ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

加賀まで追っかけ~ほのぼの亭

2011-10-29 23:01:03 | 笑福亭鶴二

ほのぼの亭、本日の噺家・・・笑福亭鶴二さんと林家染吉さん。


立派な旅館、山下家。


会場前には、レギュラーの方々の顔写真が。


大きな会場に多くのお客様。


司会のウエマツタツヤさん、本職はキングレコードの歌手。

緞帳が上がると、鶴二さん、染吉さん二人揃って高座に、まずは落語の入門編として、小噺を披露。
「鳩がなんか落としたな」「ふーん」、「隣に囲いができた」、「へぇーい」と、先に客席のおばさんからのちょっかいの声。

ざぞかけ、「浦島亀太郎」、「噺家」、なんかをやりながら、客席とのコミュニケーションをはかる。


一、林家染吉・・・・・・・・・・・・・「平林」

「落語を聴く、三つのお願い(笑い編)」のマクラで、手探りしながら客席を温めながら、染吉さんの世界へ導く。
噺は「平林」入ったとたん、初めて落語を聞く方も多いのか、なぜか笑いが硬い。

でも、「ひらりん」とか「いちはちじゅうの、も―くもく」とかで、客席から知ったかぶりのおばさんの声。
文太さんの「落語を聴く、さしすせそ」ように、「さ、差入れをいれる」、「し、知っててても先を言わない」
など落語のルールなにげなく、お知らせする方がいいのでは・・・・
でも、めげずに突進む定吉、いや染吉さん、かっこ良かったでおましたで。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「餅屋問答」


普段とは違う、リラックスした鶴二さん。
そうそう、落語の聴いた特典を披露・・・朝売っている温泉卵、「ほのぼの亭を見た」といえば、10個入り、800円が11個入りに、
1個のサービス。10箱買えば、11箱に1箱サービス・・・・・・・これはほんまらしい。

気楽な商売はあるかいな・・・動物園か、いや餅屋問答、初めの出だし、仁鶴さんの声のトーンに似て嬉しくなる。
地元には馴染みのある永平寺の愚僧が主人公で、客席の笑いも倍増。

落語ファン以外の方も気楽に覗かれる温泉旅館での、落語。
各噺家さんが、どんな噺をされるのか、演題の選択だけでも楽しくなりますな。



ほのぼの亭・・第一部
2011年10月29日(土)午後5:30開演
大江戸温泉・山下家

一、林家染吉・・・・・・・・・・・・・「平林」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「餅屋問答」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



一、林家染吉・・・・・・・・・・・・・「金明竹」


国勢調査のマクラで、手ごたえあり、即「金明竹」へ。
染吉さんの定吉、結構間抜けでオッサンへの口の利き方も、ぞんざいであほっぽい。

でも、旦那をさかりのついた猫と同じように云うぐらいですから、こんなもんか。
立て弁もあざやかで、やはり五年目のキャリア、安定感のある、染吉さんでおました。



二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「時うどん」&「三味線漫談」


まずは、仕草の紹介から、扇子で、筆、植木挟。手拭で、焼いも。
久しぶりの鶴二さんの「時うどん」。こんな軽い噺を聴けるのも、ほのぼの亭の良さか。

帰りに、お見送りしている鶴二さんに、前のお客様が
「知ってて、解っている噺ですけど・・、愉しめました」と・・・この一言で決まりですな。、

このあと、染吉さんもでてきて、なぞかけを
お題は「抹茶アイスクリーム」、「紅葉」、「笑福亭鶴二」・・・・で染吉さんが。

そして、鶴二さんは、三味線を・・・・。
都々逸で・「火の出るような所帯をしても、火事さえださねば、水いらず」でええ声、披露。
そして、三味線弾きで「狸」を、達者でおましたで、鶴二さん・・・・二部、終了。



ほのぼの亭・・第二部
2011年10月29日(土)午後8:00開演
大江戸温泉・山下家

一、林家染吉・・・・・・・・・・・・・「金明竹」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「時うどん」&「三味線漫談」


にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村<








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東のさん生、西の鶴二・・その参~江戸で「らくだ」

2011-10-25 00:08:33 | 笑福亭鶴二
月曜の朝からの仕事が入っているので、前日から東京へと思っていると、
何と、鶴二さんが、神楽坂の毘沙門天で落語会を・・・・・知ってしまったからには馳せ参じなければ・・・・。
鶴二「らくだ」、さん生「妾馬」の長講二席。・・・・お江戸の方の、鶴二さんの「らくだ」への反応が楽しみですな。


