徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

年の瀬~(中略)~愛のために

2009-12-24 02:56:17 | Sports/Football
年の瀬です。
Jリーグにもとんでもない年の瀬が押し寄せている。
もう待ったなし状態の大分トリニータの存続危機である。

大分倒産寸前24日までに1億5000万円必要(日刊スポーツ 12月23日付
大分県知事がJに融資を陳情(日刊スポーツ 12月22日付
トリニータJ1短期復帰断念(asahi.com 12月12日

清水も一度は経験した道なので倒産というのは他人事ではないし、他人様のクラブにとやかく言う筋合いもないのだが、清水としてはこの2年、ホントに余計なことばっかりやらかしてくれた天敵ともいえるクラブだったので心境は複雑なのだ。

去年のナビ優勝以来の弾けっぷりが実に不愉快だった天下り社長が(案の定)引責辞任という名の逃亡を果たしたあと、残されたスタッフがJリーグに泣きつくために提出した再建計画も、J2で戦う他クラブの経営努力を理解していないとしか思えない(特にヴェルディとか、岐阜とか)、正しい現状認識ができているとはとても思えない内容だった。
再建計画の<シーズンチケット販売目標を1万3000席(今季7400席)としてチケット収入増><新しい看板広告の導入で約2億円の広告収入増>あたりは冗談としか思えないアピールである。
そりゃ言うのは簡単だ。言うのはタダだもの。
リーグからの追加融資を断られたあとの行動も実に不可解だ。リーグに求められた必要事項を何一つクリアしないまま年明け決定だけを既成事実化し、さらにリーグの追加融資は決定していないはずなのに地元金融機関から“つなぎ融資”を受けるという。つなげるかどうかもわからないのに。

もちろんこの迷走のすべてはフロントに責任がある。
ということで、asahi.comの記事には「こんな時こそサポーターが支えなければ」という10年前にも聞いたことのあるような勇ましいサポーターのコメントが掲載されているわけだが、主力選手が続々と離脱し、選手やクラブからヴィジョンが見出せない中、ただ単純に無償の愛で支えることが可能なのか。
あのときフリューゲルスは天皇杯決勝まで進出し、優勝を果たしてクラブは合併と言う名の解散をした。あれはひとつの終わりではあったけど、あそこには同時に未来もあったのだ。一方の当事者としてはあまりの国民的な判官贔屓ぶりに納得はいかなかったけれども、あのとき彼らは自分たちの手で自分たちの価値を証明して見せたのだ。
ヴィジョン=未来があればサポーターはいくらでも踊るのである。
しかし大分の状況は余りにも悪すぎる。
そもそも何でこういうときこそ勝ち残ってないのよ、天皇杯。
大分、運なさ過ぎ。

Jの100年構想は概ね正しいと思うし、クラブというのは公共財だとは思うけれども、これ、やはりあるミッションのために作られた官製クラブの限界でしょう。
今日には大きく動く。

(追記 12月25日)
大分トリニータを破産寸前にして引責辞任した人物が、辞任からわずか数週間後に観光庁長官に内定とは悪い冗談にしか思えない。
ドス黒い政治的背景があるのはまず間違いがない。
実は政権交代を前提に民主は支持しているわけだが(オレの現在のライフスタイルからすると彼らの政策はまったく、ものの見事にプラスの面がないのだが)、この件に関しては即時撤回を要望する。
民主党が否定したはずの官僚(元官僚)の姑息な立ち回りがそこにはある。
そして、所詮本心ではなかったにせよ一度は大見得を切った男の生き方として間違っている。

観光庁:新長官に溝畑宏氏 J1大分の前社長(毎日,jp 12月25日付
観光庁長官更迭、後任に大分前社長溝畑氏(日刊スポーツ 12月25日付
民主党へのご意見はこちらまで。



(追記 12月26日)
溝畑氏 観光庁長官就任へ 「向いている」「許されない」県民から賛否の声(西日本新聞 12月26日付

「飛んだり、跳ねたり、抱きついたりするのが得意な性格なだけに、この仕事に向いている。彼の本領を発揮してくれるはず」(旧自治省で同僚だった臼杵市・佐藤信介副市長)
<クラブの社長就任後に同省を辞め、退路を断っていた溝畑氏の進路が決まったことを喜んだ。>

「クラブ経営を失敗している人に、国としてお金を稼ぐ観光を任せて大丈夫なのか。民間にもっといい人がいるはずだ」「トリニータの責任はどうするつもりなのか。(経営危機が)決着するまでは、そんなことは許されない」(別府市内の男子大学生)

(追記 1月14日)
KYな“天下り”観光庁長官来訪にJFAア然(zakzak 1月9日付

<しかし、本人は「スポーツは観光とタイアップできる。成果については、乞うご期待」と意気揚々でJFAハウスを後にした。>

(追記 1月15日)
サッカーW杯開催地に横浜市など12自治体が立候補(神奈川新聞 1月15日付

<日韓大会に続いて札幌市、茨城県、埼玉県、横浜市、新潟県、静岡県、大阪市、神戸市、大分県が名乗りを上げた。>

それでこそ、このタイミングで溝畑氏が観光庁長官になった意味があるというものだろう。
しかし、果たしてクラブは一体“誰”のためにあるのか。そこには本当に愛情はあるのか。
その前に…。
つなぎ融資はつなげるのか、トリニータにもう一度大波がやってくる。

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