那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

言葉の力は心の力(つだみつぐ様の作品に触れて):八王子五行歌会より

2013年05月22日 | 八王子五行歌会

まず、西村修平さんの主権回復を目指す会からメルマガが届きました。

第5回名画鑑賞会『赤線地帯』(監督・溝口健二)

巨匠・溝口監督の名作です。ぜひ参加して下さい。詳しくはいつものように左下のブックマークを押して下さい。

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第一回目の八王子五行歌会のネット歌会が無事終わり、月刊「五行歌」の来月号にレポートが掲載されます。この歌会を通して様々な五行歌人と交流が生まれ、実に意義ある催しでした。今度は8月に行います。

歌会で二席になられたのが「つだみつぐ」様の次の歌です(HTML編集のシステム上の問題のため簡略表記します)。

剔出せよ/血にまみれ/晒し者になって/歌を/詠め                                 

私はこの歌を詠んで驚きました。普通の歌と違う強度、迫力に圧倒されたからです。私は長い間「実験映像」の批評を務めてきたので、技術批評、難解な作品の美学的分析・解釈などは慣れています。つだ様の歌はメタ五行歌(歌をテーマにした歌)ですが、ナイフを喉元に突きつけられたような尋常でない何かを感じました。 

そこで、つだ様の許可を得て、作品や小説などをこのブログに掲載することにしました。以下をお読み下さい

 五行歌を作り始めて2ヶ月の頃には五行歌についての連作を作りました。

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連作:歌を詠みたい

うまい
と言われるより
いいね
と言われる
歌を詠みたい

ふるえるこころを
そっと焼き付けて
二つの音叉のように
誰かのこころが
かすかにふるえだす

おんなじかなしみだね
おんなじさびしさだね
おんなじおもいだね
ねえ
生きていこうね

一人で抱えるには
つらすぎるから
分け合おうね
だからね
言葉にしてごらん

生きていくことは
まっすぐ生きていくことは
そんなに簡単じゃないから
ぜんぶひとりで
引き受けなくていいよ

わたしの言葉と
あなたの言葉は
違うけれど
違っているけれど
響き合うから

たった一人でいい
わたしの胸から
あなたの胸に
まっすぐに届く
そんな歌を詠みたい

書くことが
救いであるような
読むことが
癒しであるような
そんな歌を詠みたい

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こういう作品は巧拙を超えているので批評不可能です。歌の通りに心が共鳴するだけで解説は邪魔になります。そこでこのような作品が作れるようになった背景が知りたいと思い、承諾を頂いた上で、つだ様がネットに綴られた小説やエッセーの一部を読ませて頂きました。

このurlを開いてメンバー登録すれば読むことが出来ます。ぜひ全ての文章を読んでください。私も全て読んだら改めて感想を書きます。

http://novelist.jp/member.php?id=35940

この頃、まるで思春期のようにシンクロニシティ(共時性=意味のある偶然の一致)が頻繁に起きます。つだ様はフィクション仕立てで書かれていますが、非常に純粋で理想的な夢に向かって進まれた結果、挫折、離婚の末に決定的な孤独に陥り、自殺を決心したとき、奇跡的に聖女のような女性と出会われ、普通のフェミニズムではない本当の慈悲心からの武士道的なフェミニズムの立場に立たれた、と想像します。私も非常に似た体験をして、反フェミニズムの側に立ちました。しかし、つだ様の主張に共感します。私は自殺願望はゼロですが、危篤に二度なり臨死体験すれすれのところまで行きました。残念なことにまだ聖女と出会っていません。

私は子供たちと今後一生逢えなくても後悔はありません。私は父性愛が強すぎるところがあり(要するに子煩悩=親バカ)、愛情はもちろんお金も、借金までして、可能な限り注いで育てました。後悔するとしたら大事に育てすぎたことぐらいです。一方、妻に対しては非常にアンビバレントな気持ちです。

私のイデオロギーは「イデオロギーに固着しない」というものです。私はつだ様が私の元妻と暮したとして同じ思想を持てるかどうかが気になります。また、私がつだ様のような人柄になったとして心から彼女を愛せるか自問自答します。私が体験しなかったことをつだ様の文章で体験し、自分を練り上げていきたいと思います。

別のシンクロニシティもありました。前回のブログのテーマ、頭山満のエピソードを読んでいて、頭山翁は家人が粗相をしたぐらいで決して怒らなかった、男子が怒るのは天下国家の問題に関するときだけだ、と述べられたそうです。この逸話を読んで、俺はなんて度量の小さな人間だったんだろう、と元妻に詫びたい心が生まれました。ところが、次の歌の存在を知りました。

