井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

トレッキング・8日目・チュサン(3,900m)→ハイキャンプ(4,925m)

2009-12-31 08:06:26 | アンナプルナ・サーキット
昨夜はお腹の調子も落ち着き少しは寝られた。
高山病の兆候は全くない。
そういえば、昨日まったく動けない女性が一人いた。
食堂の日当たりの良い窓辺にうずくまっているロシア系の若い女性がいました。
時語気ガイドが声を掛けていましたが、小さな声で答えるだけで、まったく動けないようだった。
高山病の症状が出ているのだと思って見ていた。

窓の外が明るくなってきたので出発の準備をしながら朝日が出るのを待っていると、ガンガプルナの山頂に朝日が当たり出す。
カメラを持って2階のテラスから写す。

      
     朝日が当たり白く輝くガンガプルナは、ヒマラヤヒダと呼ばれる独特の縦縞模様を山腹に輝かせ、荘厳さを増して迫ってくる。
少しずつ朝日が山肌の下へ向かって当たる度に、微妙に表情が変わっていく。
それがとても美しい。

      
      時折山頂を風が吹き抜け雪煙を舞いあげる。
その雪煙にも朝日が当たり赤く輝いている。
朝食を食べながら、写真を写したり、刻々と姿を変える山の様子を堪能する。

7:40分、宿を出発する。
今日もいい天気で青空が空一杯に広がっている。
マリシャングディ・ナディの流れもすっかり細くなってきた。
その細い流れをさらに遡っていく。

9:00分、ヤクカルカに到着。
本来の予定では、マナンに2泊して、次に泊まるのがこのヤクカルカだったが、今日はハイキャンプまで登る予定なので、このまま歩くと1日早くトロンパスを通り抜けることになる。 

     
     後ろを振り返るとアンナプルナヒマールの山が白く輝いている。

     

     

 さて、上流に吊り橋が見えてくる。
この橋を渡ると後30分ほどでトロン・フェディに着くといわれたが、吊り橋を渡ったところから急な坂道があり、この辺りで足が動かなくなってきた。
でも、息苦しさはないのでゆっくり体を動かしていると何とか歩ける。

12:00分、やっと、トロン・フェディに着く。
ここで昼食を取ることにしたが、狭いサンルームの食堂は人で溢れている。
裏手に回るとテラスがあり、ここは風が当たず日差しもあるのでここで昼食を取ることにする。

ヌードルスープとパンケーキを頼んだが、早い話ヌードルスープというのはインスタントラーメンだった。
塩味のラーメンだったので美味しく食べられた。

サンルームの食堂へ行って少しうたた寝をする。
ゆっくり休んでいるとそろそろハイキャンプへ行くと言われ準備をする。
下の宿へ水を買いに行く。
1リットル、60ルピーだった。

12:45分、ハイキャンプへ向けて歩き出す。
ここからは急な坂道となり、折り返しの道が上へ上へと続いている。
足が動かなくなってきているので、200まで数を数えそこで一息つくのを繰り返し登っていく。

私はいつも苦しくなると200まで数を数えそこまで頑張ることにしている。
動きが悪いのは足だけなので何とか歩けている。
標高4,500mを超えているが息苦しさは感じていない。

坂の上の方にハイキャンプが見えてきた。
でも、ここから15分掛かりやっとハイキャンプに着く。
13:50分、ハイキャンプ着。
今日は標高差で約千メートルも登っている。

普通、1日辺りの高度差を5百メートルほどを目安にトレッキングをするが、今日はその倍を登っている。
幸いに、高度さによる障害は特にない。

      
      私達の部屋はこの母屋の陰にある。

ハイキャンプは満員に近いほど混んでいる。
ここでも、Oくんと同室になる。
私達の部屋は。母屋から2~3分ほど下がった所に別棟となっている。
壁は石造り、床は土間のまま、5室ほどの別棟にトイレが付いているだけ。

寒いので母屋にある食堂で過ごす。
ここも人で溢れているが、暖房もない部屋なので寒い。
夕食後までこの食堂で過ごすが、いろいろな国の人達が来ておもしろい。
私達の大きなテーブルに着いていたのはロシアの人達だ。
若い女性もいるが年寄りも多い。
着ている服などの装備を見ているだけで、何となくのお国柄が分かってしまう。

そんなことで時間を潰し、寒い部屋へ帰る。

明日は4:30分に出発するといわれてる。
トロン・パスは午後になると風が強くなるので、早い時間に通る方がいいのだ。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

     今日の行動
      7:40分 チュサンを出発
      9:00分 ヤクカルカ着
     12:00分 トロン・フェディ着
     12:45分 トロン・フェディ出発
     13:50分 ハイキャンプ着


  ネパール携帯電話事情

 今回ネパールに来て一番驚いたのが携帯電話の普及でした。
前回、カイラス山巡礼(3年半ほど前)に来たときに、携帯電話を使っている人はほとんど見かけませんでした。

それか、今回のトレッキングではガイドさんだけではなくて山の奥に住んでいる人も携帯電話を使っているのです。
一番驚いたのは、チベット人のような服装のおばさんが携帯を片手に持って電話している姿でした。
この姿は、札幌の町中の人と何ら変わるところがありません。

ガイドのビビサンに聞くと、ネパールの携帯電話は通話しかできないようでメールを打つことは出来ないようです。
その他、iモードやアプリとかも使えません。

通話料は1回あたり、2~3ルピーといっていました。
日本の感覚では高くはないのですが、1ルピーの価値が20円~30円ほどかといわれると、安くもないと行ったところでしょうか。

通話エリアですが、今回歩いたコースでいえば使えなかったのはトロンパスを挟んだ一部の地域だけでした。
マナンやムクチナートでは通話できましたので、他のトレッキングルートでもほとんど使えるようでした。   

トレッキング7日目・マナン(3,540m)→チュサン(3,900m)

2009-12-28 21:44:48 | アンナプルナ・サーキット
昨夜は、お腹の調子が悪くて夜中に起きてトイレに行ってしまった。
同室のOくんもトイレに行っていたので、同じようにお腹の調子が良くないようだ。

部屋の中も寒く、体を温めることが出来ない環境はとても辛い。
せいぜい温かい飲み物を飲むぐらいでは、体が温まらない。
食堂もストーブも小さく燃えているような有様で、当たっていても体が温まるところまでは行かない。
結局、一番からだが暖まるのは寝袋の中となる。
これでは、お腹の調子が悪くなるのも仕方がないか。

