立ちて思ひ居てもぞ思ふ紅(くれない)の
赤裳裾引き去(い)にし姿を
=巻11-2550 作者未詳=
立っては思い、坐っても思う、紅の赤い裳の裾を引いて去ってしまった姿を、という意味。
訪れた9月に明日香彼岸花祭りが開催されていた。
劇団員が古代衣装をつけて板蓋宮伝承地から石舞台まで時代行列。
赤い裳の裾を引いて歩く姿は、まさに歌そのままだった。
明日香の高松塚古墳で発見された壁画も、この赤い裳の女性が描かれている。
古代の明日香で、赤い裳の女性が行き来していたと想像するだけでも、楽しくなる。
この万葉歌碑は飛鳥歴史公園・高松塚前小丘に建っている。
写真は高松塚前小丘から高松塚古墳(右端)を望む。(2011/11/14写す)
近年周辺が歴史公園として整備されてきており、古墳発掘当時の自然な面影が薄れてきているのは寂しい。