ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

走れウサギ~歌崎功恵

2018-08-31 05:05:05 | 本の少し
走れウサギ―歌集
クリエーター情報なし
北溟社

☆☆

歌崎功恵さんの歌集「走れウサギ」、
第1回石川啄木賞受賞というので手にしたが、
私にとっては、一番遠きところにある短歌のよう・・・。

いくら、ページをめくっても、目にとまる歌がでてこない。


焦りながらも、選んだのはたった四歌。

平行に電車が並ぶ瞬間に乗り換えてしまった私だけが

会社好し客好し我好し八方はまさか無理でも三方美人

なぜ雪は白いのかと聞く少年よ誰よりもおまえは雪に似ている

紫陽花の葉かげにひそむ蝸牛らの黄金比みな雨に濡れゆく


まあ、相性、波長って、ありますもんね・・・。





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今庄そば・難波~2018.08.30

2018-08-30 13:00:00 | うどん・蕎麦・そうめん
今庄そば・難波
☆☆☆☆

大阪高島屋さんに仕事でお伺い。
時間が無くて、B2Fの今庄そばさんへ。


肉入りきつね冷やし蕎麦

かやくごはんと、三種の副菜とのセットが今日のおすすめにあったのですが、
食べ過ぎには控えようと、あえて単品で注文。

メニューには、無かったけれど、気持ちよく聞いてくださる。

作りたての温かいお肉も美味しく、お値段も千円でお釣りがきて
リーゾナブル、大満足の一杯でおました・・・・・。

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文楽のこころを語る~竹本住太夫

2018-08-28 05:05:05 | 本の少し
文楽のこころを語る (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆☆

竹本住太夫さんが、19の浄瑠璃の演目にこと細かな解釈を披露。

場面や状況、雰囲気、登場人物の心情を、地合や詞で変えていく、
そこが義太夫のおもしろいところだと・・・。

浄瑠璃は、声と違うて、音とイキで語るもの。
「イキを詰めて、間をとって」と先輩たちは教えてくれるらしいですが、
「こないやらなならん」という決まりはなく、長い経験の中で、
自分なりの義太夫節にしていく。

素直な気持ちやっていたら、感情がでてきて、自然にお客さんに伝わっていく。
ムリに「こうせんとならん、ああせんとならん」と考え込んでやると、
情が薄らいで、いやらしい浄瑠璃なってしまう。

頻繁にでてくる住太夫の言葉が、“情”。

浄瑠璃は頭で覚え、体で覚え、心で伝えるもんですと。

浄瑠璃聴きだしてからは、美声や節回しよりもそのあとにくる
心に響く太夫さんがやはり好きでおますな。

19の演目のおもしろさ、詞の一行一行に込められた工夫や解釈を語る。

この五年間で、19のうち実際出会えたのは、5公演。
全部制覇するまでには、少なくともあと十年以上かかりますな。

まずは、今秋の「桂川連理柵」のお半長を聴かなければでおます。

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憩家・本町~2018.08.25

2018-08-25 12:30:00 | うどん・蕎麦・そうめん

手打ちうどん 憩家・本町
☆☆☆


会社の近くで、平日は並んでいる人もいる人気店。
今日は、土曜出勤で、空いていたので、久しぶりに。

おろしうどんに牛肉のトッピング。

昔なら、ここでは天ぷら系を注文していたのですが、
胃を取ってからは、自然とやはり油ものは避けていますな。

味は、御出汁も、うどんも、おろしも、お肉も、すべて掴みどころがなくて・・・・・
全体に、水っぽいのか・・・・・・でおました。
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千とせ・難波~2018.08.24

2018-08-24 12:20:00 | うどん・蕎麦・そうめん
千とせ・難波
☆☆☆☆☆

千とせ・本店
久し振りに食べましたが、素朴というか飾ったところがなく懐かしい味、


芸人さんが“肉吸い”とか“肉吸いの豆腐入り”と“小玉”のセットで
食べたくなるのわかりますな・・・。

うどん好きの私には、千とせの肉うどんは他とは違う別物ですな。
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赤川次郎の文楽入門~赤川次郎