さて、朝うつらうつらしていると天気が良さそうなので山の写真を撮ることにする。
寒いのでしっかり身支度をして外へ出る。
7時少し前になるとアンナプルナⅣ、ガンガプルナの山頂に朝日が当たり出す。
その朝比奈輝く山を目の当たりにすると荘厳の一言だ。
刻々と変わる山の姿にただただ見入るばかりだ。
      
       アンナプルナⅢ(7,555m)
      
       ガンガプルナ(7,454m)

 これらの山がわずか10数キロ先に聳えている。
あそこの谷を登り、あの氷河の中を登って、そして岩峰に取り付いて・・・・などと見ていると直ぐにでも登れそうな気がしてしまう。
それぐらい間近に見える。

ドンドン朝日が山の下を照らしやがて全体に当たると、目映いばかりに光り輝く。
      

      

 寒いのも忘れて見入っていました。
夢中になって写真を撮っていると70枚くらいシャッターを切っていました。


宿へ戻り朝食を食べた後、10時に宿を出ます。

実は、最初の計画では、このマナンで高度順応のため2泊する予定でした。
トレッキングの標準的な計画でもそうなっているのが多いのです。
実際、このマナンで2泊する人達も多いのです。

しかし、ビビサンは、この先2時間ほど先にあるチュサンまで上がる方が高度順応が出来るといいます。
3,500mを越えないと高山病には掛からないというのです。

私は、日本の研究では2,500mを超えると高山病が発生するという発表があるというと、不思議そうな顔をしています。
この発表は、日本山岳会の研究発表にあったので信頼できると思っています。

さらに、チュウサンは眺めがいいとのことですので、行くことにします。

マナンの町の狭い道を歩きます。
     
    石を積み上げた壁が続きます。
この辺りの建物はこのように石積ですので、石が冷えてしまい部屋の中が寒いのです。
 
 しばらく登っていくと見晴らしが良くなります。
マナンの直ぐ近くにあるという湖が見えてきます。
深い水色の湖が周りの荒涼とした光景にアクセントとなって光り輝いています。
マリシャングディ・ナディの流れの向こうにアンナプルナヒマールが白く輝いています。
     
     この湖の方へ歩いていくとティリチョ湖方面へ行けます。
     向こうに見える山が、アンナプルナⅡとⅣです。

ガイドのハボンさんがマナスルが見えるといって川下の方を指さします。
マリシャングディ・ナディの川下に光り輝く山が見えています。
それがマナスルだというのです。
     
     今まで天気が悪く、やっと顔を見せてくれたマナスルです。

11:40分、宿が2軒しかないチュウサンに着きました。
なるほど、真正面にガンガプルナが見えています。
逆光ですが、マナンより山が大きく見えます。
これは、マナンよりいい写真が撮れそうです。

昼ご飯を食べると、後は日向ぼっこをしたりしてノンビリ時間を潰します。

 この宿の標高は3,900mあります。
自分の足で歩いて初めて富士山の標高を超えたことになります。
今のところ、お腹の調子は今ひとつですが、高山病の症状は出ていません。
体調は、まあまあといったところです。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
 
     今日の行動
      10:00分 マナンを出発
      11:40分 チュサン着


 ○◎~水について~○◎

  水についてはミネラルウォーターを買ってきていましたが、マナンでは135ルピーしていました。

 実は、数日前からセィフ・ドリンキングウォーターという水を買って飲んでいました。3日前の町では30ルピーでしたが、マナンでは50ルピーになっていました。
この水は沢水のようですが、汚れていない安全な沢水なのだと思います。
この水を数日飲んでいますが、これでお腹の調子を壊したわけではないと思います。


  

トレッキング6日目・ピサン(3,200m)→マナン(3,540m)

2009-12-27 19:41:38 | アンナプルナ・サーキット
昨夜は、どこからともなく部屋に風が入り込み、その風が顔に当たるたびに焦げ臭い匂いが鼻につきノドが痛くなり寝苦しかった。
とうとう途中から寝袋の中に顔を埋めてしまった。
そうすると焦げ臭い匂いがしなくなるのでやっと落ち着いて寝ることが出来た。

朝、目を覚ますと今日はいい天気のようだ。
アッパーピサンの上に青空が広がる。

いつものように食事を食べて出発の準備をしていると、そこかしこからいろいろな人が道へ出てきてカラフルなウエアが溢れ道路が綺麗になる。

8:15分、私達も宿を出発する。
このピサンからはトレッキングコースが2本に別れる。
このまま、マリシャングディ・ナディの右岸を歩いていくコースと左岸のアッパーピサンを経由していくコースがある。
しかし、左岸のコースはナワルという町が3,657mもあるので、かなり登らなければならない。

したがって、私達は無難なコースである右岸を歩いていく。
道はゆっくりと登っていく。
1時間ほど歩くとナロチャラという峠にたどり着く。

ここで休むことにする。
実は、今日は寒いと思いズボン下を穿いてきたが、直ぐに身体が熱くなり汗をかいて歩いていた。
峠の陰でズボン下を脱いでホッとした。

ここで、先に休んでいた写真家の星野先生に挨拶をする。
星野先生一行は、この先にあるマナンからティリチョ湖へ行ってゆきようなど野生動物の写真を撮る予定だと話してくれる。
一行は6~7人で、星野先生に長年助手として同行しているシェルパのフル・ゲルジェンさんを紹介してくれる。
この方は、日本語が上手で落ち着いた雰囲気の方だった。
今回は息子さんのポーターとして同行していると話してくれる。
       
       オムデの町を見る星野先生達
       一番左にいる方が星野先生

この峠からの眺めは素晴らしかった。
これから歩いていくオムデの町が一望できる。
そして、天気が良くなってきたので、オムデの町の廻りにある山々もよく見えてきた。
やっと、ヒマラヤのトレッキングに来たのだという実感が湧いてくる。
      
      このオムデには飛行場がある。
      中央に茶色く見えるのが滑走路だ。

これから歩いていくマナンからトロンパス方面がよく見えている。
左手にある山はガンガプルナのようだ。

 峠で記念写真を撮っているので私も加わる。
みなさん、昨夜行われた誕生パーティで祝ってくれた人達だ。
      
     
 オムデに向かって峠道を下る。
途中から天気がすっかり良くなる。
白銀に輝く山々が私を魅了して止まない。
つい足を止めて見ていたくなってしまう。
     

     

