普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

モンスターペアレンツ(理不尽な父兄)

2007-07-22 07:11:51 | 教育問題

7月21日の読売新聞の理不尽な親に苦慮…学校の苦情対応外注、10教委で試行へ によると、とんでもない父兄への対応に遂に文科省も乗り出しようだ。

理不尽な要求に各地の学校が苦慮している問題を受け、文部科学省は来年度から、悪質なクレームの対応を外部の専門家に任せる「外部委託」を、一部の教育委員会で試験的に導入する方針を固めた。
 全国の教委から具体策のアイデアを募り、事業費も支援する。
 国が親のクレーム対策に乗り出すのは初めてで、同省では、学校現場の知恵も生かしながら、成果が確認された対策については全国に広げていく方針だ。
 親が学校に、「子供に掃除をさせるな」「(けんかをした)相手の子供を転校させろ」といった理不尽な要求を繰り返すケースが増え、こうした保護者は「モンスターペアレンツ」とも呼ばれている。長時間の苦情や抗議の電話が授業中にまで及び、教師の日常業務に支障が生じているほか、ストレスで体調を崩す教師も多い。今回の対策は、教師の負担を減らし、児童生徒と向き合う時間を確保する目的がある。
 文科省が導入予定の対策は、学校が手に負えないクレーム対応について、カウンセラーや弁護士らに任せたり、ボランティアの協力を得たりするもの。また、専門家が、保護者の対応でストレスを抱える教師の相談に乗り、悩みを早期に発見することも想定している。
 全国の教育委員会から、具体的な提案を募り、有識者による評価委員会が提案内容を審査した上で、実施する教委を決定する。事業費については、来年度予算の概算要求に盛り込む方針で、まず、約10の教委で試験的に実施、事業費の約8割を国が負担する。事業の実施後、成果が出れば、全国で導入していくという。

私の考えでは文科省の対策を遅すぎるとは思うが手を打ち始めたのは良い事だ。
特に教育委員会と言えば日教組全盛時代からの名残で、教師の管理が主体の体制になっていたし、今回の安倍さんの教育改革でもその傾向が強まった時に、教師サイドに立って とんでもない父兄から護ってくれる存在になることは、教師が教育委員会に抱いていた不信感や警戒感を軽減するだろうと思う。

然し、この問題には二つの問題を含んでいる。

<<父兄の再教育>>
文科省の対策は一時凌ぎの彌縫策だ。

そのようなとんでもない要求を持ち出す父兄はまた新たなクレームを付けるのは間違いない。
そんな父兄に一々対応していたら、いくら人間を投入しても間に合わない、学校の教師もそのクレームを教育委員会に持ち出す迄の対応に追われることになると思う。

私は教育委員会に父兄教育担当者を置く事を提案する。
その内容は、
1.モンスターペアレンツのクレーム対応
(1)文化省が考えている様な当面の対応策の実施
(2)父兄の考え方の問題点を徹底的に話し合いその考え方を直す。
つまり理不尽な父兄の再教育だ。
(勿論、教師側に問題があれば今まで同様の対応をする。)
そのために、しっかりとした識見を持ち、経験豊富なそして出来れば押しの強い弁の立つ人に担当させるか、いない時は新規に採用する。

2.一般父兄の教育
(1)教育再生会議が考えている「親学」のパンフレットの配布
(2)入学時の父兄の教育
学校からの教育の考え方や学校生活の説明と父兄の協力の希望、入学前のしつけの仕方などの資料の配布。
(3)有識者による講演会など。
以上の対策は核家族化が進む今、費用はかかっても欠かせないことだと思う。

<<何故そんな父兄が生まれたのか>>
私の前の提案は文科省のそれより一歩踏み込んではいるが、やはりその場凌ぎの感はぬぐえない。

そこで基本的に戦前から戦後20年近くまは殆ど見なかったその、モンスターペアレンツが今何故生まれてきたのか考えその対策を取る必要があると思う。

私の考えは
1.戦後の米国流の教育方針の導入と、当時、全盛の日教組による教育で、日本古来の美風は無視、権利重視、義務や責任は無視に近い程軽視の教育のため、権利、義務、責任は人に要求するもので、自分が負う物でないと言う考えが浸透してきた。

2.訴訟社会ではかなりうまく?機能してきた米国流の個人主義が、そう言う文化のない日本でそのまま受け入れられてきた。
その為個人主義(individualism)が人によっては利己主義(egoism)となっていた。

3.上記の傾向は日本古来の考え方を(辛うじて)持っていた家庭と、米国流の教育をそのまま無批判に受け入れた家庭の間に差があった。
後者の家庭では、上記の教育を受けた人が親になり、その子がまた親になると言う世代交代が進むに連れてがその傾向が加速してきた。
それが最近のモンスターペアレンツが問題になりだした理由であり時期も適合している。

勿論彼らの出現が全て戦後教育の弊害だとは言えないし、核家族化、少子化、市場経済主義や金儲け万能などの社会の影響などもあると思う。
いずれにしても、日本の戦後以来放置してきた問題点がとんでもない父兄が現れだした原因であることは間違いないと思う。

文科省は勿論、教育再生会議も地方の教育委員会もこの点について十分に検討して、今後の教育について考えて頂きたいものだ。

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