普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

戦前派が見た慰安婦問題の真実

2007-08-02 11:35:49 | 韓国

米下院は30日の本会議で、慰安婦問題に関する対日非難決議案を採択されて、またこの問題が多くのブログに取り上げられている。

人気ブログランキング(政治)のトップ100で見る範囲では、流石にその大半の人達はこの問題を正しく捉えているようだ。

然し中には、米国の決議案や日本の一部マスコミの報道に惑わされた情報に基づく議論も散見するのは残念だ。

それで桜井、屋山さんの米紙への広告をベースに戦前派の私の慰安婦問題に対する見方を書く気になった。

書く前に念のため、Googleで「慰安婦」「桜井」で検索すると、朝日の社説に良く出るような、桜井さん達を阿呆呼ばわりするような書き込みばかりだ。

<<正しい桜井さん達の分析>>
桜井さんたちの主張を要約すると
1.日本軍が公娼制度を戦地に持ち込んだ。
2.慰安婦の募集に関して、日本軍によって強制的に売春を強要されたことはない。

3.軍の警告と、本人の意志に反して慰安婦にさせたブローカーが地域の警察により処罰された。

4.戦地では軍規違反があった。例えばインドネシアでは軍隊の一部がオランダ人女性の一団を強制的に拉致し「慰安所」で働かせていた。これが明るみにでるとただちに閉鎖され将校の責任者は処罰された。

5.マイク・ホンダが提案した下院決議や、日本軍による「慰安婦」の虐待に関する他の非難決議は、ほとんど元慰安婦の証言に基づいている。然し彼女らの初期の供述は、反日キャンペーンが始まってから、彼女らの証言は劇的に変化した。

6.慰安婦は、一般に報道されているような「sex slave」ではなかった。彼女らは当時世界中で当たり前だって公娼制度の下で働いていた。実際、多くの女性は佐官どころか将軍よりも遥かに高い収入を得ていた。

7.現地女性に対する暴力行為により処罰された兵隊(複数)の記録(複数)もある。
8.慰安婦となった女性の境遇には深い同情をする。
9.客観的に認知された事実によってのみ、正しい歴史認識が共有されるよう求める。

私が見てきたブログでの主張の基礎となる全ての情報は、個人が直接見聞きしたものではないのは戦後半世紀以上たった今ではいたしかたない事だ。

そう言う私も、終戦の年の4月に入隊し、戦地に出ないままその年の8月に復員した。
だから私も戦地の正確な実情を知らないが、戦中を過ごしたお蔭で乏しいけれども一応の判断する知識はある。

・戦前の公娼制度を普通の善良な会社員が利用していたことも見聞きしているので、現地でのトラブル防止に、それを戦地に持ち込んだ ことも理解出来る。

・当時日本で一般国民に直接関わっていた、そして一番威張っていた憲兵が、世の中で゜一番卑しいと思われていた女衒(ゼゲン)の仕事に直接関わるなどそのプライドから考えられないことも直ぐ判る。
・ブローカーがその仕事はかどらせるために、軍の名をちらつかせたかもしれないことは容易に想像できる。

・7.で書かれた現地女性に対する暴力行為もあっだろうことは、何人かの帰還した兵士からの雑談を聞いた範囲からも想像できる。
ただこの件に関しては、広告の内容の正確さをはっきりされる為には、違反行為のあった、幾つかの国名を挙げ、それに対する謝罪の言葉があった方が良かったと思うのだが。

然し戦前派の私から見ても、桜井さんたちの認識や分析はほぼ正しいと思うし、慰安婦問題に関しての批判する人もそれに反対する人も、(どこかのマスコミのように)自分の主張に都合の悪いことに眼をつぶらずに)、是非この情報を基礎にして考えて貰いたいと思う。