 10:35分、オムデの町に着く。
町を歩いていると右手に滑走路が見える。
この町でACATのチェックポイントがあるのでチェックを受ける。

ほとんど平坦な道を歩いていくと宿が数軒見えてくる。
11:45分、バラカの町だ。
時間もちょうど良いのでここで昼食を取ることにする。

朝食後、マナンを目指して歩いていると後ろの方にアンナプルナⅡが見えている。
今まで見えていた峰の奥に黒々とした岩峰が見えてきた。
この峰が本当のアンナプルナⅡの山頂だという。
      
      雲を飛ばしながら一番奥にその姿を現したアンナプルナⅡの存在感は際だっている。

しばし見とれ、口から出てくるのはため息しかなかった。

      
      前方にマナンの町が見えてくる。
天気も回復してきているようで、景色も良くなりトレッキング気分も盛り上がってくる。

マナンの町にはいると、ここではぜひ泊まりたいホテルがあるという。
13:20分、ティリチョホテルに着くとビビさんが慌ただしくホテルの中に入っていく。
このホテルはなかなか洒落ている。
入り口を入ると中庭があり、その周りを部屋が囲んでいる。
入り口の右手にはパン屋があり、左手は雑貨などいろいろなものを売っている店となっている。

ビビさんがやってきて1部屋しか取れないという。
そこで、Oくんと同室でも良いかといわれたが、お互いに異存がないのでこのホテルへ泊まれることになった。
ビビさんとハボンさんは、近くの宿へ泊まることになった。
       
       ホテルの後ろは、アンナプルナⅢが見えている。
       最高のロケーションだ。

 部屋にはいると、トイレが付いている。
今まで泊まった宿でトイレが付いていたのは初めてだ。
それだけ、グレードが高いということだろう。

 この宿の食事は最高だった!
スパゲティとリンゴサラダを頼んだが、どれも美味しかった。
この宿は、専属のコックが何人もいるのでガイドさん達も手を出せる雰囲気ではない。
みなさん手持ちぶさたに食堂の椅子に座ったり、サンルームの椅子に座ったりして時間を潰している。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

     今日の行動
       8:15分 ピサンを出発
       9:15分 ナロチャラの峠
      10:35分 オムデ
      11:45分 バラカで昼食
      13:20分 マナン着


 ガイドさん達の事情

 ここまで歩いてきてガイドさん達の費用などがどうなっているか聞いてみた。
どうやら、ネパリーのガイドさん達が宿に泊まった費用は支払っていないようだ。
 ・ 私達トレッカーを宿に泊めてくれること
 ・ 宿と客の間に入って食事の注文などのとりまとめをすること。
 ・ お金の精算をしてくれること
 ・ ウエイターなどとして客の面倒を見てくれること
などから、宿として宿泊料から食事代もガイドからは取っていないという。

しかし、最近は、高度が高くなってくる宿からは食事代として200ルピーほど請求されるという。

このアンナプルナ・サーキットでいうとマナン、トロン・フェディ、ハイキャンプ辺りのことを指しているようだ。

エベレスト街道では、これが当たり前になってきているなどと話してくれる。

これらの事情が、当然ガイド料に跳ね返ってくる。
ビビさんの話では、アンナプルナ周辺では、ガイドは1日15ドル、ポーターが10ドルくらい平均的な料金らしい。

 これが、エベレスト街道では、ガイドが20ドル、ポーターが15ドルくらいになっているようだ。

これらを基に計算すると、トレッキング会社の取り分は少し多い気がする。
トレッキング会社は1日辺り50ドルから60ドル位の計算をしていると思う。

トレッキングに慣れた人達は、ガイドとポーターのみを頼み、それ以外の経費は一切を自分達で支払うことにしている人達もいる。
この方法が一番安くトレッキングを行うことが出来ると思う。

この次トレッキングに来るときはこの方法を考えたい。
そのためには、信頼できるガイドで日本語を話すことが出来る人をうまく捜せるかどうかが鍵となる。

このブログを読んでネパールへのトレッキングを考えている人は、ぜひ、この方法を検討してみてください。



ピサン・誕生パーティー

2009-12-26 08:49:48 | アンナプルナ・サーキット
昼食を済ませベットの上でちょっと昼寝をする。
ウトウトしているだけで疲れが取れてくる。

さて、今日はやどに早く着いてしまったので夕食まではまだまだ時間がある。

川の対岸にあるアッパーピサン(旧市街)へいってみる。
アッパーピサンへ行くには川を渡らなければならない。
川には吊り橋が2本掛かっている。
      
      木製の古い吊り橋と、スチール製の新しい吊り橋だ。
私は古い吊り橋を渡る。
すると右手前方に石積の仏跡がある。
     
     石が塔のように積み上げられ、明らかに宗教的な意味を持っている石積だ。タルチョンもはためいている。
その先には雪を被った山があり、この山を祀っているようにも見える。
      
  
    そのまま上に向かって歩いていくとアッパーピサンの門が見えてくる。
      
      この門をくぐり、少し歩くと旧市街が見えてくる。
     古い石積の家が山の斜面に折り重なるように建てられている。
そして、一番上にゴンパがある。
私は足が疲れていうことを聞かないので、ゴンパまで上がらずに、旧市街がよく見えるところから降る。
      
       
ところで、今日、11月16日は私の61歳の誕生日です。
夕食後、ビビさんが宿に頼んで作た誕生ケーキを持ってきて、食堂にいたみなさんがお祝いをしてくれます。

ビビさんが、カタを私の肩に掛けてくれます。
誕生ケーキが運ばれ、ロウソクに火が付けられ、いろいろな国の人が「ハッピーバスデー」を歌ってくれます
ロウソクを吹き消しケーキを切り分けます。
      
     
そして、その一片を食べます。
    
    
何か挨拶をしろと言われたので、「外国の人達に祝ってもらった誕生日は生まれて初めてなので、とても嬉しく感激している。みなさん有り難う。」といってビビさんに通訳を頼む。

    
    誕生日を一緒に祝ってくれた人達

    
    そして、ネパリーのエベレスト登頂者二人と記念写真を撮ってくれます。


 今回のツアーを申し込んだときに誕生日が来ることは分かっていたが、このようにいろいろな国の人達に祝ってもらえるとは思っていなかった。
この歳になると誕生日そのものはそれほど意味のある物には思えなくなってきている。

 でも、このようにお祝いしてもらうと誕生日も良いものだと思われるから不思議だ。
この感激を忘れずに、さらにいろいろなことに挑戦しようという気持ちを新たにしました。

トレッキング5日目・チャーメ(2,670m)→ピサン(3,200m)

