井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

札幌からカトマンズへ 3

2006-07-31 20:55:42 | カイラス巡礼・旅行記
 搭乗待合所が騒がしくなってきます。
時計を見ると搭乗時間が間近に迫っています。
椅子から起きあがって、搭乗カウンターに並んでいる列に加わります。

乗客を見るとほとんどネパール人かインド人のようです。
白人はあまりいないようです。

この飛行機もタイ航空の運行ですが、機内アナウンスを聞いていると
ルフトファンザ航空との共同運行のようです。

 カトマンズへ向かう飛行機の中でも昼食の機内食が出ました。
この機内食も満足のいくものでした。

 カトマンズへ近づいてくると入国審査用と税関への申告用紙が手渡されます。
入国審査用は一度練習したのでパスポートを見ながら何とか書き終えます。

問題は税関用の申告書です。
実は、カメラを2台持ってきているのです。
ネパールは無税で持ち込みが出来るカメラは1台だけなのです。
正直に1台は税金を払うつもりで申告書を記入しました。

 飛行機が着陸態勢にはいると地上が見えてきます。
地上には水田と煉瓦色の建物が見えてきます。
家の周りには大きな木が見えます。
水田に緑の多いのどかな田園風景が広がります。

 飛行機が着陸すると機首と後ろに2台タラップがつけられます。
どうやら機内からはタラップで降りるようです。
タラップを降りて人の波に続いて飛行場の建物に向かいます。
外はムッとする気温なのですが細かな霧雨が降っています。

途中で飛行機の写真を撮ろうと思ってカメラを出すと
銃を持った兵隊から鋭い声で制止されます。
どうやら飛行場は撮影禁止のようです。

長い廊下を歩き手荷物の請け出し口へ向かいます。
おなじみのベルトコンベアが回り出し手荷物が運ばれてきます。

私の荷物がでてきたのでコンベアから下ろして見ると
チャックの位置が動いています。
どうやら誰かが荷物を開けようとしたみたいです。
私の手荷物は布製のバックですのでナイフか何かで
切り裂くことは可能です。
ですから貴重品はすべて身の回りから離さないように
機内持ち込みにしていました。

手荷物にも、一応の備えとして鍵をかけておきましたので
中のものは大丈夫のようです。

さあ、いよいよ入国手続きです。



体を鍛える

2006-07-30 20:30:11 | カイラス巡礼・もろもろの準備
 カイラス山の巡礼では、チベットにはいると
標高4千メーターを超えます。
カイラス山巡礼の最高点ドルマ峠では5,600Mの高さまで
上がらなければなりません。

この高さになると一番心配なのが高山病です。
この高山病対策として体も鍛える必要があります。

こちらの方は、2年前に人間ドックを受診した施設で運動メニューを
作ってもらい筋力アップのトレーニングが出来ることになりましたので、
週に1回ほど通うことにしました。
そのほかにジョギングをして身体能力を高めることにしました。

 もともと体を動かすのは好きですので、体重が増えないように適当な時期に
ジョギングをして体重をコントロールしていました。

北海道では冬になると道路を走るのは滑って危険ですので
冬は近くの体育館でジョギングをしていました。

ですから、カイラス山を目指すという具体的な目標に向かってというよりは、
普段から体重コントロールという意味合いで体を動かしていたわけです。

でも、人間ドック受信施設で始めた筋力トレーニングのおかげで
体全体の筋力が増しました。

この筋力トレーニングとジョギングに取り組んだことにより
ここ最近では一番体が動ける状態になっていました。

体力測定の結果でも持久力は20代の判定だったのは少し自信になりました。

札幌からカトマンズまで 2

2006-07-29 21:24:05 | カイラス巡礼・旅行記
 いよいよ飛行機への搭乗が始まったので列に並びます。
飛行機の中にはタイの民族衣装を着たフライトアテンダントの女性がいます。
両手を胸の前で合わせて挨拶をされます。

 窓際の席に座り辺りを見渡すといろいろな国の人がおり
国際線に乗ったということを実感させられます。
この便は、全日空との共同運行をしているようで、
日本人のフライトアテンダントの女性もいるようです。
これを見てちょっと安心しました。
何かあれば日本語で話が出来ると思うと心強いですね。

機内のテレビ画面に現地時間が出ているので時計の針を直しておきます。
こうしておけば、バンコクへ行ってからの時間を正確に知ることが出来るからです。

離陸してしまうと外は真っ暗な闇ですので寝ることにします。
飛行機のエンジンの音が耳について熟睡は出来ないのですが
ウトウトして寝ていました。

 機内がざわつきで目を覚まします。
回りを見ると、どうやら機内食を配っているようです。

国際線の機内食は初めてですのでどんなものが出てくるか
興味を持ってみていると、順番が来て私にもトレイを渡してくれます。

渡されたトレイをみるとなかなかの充実ぶりです。
パンにメインディッシュ、飲み物にフルーツまで、
結構おなかがいっぱいになりました。
これなら、バンコクの空港で朝食を取らなくても大丈夫ですね。

