三度目のビンクリスチン

前回の抗がん剤L-アスパラギナーゼが投与されたのが、先週の木曜日。
プロトコルに従うなら、一週間ごとに別の抗がん剤を投与することになっているけど、
今週は木曜日が感謝祭で、キャットホスピタルもお休みだったため、
金曜日にゾロを連れて行くことに。

しかし、ゾロの体調はあまりよくない。
相変わらず自分からは食べないし、一日中物陰に隠れて寝てばかりいる。
本当にこの状態で、抗がん剤を継続していいのか迷った。

過去に二回ビンクリスチンを投与されたときは、食欲不振の副作用が顕著に出たけど、
その代わり腎リンパ腫の症状である多飲は治まったような気がする。
その時は、いつものご飯をゾロが自分から食べてくれるのをただひたすら待っていたけど、
今は消化のいいご飯をシリンジで強制給餌する方法もマスターしたし、
それに先週末から使い始めた大麻草オイルに含まれるCBDには、抗がん剤の副作用を軽減させる効果があるとの情報も…。

かなり迷ったけど、意を決してゾロを連れてキャットホスピタルへ。


キャットホスピタルでは、まず朝七時から九時の間に猫を預けると、採血後に血液サンプルが分析業者に送られ、
分析結果は夕方に出るので、その結果次第で抗がん剤投与が可能かどうかが判断される。

夕方四時まで待ってみたけど、キャットホスピタルからは連絡がないので、こちらから電話してみたところ、
今結果が届いたばかりで、先生が結果をレビュー中とのこと。
先生から改めて電話があるとのことだったけど、更に30分待っても連絡はなし。
このまま待っていたら、ゾロを引き取りに行く前にキャットホスピタルが閉まってしまうので、連絡を待たずにこちらから出向くことに。


待合室でしばらく待たされた後、G先生と話をすることになった。

G先生：血液検査の結果が出ました。まず気になるのは貧血ですね。ペットチニックは飲ませていますか？
まま：はい。毎日飲ませています。
G先生：一日一回飲ませているのでしたら、二回に増やしてください。
まま：既に一日二回飲ませてます。
G先生：そうですか。でしたら、それ以上増やせませんね。ヘマトクリットが15（正常値は29-48）ですが、これが12まで落ちれば輸血も検討しなければなりません。また、エリスロポエチンを使用するというオプションもあります。
　で、抗がん剤についてですが、今回はビンクリスチンを投与することになっていましたね。当然抗がん剤治療を行わなければ癌は悪化しますが、抗がん剤を投与すれば、ご存知の通り、副作用が強く出る可能性があります。
　腎リンパ腫は予後が悪い病気ですので、ここで覚悟をお決めになるという選択もあります。どうされますか？

抗がん剤を投与させるために連れてきたのに、今すぐ決断を迫られても…。
迷っているとG先生は続けた。


G先生：オプションとしては、順番を変えてシクロフォスファミドを今週自宅で経口投与していただき、ビンクリスチンは来週にするという方法もあります。
まま：その方が安全なのですか？
G先生：もちろん猫によってそれぞれの薬に対する副作用の出方も違うので、何とも言えませんが、どちらかというと安全な方法です。ただ、シクロフォスファミドの在庫があるかわからないので、確認しなければなりませんが。
まま：前回処方されたとき、4カプセルいただいていたのを、食欲がなくなったので2カプセルで中断したので、あと2カプセル残ってますけど。
G先生：その時より体重が減っているので、用量も変更しなければならないかもしれません。因みに今日のゾロちゃんの体重は5ポンド13オンス（約2.64Kg）でした。

抱くたび骨のごつごつが気になってたけど、ここまで体重が減ってしまったとは…。

一番重かった時の半分を下回ってしまった。

まま：今回ビンクリスチンを半量に減らして与えることはできないのですか？
G先生：プロトコルに従うなら、それはできません。

散々迷ったけど、何故かプロトコル通りビンクリスチンを与えても大丈夫なような気がしてきた。

まま：わかりました。このプロトコル通り、ビンクリスチンを投与してください。
G先生：いいのですね？わかりました。では今から看護師がビンクリスチンを投与します。


ビンクリスチンの投与が終わり、ゾロを車に乗せ、いざ車を発進させると、
ゾロは苦しそうにえずき出した。
しかし、胃が空っぽだったため何も出てこなかった。

家に着くと、ゾロは車の中でお漏らししていた。
腎機能が弱まっていると、尿も薄まるため、臭いもせず、気づかなかったけど…。


夜になっても、気持ち悪そうに口をくちゃくちゃ言わせているゾロ。
セレニアを飲ませてみたけど、その後シリンジでご飯を食べさせたら、すぐに吐いてしまった。
そういえば、先週G先生から、吐き気がひどい時はドラッグストアでファモチジンを買って飲ませるよう言われていたことを思い出し、
もう夜中の11時を回ろうとしていたけど、車でドラッグストアへ。


翌朝（土曜日）、ゾロは相変わらず口をくちゃくちゃ言わせて体調が悪そう。
輸液をし、ファモチジンとステロイドとCBDオイルを飲ませ、すぐにはご飯を食べさせず様子を見ることに。

昼頃、外出して戻ってみると、ゾロは少し元気を取り戻して自分で水を飲んでいた。
そして、ままがパソコンに向かうと、甘えて近寄ってきた。
流石にまだ膝に飛び乗る脚力はないので、抱き上げて膝にのせてあげると、ままの手をペロペロ舐め始めた。
ファモチジンかステロイドが効いたのか、CBDオイルが効いたのか、それともビンクリスチンの副作用が和らいだのかはわからないけど、
これは、まだまだいけるかも！


そして、夜、キッチンでルナのご飯を作っていたら（今は二匹別々のレシピが必要）、ゾロがキッチンに入ってきたので、
ミートグラインダーで引き立ての鶏肉（骨の入っていない部分）を指先に乗せてゾロの鼻の前に持っていくと、少しペロペロと舐めた。
どうやら若干食欲も戻りつつある様子。

ただ、気になるのは、土曜日からずっと下痢が続いていること。

調べてみると、ビンクリスチンで下痢をするケースはかなり多いようなので、やっぱりビンクリスチンの副作用かな…。
今はゾロも自分でも水を飲んでいるけど、脱水させないよう、皮下輸液もしっかり行わないと…。