神楽坂毘沙門天・・表に、三三さんのポスター。ここで、普段から色んな落語会があるらしい。


飯田橋から神楽坂へ、少し早めに着いたので、またしても神楽坂、街探索。
今日はお祭りなのか、ボーイスカウトの出店はあるはで、通りは人でいっぱい。
裏通りに入れば、あちこちのこじゃれたレストランに若い女性が列をなして並んでいる。
小粋でお洒落な、街・・神楽坂。


書院の舞台・・・用意した60人分の座布団に約45人のお客様。

一、柳家おじさん・・・・・・・・・・「狸の札(サツ)」

権太楼さんの、6番弟子。芸名がなんと、「おじさん」。
最初、プログラムをみたとき、開口一番で、おじさん。
てっきり、住職のご挨拶か、素人さんの落語と思っていたら、32才で入門、御年、36才の前座。
二つ目、真打と階級の厳しい東京。・・・・真打になるには、何歳になる事か。
他人ごとながら、心配してしまう。

凄い、名前・・・おじさん(何でも有りかと、思ってしまう)。
でも、権太楼師匠、熟考してつけられた名前だと思う。
年いっているので、年下の先輩から、「今度入った、あのオジン」とか陰口たたかれるなら、
居直ってつけてしまえば、呼び捨てにしても「掃除しとけよ、おじさん」、「それ取ってよ、おじさん」、、「・・・おじさん」、「・・・おじさん」と皆から、さんづけ。
なんて、シャレた、命名なのか・・・師匠のセンスに感服いたしあす。

噺は、狸の恩返しシリーズから、「狸の札」、生では初めて聴く。
きっちりとした口調で、笑いは起きないが東京の方の、開口一番は新鮮。
何が新鮮・・・・ゆるい緊張が新鮮。

これからも、東京の前座の方との出会いも増えそう、がんばれ、「おじさん」


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「らくだ」

今日は、見台無しでの「らくだ」、三回目だが、本日初めて来た人が大半なので、
では、自己紹介と・・・笑福亭松鶴の一番下の13番目の弟子ではじまり、
入門からのエピソードをなんと15分もお喋り・・あとに長講の「らくだ」なのに・・・。

「らくだ」は、あの独演会まで、練に練り上げた時とは違って、ゆとりの一席。
紙屑屋が酔ってから、あちらこちらで、いつもと違う言い回しがあったが、
まるっきり、気にならない。・・・逆に、酔ってしまってからは、余裕さえ窺える。

よくいう「腹に入った」というか、「らくだ」が鶴二さん自身が気持ちよくできる
持ちネタになったように思えた。

追伸・・・東京のお客様参にも、「らくだ」、よううけてましたで・・・ちょっと御報告まで。


三、柳家さん生・・・・・・・・・・・・「妾馬」

「妾馬」、上方では「八五郎出世」・・・おもしろいな、八五郎が喋る、ぶっきら棒な喋りが、江戸弁と重なって、小気味良い。

酒を呑み、上座にいる妹を見つけてからは、最高。
母親を一度呼んで、赤ん坊の、孫の顔を見せてやってくれよ・・・・と。
心の中での叫び、「おまえ、幸せか・・・。」が、聴こえそう。
笑いもあり、それでいて、ちょっと、しんみりさせてくれる、さん生さんの「妾馬」

私は、こういう江戸落語が、ほん好きですなぁ。


9月の博品館劇場での、さん生さんの「天狗裁き」が動画で見れます。
http://misanga.fuity.co.jp/program/73


東のさん生、西の鶴二
2011年10月23日(日)午後2:00開演
神楽坂毘沙門天書院

一、柳家おじさん・・・・・・・・・・「狸の札(サツ)」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・「らくだ」
仲入り
三、柳家さん生・・・・・・・・・・・・「妾馬」


さん生さんの打上げに参加。大阪の打上げメンバーとは違って、劇作家、音響さん、照明さんといたってクリエーティブな方ばかりで、ご贔屓さんというより、さん生さんのブレーンとい方々。
・・・・・でも、鶴二さんのファンの大阪代表として、孤軍奮闘してきましたで・・・。



にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村












コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京国立博物館

2011-10-23 23:02:52 | 街で

休日に着いたので、もったいないので、朝、上野の国立博物館へ。
日本画がたくさんあると期待したのだが・・・水墨画とかは少なく仏像にはじまり・陶磁、刀剣、金工、漆工、鎧、そして書画など、多種多彩・・ああ、これが博物館。われながら、勝手な思い込みに反省。


表慶館・・・アジアギャラリ―


法隆寺宝物館


気に入った仏像を一つ・・・・四天王立像 広目天

そして、もう一つ、芳年が江戸の風俗を描いた「風俗 三十二相」
右上に書いてある、お題がお洒落で、魅かれてしまった。


わずらわさう


おもたさう


みたさう


はずかしさう


いたさう


つめたさう

このあと、急いで、神楽坂へ・・・。

にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

落語こてんパン~柳家喬太郎

2011-10-22 08:49:34 | 本の少し
落語こてんパン
クリエーター情報なし
ポプラ社

☆☆☆

柳家喬太郎さんが、「落語こてんパン」と題し、50の古典をひも解く。
コンセプトは、“私の好きな古典落語”ってテーマで、ポプラ社のウェブマガジンに連載
していたものを、まとめたもの。

またしても、文才ある落語家、発見。
志らくさんをはじめ、現代風に落語を活かす術を知っている方の文章は、巧みでおます。
いや外面ではなく、中身、内容が濃いということのようで・・・じっくりと読まして貰いました・。

落語のあらすじだけではなく、喬太郎さんのその演目との出会いと関わりあい、思いが語られ、
そして、現在演じられるお勧めの噺家さんを紹介、それもどのような形で演じられているのか、
事細かに述べられている。

そして喬太郎さんが各演目の、噺家サイドからみた思いがおもしろい。

「子ほめ」では、オウム返しは落語においての不滅の黄金パターンといい。
「錦の袈裟」では、与太郎が活躍する演目は多々あるが、一席一席が違う噺だし、
与太郎の状況も違うわけだから、同じ風に演じちゃいけない・・・・と諸先輩の芸談も。
「ちりとてちん」では、仕草へのこだわり、でも意識過剰が浮いてしまうと、プロの悩みをちらり。
「目黒のさんま」では、地噺を解説。・・・演者のセンスが問われ、高度な技術が必要だと。
「夢金」では、落語の中には好きなフレーズがあると、この噺では浪人者が船宿で、肩の雪を払いながら
「雪は豊年の貢と申すが、かように降られてはちと迷惑だ」の台詞・・・いい、ですな。
「たちきり」では、人情噺だが、喬太郎さんには怪談噺の要素が強いと・・・あれぇ。

すべての噺で、新たなテーマで語られ、楽しく読んでいる内に、落語の真髄に近づいていく。

これからも、何度も読み返すこと、間違いなしの本でおます。



にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

らくご小僧~立川志らく

2011-10-18 05:56:53 | 本の少し
らくご小僧
クリエータ―情報なし
新潮社

☆☆

これもまた、才能がほとばしった、立川志らくの本。
少年時代から、落語家入門を決心するまでの、出来事を落語の、なぞなえて進めていく。
いかに、落語が普段の生活に浸透しているか、またその後の志らくの古典落語が現代に活き活きと新鮮に投影されているのが解る。

好きな女の子との想い、妄想は「湯屋番」であり、人にさからわない友達、出井君紹介では「太鼓持ち」
癇癪持ちの山田君は「大工調べ」、林間学校での大騒ぎは「宿屋仇」と次々、落語の世界が現在に、今の出来事を、落語の世界に。
行ったり来たり、自在にタイムトリップさせてくれる。

友達に仕返しをするがそこからの教訓は「天災」であり、ピアノ先生の怒りは「堪忍袋」で紹介。
自分小さい時分の我儘ぶりは「初天神」になぞなえ、タレントになるべく、日大芸術学部を目指す気持ちは、一途であり、
映画小僧、落語小僧として、真直ぐな信念をもった者が登場する「井戸の茶碗」がでてくる。

尻尾が生えてくる奇病の為入院、動物園の狐にピーナッツをぶつけ、その祟りと、まるで「王子の狐」。
最後には、十代目金原亭馬生と、立川談志に出会うところで、終わる。

でも、凄いのは、あとがき・・・。

この本を読んできたきた読者に、ちゃんと、オチが用意されている。

この「らくご小僧」に書いた内容は、ほとんど事実である。だから、これは小説ではない。
ならば、ノンフィクションかというと、そうでもない。
それは、登場人物の大半が架空の人物だからで(ええ、そうなんだ)、家族、落語家については、すべて事実(ええ、どこまでがほんと)。