2009-12-25 19:40:36 | アンナプルナ・サーキット
今日は風はないが肌寒い日だ。
8:00分、出発する。
昨日あった腰の痛みも回復している。
町外れにある吊り橋を渡ると石段の先にお寺のような門がある。
   
   手前にある石段との調和が取れており、なかなか絵になる景色だ。

このような石段がどこに行っても目に付く。
石の表面は綺麗に平らになっている。
どうやらこの石は、目のようなところにノミを当てると剥離するように割れるようだ。
だから平らで大きな石がとれるのだ。
その石を使って石段や家も建てている。
何にでも使える貴重な建築材料となっている。

ゆったりとした登り坂を歩いていくとバラタングの手前にあるちょっとした峠といった雰囲気の所に板張りの小屋がある。
       
      雰囲気からすると峠の茶屋といったところのようだ。
中にはいると右手奥にストーブがあり、30代の男性が一人でドーナツのような物を作っている。

       
      小麦粉を練った物を右手で掬い握りつぶすようにしてフライパンの油に中へ輪を描くように落としていく。
すると、手前のフライパンの中にあるような輪の形をした物ができあがる。
少し食べたが、砂糖をまぶせばドーナツといった物だ。

この茶屋にいつの間にか沢山の人が来て休んでいる。
      
      アシューやチューヌーさん達も来て手伝いながらドーナツを食べている。

 30分を過ぎても出発する気配もない。
身体が冷えてくるので、ビビさんに先に歩くといって、一人で歩いていくことにした。
ビビさんが、私をガイドするという仕事をおろそかにして、ネパーリーの二人を待ち一緒に行動しようとする様な気がしていた。
だから、あえて一人で先を歩くことにした。

一人で歩くのは気持ちがいい。
コースといってもハッキリした道だから間違いようもない。
自分のペースで歩くのだから疲れもしない。

しばらく歩くと川幅が狭まり両岸が切り立った崖となってくる。
道はその右岸の岸壁をコの字形に切り取った所を通る。
       
      これだけの幅と高さをノミ一つで切り取ったのだから、その労力はどれほどのものだったのだろうか?
足元を見ると細かな凸凹がありノミの跡のような模様がある。

10:15分、バラタンに着く。
道の両側に宿があり、沢山の人が休んでいる。
ここには星野先生も休んでいた。
韓国人の団体が多いのか、道の両側に休んでいる物同士が韓国語で話をしている。
星野先生はロバに乗っているが、上り下りもあるのでロバの背中でバランスを取るのも大変だろう。

さて、ビビさんが追いついてこないが、10分ほど休んで先へ進むことにする。
ここで休みながらビビさんを待とうかと考えたが風が冷たいので身体が冷えてくる。
身体が冷える前に歩く方が、調子がいい。
しばらく歩いているとようやくビビさんが追いついてくる。

20分ほど歩くと道が狭まり吊り橋が見えてくる。
個の吊り橋を渡ると急な坂道が待っている。
ビニール管を沢山運んでいるボッカのおじさん達がゆっくりとした足取りで登っていく。
急な坂道でペースが落ち、呼吸が荒くなってくるがゆっくりゆっくりと心の中で良いながら登っていくと、またまた、峠の茶屋が見えてくる。
リンゴや仏具なども売っている。

ちょうど11:00なので少し休むことにする。
ビビさんがリンゴを1こくれたので食べる。
野球のボールを一回り小さくした手のひらで包めるほどの大きさのリンゴだったが日本のリンゴでいうと藤のような味で甘く美味しかった。

ここから、緩くなった松林の道を歩いていくと45分ほどでポカリに着く。
ポカリの町で昼食を取る予定だが、ビビさんは町の中をドンドン歩いていく。
もう町外れかなといったところで、ようやく、右側にある店に入る。

しかし、この店はお客で溢れており、食事を頼んでも1時間は掛かるという。
ピサンまで1時間もあれば着くというので、ここでの昼食を諦め先へ進むことにした。
        
        ポカリの町外れにあったマニ車の小屋

ここからは起伏のない林の中を歩く。
沼もあり、道幅も広くなり車が通れるように作られている。
      
      左手に見える岸壁の手前がピサンだというので、空いたお腹を飲み物でごまかし歩いていく。

 12:45分、ちょうど1時間でピサンに着く。
ピサンの町はトレッキングルートに近いローピサンと対岸にある旧市街のアッパーピサンに別れている。

       
      早い時間に着いたので、部屋はどの部屋でもいいといわれ、眺めの良い2階の端を取る。
アッパーピサンがよく見える部屋だ。

 部屋へ荷物を置くと直ぐに昼食を頼んで一息つく。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

    今日の行動 
      8:00 出発
     10:15 バラタン
     11:45 ポカリ
     12:45 ピサン

トレッキング4日目・バガルチャップ(2,160m)→チャーメ(2,670m)

2009-12-24 21:20:58 | アンナプルナ・サーキット
昨日の寒さでお腹の調子が良くない。
寒気はなくなっているがお腹がゴロゴロ鳴っている。
ちょっとゲリ気味か。

さて、朝食を食べに食堂へ行くと昨夜気を失ったO氏が食事を取っている。
麻の挨拶をすると、「昨夜は心配掛けました。でも、大丈夫です。」と元気な声で話してくれる。
どうやら、貧血が原因で意識を失ったようだ。

さて、今日は朝から天気が良く、外にでると雪を被った山が見える。
      
      朝日が当たって真っ白に輝いている。
      この山がすでに4千メートルはあるようだ。

 8:00分、朝食を食べて出発する。
30分ほど歩くとダナキューに着く。
ここにも数軒の宿がある。

ここから直ぐに狭い谷に入り、急な登りとなる。
息を切らさないようにゆっくり登っていく。
林の中は日が当たらず寒い。

昨日の反省で、今日は長袖シャツを着たので寒さが直接当たらず調子がいい。
それにしても、急な坂だ。
その坂の途中に発電所がある。
小さな発電所だが、導水管もありなかなか立派な施設だ。

さらに坂道を1時間ほど歩くと、やっと、緩やかな道になる。
この辺りは大きな樹があり、林となっている。
その道をロバが通っていく。
     
     ロバの背中には白い袋が括り付けられているが、どうやら穀物のようだ。
きっと、さらに上流にある畑などで作られた穀物を下の町まで運んでいるのだろう。

 11:05分、タンチョクに着く。
ここで昼食とするが、汗で濡れたからだが冷えて寒い。
でも、食堂には火の気がない。
仕方がないので炊事をしている台所に行ってストーブに当たる。