2018-08-23 05:05:05 | 本の少し
赤川次郎の文楽入門―人形は口ほどにものを言い (小学館文庫)
クリエーター情報なし
小学館

☆☆☆☆

文楽の素晴らしさ、楽しさを、素人目線で丁寧に説明。

一方、平日の夜の部の、4時、4時半という開演時間。
勤め人なら到底観るのが難しい時間帯。

長時間にわたる芸というのも解るが、逆に三部制にして、
コンサート感覚で、七時開演の部があれば、今日は早めに切りあげて文楽。
なんて、日常に浸透するのではないかと、私も思いますな。

私も文楽を聴きはじめたのが、平成二十五年の夏、あの橋下市長時代
文楽への補助金存続の条件に観客動員数が目安に、応援を兼ねて文楽へ。
あれから五年、毎年二回のペースで文楽劇場へ。

まあ色んな、演目見てきましたな・・・わたしは「時代物」より「世話物」が
お気に入り、でも、人形、お芝居といいながら、よう死にますな。

死ぬとういう点では、テレビでのサスペンス物に近いです。

義太夫と三味線、あの節回しに、ほんまはまりますな。
今年の秋の公演(11月3日~25日)、まだチケット発売してませんが、
「蘆屋道満大内鑑」と「桂川連理柵」、ということは、
落語の「天神山」の葛の葉の子別れ、「胴乱の幸助」のお半長。

落語ファンにとっては、元の浄瑠璃が見れるとは・・・・。

10月3日のチケット購入、忘れないようにカレンダーに・・・・・。



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神戸うどん でん 元町~2018.08.22

2018-08-22 13:30:00 | うどん・蕎麦・そうめん
神戸元町・神戸うどん でん
☆☆☆☆☆

元町駅から、一本、海よりの道沿い、解りやすい様な解り難い様な立地。


三回楽しめる食べ方

①、おつゆ少し入れて、そのまま、釜揚うどんとして三分一、食べる。
②、次に大分産の卵を解きほぐし、お猪口の中へ、卵のコクと共にあじあう。
③、写真取り忘れたのですが、ぼっかけというのですか、スジ肉の炊いたのを
釜揚の器の方へ、この釜揚、単にお湯ではなく、椎茸からの美味しい御出汁。
つゆを足してとありましたが、無くても上品なお味でわたしはそのままいただく。
おまけ、お昼は小ごはんがサービスで付いているので、先程の卵入りうどんつゆを
ご飯にかけて、玉子ごはんんで賞味。

三回、いや、四回、楽しめる、“でん”さんの神戸うどんんでおました。
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新しい猫背の星~尼崎武

2018-08-21 05:05:05 | 本の少し
新しい猫背の星 (新鋭短歌シリーズ35)
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆☆

