波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

加藤周一著「高原好日」

2011年02月10日 | 読書

Photo_4      加藤周一、1919-2008年。知の巨人。波風は、「夕陽妄語」 (朝日新聞)も熱心な読者でなかった。ママヨさんは楽しみだったらしい。


   「人生は短く、退屈するための時間は私にない」と思う人を、固そうなことを書く人だろうと勝手に考えていた。後で、後でと思っているうちに亡くなられた。機会あり、「高原好日-20世紀の思い出から-」)(ちくま文庫)手にする。人物随筆をこんなふうに…なんと読みやすく深いことか。


  この正月、「赤ままの花や蜻蛉の羽/女の毛の匂いについて歌うこと/詩はいつも弱い者の側にあるのだから…たとえ拙くとも 希望を歌い継ぐために/詩は書かれなければならない」(「詩の役割」辻井 喬:某新聞の新春特集から)で、中野重治が突然気になっていた。学校卒業以来だ。前出文庫本の扱われ方で少し落ち着いた。おやつや工作だけが関心ごとでない老後を波風は少し考えた。


イラストはネコヤナギ。枯れ落ちた生け花の中、最後に残った木の枝。何とも言えないかわいらしさ。修行をつめば、もっと自由に、のびのびと描けるようになれるかもしれない。 

コメント