私とOくんしかお客がいないので、Oくんのガイドであるハボンさんが器用にももを造っている。
ももとは餃子のような食べ物なので皮で中身を包み込まなければいけない。
その皮で包むのをハボンさんは上手にやっている。
さすが、コックさんだけのことはある。

私達が注文した食事を宿の人とガイドさん達が一緒になって作っている。
できあがるのが遅くなり、ここで約2時間も休んでしまう。
空は雲が広がり、風が強くなってくるので寒い。
ヤッケを着込んで歩くことにする。

 13:50分、チャメに着く。
町の入り口にはタルチョがはためいている。
    

 そしてさらに進んでいくとマニ車が幾つも並んでいる建物がある。
     
     約20メートルはあるかと思うほど長い建物にマニ車がズラーッと並んでいるのは壮観だ。

 今日は入り口近くの宿に泊まる。
部屋で荷物を整理して寒いので寝袋に入っているとビビさんが「この宿のシャワーは熱いので入らないか。」と声を掛けてくる。
「ほんとうにあついの?」と聞くと確かめたと言い、今、入っている人がいるので15分ほどしたら下の台所に来てくれといわれる。

半信半疑で15分後に台所へ行くと、さらに、外にある梯子を降って台所に裏手に行く。
そこに小さな小屋があり、この小屋がシャワールームとなっている。
小屋に入りシャワー栓を明けると確かに熱いお湯がでてくる。
でも、その流れは細い。おまけにシャワー室が寒いのだ。

しかし、ここでシャワーを浴びておかなければ、次に、何時このような熱いシャワーに有り付けるか分からない。
ここは小屋の寒さに目をつぶって、頭だけでも洗っておきたい。

意を決して服を脱ぎ、震えながらシャワーを浴びる。
確かに熱いシャワーなのだが、いかんせん、湯量が少なすぎる。
手早く頭を洗い、体を拭いて服を着る。

頭はすっきりしたが、身体の震えが止まらない。
こんな思いをしてまで身体を洗う必要があるか疑問だが、取り敢えず頭はすっきりした。
急いで台所に戻り、ミルクティーをお腹に流し込んでストーブに当たる。
これでやっと身体の震えが止まる。
仁川のホテルで頭を洗ったのが最後だったから1週間振りだったことになる。

さて、頭がすっきりしたところで、もう一つの懸案だった自宅への電話をしにいく。
宿の近くにインターネットカフェがある。
ここで電話が掛けられると聞いている。
今回、KDDIのプリペイド契約をしてきている。
これで電話を掛けようと考えている。

店の女性にビビさんからすでに料金を払っていることを説明してもらうが、このことがどうしても理解してもらえない。
仕方がないので、ネット電話の料金を聞くと1回50ルピーだという。
それで掛けた方が早いので番号を教えてダイヤルしてもらう。

すると、呼び出し音のあとカチャリと音がして電話が繋がると「もし、もし」と妻の声がする。
手短に今いる場所を伝え、元気に歩いていることを伝える。
子供達の近況を聞いて、一安心!

これで、取り敢えず気になっていたことも解決したので、ビビさんに礼を言って宿へ戻る。

チャメの町は、この辺の中心なのでお店もあるという。
町の奥へ向かって歩いていくと確かに今まででは一番大きな町のようだ。
警察や軍隊の建物もある。

     
     登山用品を沢山おいてあるカラフルな店もある。

     
     このお店にある登山用品には、ほとんどノースフェイスのマークが付いているが、実はまがい物だ。
でも、そこそこの造りなので、値段も考えると買う価値は十分にある。

 この店でボールペンを買ったが、中国製で50ルピーだった。
これもそこそこの製品だった。
日用品は中国製が多いようだ。    

トレッキング3日目・チャムチェ(1,430m)→バガルチャップ(2,160m)

2009-12-21 20:18:12 | アンナプルナ・サーキット
今日は標高差6百メートルほどを登らなければならない。
体調は良いが少し疲れが出ている。
トレッキング3日目なのでそろそろ疲れが溜まってきているようだ。
昨夜の眠りも少し浅かったような気がする。
もっとも、最近は旅に出て熟睡したことがないので、浅い眠りもいつものことだ。

7時まで寝袋に入って横になっている。
起きると直ぐに荷物をまとめる。
隣のベットの上に広げてある荷物を一つずつザックに詰めて忘れ物のない様にする。

7:30分、朝食を食べる。
今朝のメニューはパンケーキにトマトスープ。
パンケーキはホットケーキを考えてもらえばいい。
トマトスープはちょっと酸味があって食欲をそそってくれる。

7:55分、出発する。
10分くらい歩くとチャムチェの街となる。
街といっても数軒の宿があるくらいだが、それでも街なのです。

吊り橋を渡ってここからが急な坂道を延々と登っていく。
首が痛くなるくらい上を向くが、ズーッと崖のような岸壁が続いている。
この上まで登らなければならないようだ。

一歩一歩を確実に登っていくが、幾ら登っても上には到達しない。
1時間半ほど歩いて、やっと、空が開けてきたと思ったら、対岸に猿がいるとみんな立ち止まって見ている。
私も立ち止まってみると数匹の猿が対岸の崖を降ってくる。
写真を撮ろうと思ってカメラを構えるが、望遠にしてもブレてうまく写せない。

ここで、日本人を見かける。
この人は写真家の星野さんだ。
昨日、Oくんが写真家の星野さんと一緒になって名刺をもらったといっていた。
星野さんという写真家は、私の記憶には星野道夫さんしかいないが、彼はこの世にはいないので、もちろん違う方だ。

体型は小太り、身長も小柄な人で口ひげを生やしている。
挨拶だけして、先に歩いていく。

ここから、1時間ほどでタルに着いた。
タルの街が見えたときには、本当にホッとした。

        
      ビビさんの話だと、タルの辺りは昔湖だったので広い川原になっているという。

なるほど、タルの街は広い川原の左岸にゆったりと広がっている。
こんなに広い川原は、初めて見た。
水の色が空色に光り輝いている。

このタルの町外れにあるホテルで昼食を取る。
      
     ホテルの庭には色とりどりの花が咲き、裏には滝がある。

手入れに良くされた庭のテラスで昼食を取る。
暖かく風が気持ちよく身体の汗がスーッと引いていくのが分かる。
このホテルで1時間半も休んでしまう。
見知った顔がドンドンホテルの前を通り過ぎていく。