いつも行く本屋ではなく、たまに立ち寄る、梅田や難波、地方の大型の書店では、
必ず短歌のコーナーは覗くようにしています。

短歌の本を揃えているところも少なく、パラパラと見て気になると
この機会を逃すと、なかなか出会えないような気がして、思わず買ってしまいます。

この本もそのなかの一冊。

去年の発刊ですが、この本も新鋭短歌シリーズの35冊目。

私自身の好みもわかってきたような気がします・・・・。

易しい言葉で、人のあり方を問う。

しあわせ って なに。


そんな、気持ちを歌に・・・・・。

ああ俺はしわくっちゃのシャツだけど着る奴くらい選ばせてくれ

牛乳を飲めない人は何を飲み何を鼻から出して笑うの

神さまの優しい声が届かない場所で倒れるわけにいかない

青春はほとんど左右対称でその真ん中にいたこともある

きみの目が少し潤んでいるけれど月がきれいと言っただけだよ

しあわせだなあ ごちそうの両側にちゃんんとナイフとフォークがあって

ひとのしあわせが自分のしあわせにつらがらないとき なにかが違う

しあわせなキスもふしあわせなキスもくちびるとくちびるが触れあう

かわいくてがんばり屋さんで運がいい そんな女を嫁にもらった

悪い夢ばかり毎晩見続けるみたいに今日も会社には行く

「あまがさき、 なんでそんなに猫背なん?」 「死んだら虹になりたいんです」

寝る前に窓を閉めたり朝起きて開けたりして過ごした三連休

両肩にかかる重みは自分から進んで持った荷物のはずだ

半分は冗談だけどあなたにはもう半分をわかってほしい

きみがする恋の話を聞いていて知らない鳥の鳴き声がする

もう俺は恋に心を焦がさない テフロンと呼んでくれて構わない

黒ヤギと白ヤギみたい お互いの手紙を糧にして生きている

あの時やあの時何を思ったの? 答え合わせをさせて下さい

さようならという言葉を教えるね 黙って行ってほしくないから

どれくらい時を巻き戻せるかにもよるけど もう手遅れですか

俺といて楽しいこともあったでしょう 一生にあともう一度だけ思い出してよ

欲しくても手の届かないものがあることは尊いのかもしれない

失った何かをそれはそれとして窓をきれいに磨いて生きる


 大好きな人に幸あれ 今すぐに幸あれ 日常的に幸あれ



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トントングラム~伊舎堂仁

2018-08-17 05:05:05 | 本の少し
トントングラム (新鋭短歌シリーズ18)
クリエーター情報なし
書肆侃侃房

☆☆☆

府立大学の“まちライブラリー”で、

帯にある・・少し笑ってから寝ように・・・に、魅かれて借りた本。

普段の言葉で、日常の風景を切り取りながら、内容は辛辣に深い。

なるほど、大喜利のなぞかけ、なぞときのような愉しさがある。


いつものように、気になった短歌のご紹介。

一秒後には終わらないそしてその一秒後にもまだ終わらない

黒板に夏と書いたのは誰ですか名乗り出るまではじめませんよ

好きですは好きなようにしたいですの略です君のことは好きです

キレてないけどこのことを完全に笑いとばせる日までさよなら

登校日 すべすべした手でかえされたMONO消しゴムのOが●

シャツ出している子どもたち  シャツ出しているおじさんのほうがこわいね

雪見だいふく 作り方 で検索しているような子が好きである

どうしても自分で切ったせん切りのキャベツはなんか違う気がする

爆発音みたいな着地音がして言葉づかいが完璧である



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ピッツェリア ノヴァンタノーヴェ ・和泉中央~2018.08.15

