民族は、北と南に引き裂かれた。米国は48年に建国した朝鮮民主主義人民共和国を敵視し、50年に戦争が勃発。その悲劇によって分断が固定化された。米国は、北南の軍事的対立を煽り、親米独裁政権を通じて南を支配した。そして2010年代に入り、核をめぐる朝米対決が激化。第2次朝鮮戦争勃発の危機が高まった。

力の対決で自らが優位にあると考えている限り、米国が侵略と覇権の野望を捨てることはない。朝鮮が米国全土を射程内に収める大陸間弾道ロケットの試射に成功し、国家核武力完成を宣言(17年11月29日)してから半年余りが過ぎた時点で、初の朝米首脳会談が実現した。そして新たな朝米関係の樹立と朝鮮半島の平和体制構築に関する合意がなされた。

全世界に中継された朝米首脳会談には、70余年にわたる朝鮮人民の血のにじむ闘争の歴史がつながっている。世界最大の核保有国である米国と対峙しながら、朝鮮は自主・自立・自衛の路線を貫いてきた。過酷な制裁の中で人民は指導者を信じ、固く結束してあらゆる試練を乗り越えてきた。金正恩委員長は、金日成主席と金正日総書記の偉業を継承し、一心団結した人民に依拠して国家核武力を完成させた。

核戦争の危機をはらんだ朝米対決の終結と両国の新たな関係樹立を宣言したセント-サ会談は、第二次世界大戦後、外交的な波及効果が最も大きい首脳会談として記録されるだろう。ヤルタ会談(1945年ソ連、米国、英国)で議論された戦後の国際秩序は冷戦構造となり、マルタ会談(1989年ソ連、米国)でその終結が宣言されたというが、冷戦後も朝鮮半島の分断対決構造は続いた。国際舞台では「唯一の超大国」を自任する米国の横暴な振る舞いによって、多くの国々が自主権と生存権、発展権を踏みにじられてきた。

金正恩委員長とトランプ大統領が共同声明に署名し握手を交わしたことで、米国の朝鮮半島介入による東北アジアでの軍事的プレゼンスとそれに基づく世界支配戦略は瓦解し、新たな潮流が胎動した。分断と戦争の元凶が絶たれたことで、板門店宣言を発表した北南朝鮮は統一に向けさらに前進し、大国の利害関係が交差する東北アジアに新たな秩序が生まれるだろう。70余年にわたる激戦の末、米国の覇権秩序を崩し、米国の核戦争威嚇の完全除去を実現する朝鮮半島非核化の里程標を打ちたてた朝鮮は「核なき世界」、「世界の自主化」を掲げ、積極果敢な全方位外交を展開していくと予想される。

「世界はおそらく重大な変化を目撃することになるだろう」

共同声明に署名した金正恩委員長は自信に満ちた声で述べた。最高指導者の決意と覚悟が込められた言葉であった。

(金志永)



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