11:50分、タルのホテルを出発する。
直ぐ先の方に吊り橋が見えてくる。
      
      この吊り橋は長くてなかなか立派な橋だ。

この先は、ダラダラと登っていくだけだといわれたが、なかなかどうして、細かなアンジュレーションがあり、登ったり降ったりが続く。
私の足は、午前中の登りですっかり参っている。

登りはだましだまし登って行く。
すると、大きな荷物を背中に背負ったボッカさん達が歩いてくる。
      
     このおじさんが背負っているのはビニー製の配管だ。
     3メートルくらいの長さのものを10本ほど背負っている。
     いったい何キロあるのだろうか?
     この荷物を額で支えて歩いていく。

さて、ネパールの人達はポーターもそうだがみなさん荷物は額で支えて持ってい
く。
それが、不思議でならない。
ガイドさん達は普通のザックを使っているが、ポーター達もみなさん荷物に紐を掛け額で支えて歩いていく。
足元を見るとゴム草履だったりする。
それでも、岩場などもヒョウヒョウと歩いていく。

このビニール管を横に束ねて担いでくるボッカさんもいる。
狭い道幅一杯になって歩いてくるので、上からロバや人が歩いてくると横になってそれらを通している。
私達も追い抜くときは、その横になった時を狙って追い抜いたりする。

1時間ぐらい歩いたところで、道路の工事現場にぶつかる。
巻き道が遙か上の方に見える。
あそこまで登るのかとガッカリしていると、向こうの方から工事現場を強行突破しようとしているボッカがいる。
道の上で工事をしており、そこから岩が落ちたりしているので危ない。

工事作業をしている人が下を歩く人に気が付いて工事の手を休めた。
それを見ていたビビさんが、あのボッカがこちらへ渡ってきたら私達も巻き道へ上がらずにそのまま歩こうという。

ボッカが無事に歩いてきたので、直ぐに私達も歩いて工事現場をやり過ごす。
これだけのことだが、20分以上は得した気分になる。
私は、巻き道を登らないで済んだことにホッとした。

14:25分、ダラパニに着く。
最初の予定では、この街で泊まる予定だったが、もうすこし先へ足を伸ばすことにしたのだ。
このダラパニは、マナスルへの分岐点となる町なのだ。
タルから歩いてくると韓国人や欧米人のトレッカーとすれ違った。
これらの人達は、マナスル方面のトレッキングを終えて降ってきてるという。

マナスルを初登頂したのは、日本人なのだ。
そういう意味では、縁のある山なのだが、その姿は雲に隠れて見えなかった。

ダラパニから疲れた身体に鞭打ってダラダラした坂を登っていく。
太陽が山陰に隠れたせいか風が冷たくなってくる。
その中を半袖のTシャツ1枚で歩いていた。

腕が冷たくなったが、背中には汗をかいていたのでそのまま歩いていた。
(後で考えるとこの時フリースでも着込んでおけば良かったのだ。)
15:40分、山陰に陽が落ちかかった時、やっと、バガルチャップの宿に着いた。
日が陰ると急に寒くなってくる。

      
      バガルチャップの宿。      

宿の部屋にはいると急に体が震えだしたのであわてて寝袋を出して潜り込む。
汗で濡れたTシャツを脱いで長袖のシャツに着替える。
さらにフリースを着てパーカーも着る。
それで、寝袋に潜り込んだが身体の震えが止まらない。

1時間ほどして、やっと体が温まってきた。
トイレに行くと、また震えが来る。
軽い風邪を引いたようだ。
そのまま寝袋に入って夕食までの時間寝ることにした。

夕食の時間になったので食堂へ行くとストーブが焚かれている。
ちょっと当たるとストーブの暖かさが身体にしみ込んできてホッとする。

日本人2人組がテーブルに座っているので挨拶をして自己紹介をする。
一緒のテーブルに座って話をしていて、ふと、隣を見ると横に座っているOさんの様子がおかしい。
椅子からずり落ちそうな姿勢で頭が下がっている。

向かい側に座っていたNさんが、「どうした?」と声を掛けながら身体を起こそうとしたが、意識がないようだ。
目の焦点も定まらずうつろな顔をしている。
2~3度身体を揺すって声を掛けるとやっと気が付いたようだ。

この異変に付近にいたガイド達も気が付き、騒がしくなる。
わたしとNさんで取り敢えず横になってもらおうとしたが、本人はトイレに行きたいという。
Nさんやガイド数人がトイレまで付き添っていく。
私も気になったのでトイレまで一緒に行ったが、どうやら大丈夫のようだ。

トイレから出てきたOさんをそのまま部屋まで連れて行ってベットに寝せる。
Nさんが大丈夫ですと行ってガイド達を引き上げさせる。
OさんとNさんの隣が私の部屋だったので、何かあれば壁を叩いてくださいといって私も食堂へ戻る。

私も食堂で暖かいものを食べたので少し身体が暖まってくる。
でも、食堂を出ると風が冷たく体が震えだしてくるので早々に部屋へ戻り寝袋に潜り込む。
ガタガタと震えながら寝袋の入っていると少しずつ身体が暖まってくる。
そうこうしているうちにウトウトと寝てしまったようだ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
    今日の行動
     7:55 チャムチェ発
    10:30 タルで昼食    
    14:25 ダラパニ着
    15:40 バガルチャップ着

 具合の悪くなったO氏は67歳だという。
今日の行程はけっこうきつい行程だった。
私もきついと感じたほどだ。
O氏は心臓や血圧などにも異常はないという。
でもあのように急に意識を失うことがあるのだ。
高齢者としては、このような異国でのトレッキング、どこでなにがあるか分からないので体調の変化には十分に気を付けなければいけないことだと思う。





 

トレッキング2日目・バンンダンダ(1,310m)→チャムチェ(1,430)

2009-12-20 08:55:54 | アンナプルナ・サーキット
今日の天気も曇り空であまり良くないです。
今は乾期ですので晴れを期待しているのですが、どんよりした蒸し暑い天気が続きます。

7:43分、バウンダンダの宿を出発します。
折角稼いだ高度をドンドン落とします。
小高い山の上から川面に向かって降るのです。
朝一番の歩きが、延々と続く石段下りですので膝が悲鳴を上げそうになります。

