徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

佐賀町という<片隅>

2005-08-31 06:52:32 | Works
江東区佐賀町にある<旧村松商店ビル>周辺の取材・撮影に行く。永代橋でタクシーを降り、15分ほど周辺を歩いて、江東永代郵便局前でビルを発見。昭和初期に建てられたこのビルは、現在劇団芸術劇場の事務所兼劇場<永代リバースポット>として使用されているようだ。

佐賀町と言えば、この町の象徴的な存在であった食糧ビルの中にあった<佐賀町エキジビットスペース>を思い出す。4年ほど前に係わっていた雑誌で、食糧ビル取り壊しによって閉鎖することになったエキジビットスペースの代表、小池一子さんをインタビューする機会があった。小池さんはとてもかっこいい女性で、インタビューの言葉のひとつひとつにも感銘を受けた。
<我々がする仕事は、東京の片隅で起きていてもグローバルなコミュニケーションの中にある。>という言葉は特に感動し、今でも時折思い出す(これはエキジビットスペースのインフォメーションが設立以来、常にバイリンガルであったことに対する言葉)。確かに佐賀町というのは、隅田川を挟んで千代田区、中央区の近隣にありながら、<東京の片隅>感が漂う土地である。しかしここで多くのアーティストが紹介され、メジャーになっていく。LBも<片隅>感溢れる媒体である。しかしタウン誌の体裁を取りながらできるだけメジャー志向というやり方も(もちろんそればかりではないが)、小池さんの言葉を思い出して、勝手にオレが励まされているからなのです。
あれから4年、日常的にネットにアクセスしていれば誰もが<グローバルなコミュニケーションの中にある>。上の言葉も当たり前に聞こえるかもしれない。
今や<片隅>という自分の立ち位置の感覚の方が忘れられがちなのかとも思う。

佐賀町には今も昭和初期に建築が残る。しかしアーティストのキャラバンサライであった食糧ビルも、エキジビットスペースももうない。芭蕉像はあるが。

ところでNPO組織のAMP(art meeting point)って今どうなってるんでしょうか。

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