「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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同一県内でも地域的な差が大きい放射能の危険、及び福島の学童疎開についての作業

2011-05-11 00:11:29 | 福島第一原発と放射能

  危険をご自身の地域でどう捉えるのかと言う事について、前の記事に書き込みが複数あったので、まず書いておきます。結局放射性物質の蓄積降下量でみるしかありません。県内全域が同じではありません。場所によって危険は変わります。それを前提に聞いてください。福島はもちろんの状態です。特に浜通りと中通りには、すさまじく汚染されている地域があります。チェルノブイリの避難地域のレベルを超えているところも少なくはありません。ご存知の通りです。続くのは茨城です。茨城のエリアでは、チェルノブイリの時の放射線管理地域に近くなっている場所は複数存在するとみています。ここまでがまず明確に問題があります。もちろん、県内全域ではなくて、地域ごとにより差があるということは前提です。県内でも場所によって様相が異なる事は前提です。

 またデータが不明ですが、ある程度は高いと類推されるのは宮城です。地理的に福島中通りと近く、一定の降下量がある山形。ホットスポット的に高いと見られる東京。ここまでの県には問題のある場所が点在していると思います。宮城、山形は理解できますが、実は同じレベルの危険が、都内にあるということは、いい加減に認識を深めてください。新宿の数値だけでわかります。東京にホットスポットがある理由は、風向き、東京湾からの風の吹き返し、高層ビルやアスファルトばかりという複数条件にもよると思います。

 他の関東全域は、降下量が明確にあります。他地域とは異なります。ご質問の山形はどのエリアかで差は大きいと類推します。神奈川は茅ヶ崎での降下物の採取は低いですが、東京に近い川崎、横浜の都市部は、都内と同様の注意が必要である事は、言うまでもありません。これ以上の細かい点について、お話がされたい場合は、連絡先明記の上、メールしてください。

 「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」http://kofdomofukushima.at.webry.info/という団体が現地で、立ち上がっていて、そこの中手聖一代表と話しました。子どもたちをこの原発事故から守るべきと言うことについては、同じ認識です。元々、反対運動をしていた人達でなく、今回の事故以降に、ネットを介して繋がっていったグループのようで、このブログ読者やFacebookグループと同じような感覚をお持ちでした。

 「とにかく、政府にまず言いたいのは、何か手をうつ姿勢を示して欲しいということです。福島では、みんな危機感をもっているし、それでも温度差がありますから。不安はつよいですから、まずはやるという姿勢を示す事が必要。何もやらないことに怒りを感じます。やると言う方向に転換するためには、20ミリシーベルトが壁なんです。」と話す中手さん。

 続けて、「ハッキリ言うと福島では混乱がおきている。街を帽子、マスク、長袖で可能な限り肌を出さずに動いている人の横を、何もしていない人が歩いている。街で違和感のある光景です。みんな、どこまで怖がればいいのか分からない。本来自立判断すべきなのに、皆できないのです。当局が、適正に、安全をより守るためにこうすると、アナウンスすればうけとめて従う感覚はありますよ。安全を守ると言う観点で話せば。20ミリシーベルトは考えられません。仮に10ミリあるいは5ミリというラインも考えるのは、安全を守る姿勢を政府がまず示す事で、受けいれていく可能性もないわけではないのです。特に防御を固めるのは悪くないと政府が言うべきでしょう。逃げた人が悪く言われる構図は本当におかしいです。むしろ、自主避難にも政府が支援があってもおかしくはないと思います」と。

 福島の自治体が、県レベルや市町村レベルの首長が積極的な反応がなかったことや、郡山の土壌についても、ある小学校の親たちが市長に詰め寄ったのが大きな流れになったという話も伺いました(土壌の入れ替えが、長期的なプラスマイナスの判断は別として)。