川幅も大分狭くなってきたところで対岸に滝が見えてきます。
この滝のところで、女性3人組と記念写真を撮ってもらいます。
    
    この三人の女性のうちネパールの2名は、昨年、エベレストに登った女性です。
私の左にいる女性がチューヌーさん、直ぐ右の女性はマリアさん、その右隣がアシャーさんです。
チューヌーさんとアシャーさんが、昨年、ネパールで初めて結成した11名の女性隊としてエベレストに登ったのです。

この女性他の中に17歳の高校生がいたようです。
アシャーさんは23歳といっています。
日本人の三浦にベースキャンプと第4キャンプで会ったなどと話してくれます。
今回は、オーストラリア人のマリアさんのガイドを務めています。

対岸にシャンジェの街が見えてきます。
ここの標高が、1,100mほどです。
実はこの街まで車で入れるのです。
マリシャングディ・ナディの右岸を車道がここまで延びています。

しかしこの辺りから川幅が狭まり、しかも両岸は高い崖となっています。
シャンジェの直ぐ先、右岸のかなり高いところで道路工事を行っています。
このため仮設の吊り橋がありますが、それが何とも心細い造りです。
     
     竹を編んで造られた何とも簡易な構造で、真ん中に踏み板が数枚渡されているだけです。
直ぐ下の流れは激流です。
この吊り橋を渡るときはちょっと緊張しましたね。

11:30分、仮設の吊り橋を渡り、その上流から再度吊り橋を渡りジャダットで昼食を取ります。

ここからはマリシャングディ・ナディの右岸を歩いて高度を稼ぎます。
川幅がドンドン狭くなり、川面からの高度を上げていくと対岸に滝が見えてきます。
けっこう大きな滝で、何段にもなって落ちてきています。
最後の段が一番大きいようで、高度差が30~40mはあるようです。

       
      今日はこの滝の真ん前にある宿に泊まります。

チャムジェの街はこの滝から10分ほど先にあるのですが、眺めがいいのでここに宿を取ります。

      
      宿は道を挟んだ両側にあり、滝側はレストラン、山側が宿泊棟となっています。

ここまでは順調に歩いています。
天気が曇り空であまり良くないのが気がかりです。
というのは、トロンパスの方に雪が降っているのではないかという懸念があるからです。
時々雲の切れ間から見える4千メートルほどの山に真っ白な雪が見えているからです。

今歩いている辺りは高度が低いために日中はTシャツ1枚で歩いていても汗でシャツが濡れてしまうくらいです。
しかし、目の前に見える山々に白い雪を見てしまうと天気の行方が一番の気がかりです。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
     今日の行動
       7:43分 バウンダンダ出発
      11:30分 ジャガットで昼食
      14:15分 チャムジェ着


 日本へ帰ってからネパール女性によるエベレスト登山隊について調べてみましたが公式ホームページを見てもたいしたことは分かりませんでした。
ただ、女性隊編成に当たっては、いろいろな職種の人から選抜したようです。
個人的な情報は載っていなかったのでアシューさんやチューヌさんがどんな仕事をしているのか分かりません。

どんな経過から選別されたかも分かりませんでした。
私に語学力があればこの辺のことを直接聞けたのですが・・・・
残念!  

トレッキング1日目・ベシサハール(840m)→バウンダンダ(1,310m)

2009-12-18 21:16:10 | アンナプルナ・サーキット
今日からいよいよトレッキングの始まりです。
荷物の一部(寝袋に着替えなどの衣類)はガイドのビビさんに持って貰います。
7時に起きて、朝食は7:30分、出発は8時ということに決めました。

朝食は、シンプルブレックファーストを頼みます。
これは、トーストが2枚、卵が2個、ハッシュドポテト(ジャガイモをソテーしたもの)、紅茶などの飲み物がセットになったものです。
卵は、ゆで卵かスクランブルエッグに調理して貰います。

飲み物はブラックティ、コーヒー、ミルクティー、ジュースなどから選びます。
料金は200ルピーほどです。
私は、ゆで卵とブラックティーを頼んでいました。

朝食が済んだら出発です。
7:43分、ホテルを出ますが、直ぐ目の前にあるチェックポイントで許可証を見せなければなりません。

アンアプルナ山域に入るにはアンナプルナ自然保護地域プロジェクト(ACAP)の許可証を取得しなければなりません。(2千ルピーを支払っています。)
許可証に検印を受けて、いよいよスタートです。

ベシサハールの町外れからいきなり川に向かって急な石段を降ります。
ここから、マリシャングディ・ナディ川に沿って登っていきます。
    
    天気は曇り空であまりよくありません。

道はマリシャングディ・ナディ川の右岸に延びています。
歩いているとうっすらと汗ばんできます。
Tシャツ1枚でも良いくらいの陽気です。

1時間半ほど歩くとクディに着きました。
ここにもACAPのチェックポイントがあります。
     
     チェックポイントの横は綺麗に整備された休憩所があり、その先に吊り橋があります。

     
     この吊り橋を向こうから渡ってくる親子がいますが、こちらからロバの群が吊り橋を渡っていきます。
ロバの背中には荷物が積まれているので、すれ違うことが出来ません。
どうするかと思ってみていると、向こう岸から渡ってきた親子が橋の右側にしゃがみ込みロバの群をやり過ごそうとしています。

私は、向こうから来る親子が吊り橋を渡り終えるまでロバを橋に入れなければいいのにと思ってみていましたが、ロバを止めることもしないで、ドンドン渡してしまいます。

この辺でも、日本人のメンタリティーとは違うもなのだと思いました。

ここから1時間ほど歩くとナディに着き、昼食を取ります。
      
       
       ナディの宿は庭が綺麗に手入れされており、真っ赤な花が咲いています。
       
       どう見ても熱帯性の花ですね。

昼食はトゥクパを頼んだのですが、出てきたのは焼きそばのようなものでした。
トゥクパはラーメンのような麺だと思ったのですが、どうやら、ここでは違うようです。
靴を脱いで、足を休めます。

昼食後は、ここから2時間ほどでバウンダンダに着くといわれました。
バウンダンダに近づくと段々畑が広がっています。
      
      その段々畑には稲が植えられちょうど収穫期を迎えています。

日本ではなかなか見られなくなった段々畑が山の上の方へ続いています。
その一番上の方に建物が見えます。
ビビさんがその上の方を指さして、バウンダンダだといいます。

川面から見るとかなり登らなければなりません。
段々畑を間近に見ると、刈り取った稲を円柱形に積み上げています。
そのやり方が、子供時に見た近所の水田で行っていた稲を乾かすための方法とまったく同じなのです。
懐かしい光景に出会った気分でした。
急な斜面をやっと登り切ると、そこは広場でした。
        
