春は萌(も)え 夏は緑に 紅(くれなゐ)の
まだらに見ゆる 秋の山かも
=巻10-2177 作者未詳=
春は草木が萌え、夏は緑に、今は紅のまだらに見える秋の山だなあ。 という意味。
山が「春・夏・秋」それぞれに趣のある色に変わっていく様子を詠んだものだ。
日本の美しい四季は万葉時代も現代も変わらない。それを愛でる心も不変である。
「萌え」=春に木々がいっせいに芽吹き初める状態。
「紅のまだら」=紅葉まっさかりという状態。
戸倉支所前の歩道の歌碑とあじさいの花
この万葉歌碑は千曲市戸倉の千曲市役所戸倉支所前の歩道に全部で4基置かれているうちのひとつ。歩道の先に千曲川にかかる大正橋がある。正面奥の高い山が伝説の舞台である姨捨山(おばすてやま)。