2018-08-15 20:30:00 | グルメ・スイーツ

PIZZERIA99
☆☆☆☆☆


和泉中央駅からは少し離れた、住宅街に・・・・。


このまえランチを食べたら美味しかったので、
嫁さんの誕生日に合わせて、家族四人でディナーに。


アンティパストミスト、これで2人前、
これだけで、この店の良さがわかりますね。


ゴンゾーラパスタ


変化をと、ショートパスタでトマト味をお願いすると素敵な味で。


メインのピザ、ピザが厚くもなく薄すぎるでもなく美味しい、大判で大人の味。


何か魚はと尋ねて、鯛とアサリのグリルではと・・・・・美味しい、ソース絶妙の味。
ピザ生地で焼いたパンが美味しくておかわり、お皿のソースをきれいにすくう。


ティラミス、二つ頼んだのですが、ひとつを二人でシェアで十分。

ワインのお味は、私は運転手で一口も飲めず・・・・残念でおましたが、
家族は大満足、美味しいものを食べると、笑顔がいっぱいで、家族円満
よろしおましたな・・・・。


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トリアングル~俵万智

2018-08-15 05:05:05 | 本の少し
トリアングル (中公文庫)
クリエーター情報なし
中央公論新社

☆☆☆☆

あの歌人、俵万智さんが書いた、小説。

年上の妻子ある恋人と、最近できた年下の恋人のとの、二つの恋。

シングルマザーの道を選ばれた私生活にも重なるような、展開に興味深く読み進める。

でも、秀逸なのは、随所に織りこんだ短歌。

まさに、この情景で想う深遠な感情が歌に・・・・。

最初から気になった短歌を、順に、ご紹介。
(どんな、小説だったかは、ご想像ください)

夕刊のようにあなたは現れてはじまりという言葉を思う

文庫本を開いて缶のまま飲むビール一人暮しは旅にも似るか

友だちに戻れないかもしれないと思えば寂し口づけなども

言葉ではなくて事実をかさねゆくずるさを君と分かちあう春

年下の男に「おまえ」と呼ばれいてぬるミルクのような幸せ

飛行機の窓から見下ろす東京の夜は全部がディズニーランド

心には責任なんてとれぬゆえ愛せ とりかえしのつかぬほど

物語はじまっている途中下車前途無効の切符を持って

明治屋に初めて二人で行きし日の苺ジャムの一瓶終わる

「たすけて」と言えばあなたは会いにきてくれるだろうかくれぬだろうか

蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃないよと

アボガドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン

つけあわせ野菜のように聞きながら味わっている君の口ぐせ

かすみ草だけの花束抱えれば一輪のバラとなれる錯覚

家族にはアルバムがあるということのだからなんなのと言えない重み

焼肉とグラタンが好きという少女よ私はあなたのお父さんが好き

別れ話を抱えて君に会いにゆくこんな日も我は晴れ女なり

なめらかな豆腐の白が揺れている出会ったころの二人のように

ぐつぐつと水菜の横で煮えている「友だち」という言葉のずるさ

昆布はもう引き上げようよささやかなことにも確かにあるタイミング

さかのぼってあなたを否定するわけじゃないけど煮えすぎている白菜

散るという飛翔のかたち花びらはふと微笑んで枝を離れる

九度目の春を迎える恋なればシチュ―を煮込むような火加減

セックスがらみのエロイ短歌は、あえて省きましたが、
恋愛小説の形をとりながら、人として生きるとは、
問うている作品でございます。





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シネマ落語~立川志らく

2018-08-13 05:05:05 | 本の少し
シネマ落語
クリエーター情報なし
河出書房新社

☆☆☆

立川志らくが、名作洋画のおもしろさを古典落語の世界で表現。

“シネマ落語と称して、ニュ―ヨークが江戸になり、ヒーローが八五郎に、
落語的展開で、志らくの世界に引きこむ。

ただ、非常に理屈っぽいというか、暗くドロドロした世界が展開される、
ヒントになったのが、三遊亭圓朝が明治時代に、イタリアオペラを題材に
古典落語を創ったというエピソード、師匠談志の落語は人間の業という教えを
実践するべく、志らくさん、重たい、暗い、・・・・。

読んでいるからかもしれないが、落語の底に流れるたのしさが薄くて辛い。

さて、何と何がくっついたのか・・・興味あるところ
問題形式にしようかとも思ったのですが・・・ずばり、書いていくと。

「天国から来たチャンピオン」・・・・重ねる落語は「死神」

「タクシードライバー」・・・・・・・・・・重ねる落語は「素人鰻」

「ライムライト」・・・・・・・・・・・・・・・・重ねる落語は「たいこ腹」

「タイタニック」・・・・・・・・・・・・・・・・重ねる落語は「抜け雀」

「ローマの休日」・・・・・・・・・・・・・・・・重ねる落語は「唐茄子屋政談」

「シャイニング」・・・・・・・・・・・・・・・・重ねる落語は「鰍沢」

すべてが、鰍沢ぐらい、暗く重たく、このまえ食べた肉のお寿司ようで
美味しいのですが、そればかりは飽きてしまうようで、
やはりお寿司はお寿司、お肉はお肉で、別々に味わいたいもの、
そんな気にさせる志らくさんの「シネマ落語」でおました。

いずれにしても、生で聞かないと落語としての評価はできませんが・・・・。

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新生第5回・名人は誰だ?