      広場の中央には大きな樹がありちょうど荷物置き場となっています。

 ビビさんが、この広場の先にある宿への階段を登っていきます。
私の宿は、山の上にあるホテルです。
このホテルは食事が美味しいと評判なので、ここに宿を取りたかったといいます。でも、ビビさんの分はとれなかったのでビビさんは広場にあるホテルに泊まることにします。

小高いところにあるホテルですので眺めは最高です。
広いテラスがあります。
      
     確かにこの宿の食事は美味しかったです。
朝食はパンケーキを頼みましたが、ふっくらとして美味しかったです。


この宿で不思議なものを見ました。
それは、主に西洋系の白人達が持っていたものなのですが、水の殺菌装置のことです。
ボトルに汲んだ水の中になにやら蛍光管のようなものを差し込んでスイッチを入れます。
そうすると紫色の光を発し約1分ほどで消えます。
どうやら紫外線で水の殺菌を行っているようです。
こんな装置があるとは思いもしませんでした。

水に関しては、生水を呑むとゲリなどを起こしてしまうのでミネラルウォーターを買って飲んでいました。
沸騰させた水も売っているのですが、標高が上がれば沸点が低くなってしまいますので沸騰させても完全な消毒は出来ないと思います。

そんなこともあって私はミネラルウォーターを飲んでいましたが、その水の値段がベシサハールよりバウンダンダの方が高くなっています。
この先へ進むにしたがってもっと高くなってしまうようです。
それでも、40~60ルピーほどですので、日本円に換算するとたいした金額ではありません。

水の消毒を紫外線で行う装置のことは、日本へ帰ってから調べてみようと思いました。
(この装置を調べたところ、REIの通販サイトで約100ドルで売っていました。)

夕方から何度か霧雨のような雨が降る。
長い時間ではないのだが、この雨が標高の高いところでは雪になっているのだと思うと、ちょっと気になる雨だ。

夜、寝袋に入って寝ると暑くて一枚ずつ服を脱いで、最後はシャツとパンツだけになる。それでも暑いので寝袋を出て、寝袋のジッパーを開いて毛布のように掛けて寝る。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
    今日の行動
     7:43 ベシサハールを出発
    11:08 ナディで昼食
    14:10 バウンダンダ着 
 

カトマンズ(1,400m)→ベシサハール(840m)

2009-12-17 21:43:11 | アンナプルナ・サーキット
9時30分にガイドのビビさんが迎えに来るというので、9時前に準備をしてベットの上でゴロゴロしていると9時前にドアをノックされます。

ドアを開けるとビビさんが立っており、「用意は出来たか?」というので「出来てるよ}というと直ぐに出発すという。

あわただしく、フロントに不要な荷物を預けて車に乗ります。

車は北へ向かって狭い道を走ります。

かなり乱暴な運転です。

何度かどこかへ電話をしています。

狭い道にバイクと人が溢れています。

それを久ラックションをならしながら、かき分けるようにして飛ばします。

人やバイクにぶつかってしまうのではないか、気になるのですが、そこはどうして
すんでの所で止まったり交わして走ります。

大きな道にぶつかり、左へ曲がり少し走ったところで降ろされます。

5分もしないうちに緑色のバスが来て止まります。

どうやらこのバスでベシサハールへ行くようです。

ザックをバスの屋根に積むというのをカメラが入っているからと拒否してバスに乗
り込みます。

しかしバスの中は1席しか空いていないので、そこに私が座り、ビビさんは立っています。

あちらこちらにバスが止まり、乗客を降ろしたり乗せたりして走ります。

そうするうちにスワヤンブナパートのそばを走りました。

金色の仏像に見覚えがありました。


バスは、山に向かったドンドン登っていきます。

登ったかと思ったら、今度はドンドン下ります。

一番下で橋を渡るとまた登っていきます。

こんな事を数え切れないくらい繰り返していますので、退屈になって寝てしまいました。


2時間ほど走ったところでバスが止まります。

トイレタイムかと思ったらランチタイムのようです。

      
      このバスに30人以上が乗っています。

横にある小屋で昼食を食べます。

昼食はダルバートです。

朝食を食べてそれほど時間が経っていないのでお腹はすいていないのですが、ネパール人は、朝食はミルクティー程度で済ませますので、昼食は早めに取るようです。

ここからさらに2時間ほど走ったところがルムレイという街です。

      
      この町は、ポカラとベシサハールへの分岐点にあるとのことで                     なかなかの賑わいでした。

さて、ルムレイの街でトイレタイムを取りさらにバスは走ります。

2時間ほど走ってようやくベシサハールに着きました。

     
     右側に白い建物が今日の宿です。

さて、この宿には日本人が私を含めて4人泊まっていました。

一人は私と同じ札幌から来た31歳のOくん、後の二人は私より年上のようです。

それ以外には日本人の姿は見えません。

Oくんも日本語の話せるガイドさんを頼んでいます。

同じ札幌ということもあり、まずは自己紹介をしてガイドさんも紹介して貰います。

Oくんのガイドさんは、ハボンさんという綺麗な日本語を話すガイドさんです。


宿のテラスで夕食を食べながらビビさんと日程について打合せをします。

ビビさん曰く、会社が造った日程はこれとして、私の体調に合わせて自由に日程を組み直すことを提案してきます。

これには異存がありません。

特に、トロンパスは5,400m有りますので、高度障害などが出ればすんなりと越えることは出来ません。

ビビさんが10日前にトロンパスを越えたときは膝くらいまで雪があったといいます。

天候も行動を左右します。

全ては、体調と天候に掛かっています。

取り敢えずマナンあたりまでは予定通り進むことにして、いよいよあしたからトレッキングが始まります。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
    今日の行動
     9:00  ホテルを出発
     9:30  バスに乗る
    11:45  ランチタイム
    14:15  ルムレイ 
    16:15  ベシサハール着


 ガイドのビビさんについて
    年齢35~6歳のネパリー
    大学を卒業後、ガイドになり経験は10数年
    大学で教える資格を取っているといっているがそういう職には就けない
    子供3人いる
    カトマンズで一人暮らし
    話好きな人
    日本語はあまり上手ではない
    山登りは嫌いだといっている