夢と現実を狭間を彷徨わせる、志らくの術に、してやられたという心境、でもほのぼのした心地良さが残る。

そして、志らくさん、次は一人前の落語家になるまでの、続編は必ず書くと・・・今から、楽しみである。


にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さやかミニ落語会~歌之助とっておきの落語会~吉坊・お目当て

2011-10-15 23:44:14 | 落語
吉坊さん目当てにチケット買ってあったが、よく見ると歌之助さんの会。
まずは、嫁さんと、いざ狭山へ・・・・・。

SAYAKA・HALL


シンプルな高座


約80名のお客様

一、桂吉の丞・・・・・・・・・・・・・・・・「強情」

いつもの「米朝の弟子の、吉朝の弟子の、吉の丞、・・・皆さんご一緒に。」でスタート。
噺は「強情」、勢いがあって、兄弟子の吉坊さんではなく、ざこばさんの匂いがする。
見た目に、ヤタケタ風の吉の丞さん、「天災」なんぞの、柄の悪い男がでてくる噺が似合いそう。
リクエスト寄席なんぞをして、新ネタが増えている吉の丞さん。
今後とも、伸び盛りの噺家さんとの出会いは楽しみですな。


二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・・・・・・・「七度狐」

上品な七度狐。田舎のおどろおどろした尼寺が目に浮かばない。
可愛い過ぎて、賢過ぎて、喜六清八のコンビは、吉坊さんには似つかない。

やはり、洗練された都会派の吉坊さんの舞台は、商人の町のお店ものが相応しいでおますな。


三、桂歌之助・・・・・・・・・・・・・・・・「茶の湯」

初めて、生で聴いた「茶の湯」・・・師匠である先代の歌之介さんの十八番とか。
前に聴いた「荒大名の茶の湯」でもそうだが、茶の道というのは、相当作法が難しかったようで、
現在では、作法をしなければという事柄も無い。

はなしは淡々と進み、なぜかハナシの世界に入りきれなくて東京の噺家さんを聴いているような
距離感を感じてしまった、歌之助さんの高座でおました。


さやかミニ落語会~歌之助とっておきの落語会
2011年10月15日(土)午後2:00開演
大阪狭山市 SAYAKA HALL

一、桂吉の丞・・・・・・・・・・・・・・・・「強情」
二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・・・・・・・「七度狐」
三、桂歌之助・・・・・・・・・・・・・・・・「茶の湯」

11-41-155

にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村<

  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こういう了見~古今亭菊之丞

2011-10-13 05:42:53 | 本の少し
こういう了見
クリエーター情報なし
WAVE出版


東京の噺家さん、古今亭菊之丞さんの本。
生で聴いた事もないのに、なぜか、図書館で手にしてしまった本。
平成三年入門、まだ40才、現役で、本音を書けば、あとあと支障があるのに
芸能生活20年をあからさまに述べている。

師匠は、圓菊さん。特に三年間の前座時代は、師匠の小言を一手に引き受ける。
兄弟子にも怒られっぱなし。普通なら辞めてしまう様な扱いにも絶え抜く。

辞めようと思ったことはないが、死のうと思ったことはあると、
そんな時、おかみさんは、察知して、「あんた、つらい?」、はい、と小声で答えると、
「稽古してりゃ忘れちゃうのよ、稽古してりゃ」・・さらりと一言。
一生懸命稽古してみたら、その間だけはつらいことを忘れちゃう。

稽古をしていれば、自分がどんなに落語が好きだったかを改めて感じることができる。
理不尽なことだらけではあるけれど、我慢するしかない。
どんなことにも対応できるようにするのが修業なんです。
その裏にあるのは、「落語が好き」という気持ちだけです・・と。

稽古をつけてもらうのもひと苦労、でも師匠圓菊の言葉で一番心に残っているのが、
「落語は演じるな、語るな、しゃべれ」。技術論はいっぱいあるけれど、師匠のは究極の一言です。