 バンコクへ近づいてきたところで入国審査申請書が配られます。
初めてですので書き方がわかりません。
ドキドキしながら英文を何度も見ていると少しずつ内容が理解できてきます。
何とか書き終えて裏を見るとアンケートみたいなものがあります。

その中にどうやら年収を聞いている欄があります。
どう書けばいいのか分からないので日本人のフライトアテンダントが
来たときに聞いてみます。

すると、「この欄は、個人のプライバシーに関するものですので、
私は記入しません。」と明確に教えてくれます。
それを聞いて安心したので、この欄はチェックしないでおきます。

(後で考えると、私はタイには入国しませんのでこの入国申請書は出す
必要がありませんでした。こんなところが、初めての海外旅行ですね。
でも、次の便でネパールに入国するときには出さなければいけない
申請書ですので、そのための練習と思うことにしました。)


☆☆ トランスファー ☆☆

 バンコクの空港では5時間ほどのトランスファーがあります。
バンコクの空港は免税店の店がたくさんあります。
それらの店をみながら時間をつぶします。
ファーストフードの店の横に待合い用のイスがあるのでそこに座って
通路を通る人を見ていました。

その通路はいろいろな国の人がいろいろな格好をして歩いています。
これを見ているだけで自分が外国に来ているのだという実感が湧いてきます。
でも、日本人の姿はあまり見えなかったですね。

5時間は長いです。
どこかでゆっくりと横になりたかったのですが、
免税店のあるこの場所ではゆっくり出来ません。
この場所より搭乗ゲートを入った搭乗待合所の方がすいているので
搭乗ゲートを入ることにしました。

このゲートを通るときに身体検査があります。
手荷物を検査機会に通し、私は横にある金属探知器を潜ります。
そして、小さな踏み台に上がり両手を上げます。
検査員の女性が両脇から背中を触り[OK!」といいます。
これで検査は終わりです。

搭乗待合所は閑散としています。
ここで、手荷物を枕にゆっくりと横になって寝ます。
横になって目を瞑っているだけなのですが、
それでも疲れが取れるような気がします。

英会話の勉強

2006-07-28 21:04:32 | カイラス巡礼・もろもろの準備
  ここ数年、私はバイクで本州を旅行していました。
最初はテントを積んでいきキャンプ場で泊まっていたのですが、
妻からテントでの宿泊では体の疲労が抜けないのではないかとの心配から
宿に泊まるように言われました。

最初はビジネス旅館などに泊まりましたが、どうもつまらないのです。
宿に一人でいると時間をもてあましてしまいます。
それに、旅の情報も少ないのです。
そこで目をつけたのがユースホステルです。

ユースホステルは談話室があり、そこでは旅の途中の人達がいろいろな
情報を交換しています。
また、宿の経営者からもいろいろな情報を得ることが出来ます。

同室となる他の宿泊者からもいろいろな見所などを得ることも出来ます。
一度泊まってみるとその魅力の虜になりました。

 そしてこのユースホステルには外人の旅行者もたくさん泊まっています。
その中には日本語がほとんど話せないような人も小さな辞書を片手に
泊まっています。
言葉が話せなくても知らない国を旅行している人がいることに感動しました。

でも、これらの人と英語で話を始める日本人の宿泊者もいます。
そうか、英語を話せるともっといろいろな国の人達と話すことが出来るのか。
このことに気がつきツーリングから帰ると英会話の教材を探して、
通勤時間を利用してCDを聞くようになりました。

 でも、耳から聞こえてくる英語がなかなか自分の頭の中で「言葉」として
聞こえてきません。
辛抱強く聞きながら、活字を目で追いかけていると少しずつ、
ほんの少しずつ短いフレーズが聞き取れるようになってきました。

でも、目で活字を追いかけると読めるフレーズを耳で聞いても
そういう風には聞こえてきません。
これを繰り返し、繰り返し聞いていました。

教材は中学生の教科書に載っている英語をネイティブの発音で読んでいるものです。
この教材を一年は聞いたでしょうか?
さらに、スピードラーニングというCDをもらいましたので、
こちらも並行して聞くようにしました。
でも、なかなか聞き取ることが出来ません。

最初に英会話の勉強を始めたときには、
まだ、カイラス山のことは頭にありませんでした。

途中から、カイラス山の巡礼を具体的に考え出したことから
少しは真剣になりましたが、錆ついた頭ではなかなか進みません。

このような状態でカイラス山へ出かけましたので、
自分の英語が通じるかさえ不明の状態でしたね。

札幌からカトマンズまで 1

2006-07-28 20:54:42 | カイラス巡礼・旅行記
 札幌からカトマンズまでの経路を簡単に紹介します。

 まず、6月3日、千歳空港を19:00分に立ちます。関空には21:10分到着。
関空では約3時間の待合い時間があります。

関空で国際便に乗り換えて翌日の01:25分でバンコクへ向かいます。
バンコクには05:15分到着。
ここで約5時間のトランスファーを経てカトマンズへは10:30分に飛び立ち、
カトマンズへは12:35分に到着します。 