呉竹の雪の重みに
 耐えかねて
   いと懐かしき
    今朝の面影
     (頭山夫人)


(返句)
  呉竹の力試しや
    今朝の雪
     (頭山満翁)

呉竹会という名称はこの歌の遣り取りから生まれたそうです。偶然同郷の五行歌の歌人の方おられ、深い縁があったことを教えて頂きました。こんな賢夫人なら私だって叱りません。偉人の陰には必ず良妻賢母がいます。私は、これで反省することを反省しました。

私はこの夫婦の歌の応酬の状況を全く知りません。単純に合理的な推理で読む限り、呉竹(ハチク)は葉が繁る細い竹ですから大雪が降れば埋もれ、あるいは折れるかもしれません。その「耐えかねる」景色を見て、「いと懐かしき今朝の面影」「力試し」と感じるのですから、弱いものへの応援、あるいは子供や夫の病気や苦境を心配する奥様の優しい心と知性が読み取れます。

揺れる心が残っている、それが今現在の真実です。

いずれにせよ、つだ様の歌も文章も真心の結晶です。非常に平易な言葉で書かれていますが理路整然としています。私の持論ですが、論理性というのは頭の問題ではありません。真面目で真摯な心があれば、自然に論理的な思考が生まれます。逆に言えば誠実な心がないと論理的な思考が出来なくなります。一番いい例が「仏教の根幹をなす」と言われる縁起説は、「これが有ればあれが有る、これが無ければあれは無い」「これが生まれたらあれが生まれる、これが消えたらあれが消える」・・・たったこれだけのことです。これを理解するために膨大な理論書が生まれましたが、もとにあるのはごく当たり前の屈折しない純粋な心だけです。

人生は一生書生、人は皆教師、このことをつだ様との出会いで改めて知りました。

 



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2 コメント

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こんばんは (つだみつぐ)
2013-05-23 23:09:53
五行歌に過分なお言葉を頂き恐縮至極です。
でも、長文にかかわらずご紹介頂いたこと、とてもうれしく思います。

>つだ様が私の元妻と暮したとして同じ思想を持てるかどうかが気になります。

このこと、考えてみましたが、「ぜったい無理」と思います。
わたしの元妻は自己中心的な女性でした。もちろん、ここに書かれているあなたの元妻のような破壊的な行動などはなかったのですが。
それでも、あの頃のわたしは、「所詮人と人は勝つか負けるかだ」と考えていたような気がします。誰であれ、他者の幸福を真剣に考えたこともなかったと思います。
そして、生きること自体に何の意味も見いだせなくなっていました。
(離婚直後は解放感で元気に暮らしていましたが、しばらくしてうつになりました。)


さとみに出会わなければ、わたしはそうした世界観のまま、2009年4月に自死していました。いまのわたしがあるのは明らかにさとみのおかげです。


こうしてみると、けっきょく、人生って、誰と出会うか、じゃないでしょうか。それによって人生も変わるし、世界観も変わる。性格まで変わります。



そして、さとみに去られたいま、わたしは再びうつの中に沈み、自己嫌悪をもてあましています。
ただ、さとみと出会う前といまとで違う点があります。
いまでは、わたしは、人を信じられるし、受け入れられるのです。
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つだみつぐ様へ (那田尚史)
2013-05-24 00:43:54
久しぶりに真面目なコメントがありました。多くがカラカイばかりなので、途中からコメントは承認制にしました。にも関わらず、精神を病んだ人々からの中傷投稿が続いていたので本当に嬉しいです(いずれ全てオープンにします)

つだ様の文章を全部読んでいませんが、五行歌も文章も「さとみ」という女性との出会いをきっかけに「聖なる文学」に達したのだと思います。
 また、女性との出会いだけでなく、最初に抱かれた理想郷の志にしても、つだ様自身の稀有な能力から生まれたものと想像します。

私は経験則で、常識と逆に天才は「99%の才能と1%の努力」だと思っています。但し、ここでいう才能には向上心や志が含まれます。
 つだ様は、今は孤独でしょうが、年を重ねるに連れて恋も表現も友人も雪だるまのように大きくなり、水晶のように純化されていくことでしょう。

到底私の及ぶところではありません。私は7歳のときに「愛と死をみつめて」という映画を見て大泣きしたことがあります。つだ様の言葉に触れてその頃の気持ちが蘇ってきました。
 こういう出会いと感動が日常禅の姿と思い知った次第です。

コメント本当に有難うございました。文章を読み終えたら再びブログに感想を書かせていただきます。
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