上方でもそうですが、前座時代、要領も覚えも悪い、いつ辞めても構わない様な落語家さんが
時が経てば、師匠の本筋を継承しているのは、よく目にすることですが・・・。

こういう了見、とはどういう了見・・・・「江戸の匂い」色気と艶を感じさせる菊之丞さん。
読めば、ますます、生の高座が楽しみになりましたな・・・。


にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

穂村弘ワンダーランド

2011-10-11 05:10:08 | 本の少し
穂村弘ワンダーランド
クリエーター情報なし
沖積舎


穂村弘さんの、ガイドブック。それも、詩人、穂村弘さん。
読んで、びっくりしたのは、短歌界では、大胆に現代の言葉をとりこんだ、新しい先駆者だということ。
1986年に歌集「シンジケート」が発表されたが、角川短歌賞の次点作品であり、その時の受賞者は、
俵万智、作品は「サラダ記念日」で、ミリオンセラー、社会的注目度は一気に、彼女にとられてしまった。

でも、今比べてみても、わかりやすく、より大衆性をおびているのは、やはり彼女の方である。
ブランドでもすべてそうだが、誰を相手にしているのか、何人の方を対象にしているのか、
最初から、同じようで、俵万智さんと穂村弘さん、似ているようで、違いは明確である。

やわらくて、ぐにゃぐにゃ、の穂村弘さんを、見直さなければ・・・・の一冊。


「俵万智」

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
妻のこと「母さん」と呼ぶためらいのなきことなにかあたたかきこと
天ぷらをささやくように揚げる音聞きおり三時半のそば屋に
子どもらが十円の夢買いに来る駄菓子屋さんのラムネみどり

「穂村弘」

体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ
赤、橙、黄、緑、青。藍、紫。きらきらとラインマーカーまみれの聖書
さみしくてたまらぬ春の路上にはやきとりのたれこぼれていたり





にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベストメンバー・米朝一門~動楽亭

2011-10-09 23:18:35 | 動楽亭
私が好きな噺家さんが勢揃い。
米朝一門では、ざこばさん、南光さんを除けば、あと千朝さんが入れば私の思うベストメンバー。
ましてや、こごろうさんがトリとなれば、動楽亭へ出かけなければ・・・。
前々日に



開場30分前で、既に20人のお客様。お誘いした、井上さんと興津さんは既に到着、階段上段に。


約90名の大入り・・・・枝雀一門 VS 吉朝一門・・・に人気。


横の襖を外して更に客席を拡げる。



一、桂吉の丞・・・・・・・・・・「強情灸」

出てくるなり、今日は吉朝一門対、枝雀一門落語会でして、実は席亭のざこば師匠が今日
サンケイ・ブリーゼで独演会でして、ざこば師匠、米朝事務所の常務だけに、米朝一門とスタッフの方は
すべてそちらの方へ、あとに残ったものがここへ。

私は、九年目ですが、本日は一番下で、太鼓はたたくは、お茶は湧かす、朝一番、表の幟まで揚げまして。
今、ほっとしてます、まずは噺の方は手短に・・・と。

噺は「強情灸」、声も大きく、メリハリもあり、顔に似あった、ごんたくれ感もあり好演。
でも、灸を辛抱して、顔が赤くなっていく方もあるぐらいなので、もう少し、灸をすえて
悶えるところ、長く演じてもらいたかったですな・・・。

でも、ますます腰が座って貫禄がついてきた、吉の丞さんでおました。


二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・「千早ふる」

座布団までの、ほん短い距離ながら吉坊さん、いつもの天を見上げてのヘラヘラ顔で登場。
(今、上方で高座上がりでは、一番特徴ある姿では・・・私は大好きでおます。)

「今のが、吉朝一門の7番目の弟子で、私が5番目ですが、唯一ざこば一門に腕力で勝てそうな奴で、
一門でもひと味違うようで、上の四人の兄弟子達も、たまに敬語を使ってるようで」・・と。

世の中には、知ったかぶりする方も多いようで・・・・「千早ふる」へ。
町内の物知りも、口からでまかせで和歌の意味を答えるが、あまり困ったようでもなく、
やはり、吉坊さん、上品で、品があって、スッキリしている。

この頃、「とは」で意味で、ウルトラマンがでてくる、鶴志さんなんぞが演じる「千早ふる」の爆笑編を
聴きなれているだけに・・・こんな賢そうな者だったら、業平の句ぐらい知っていそうで、・・・・・・
豚まんが食べたいのに、小包龍が出てきたような、下衆な私には上品過ぎた「千早ふる」でおました。


