普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

残業、ノルマなして発展する未来工業

2011-01-21 17:23:08 | 企業経営

 昨夜のテレビ東京の「カンブリア宮殿」で電気設備資材中心の製造販売をする未来工業の創業者であり現在でも相談役を務める山田昭男さんが出演していました。
 未来工業はこの種の番組での常連ですが、改めてその経営手法に感心しましたので今日のテーマに取り上げてみました。
黒字は未来工業のやり方と山田さんの意見、青字は司会の村上龍さんの発言、緑字は私の注記です。)

同社の特徴
・他社と比較して同社でないものややり方
 タイムカード、残業、ノルマなどの上司からの指示、作業服
・他社では殆ど無いもの
 全員正社員、年間休日数140日、5年に一度の社員の海外旅行、高い従業員の平均収入(岐阜県のそれより170万円高い)、クラブ活動へチーム毎に1万円支給(村上:(下記のように)一日考えて仕事をしているストレスから解放することで良いアイディアが生れるのだろう) 、(くだらない提案も含めて)改善提案書1枚につき500円支給(良いものは別途報奨金支給)
・これらのことが出来る理由
 特定製品に特化した経営、便利だが使用量の少ない特殊製品なので他社が避けるニッチ製品の提供で客先の支持を得て、他の汎用の製品の売り上げを伸ばす。
 業界のトップシェアを占める
 山田:他社との差別化が経営の基本、大手企業のように横並びの物を作っていたら大手企業に勝てない。
 絶え間ない製品の改善と特許による技術の防衛(製品の性質上特別の学問がいらないので、作業員でも改善提案できる?)
 改善提案に依る生産性の向上
 ドケチと言われるほどの無駄の排除
 逆に社員のためへの思い切った投資→ (会社への忠誠心や意欲の向上→改善提案の増加)
・経営手法
 モットーは「常に考える」村上:どうして従業員に自主的に考えさせるのか?
 給料は会社や社長が払うのではない儲けの分け前を貰うのだだから考えるのは当然だ
 考える楽しさを味わせる(ように従業員に仕向けている。)
 村上:自分でやるのに充実感があるが、言われたことをやってもそれがない。
・山田語録
  上から命令がないから、従業員が考えるしかない
  農耕民族の遺伝子を持つ日本人である社員を信頼する 
  営業以外は総て従業員に任せる
  走った馬に人参を食わせるのは成果主義、人参を食わせて馬を走らせるべき(詰まり従業員を信頼した方が成果が上がると言う考え。)
  上に逆らう人が出世する→自分の信じる道を行け
  経営者は戦術でなく戦略を考えるべき。どう作りどう売るのが戦術、それを考えさせるのが戦略
 ワークライフバランスでなくライフワークバランス。ライフを優先して人生を楽しんだ方がより仕事に活きる
村上:他社が真似できない未来工業のやり方は?
山田:定時退社。経営者は客先が働いているのに、定時退社したり休日を取ると客先を逃がすのを恐れる。然し日本は儒教の国だから(信義を重んじて)そう言うことはしない。村上:それまでの未来工業の積み上げた実績と信用があるからではないか。
村上:他社にリコメンドしたいことは?
山田:残業廃止、これで給料が下がる分を上乗せすればよい。毎日一家揃っての夕食、一家円満、その従業員の満足が会社での業績に反映する。
[私の意見] (以下黒字
・高度成長期の資本力にもの言わせて、大量生産で安い製品を作り他を圧倒してきた経営手法から抜けきれない大企業の経営者
・横並びの経営手法。
 他社が作るから自社も真似して同じものを作る。学歴毎に新卒を採用から一定のルールでの昇進、それに邪魔になる中途採用を控える、 (成功した)品質管理の導入→自主管理・改善活動へ発展、不景気になれば一斉に非正規社員採用、成果主義の導入、法すれすれの残業の強制など従業員を大切にする日本企業の良い所を忘れた経営者
・経営の基本をしらないままトップに登り詰めた経営者
などなど。
 未来工業や経営者の山田さんのやり方は極端な所も在るようですが、考えさせられることも多いようです。
 なお未来工業のホームページに「学生の方々へのメッセ-ジ」を見つけましたので追記欄に載せて置きます。

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追記: 「学生の方々へのメッセ-ジ」
 当社は、社員の「やる木」を育てることを経営の柱にしています。
 一日の大半を過ごす会社で、何から何までがんじがらめでは、社員はそんな会社のために努力しようという気が起きてくるはずもありません。
 そのため、当社は、外せる制約はできるだけ外そうと考えています。
 具体的には、作業服は自由にしました。1日の労働時間は7時間15分、年間休日日数は約140日という日本有数の休みが多い会社です。
 ところで、個人の能力はまちまちです。個々人の能力に差があるのは仕方ないことですが、各々が持っている能力を100%発揮して、皆が力を合わせていくことが大切だと考えています。
 また、社員はプラス思考をすることが大切だと考えています。経験則もないのに「もしも?・・・」というマイナス思考は禁句です。先ず、実行し、その先で万一問題点が発生した時にはその改善をする考え方が、会社発展の基本線です。
 そして、何よりも、社員の自主性を尊重します。