2018-08-12 21:21:21 | 笑福亭鶴二

新星第5回・名人は誰だ?


日曜日、早めの6時開演。



大看板、四名。



七分の入り、ゆったりとした空気の客席。


一、露の新幸・・・・・・・・・・・・「金明竹」

新治さんのお弟子さん、声は大きいし、しっかりした口調。
あとで聞くと、43才の新人さんと・・・
やはり人生経験豊富で、落ち着いていますな。

噺は、「金明竹」、今日出ておられる阿か枝さんの十八番ネタ。
あのたて弁の凄さはないが、じっくり楽しめる。

丁稚の定吉のこましゃくれた、悪知恵がもう少し垣間見える方が
楽しめる様な・・・・そんな気にさせる一席でおました。

でもお上手、熟成新人、新幸さんでおました。


二、桂米輔・・・・・・・・・・・・・・「ろくろ首」

いぶし銀の味、米輔さん。

次の台詞がでてくるまでの独特の間。

これから、ますます高齢化に向かうお師匠さんたち。
十五年後には、高座に上がるだけで拍手喝采の、
まさに名人の域に達していたり。

味はますます、熟成する、米輔さんでおます。


三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「餅屋問答」

一方変わって、ご陽気な鶴二さんの高座。

本日は、気楽気ままに、「餅屋問答」を・・・・。

あの沙弥宅善の「無言の行中」の解釈は・・・・

「第一に『大和尚の胸中は』と問うたところ『大海の如し』とのお答え。
次に『十法世界は』と尋ねると『五戒で保つ』。
最後に『三尊の弥陀は』と問えば、『目の下にあり』とのお答え」

普段でも、勝手に解釈されるってことありますな。

まあ、ご自分の都合のよい方に解釈されるのが常でおますが。

肩の荷の下りた、ご陽気な鶴二さんの落語、よろしおましたな。



四、桂梅団治・・・・・・・・・・・・「宇治の柴舟」

噺の最初の入りは、「崇徳院」さんと同じ。
手伝いの熊さんが、若旦那の恋ワずらいの原因を聞きだす。

この噺、確か先代の春蝶さんで聴いたことがあるような・・・。

まあ恋なんて、病気みたいなもんですから、美人画に恋するなんっても
あるようなないような・・・人妻では生々しいのでここは落語、
ちょいとひねって美人画ということで・・・・・。

でも、舞台が宇治というのが粋ですな。
天保山でも、毛馬でも、伏見でももう一つ・・・・宇治。
そうか、オチの茶柱で、お茶所でないあきまへんねんな。



五、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・「豊竹屋」

趣味にはしる、趣味にはまる、って愉しいことですな。

この義太夫好きの豊竹屋節衛門さんと口三味線の花梨胴八さん。
趣味の合う者どうしが会うと、お手合わせのたのしいこと。

そのたのしさが伝わってくる。

でも浄瑠璃って難しいですな、太夫さん声は悪いが台詞も聞き取りやすく
すんなりこちらへ伝わってくるのに、阿か枝さん、高音で美声なのに
所々聞き取り難いのはなぜ、難しいもんですな。


六、桂春若・・・・・・・・・・・・・・「井戸の茶碗」

井戸の茶碗、屑やの清兵衛さん、千代田卜斎、高木作左衛門、
でてくる人がすべて善人・・・・・・気持ちの好い噺。

でも、お嬢さんの花嫁姿、是非見てみたいもんですな。

お金とはあるに越したことはないですが、あるというだけで
幸せとは限らないというのは、周りでもよく見かけますな。

今の生活に、ある種の満足を感じながら、心の豊かさが大切ですな。

心豊かにしてくれる、春若さんの「井戸の茶碗」の一席でおました。

ああ、それと、いつものように、茶碗を見たいという高木作左衛門
のお殿さん、
春若さんが私淑している、談志さんのものまねで登場でおました。
(愉しいですな)