三、桂雀松・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」

最近のお姉系芸人の話題から・・・何の繫がりもなく「太鼓腹」へ。
これまた、米朝風の「太鼓腹」で、上品。
最初の「猫さん、ごきげんさん」の一言も、先代小染さんのべんちゃらには、及ばないような。
太鼓持ちも、もみ手でヨイショする風でもなく、お金に汚い太鼓持ちなのに、リッチに見えてしまう。
雀松さんの、いたって常識的な上品さが、損をしている様な・・・「太鼓腹」でおますな。


四、桂紅雀・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」

いきなり「すると、なにかい、あの化物屋敷が・・・・・・」、師匠の枝雀さん独特の入り方。
長い噺で、マクラなしでとの配慮みたいだが、こういう入り方、結構好きでおます。

紅雀さん、熱演・・・。特に、講釈の段はきっちりと語ってくれるのが、嬉しい。
コウモリみたいに壁にへばりついた手が、おもやんに触れて、ポーッツとなったり、
「オケラ、毛虫・・・、・・・、・・・・・・、ぶんぶの背中は、ピッカ、ピッカ」の唄のあと、
「おまえ、ようそんな唄、覚えてるな」
「それ覚えれるんなら、何で、八百屋で、胡椒の粉、二銭ガンが覚えられへんのや」との、ツッコミ、など。

随所に、紅雀さんの、明るさ、たのしさが散りばめられた、「くしゃみ講釈」でおました。


五、桂雀三郎・・・・・・・・・・「くやみ」

本日の、秀逸。
「落語家」というのは、何をいうても、何処でいうても、許される人種ですが・・・。
東京の噺家さんの葬儀で、焼き場でお寺さんが読経、鐘を「チーン」と鳴らすと、
「電子レンジの、チーンみたいですな。」・思わず「うまいね」と誉められたと。
東京の歌之助さんの落語に、お父さんの葬儀(焼き場)で、「お父様、火加減はいかがですか。」
というのも、ありましたが、まあ、普通では言ってはいけない言葉、場所というのがあるのですが・・・。

で、「くやみ」へと、雀三郎さんの「くやみ」帳場の者は、最上屋のおなごしを、鰻で口説くは、

のろけを言う、又はんは更に、強烈。行水のタライの中に夫婦二人が入って、洗い合い。
背中だけではなく、前を合わせて抱きあって洗う「何か、当たるものがある・・・。」
「この頃、それも、当たらんようになってきた・・。」と、サンケイ・ブリーゼでは披露できない様なネタ。

この雀三郎さんの、ハチャメチャ感、一期一会のライブ感は最高でおますしたな。


六、桂こごろう・・・・・・・・「一文笛」

「ええ、旦さん・・もぉし、旦さん」と、マクラなしで即、噺へ。・・ああ「一文笛」や。
結論からいうと、今まで聴いたこごろうさんの噺の中で、一番遠い処のネタか。

この噺、上方では、数少ないしんみりさせる噺だけに、多少人情噺っぽく少しクサイぐらいが、
最後の「実は、わたい、ギッチョでんねん」のドンデン返しが活きる様に思えるんですが。

シャイなこごろうさんは、お涙頂戴は性に合わず、避けられたみたいですが、
この頃、噺の中で、お涙頂戴を期待してしまっている、私でございます。

サゲの、ほん手前で、グラグラと地震がきましたが、動揺もせず「実は、わたい、ギッチョでんねん」、
言いきって終わる。
さすが、こごろうさん・・・・・・絶妙のタイミングでおましたな。

秋日和の日曜日、大好きな噺家さん勢揃いで、楽しませてもらった、動楽亭でおました。


動楽亭・昼席
2011年10月9日(日)午後2:00開演
動楽亭

一、桂吉の丞・・・・・・・・・・「強情灸」
二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・「千早ふる」
三、桂雀松・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」
四、桂紅雀・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」
仲入り
五、桂雀三郎・・・・・・・・・・「くやみ」
六、桂こごろう・・・・・・・・「一文笛」


11-31-152




にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村<



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

にょにょっ記~穂村弘

2011-10-04 01:14:51 | 本の少し
にょにょっ記
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆

