普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

後期高齢者医療制度について

2008-04-14 12:29:57 | 少子高齢化

 今、後期高齢者医療制度がマスコミを賑わせている。
 私も、家内もこの制度のお世話になっているので当事者の立場からこの問題を考えてみた。

後期高齢者の名前
  「次はお前だと言うよう後期高齢者」
 私たちの年代になれば、心のどこかに来るべき「死」について何時も存在している。
 そんな人が後期高齢者と言われて、どう思うかなど今の厚生労働省の現役の人達はなど考えもしなかったのだろう。

広報
 まず政府から「4月からスタート後期高齢者医療制度」のチラシが廻ってきた。
 それにはQあんどA式で説明があったがその中の問題の点を書いてみる。

一枚きりの保険証
Q.だれを対象とした制度ですか。
A.75歳以上の方全員が対象となり、全ての方に新たな保険証が交付されます。
とあり保険証の見本が出ていたが、新しいのは「従来と違って一枚きりだ」と言う記載が何も無かったので、可なりの人達が貰ってもたんなる見本と思って捨てたのに違いない。

保険料
Q.保険料はどのようにして決まるのですか。
A.所得に応じて決まります。
とあり保険料=均等割額+所得割額の公式が出ていたが、その説明が出でない。

 これを見て私もそうだったが、対象の老人はどうせ後からもう少し詳しいものが出るに違いないと思って読み捨てた人も多かったに違いない。

 それから暫くして、「後期高齢者医療重要書類在中」という書類が市から届いた。
その内容は
 「あなたは後期高齢者医療にの適用に該当しますので、被保険者証を交付します。
 詳しくは同封のパンフレットをご覧下さい」
とあり、別の一枚の紙に政府の広報誌と同様の保険者証が切り取り線付きで印刷されており、大切に保管して下さい言う注記がついていた。
 ここでも今までの保険証とは全く違うので注意くらいの説明があれば間違いが起こらなかったと思う。
 私がこれが新しい保険証だと気がついたのは、上記のパンフレットにの保険証の欄に、これまで医療機関に提示していた「保険証」と「老人保険医療受給者証」の2枚から、新しい保険証の1枚だけになります。と赤字で書いてあったのを見たからだ。

保険料
 保険料の算定の所で詳しい計算式と計算例がついていたが、基礎控除、公的年金等控除などの述語があり、元技術者の私でも正確な数字は推定によるしか無かった。
 これでは数字とは余り関係のない仕事をしていた老人など計算して見ようとも思いもしなかっただろう。
 今まで被扶養者だった家内の保険料の軽減処置の項目を読む内に今までの国民健康保険の被扶養者には該当しないと小さい字で書いてあるのにやっと気づいた有り様だ。

 それから暫くして家内と私に「後期高齢者医療保険仮徴収額通知書」(年金天引き)が届き、やっと二人の保険料が判ったが、これも説明は無いが「仮」とあるので、正式には未だ決まっていないのだろう。

 この結果、詰まり私と家内の保険料と、と今までの保険料を計算してみると、改正前と余り変わりのないことが判った。
 このことから、厚生労働省は私のような平均的な大企業の退職者を基準として新保険料の算式を作ったのかも知れないが、全ての業種の人達に適当であるか否かは疑問で、新保険料で論議を読んでいるのは当然だ。

 この保険料で無理の出てくる人達に対しては今後は当然修正されるべきだし、また厚労省も検討するだろうと思う。

[後期高齢者医療制度の問題点]
 フジテレビの「報道-2001」民主党の蓮舫さんが、後期高齢者医療制度問題の討議の中で、新保険証不着などの問題は単なる事務手続きなどのミスで、老人医療については他に大きな問題があると指摘していた。
 そして同番組では蓮舫さんの意見に併せたように、後期高齢者問題に続き、低賃金で働く人達の離職、人員不足の問題を特集していた。

 私は老人中心のボランティア団体で、多くの人達が Windows、Word, Excelなどのマニュアルも見もしないまま、人に教えて貰いながら、いつの間にか何となくパソコンを扱って仕事をこなして来たのを見てきた。
 後期高齢者医療制度も全く同じで、多くの年寄りが広報など殆ど見ずにいつのまにか慣れて来るし不都合な点は修正されて来ると思うので、マスコミが年寄りの命が危ないと言わんばかりの大事になることはないと思う。

それより問題なのはつぎのような余り論議されない問題の解決だ。

[老人医療、介護の基本的な問題]
老人医療、介護予算の増加

 平成19年度一般会計歳出歳入の内訳(予算)を見ると、社会補償費と、国債費がそれぞれ全体の歳出の約25%を占め、併せると全体の50%を占めていることだ。
 詰まりこれらは絶対必要だが、少なくとも前向きの予算ではないことだ。
 これでは日本が前向きの財政支出を進めて、歳入の増加を図り、将来団塊の世代の人達の老人医療や介護費用の増加に対応出来ないことだ。

老人の健康増進による医療費の削減
 医療費の削減で直ぐ考えつくのは、老人の健康増進や、体力の維持、さらに進んでは老人の労働力の活用だ。
 さらに簡単なのは喫煙者への保険料増額だが、何故か日本では全く論議されない。
 その代わり、老人の健康問題では中年の人達へのメタボリック・シンドロームの弊害などの啓発活動が進められている。

 これは私のブログの中高年の方へ(設備と人体の健康)で、私の専門だった設備管理の経験から定年以後の健康を護るためには現役ばりばりの中年時代からの健康管理が必要だと書いたのと同じ主旨だ。

少子化問題の解決
 保険制度の基本は昔は若い人達がその収入で、家の年寄りを扶養または仕送りなで高齢者の生活を支え、その医療費を支出したきたのを、社会構造の変化に伴い、年金、健康保険、老人介護を国家ではに進めようと言うのだそうだ。
 然し、高齢者を支えるべき少子化問題の解決は遅々として進まないか、停滞状況だ。
 このままの人口構成が進めば、前に書いたように団塊の世代が老人医療の対象になる頃は完全に頭でっかちになってしまう。
 このままでは日本の健康保険、老人介護の体制は破綻することが眼に見えている。

旗を振れない政府
 然し、国家としてこれを進めるのは昔の軍国主義のトラウマから政府が旗を振れずに、唯国民の意識の改革を待つしかない。
 健康管理の問題で言えば、彼らは企業や官庁では中心的存在だ。
 それで彼らに仕事ばかり考えずに、自分自身の身体のことを考えろと言っても、彼らの自発的な意識の変更に期待するしかない。

 若い人達は、結婚も出産も自分の都合で決めるそうだ。
 そして世の中もそれを当然と思う人達と、仕方がないと思う人達が多いようだ。
 そんな若い人達の意識をどうして変えれば良いのか、その為の国としての投資をどうするのか殆ど論議されていない。
 そして出生率は2006年には1.32になっていいる。
 この数値は長期的に人口を維持できる水準の2.07より遥かに低く、人口減少、高齢化の促進につながると言われている。

 そして、日本の老人の医療、介護問題は悪化の一途を辿るるのだろうか。

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