新生第5回・名人は誰だ?
2018年8月12日(日)午後6:00開演
天満天神繁昌亭

一、露の新幸・・・・・・・・・・・・「金明竹」
二、桂米輔・・・・・・・・・・・・・・「ろくろ首」
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・「餅屋問答」
四、桂梅団治・・・・・・・・・・・・「宇治の柴舟」
仲入り
五、桂阿か枝・・・・・・・・・・・・「豊竹屋」
六、桂春若・・・・・・・・・・・・・・「井戸の茶碗」
三味線・・入谷和女



次回、「新生第六回・名人は誰だ?」は、
平成30年12月12日(水)18:30開演
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全力でスローボールを投げる~北尾トロ

2018-08-09 05:05:05 | 本の少し
全力でスローボールを投げる
クリエーター情報なし
文藝春秋

☆☆☆

北尾トロさんが、いろんなところに潜入、体験ルポをまとめたもの。

週間文春「ガラスの五十代」のタイトルで連載されていた。(2008年1月~2009年1月)

いろんなことに挑戦しますな。
・150キロの豪速球をバントできるか。
・エッセイ教室に通う。
・中高年向けパーティで本気の相手と出会えるか。
・ゴルフ接待ってどんな感じか。
・午後9時の座禅カフェにて。
・富士山頂は遠かった。
・男も唸るタカラヅカ。
・地震のとき、自宅まで歩き切れるか。
・妻への感謝を口にする。
・不安だらけの人間ドック。
・絶唱 ひとりカラオケ。
・運転再開を待つ人たち。
・老眼鏡デビュー顛末記。
など・・・・。

まあ、この歳になると、体力の衰え、世の中の動きについていけないとか、
偏見も含めて一切遠避けるていたことなど、いまさらと思いながらも、
誰もが経験することも多々あり・・・なるほどと、思い当たる事も多し。

“全力でスローボールを投げる”とは、良い題でおますな。

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ふたりをつなぐもの~田中章義

2018-08-07 05:05:05 | 本の少し
ふたりをつなぐもの
クリエーター情報なし
角川書店

☆☆☆

作者が、大学一年から五年間、「月刊カドカワ」(1992年12月号~1996年2月号)に
掲載されたものをまとめた歌集。

解りやすい歌でありながら、なぜか尖がる若さがみえる。

青春ともいえる、斜に構えたみずみずしさがある。


気になった歌は、

幸せをかたっぱしから追いかけるあしあとも明日への接続詞

幸せは目に見えなくて目に見えてオムレツの上のケチャップの顔

他の誰かじゃわからないものひとつずつ増やしてゆこう僕らのパエリア

どんなに小さな約束も呼吸していることを気づいてほしい土曜日があり

一度離れたらもう二度と木には戻れない葉っぱは空のどこを見ている

あかりのついた向かいのビルの部屋見れば東京の星座、空のみならず

せつなさに耐えきれなくてアクセルを踏めばせつなさも加速しており

ギリギリまで予定を入れずあけていた土曜日 具のなきシチューと思う

客が一人でも五十人でも同じリズムで廻る観覧車を眺めておりぬ

消しゴムは哀しからずやいつの日も消すことだけが役目だなんて

行く場所より大事なものがあることを言わずにそっと拾ったどんぐり

メニューの少なさが優しく思える夜もありマスターが出す塩の焼き鳥

大切なこの一日のしっぽゆえ捨てずにしまおうライブの半券

朝が来てベットを出てもまだ二つのまくら仲良くくっついており

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