「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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「浜岡原発停止」菅総理会見に喜ぶ官邸スタッフとの会話

2011-05-07 00:09:13 | 福島第一原発と放射能

 「ほら、どうですか。菅は今回はじめてまともな事をやった。これは大きなことだろう。支持率も十パーセントは上がるよ。この決断は大きい。世論は支持するだろう」と。官邸の菅に近いスタッフから僕にさっき電話がかかってきました。

 「これで、政権は持つよ。原発について積極的に判断しなかったのが、イメージが大きく変わる。諫早の時よりもインパクトが大きい。お前もこれは積極的に評価できるだろう」と、さらに言われました。震災以降はじめての上機嫌です。

 僕は「もちろん。浜岡は一時的でも、稼働中のものも含めて、止める判断をしたのは大きいですよ。彼は、震災と原発事故の処理ではじめて意味のあることをしたと思います」といいました。

 「お前が評価するなら、本物だな。よかったよ」

「ちょっとまって下さい。浜岡は止める事がプラスですが、これは遅すぎた話でしょ。本当はいちはやく止める話でしょ、最低、福島が起きた時点で。本当は全国の原発を、震災直後にすべて完全に停止しなきゃいけなかったでしょう。さらに、福島は今、継続していますよ。今、おきていることに明確な事が示していない中で、この話です。話の中身は望ましいですが、今、やるべきことは他にもある。これを放置して、浜岡だけ止めるのはおかしい。止めるのは型が似ていて問題もおきている敦賀なども含めて全体にならなければいけない。本質的におかしくないですか」と僕は言いました。

「ちょっと不安なのは、それはある。さあ福島がどういうことなのかだよな」

「三号機の原子炉のおととい位から温度が上がっていて、注水を増やしても下がらない。まだ150度前後ですけど、一ヶ月くらいは上がっていませんでしたからね」と僕は言います。

「つまり、福島の解決メドが難しい認識の中で、浜岡の話が出てくる構図がないとは言えないからな」と言われます。

「そこの政治判断はわかりませんが、イメージのアドバルーンをあげて一時、成功しても、福島で致命傷が別に出てくるとこわいものがありませんか?」と言います。

「確かに、福島の処理がどうなるのかで、また情勢は変わるだろうな」と言われて、話はだいたい終わりました。

 小佐古辞任の影響もあり、世論から子どもを見捨てたと言う非難を減らすために、浜岡停止を選択した可能性も考えられますし、今、まさに危機がある福島第一原発の状況からの考察もしているとは思います。浜岡を止めた事だけならば、普通に評価すべき事ですが、それだけで手放しで賛同できない感じはします。止めるなら本来は震災直後に全部止めるべきでしょうし。未来に起こるかもしれない危機を避ける努力は評価いたしますが、今、目前にある危機に目を瞑るスタンスは評価できません。僕の中では、事は単純ではない気がしています。菅直人にとっては、政権浮揚の感覚と、首都圏での危険でのバランス判断ともいえるでしょう。まあ、自民党政権では、できなかった事でしょうが。この点では、はじめて菅直人を評価できる事かもしれませんが、これが最初で最後にならないように、願いたいものです。

三号機の原子炉温度上昇はここ日続いていて、注水効果が出ていないとアナウンスされています。この上昇がどこまで進むのかは要注意と思います。二百度を超えることがあると本当に要注意です。

 1号機の水棺について僕の友人で、過去に福島第一原発に携わっていた技術者は「もしかしたら、格納容器を水で満たす事で、圧力容器から出てくる放射性物質をその水をくぐらせて、ウェットベント的な効果も狙っている気がする。格納容器にいくら水を入れても、圧力容器の中はなかなか冷えないと思う。八日にも高濃度放出と言う想定の情報が正しければ、この水棺作戦は冷却が主目的と言うよりも、ウェットベント効果が主目的で、冷却はサブではないのかなあ」と。ウエットベント的になるまでにどのくらいの時間、注水が必要なのかは、はっきりわからないため、断定はできませんが、ありうる見立てなので紹介します。格納容器が充たされるまでには二十日ほどかかるようですが。

 

 

Facebookの公開グループ「福島第一原発を考えます」は六日半で1400人程の皆さんが参加になりました。大変活発な論議が始まっています。

 Facebookにまず僕は、自分の名前「木下黄太」アルファベット表記が「Kinosita Kouta」という形で登録してありますが、さらに「福島第一原発を考えます」という公開グループを立ち上げました。http://www.facebook.com/home.php?sk=group_163985373661863このブログの読者や福島第一原発の問題を考えていきたい皆さんが、議論し、交流し、何かを創り上げていく場になれば、ありがたいです。イベントの立ち上げ連絡も含めてです。行動する事につながればと思っています。公開グループの説明文です。

「We think about Fukushima Daiichi.

 東京電力の福島第一原発について、この事故の事態に直面し、考え、対話し、
さらに行動するためのグループです。」

 できる限りみなさんが、このFacebookにご登録していただき、この公開グループに参加していただければと思います。参加リクエストに気がついたらすぐに承認します。この問題に関心のある方は、勿論、全て承認いたしますので、よろしくお願いします。いろんな動きが出てくれば、ムーブメントになると思います。インターネットでのやりとりにとどまらず、今後、現実の動きとなることを想定しています。いろんなことを覚悟しながら、僕は動いているつもりです。このブログをよくご覧いただいている全ての皆さんに、是非入っていただき、何かのきっかけになればと切に願っています。尚、私への友達リクエストも構わないですが、先にこの公開グループへの参加リクエストを直接してからにしてください。そのほうが早いです。宜しくお願いします。 

もちろんこのブログに、グループで提示された重要情報は僕が転載したり、コメント欄で書き込みをうながしています。その点は継続しています。