ナンシー・Chang!のおいし~生活

湘南(住まい)&東京(勤務地)で見つけた、あんなこと、こんなこと。

明治生命館/071104

2008-01-11 22:14:26 | イベント

威風堂々

*はとバスルートを徒歩でゆく社会見学ツアー(その5)

・・・というわけで、やってきました明治生命館
皇居のお濠端に面した西面外観を見上げるだけで胸が高鳴ります! 優雅なアカンサスの葉飾りが柱頭を飾る、巨大なコリント式の列柱が立ち並ぶ様はまさに圧巻。

馬場先通り側に見える重厚な扉
一面に施された精緻な彫刻模様はアカンサスの花。ちなみにヘンテコな影は東京メトロのマーク。千代田線二重橋駅前駅3番出口は目と鼻の先なのだ。

土・日に館内の一部を一般公開していると耳にして以来、是非にと思い続けていた初訪問を果たしました。
11:00~17:00まで予約ナシで誰でも見学出来て、しかも無料! 昭和が誇る重要文化財をタダで拝めるわけですから、この機会を逃すテはありません。

受付は2F
日比谷通り側の西玄関から入りエレベーターで2Fの受付へ。
OTIS製の古めかしいこのエレベーターに乗れるだけでも感動(爆)。証明用のパスと豪華な折りたたみのパンフレットを渡されます。(以下順路に沿って画像をUPします)

2F受付脇の待合スペース

まず最初は資料/展示室。明治生命館の見どころ、70年の歴史、設計者をはじめ建設に携わった人たちのことなどについて紹介され、立体映像やデジタル閲覧サービスも見られます。
岡田信一郎の設計により1934(昭和9)年3月竣工。戦時中の金属回収、東京大空襲、終戦後のGHQ接収と、昭和の激動を乗り越えてきたこの建造物には隅々にまで「時代の記憶」が刻印されています。

回廊

吹き抜けの大空間1F店頭営業室を見下ろせます。

壁、柱、柱型に大理石が使われています。
細かな細工が美しい柱飾りと、コファリングとロゼットで華麗に演出された天井(お花の彫刻はやっぱりアカンサス)

会議室

アメリカ極東軍司令部時代、4ヶ国(米・英・中・ソ)代表による対日理事会の会場にもなった会議室の雰囲気は荘厳の一言に尽きます。

控室

チーク、ウォルナット材を多用し、落ち着いた雰囲気でまとめられています。

食堂
控え室で食事を受け取り、隣りの大食堂で食べていたようです。

大食堂


暖炉              食堂控え室

執務室

南側に5部屋並び(見学出来るのはこの部屋のみ)、全てパーケットフロア、木製パネルによる内装が施されています。

応接室
3つの部屋は全て趣が異なります。

最も見映えのする南西隅の部屋。

梁天井、スタッコ(凸凹白塗り)の壁、ドアを飾るステンドグラス、そして梶田恵デザインのヨーロピアンな家具。
繊細かつ美術工芸的なテーブルやチェアはスパニッシュ特有の力強さとは対照的で、逆に強烈な印象を残します。昭和初期の流行を取り入れた華やかな構成が素晴らしい。

真っ赤な布張りが目にも鮮やかなソファが円卓を囲む英国式(左)と、ルネサンス様式を取り入れた大人数用の応接室(右)

丁寧な細工の飾り窓(階段を下りて1Fへ)

店頭営業室
柱が林立する、館内でも特に荘厳な雰囲気の漂うこの空間は、なんと現役「お客様ご相談センター」なのです。

外観同様に古典主義の意匠で構成されていますが、数種類の大理石が用いられ、漆喰と石膏彫刻による精緻な細工の天井など、外部とはひと味違う趣を醸し出しています。
天井中央部はガラス屋根となっていて、トップライトから柔らかな光が降り注ぐ仕掛け。

初代明治生命館(設計はジョサイア・コンドル)の模型

もうとにかく大満足の館内ツアーでした!
あっという間に1時間経っていました。現在もこの歴史的価値のある建物の中で働いている人たちがいることを素晴らしいと思うし、とても羨ましくもあります。

ちなみにこの明治生命館、「昭和初期におけるオフィスビルの最高峰」と称えられているのは建物の外観や構成が優れているからだけではないのです。
昭和9年の建築にして、ダイナモメーター付自動点灯装置(外壁のライトアップに使用)やエアシューター(書類気送装置)、オーティス社のエレベーターを完備、館内の全ての時計が電気式など、当時の最先端をゆくインテリジェントビルでもあったわけですね。

私設郵便函
此方は現存する日本最古のプライベートポスト。
各階からの郵便物は、玄関(皇居側)の脇にある「私設郵便函」に集められます。メールでのやりとりが存在していない当時、郵便は重要な通信手段でした。どのオフィスビルの上層階にもメールシュート(郵便の差し出し口)があり、

そこから郵便を投げ込むと、1Fにある私設の郵便ポストに落っこちて、郵便局の人が楽にまとめて回収出来る仕組みです。
郵便の量は格段に減っているだろうけど、今もこんな装置が使用されているとはステキすぎる。

館内見学についてのお問い合わせは03-3283-9252までどぞ!
※前回の明治生命館は こちら

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