またしても、穂村弘さんのほんのり日記。
読んでいると、なんとなく心が和んでいく。
日頃のとげとげしい自分がふやけるのが、心地良い。

読んでいると、日常の見過ごす様な些細なことに、微妙な視点でみつめる。
ああ、これって、ナオユキさんの世界だ。

そんな、ナオユキさんの舞台の様な、日記を紹介すると、

7月6日・・・ポインター

ポインター犬をみる。
ポインター犬は全身がぶちだ。
この犬に噛まれたひとを知っている。
念のため金玉もぶちかどうか確かめようとしたのだという。

11月7日・・・・・新語新知識附常識辞典

一問一答形式になっているのだが、質問そのものがシュールに思える。
【問】ラッシュ・アワーというのは、何時頃のことですか。
【問】遠足とピクニックとは同じですか。
【問】「?」と「!」はどういう意味ですか。

11月9日・・・・・・猿

ネット上のニュースによると、動物園の猿が石を投げて人間に怪我をさせたらしい。
へえ、と思う。その猿の顔がみたくなる。

11月10日・・・・・健康法

バスの後ろの席から話し声が聞こえてくる。

「最近、溶岩浴に凝ってるんだ」
「ああ、あれ、いいらしいね」
「うん、凄くいいよ」
「あったまるってね」
「うん、あったまるね」

溶岩浴・・・・・・、いいのか。
骨も残らないのでは?

11月21日・・・・・私の男

本屋に行く。一冊の本が目に入った。

「私の男」
いいタイトルだなあ、と思う。
でも、これが男女逆だったらどうだろう。

「俺の女」
全然、いいタイトルではない。
やっぱり男女は非対象的な存在なんだな。

1月17日・・・・・・ハチミツ

駅前のスーパーマーケットのドアに広告が貼ってあった。

太陽印の純酔ハミツは栄養満点です。

パンに!
ケーキに!
ヨーグルトに!
お子さまたちに!

ぎょっとする。


こんな調子で、毎日、毎日の日記が綴られる・・・・穂村弘さんの「にょにょっ記」は、
ほのぼの、ほっこり、の笑いが満載でおます。まずは、書店でお手に・・・。


にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へにほんブログ村

にほんブログ村 演劇ブログ 落語へにほんブログ村



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上方落語かたいれ事典

2011-10-02 23:39:13 | 本の少し
上方落語かたいれ事典
クリエーター情報なし
弘文出版


先月、東京へ行った際迷い込んだ池袋の古本屋で見つけた本・・・昭和57年発行の上方落語家の名鑑。
最新の現在上方の全落語家を紹介とありますが、写真の皆のお顔の若いこと。
そして、一番の違いは、お頭の髪型と量・・・・誰と解らぬ方も多数おられ、失礼ながら笑ってしまう。
ただ、廃業された方も多く・・・ここでは記録として記述しておく。そして亡くなられ方と、襲名して今の名と違う方も。

・・廃業された方
笑福亭一鶴、笑福亭松橋、笑福亭枝雁、笑福亭亀之助、笑福亭仁雀、五所の家小緑、月亭パンク、
桂蝶太、桂我太呂、桂ふく枝、桂三と九、


・・前名(襲名後)
笑福亭鶴三(松喬)、笑福亭小つる(枝鶴)、笑福亭梅之助(明石家のんき)、笑福亭福三(森乃福郎)、
桂朝丸(ざこば)、桂小米朝(米団治)、桂べかこ(南光)、桂雀司(文我)、桂都丸(塩鯛)
桂春之助(春之輔)、桂小春(小春団治)、桂春秋(梅団治)、桂小福(福楽)、桂さなぎ(昇蝶)
露の団丸(立花家千橘)、露の団平(露の慎吾)、
桂小つぶ(枝光)、桂三太(枝三郎)、
林家染二(染丸)、林家さん二(露の新治)、


・・亡くなられた方
六代目笑福亭松鶴、笑福亭松葉、森之福郎、桂米紫、桂枝雀、桂歌之助、桂米太郎、桂吉朝、桂喜丸
桂小文枝(文枝)、桂文我、露乃五郎、桂春蝶、桂左ん福、林家小染、林家市染、桂文紅、桂米之助、


、昭和57年当時、上方落語協会が創立25周年を迎え、協会員103名だと、発足当時の十数名から考えれば、
隔世の感があると、著者の相羽秋夫さんが述べられているが、30年後の今年、会員は既に330名を超えているとか。
時代が経てば・・・やはり、隔世の感があると言わざるを得ないですな。

この本に載っておられ、いまなお高座に立たれておられる現役の噺家さんには、「継続は力なり」と、心から敬服致しますな。



にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする