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2013年から行われてきた祖国での選考試合を通して、近年、毎年のように参加生徒・学生の中から朝鮮代表選手が輩出されてきた。

2018-07-08 | 在日朝鮮人スポーツ選手

“祖国のために走れる選手に”/

第6回在日朝鮮青年学生サッカー代表団

今年も祖国で選考試合

【平壌発=金淑美】朝鮮学校生徒らを対象にした、サッカーの年代別朝鮮代表を選出する選考試合が今年も平壌で行われた。選手育成を目的とした選考試合、強化訓練の実施は6回目。2018年アジア大会(8月、インドネシア)と2018アジアサッカー連盟(AFC)U19選手権大会に出場する代表選手選抜のための試合に、朝鮮大学校の学生5人と各地の朝鮮学校高級部2〜3年の生徒ら29人が臨んだ。

代表レベルを実感

在日朝鮮青年学生サッカー代表団(団長=李康弘・在日本朝鮮人サッカー協会理事長)は6月21〜30日までの滞在期間、U19、U16代表チームをはじめとする朝鮮のユースチームと対戦。実力的に格上の選手らを相手に、全6試合を戦い抜いた。

第6回在日朝鮮青年学生サッカー代表団

23日、U19代表チームとの初試合に臨んだ選手たち。前半11分、先制点を決めるもひっくり返され2−5で敗戦。25日、U16代表チームとの対戦でも先制点を挙げたが、圧倒的な攻撃力とスピードの前に苦戦を強いられ、最終的に1−4で負けを喫した。

初めて選考試合に挑んだ、大阪朝高3年の金明源さん(DF)は、「祖国での試合経験のある人から朝鮮代表について聞いてはいたが、実際に対戦してみて、まず想像以上に体が大きくて圧倒された。ずっと朝鮮代表に憧れてきたけど、今回、これまでの自分がどれほど甘かったかを思い知った」としながらも、「このチーム(朝鮮代表)の一員として世界の舞台に立ちたいという気持ちがいっそう強くなった。そのためにフィジカル、精神力などすべて朝鮮代表のレベルを意識しながら日々の練習に励んでいきたい」と決意を新たにしていた。

祖国の選手らとともにボールを懸命に追いかける

2013年から行われてきた祖国での選考試合を通して、近年、毎年のように参加生徒・学生の中から朝鮮代表選手が輩出されてきた。共和国旗を胸に国際舞台に立つ先輩たちをロールモデルとして、後輩たちがその後ろに続々と続いている。

朝鮮学校生徒らの技術面については、朝鮮のサッカー関係者の中でも定評がある。フェップルチームのコン・ウォンジン責任監督は、「ボールを止める、パス、シュートなど基礎動作の技術が全般的に高い。選考試合は互いに学び合う貴重な機会」と話す。同チームのリ・イルサン選手(FW)も「パスや切り返しが素早く、動作も非常に柔軟。攻撃も俊敏だった」と評価した。

 誰のためのサッカーなのか

28日、雨の中で行われた3試合目、フェップルチームと対戦し待望の白星(1−0)を手にし、4試合目、軽工業チームに2−3で惜敗したが実力差は試合ごとに縮まっていった。

コーチの話に聞き入る代表団メンバーたち

試合最終日の29日、月尾島チームとの試合は2−2で引き分けた。そして迎えた最終戦の相手は、初戦でぶつかったU19朝鮮代表。「体格や体力で負けても、気持ちでは負けたくない」と挑み、何度もゴールチャンスを生み出すも得点につながらず、連戦の疲れも重なって、0−5の惨敗に終わった。しかし選手らは、敗戦の中でも手応えを感じていた。

京都朝高3年の高昇辰さん(FW)は参加者の中で唯一、高校1年から3年連続で参加している。初戦で真っ先に先制点を決め、全6試合で2得点を挙げた。1、2年生の頃は「代表入り」を意識しすぎて周りが見えなくなっていたという昇辰さん。祖国での強化訓練や3年間の部活動をやってこられたのは、たくさんの人の支えがあったから。そこから、「自分のためではなく、チームの勝利のために努力する。そうすれば自ずと結果はついてくる」ということを学んだ。「今は自分のチームのため、行く行くは祖国(朝鮮代表)のために走りきれる選手になりたい」。

大きな声援を送ってくれた祖国の人々に感謝のあいさつをする代表団メンバーたち

チームのキャプテンを務めた東京中高3年の文炯晶さん(DF)は、「朝鮮のサッカーは縦に速いサッカー。少しでも気を緩めるとすぐに突破されてしまう。スピードもフィジカルも見習うことばかりだった」と振り返った。昨年12月、日本で行われたEAFF E-1サッカー選手権で朝鮮代表の活躍を直に見て「朝鮮人でよかった」と心からうれしく思ったという。「今回、平壌市民がたくさんの声援を送ってくれた。このような環境で思う存分サッカーができるのは祖国、同胞社会のサポートのおかげ。朝鮮代表のように、応援してくれる祖国の人々や同胞たちに喜びを与えられるようなサッカーをしたい」と語った。

 

成績

6月23日 対U19朝鮮代表:2−5

25日 対U16代表:1−4

28日 対フェップル:1−0/対軽工業:2−3

29日 対月尾島:2−2/対U19代表:0−5

(朝鮮新報)