原文 読み下し文 日本語訳
渭城朝雨裛輕塵 渭城の朝雨 軽塵を裛し 渭城の朝の雨が道の埃を落ち着かせ
客舍青青柳色新 客舎 青青 柳色新たなり 旅館の柳も青々と生き返ったようだ
勸君更盡一杯酒 君に勧む 更に尽くせ一杯の酒 さあ君、もう一杯やりたまえ
西出陽關無故人 西のかた 陽関を出づれば故人無からん 西方の陽関を出てしまえばもう 酒を交わす友もいないだろう
これは高校の漢詩の授業で習ったもの。
酒の歌なのでてっきり李白かと思っていたら王維の作でした。大好きな歌で漢詩の教師がテープで原語バージョンを聞かせてくれたものです。
和歌、短歌と言われるものは57577になっていますが、これは五行歌会を主催されている草壁 焔太(くさかべ えんた)先生の研究により、聖徳太子の時代以降にこれらの漢詩が次々と日本に紹介されたために、漢詩の五言,七言の影響でこのリズムになったものであり、本来の大和歌は、
やまとは 国のまほろば たたなづく 青垣 山ごもれる やまとし うるわし
のように自由律だったことを統計学的に実証されて、基本的に「五行以外のルールなし」の五行歌を提唱され、世界中に広まって行ったわけです。
私は生まれが愛媛ですので、幼い頃から俳句には親しんでいました。俳句短歌はもちろん散文詩、稲垣足穂の「少年愛の美学」のような詩歌と論文と随筆のフュージョンのような文章などが大好きで、今フト思い出しましたが、小学生の時に七夕になると、「小説家になりたい」「学者になりたい」「総理大臣になりたい」などと短冊に書いたものです。
不思議な縁で草壁先生と出会い、現在「八王子五行歌会」の代表を務めています。大ベテランの かわせみ様が毎日投稿して頂き、私の駄作にもアドバイスを頂いています。ネット投稿は無料ですから、ぜひ「ロータス人づくり企画」から入って「八王子五行歌会」の掲示板に投稿してください。ペンネームでいいです。
面白いもので、疲れたときは投稿できないか、疲れた歌になるし、元気があるときは元気な歌になります。仕事が終わったら一首詠む、というのも心が落ち着いていいものですよ。