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当初5月1日で予定されていた鶴二さんの独演会、コロナの緊急事態宣言で中止に、今回も危ぶまれましたが開催でほっと。
まずは、恩狸さんの「狸賽」、ターちゃんの目のだし方も独特で、二は両眼ですが、一はケツの穴ではなく片眼。三は両眼を分身の術で倍にしてひとつつぶると、少しややこしいですが・・これが伏線、仕込みで。オチは・・お楽しみに是非恩狸さんの「狸賽」聞いてください。何にしても創意工夫、よろしおますな。
二、笑福亭鶴二・・・「遊山船」(鶴志兄さんを偲んで)
5月8日が兄弟子鶴志さんの命日、独演会が伸びたので少しずれましたが、鶴志さんを偲んでの落語会。兄さんに稽古をつけていただいた中から「遊山船」を。夏の風物詩みたいな夕涼み風景、鶴二さんのアホの喜ィ公の無邪気さ・・よろしおますな。
よかったですな。最高でおます春蝶さんの「やかん」。知らぬものはないと広言している隠居のもとへ無理難題を吹っかけてくる主人公。その質問が秀逸、春蝶さんのセンスが際立つ。後半は「やかん」の由来を語るのに隠居大好きなデタラメの講談で煙に巻こうとする。このくだりあの「狼講談」を彷彿させる。大熱演、一つの落語で二つの落語を聞いたような充実感、何度でも聞きたくなる、十八番とも云える春蝶さんの「やかん」でおました。
鶴志兄さんを偲んでの座談会。春蝶さんは親父先代の春蝶が落ち込んだ時に、鶴志さんがヨイショで助けたとだから息子のお前がその負債を返せと・・、鶴二さん、呂好さん、白鹿さんは、皆東大阪の「ゆとりーと寄席」がらみ。白鹿さんな一度もなく名前で呼ばれたことは一なく、師匠の文鹿さんがらみで「線香」としか呼ばれたことがなかったと。鶴二さんは、地方へ二人で行った営業先で、鶴志兄さんが気分悪くされて当たり散らしたエピソードをご披露。皆さん鶴志師匠、怖かったですがその分優しさもあった師匠であったと、たっぷりに思い出を語る。
華やかな舞台とは裏腹に、役者の世界の「役付け」をめぐる中村仲蔵の葛藤を描く。芸事には「守・破・離」という言葉がありますが、創意工夫をするということ、ある日そのヒントを得るというのは、常に芸事を極めようと一心不乱に考えているからですな。黒羽二重の紋付に五分月代、大小赤の落とし差しに尻端折り、こわれた蛇の目傘の半開き。鶴二さんの定九郎の見場の良いこと、かっこよろしおま。・・・ほんま鶴二さんの「中村仲蔵」よろしおますで。
尚、中村仲蔵が「忠臣蔵」の定九郎で評判をとったのは1766年(明和3)九月の市村座。今から250年も前の出来事でおます。
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一、桂恩狸・・・・・「狸賽」
二、笑福亭鶴二・・・「遊山船」(鶴志兄さんを偲んで)
三味線・・・・・・佐々木千華
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