普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

検察審査会・小沢さんの発言・裁判員制度

2010-09-08 11:18:00 | 菅内閣

 小沢さんが今回の代表選で「政治の金」の問題で度々検察審査会の批判じみた発言に首を捻っていましたが、産経新聞がその社説の「代表選と検察審 許されぬ審査員への恫喝で小沢さんの発言を批判しています。
・民主党代表選に出馬した小沢一郎前幹事長が、自らの関与が問われる政治資金規正法違反事件をめぐり、検察審査会のあり方に疑問をぶつけている。まな板の鯉が料理人にケチをつけているようなものだが、その鯉が最高権力者の座を争っているのだから、不適切きわまりない。
・小沢氏は検審について「強制力を持った捜査当局が調べて何もなかった。不起訴だということについて、一般の素人の人がそれをいいとか悪いとかいう今の検察審査会の仕組みが果たしていいのか」、「1年有余の強制捜査の中で実質的な不正、犯罪はなかったと結論を得ているので、審査会の皆さんもそのことをよく理解してくれると信じている」と語った。
・小沢氏は6日、検審制度の見直しは「今のところ考えていない」と民放番組で語り、制度がある以上は「結論に従うのは当然だ」と軌道修正を図ったようにみえる。だが、当初の発言が検審制度の趣旨を否定し、現在進行中の審査に対する圧力や恫喝につながっていることは間違いない。
・仮に強制起訴に至れば小沢氏は公判の場で存分に自らの主張を述べればよい。審査中の段階で審査員に予断を与えるようなことはあってはならない。


[国民に大きな負担を強いる裁判員制度]

 小沢さんの問題に関する検察審査会の報道で何時も連想するのは裁判員制度です。
 これについて何度か書きましたが、その本来の目的が
死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に関する事件(法2条1項1号)であること
・これに対して、元検事の郷原信郎さんが「国民に身近な司法を」という目的になっているが、身近にするにしても、例えば痴漢冤罪などの国民が関心を持ちやすい、身近な分野の事件を対象とするなどもう少しやりようがあるだろうに、職業裁判官でも判決をためらう死刑判断を行う刑事事件を対象とするのは、裁判員となる国民の精神的負担が大きくなってしまう。の批判 (以上 Wikipedia
より)
・しかも米国の陪審員制度と違って量刑を課すること
・国民の常識が活かせる民事裁判でないこと
などから容易に考えられるのは、裁判員に過大な精神的な負担を与えることで死刑制度賛成の世論の中で実質的に、実質的に死刑を無くそうとする提案の公明党、弁護士会の意向にそったものであることです。
参照:[処刑場公開と裁判員制度]

[検察審査会に大きな負担を強いる小沢さんの政治と金問題]
 今回の場合、検察審査会員に選ばれた人達も、今後予定されている死刑相当の刑事事件に立ち会う裁判員と同じような大きな心理的負担を抱えています。
・圧倒的な小沢さん批判の世論
・その議決が日本の国政を左右しかねないこと
・そしてその為か、議決が何度も遅れていること
・そして小沢さんの恫喝と言われる審査会批判
から彼らの心理的プレッシャーはどんなに大きいか容易に想像できます。
 私のようなお人好しなら、ずぶの素人の人に大きなプレッシャーを掛けるのは申し訳ないと代表選出場を辞退する所ですが、そんな人が政治家になれる訳はありません。
 私は提案者の思惑が見え見えの裁判員制度には反対ですが、世の常識がそのまま通用する検察審査会制度には賛成です。
 そしてその制度を活かすには、彼らを静かな場所に置いて、冷静な審議が出来るようにすることです。
 それにはマスコミも政治家も、司法関係者も大きな責任があると思います。
 その様な常識に対して、将来首相に成るかもしれない小沢発言はどうでしょう。

[野党根性から抜けきれない民主党の小沢さん]
 かっての自民党政権時代に「政治とカネ」の問題が起こった時に、このような司法制度や検察批判の発言は聞いたことがありません。 (マスコミ、特に朝日新聞への批判は聞いたことがありますが。)
 一方、民主党の公約を見ると一面は的を突いているところがありますが、全体的的に見ると全体的な調整が出来ていないため、欠陥がボロボロ出ています。 (公約実施とその為の財源確保、天下り禁止と公務員制度改革の公約実施しようとすると人件費が増え、やむを得ず天下りを出向と言い換えるなどなど。)
 詰まり野党としては通用するが政権与党では通用しない公約としか見えません。
 今回の小沢さんの発言や検察が小沢さんを不起訴にするまでの民主党からの検察批判など、まだ野党時代の癖が残っているようにしか見えませんが。
 民主党も小沢さんも野党根性と言うか習性か判りませんが、日本の為に早く万年野党から本格政権政党、そしてそれに相応しいリーダーに脱皮して貰いたいものです。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。

政治・人気ブログランキングへ