 こういう情勢の中で、具体案としての学童疎開というテーマを考えるべきだと言う見解も同じでした。どこで、線引きをするのかという問題はありますが、十五歳以下で十数万人に及ぶレベルではないのかと言う事です。福島は出生率も高いため、世帯数は半分よりは、多い程度かもしれません。十万を切る世帯数であれば、全国の自治体で引き受けることは可能だと思います。

 「結局、何らかの政治決断があれば望ましいし、無理ならシンドラーのリストではないが、助ける事のできる子どもたちだけでも助けたい」と言われます。どこまで、できるのかはわかりませんが、全国の実感のない人々がどうしたら、こういう心情を共感してくれるのかと思います。

 具体的には、このブログの読者の中で、各人が引き受けて、全国の自治体に対して、引き受け可能な子どもの人数や引き受け可能な学校を、お住みの都道府県内の自治体に問い合わせてもらう事はできないかと考えます。数十人の人が手分けしてやれば、数日で、できる作業です。そういう具体作業ができる方から、手をあげていただけないでしょうか。こういう具体作業が始まると状況が変化する場合があります。よろしくお願いします。メールでお申し出下さい。

 

 さて、3号機のプールは、映像公開で、がれきだらけの状況である事がわかりました。3号機は圧力容器の胴フランジの温度だけが、かなり下がっている事(5/9 23:00 → 5/10 5:00 RPV胴フランジ:300度 → 132.4度)をどう考えるのかが、よくわかりません。 圧力容器の底はある程度高いままで変化なし。ただし、まだものすごく高くはないです。給水ノズルはやはり高いです。数値が急速に上がったフランジが、急速に下がっている状況。フランジの二百度近いこうした温度の急速な変化も金属疲労をまねく可能性もあり、下がったらといって手放しかどうかはわかりません。いずれにしても不安定のままなので、3号機は当面警戒するしかないとみます。なお、書き込みにあるここ数日前の「爆発」はありません。

 菅直人氏はエネルギー計画を白紙に戻すと言い始めました。原子力政策の抜本的見直しができるかどうかが焦点ですが、どこまでの覚悟があるのかということです。これは引き続き注視していきます。また、工程表の見直しも言われ始めています。一ヶ月の節目で、工程表が見直しというワードが飛び交いはじめています。見直すなら、はじめから出来もしない事を言うなという気になります。東芝や日立のプランを、東電が書き直しただけの工程表を、政府が日程ありきですすめている状況なのだということは、認識したほうがよいと思います。

Facebookの公開グループ「福島第一原発を考えます」は大変活発な論議が始まっています。行動する皆さんの参加を期待します。

 

 Facebookにまず僕は、自分の名前「木下黄太」アルファベット表記が「Kinosita Kouta」という形で登録してありますが、さらに「福島第一原発を考えます」という公開グループを立ち上げました。http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863このブログの読者や福島第一原発の問題を考えていきたい皆さんが、議論し、交流し、何かを創り上げていく場になれば、ありがたいです。イベントの立ち上げ連絡も含めてです。行動する事につながればと思っています。公開グループの説明文です。

「We think about Fukushima Daiichi.

 東京電力の福島第一原発について、この事故の事態に直面し、考え、対話し、
さらに行動するためのグループです。」

 できる限りみなさんが、このFacebookにご登録していただき、この公開グループに参加していただければと思います。参加リクエストに気がついたらすぐに承認します。この問題に関心のある方は、勿論、全て承認いたしますので、よろしくお願いします。いろんな動きが出てくれば、ムーブメントになると思います。インターネットでのやりとりにとどまらず、今後、現実の動きとなることを想定しています。いろんなことを覚悟しながら、僕は動いているつもりです。このブログをよくご覧いただいている全ての皆さんに、是非入っていただき、何かのきっかけになればと切に願っています。尚、私への友達リクエストも構わないですが、先にこの公開グループへの参加リクエストを直接してからにしてください。そのほうが早いです。宜しくお願いします。 

もちろんこのブログに、グループで提示された重要情報は僕が転載したり、コメント欄で書き込みをうながしています。その点は継続しています。