七曜工房みかん島

18年間の大三島暮らしに区切りをつけ、
滋賀大津湖西で、新たに木のクラフトと笛の工房
七曜工房を楽しみます

一人で建てる木組みの家~⑧建前その1:土台の取り付け

2007年01月12日 | 『一人で建てる木組みの家』
ようやく建前に入る。

柱を建てる前に土台を基礎のアンカーボルトに取り付ける。
土台はこの上に骨組が真直ぐに正確に組まれるためには、水平位置とレベルが正確でなければならない。
これから組み上げていく骨組の一番の基準になる部分であるため 納得のいくまで注意深く取り付ける。

1 アンカーボルトの穴あけ
 基礎のアンカーボルトを取り付けるのは、二通り程の施工法を本で見つけた。しかしどちらもどうも納得がいかない。そこで、我流にアレンジすることに。
アンカーボルトの位置を土台におとすのに、本ではどちらも現場合せ(基礎の上に土台をのせる)をしているが、我流では巻尺でアンカーボルト位置を測定し、その寸法を土台におとすことにした。芯からのずれ幅は芯から30㎜の逃げ墨から測定した。結果は良好。位置に大きなズレはなかった。
アンカーボルトの穴の直径をどれくらいにするのか。本には載っていない。アンカーボルトの直径が10.5mmだから、11~12mmが最良だろうが施工誤差を吸収できない。余裕がある方が施工が楽だが、限度があろう。六角ナットの対角長さが21mmであるところから18mmとすることにした。
アンカーボルトの働きは引き抜きに対するものであることからすれば 調整代に余裕をみてギリギリいっぱい大きい穴としても問題ないだろう。
 穴あけは土台の上面からすると書いてあるものもあるが、鉛直にはうまくあけられないので やはり下面からするのが妥当だろう。しっかりドリルを構えて真直ぐにあけたつもりでも、なかなかうまくあけられない。そこで、下面から3分の2、上面からも3分の2の深さであけることにすればうまく貫通できた。


土台のアンカーボルトの穴あけ (2006年4月16日)

2 土台の仮組み
 手あたり次第に土台を組み始めたら、途中で組めなくなってしまった。
 組み方には、順番があった。継手は受け側を先に据える。全体的には、外周から内側へ。少し考えればすぐにわかることだが、組み立てとなると気がはやって先に手が動いてしまう。
 ネコ土台は事前に釘で土台へ仮止めしておいた。3箇所ほどの小さなマチガイはあったがなんとか組み立ては完了した。
 
 一見キレイに収まっているように見えるので、このまま柱を組み上げていこうかとも思ったが、我慢我慢。
 基礎石積の天端レベルがうまくレベリングできていないので、土台で調整をする必要がある。丁張り杭は取り払ったので土台に棒切れをうちつけて杭替わりとし、バケツとホースでレベルを出してから水糸を張り、レベルの様子を見てみる。一番高いところと一番低いところで11mmの差。思ったより、誤差が大きい。5mmまでを許容誤差として、それ以上は修正することにした。

 修正はネコ土台を削って行う。伝統工法では、土台そのものを削って調整していることからすれば、ネコ土台を削ることはたやすいことだ。
 それでも、せっかく組み上がった土台をバラして取りはずす。
 
 取りはずしている様子を見て、妻が不審げに言う。

 「せっかく組み上がったのにまたはずすの?こんなこと、プロでもするの? 
 素人の私が見ても、おかしいと思うよ」 と。

 基礎のレベルがしっかり出ておれば、この作業は必要はないだろう。
 今は基礎天端のセルフレベリングという方法があるらしいが。
 何も好きでやっているわけじゃない。
 腹立たしいことを言ってくれるわ。


土台の仮組中 (2006年4月17日)


土台の取付中 (2006年4月18日)


ネコ土台の高さ微調整

3  土台の本組立
 80枚以上のネコ土台の内半数程を1~6mmカンナで削ってから元の土台は釘止めする。そしてもう一度土台を基礎へ据付ける。2回目はスムーズに据付けられた。アンカーボルトのナットは、きつく締めてから、少しゆるめておく。


土台の鎌継ぎと蟻枘


土台のアンカーボルト留め (2006年4月18日土台取付完成)

4 柱建てに向けて
  さあいよいよ明日から、本格的な建前の柱建てだ。
 滑車で吊り上げる練習をしておこうと、三又を立てようとしたが立てられない。
 6mの足場丸太3本の細い先端を3本まとめて縛りつけてから起こそうとしたが、どうにもこうにも起き上がってくれない。カメラの三脚を組み立てるような感覚で考えていたが、大マチガイ。
 物の大きさがヒューマンスケールを越えると考え方を変えねばならない。
さあ どうする。


 付記 妻ひろより
いよいよ、家の組み立てが始まった。
私は、長い間かかって刻んだ仕口同士が、果たしてちゃんと合うか、少し心配で、
しばらく様子を見ていた。
夫は、土台の凸凹になった仕口を、木槌でガンガンと叩き込みながら、
そして、「くそ、ちょっと、入らへん。削り直しや」と修正もしながら、
コツコツと土台を組み立てていた。

しかしだ。しかしだ。
 もう組み上がって次は・・・と、期待して見に行くと 

 夫は、せっかく木槌でガンガンと打ち込んで組み立てた土台を、
組み立てる時よりももっと苦労して、木槌でガンガンとはずしているではないか。

いくら木組みの家とはいえ、土台だけで
いったい、夫は、何をしているのだろう。

プレハブなら、たった1日で、木造軸組でも建前は3日程でできるというのに。
夫は、これから全部、つまり柱、梁、総てを組み立てては確認しては、
そしてまた、はずしていくつもりだろうか。
効率が悪すぎるではないか。 
この調子では、建前だけで、何ヶ月かかることやら。

聞くと、家の水平は、土台が一番大切だからと、説明された。
そういえば、住宅メーカーでパートをしていた頃、新居完成引渡時に、
床にビー玉を転がして、水平を確認する施主様がいると聞いたことがある。

よし、私も、完成したら、床にビー玉を転がしてみよう。
果たして、ビー玉は転がり落ちるか、とどまるか。

楽しみだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。