関空で3時間、バンコクで5時間ほどの時間をどう過ごすか?忍耐が試される旅です。


☆☆ 国際線の搭乗手続・出国審査 ☆☆

 閉店間際のうどん屋で食事を済ませタイ航空の搭乗カウンターへ向かいます。
タイ航空の搭乗カウンターは国際線カウンターの一番端にあります。
出発時間にはまだ相当時間があるので搭乗カウンターの電気は消され、
人影もまばらです。
近くのベンチでひたすら待ちます。

 22時を過ぎるとチラホラと人が集まり出します。
明らかにタイのリゾート地へ行くようなサンダル履きで軽い服装の人から
タイ人と思われる家族連れなどいろいろな人が集まってきます。

この人達をボンヤリみていると、ほどなく搭乗カウンターに電気がつき
受付をする女性が姿を現します。

 搭乗カウンターに乗客が並び出すので私もその列に加わります。
搭乗カウンターには日本人の人がいますので英語を使うことなく搭
乗手続きを済ませることが出来ました。
係りの女性にパスポートとチケットを出すとカトマンズまでの搭乗券と
荷物の預かり証を渡してくれます。

飛行機内の席は窓際の席をお願いします。
荷物をどこで受け取ればいいのか聞くとカトマンズで
受け取るようになっていました。

人の流れに従って歩いていくと税関のカウンターがあります。
そちらへ行くと係員が「申告するものがありますか?」と聞くので
「いいえ」と答えると奥のカウンターを指さします。
そちらが出国審査カウンターのようです。

係員の女性にパスポートを渡すとチラリと私の顔を見て
パスポートを返してくれます。
これで、出国の手続きがすべて終了しました。
拍子抜けするくらい簡単に終わってしまいました。

これで、日本を旅立つことが出来ます。
出国があまりに簡単でしたので、ちょっと拍子抜けしてしまいました。

憧れ!

2006-07-27 20:42:16 | カイラス巡礼・はじめに!
 カイラス山巡礼には中・高生の頃から憧れを持っていました。

 この頃は中央アジアの探検記などを読みあさり、地図の空白地帯を探検する
ノンフィクションを読んでワクワクしていました。
そして、その中の1枚の写真に心を奪われてしまいました。
この写真に写っていたのがカイラス山です。

 写真には三角形に突き出た山頂に雪をいただきスフィンクスの顔を思わせる
独特な山容が写っています。
この山容に目が釘付けになってしまったのです。
理由は分かりませんが、この山の写真が心を捉えて離さないのです。

 カイラス山はチベット仏教の信者がこの山を聖山と崇め、
遙か彼方からこの山の周りを巡礼するために
何年もかけて東の方から歩いてくる。

 中には五体投地をしながら歩いて来るということに
不思議な魅力を感じました。

 でも、当時のチベットは中国政府が入国を厳しく管理している地域であり、
簡単に行ける場所ではありませんでした。
海外旅行自体も個人が自由に行ける環境ではなかったのです。

外貨も1ドルが360円という固定相場であり、日本から外貨の持ち出しも
厳しく制限されており、学術的な団体などでもなければ行ける場所では
なかったのです。

 社会人となってもこのような状況は続いていました。
時々TVでヒマラヤやチベットを放送する番組を見ては、
いつか、自分がこの地に立ってみたいと夢みていました。

 社会が変わり、個人所得が伸びて固定相場から為替が自由化となり
円の力が強くなり1ドル100円という時代がやってきました。
個人の海外旅行も簡単に行けるようになりました。

 そんな時代になってもチベットやシルクロードなどの遺跡を訪ねるのは
まだまだ自由に行ける場所ではありません。
せいぜい、テレビの特集番組などでチベットなどを扱う番組を見ては
思いを強くしていただけです。

はじめまして!

2006-07-26 21:14:59 | カイラス巡礼・はじめに!
このブログは、団塊の世代であるMIKOが徒歩による四国巡礼を終え、
次の目標であるカイラス山巡礼に挑んだ記録です。

 MIKOは札幌に住んでいるごくふつうの中年サラリーマン。
高校時代は山岳部に所属しており、テント生活はお手の物です。
しかし、今まで海外旅行は一度も経験していません。

 今回のカイラス山巡礼が文字どおり初めての海外旅行となる「井の中の蛙」です。
英語の会話力は、ほとんどありません。
本人は中学1年生程度の語学力はあるのだろうと自負していますが?
英語で会話をしたことがないので日常会話が成り立つかさえわからない有様です。

 さて、さて、こんな中年男が一人でカイラス山の巡礼に挑むわけですから、
どんなことになるかは本人にも分かりません?