<<20万の慰安婦の問題>>
なお慰安婦20万人の件は桜井さん達の広告には触れてなかったようだが、私の拡がり過ぎた戦場と伸びきった補給路で、20万の人を確保するのは無理だと言うエントリーに対して、
「仮に一人平均6ヶ月継続して働くとすると,7年間で14回の人員の入れ替わりがあります。平均して常時15000人が働く計算です。
慰安所の数はおよそ1000程度とすると,一カ所あたり15人です。実際には女性は全員が同時に働けないのでおよそ規模は個室10室程度でありましょう。これは現実的な数字であろうと思います。」
と言うコメントが寄せられた。
  
つまり15,000人×7×2=210,000人投入されたと言う訳だ。
(コメント頂いた人の計算は慰安婦募集の困難さかから考えても上記数字は延べ人数で、21万の人が動員された訳ではない。)

コメント頂いてはいつも謝るのだが、これは私の例によっての言葉足らずの記述が招いた誤解だが、当時の日本軍で輸送用の車や馬を持っているのは、砲兵、工兵部隊などごく一部に限られ、大多数を占める歩兵部隊の移動は行軍と言う状態だった。

私が属していた隊の何回かの移動も全て汽車で近くの駅まで行き、後は任地まで数キロを歩かされたものだ。

輸送力については、マレーシャでの自転車部隊による機動作戦を大々的に報じられたのを今でも覚えている。

それほど貧弱な輸送力で、敵軍に囲まれた点と点を結ぶ伸びきった線上の補給路を命がけて徒歩で繫がねばならぬ事情から、いくら多く見積もっても数百箇所の大兵站地以外に慰安所を設置するのが不可能なこと。

まして輸送船への攻撃、陸地でのゲリラの攻撃など、慰安婦達に危険を置かさせてまでの年2回の交代など考えられぬ事だ。

今の平和や車社会に慣れている若い人がそんな事情に気がつかないまま、何処から出た話か判らぬ20万と言う数字を信じているのだ。

私は慰安婦問題についての批判はいくらしても良いが、是非正しい情報と当時の状況の的確な判断に基づいてやって貰いたいと思う。
多くのブログでも慰安婦問題の間違った情報の定着化を危惧していましたが、こんなことでは日本が可哀相だと思いませんか。

<<日本の情報戦略>>
なお桜井さん達へ余計な事をしてくれたと言う批判が多いが、主張する外交と慰安婦問題
でも書いたが、責められるべきは、そして日本として考えねばならぬのは、僅か一部の中国や韓国のロビーストからも負けた、日本の情報戦略の欠如だ。
今回の慰安婦非難決議を契機に、与野党協力して早急にその対策を立てられることを希望する。

何故なら平和日本での外国とのトラブル解決は外交に頼るしかないこと、そしてその外交の基本は正しく多くの情報と情報戦略によるしか無いのだから。

参照:
   カテゴリー →慰安婦

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2 コメント

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20万の慰安婦の問題 (blue3)
2007-08-03 05:02:50
 2000年9月に韓国人女性ら15人が「日本政府は約20万人の外国人女性を慰安婦として働かせ、戦争犯罪と人道に対する罪を犯した」と日本政府相手に米国で訴訟を起こしました。
 ワシントンの米連邦高裁は2005年6月28日この原告側の賠償請求を棄却しました。

 この20万説の出所は千田夏光著「従軍慰安婦」で挺身隊20万人なにがしのくだりで挺身隊が慰安婦の誤訳(操作?)が韓国の根拠になっているとか。

 また吉田清治の軍による強制連行も地元の済州新聞自体が否定しているのに「日本の情報戦略の欠如」は全く同感です。

 以前にも書きましたが宮沢訪韓時の政治取引、河野談話の継承から事態はあらぬ方向へ今後も引きずるでしょう。

 野党は政府・与党攻撃のために中国、韓国、マイク本田の味方ですから超党派の検証、主張がどこまで力になるか・・・

 石原信雄元官房副長官に期待するのは酷でしょうか。

 
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blue3へお礼 (無党派A)
2007-08-03 12:23:39
いつも大変貴重なアドバイスを頂きまして有り難うございます。
今後ともなお一層のご助言とサポートをお願い致します。
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