井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

2021.2.28.キロロスキーワールド管理区域外で発生した雪崩事故報告について

2021-03-08 20:10:22 | 札幌近郊の山
  2021.2.28.にキロロスキーワールド管理区域外において発生した雪崩事故報告について、3月1日に日本雪氷学会北海道支部雪氷災害調査チームが現地調査を行ったので調査速報が公開されました。

詳細については、https://snow.nadare.jp/news/2021/000033.html をご覧ください。

 この事故は、男性ガイドが5人のお客を案内中に東京から来た女性が雪崩に巻き込まれ死亡したものです。
現場は、キロロスキーワールドの南、余市岳の西南西方向にある1218m峰の北斜面で発生したのもです。
キロロスキーワールドからはかなり離れた場所となります。

 雪崩の規模は、破断面の幅が約50m、厚さは20cm~100cm(一部推定)であり、
流下距離は約500mと調査されています。

2021.2.28.発生した大雪山系上川岳における雪崩調査報告について

2021-03-04 21:02:36 | 大雪山系の山
2021.2.28に大雪山系・上川岳東面において発生した雪崩事故報告が速報として日本雪氷学会北海道支部において調査報告が出されました。

  この雪崩事故は、大学生4人パーティーが黒岳から旭岳に縦走しようとしていたが風が強いため計画を変更して白水沢に下山しようとして雪崩を起こしたようです。

 沢に降りる最初のノール地形で雪崩を誘発し2人が巻き込まれそのまま100mほど流され埋没したようです。
直ちに残った2人により創作活動を開始し、Aさんは埋没深20cmで手とスキーの一部が出ていたため直ちに掘り起こされ15分後に気道確保が行われました。
しかし、気道確保した時点では自発呼吸がなく、意識もなかったが1~2分後に呼吸が再開された。

もう一人埋没していたBさんは、70~80cmの埋没で雪崩トランシーバーによるサーチ結果により発見され、25分後に気道確保がされました。
しかし、気道確保時点では呼吸は会った者の意識はなかったとのことです。
それぞれ、保温処置がなされたため意識が戻り低体温からも回復し、自力で下山できたのは幸いでした。


    
    雪崩の現場写真です。
    雪崩規模は、幅20-30m、長さ約100m、破断面の厚み10-15cm、デブリ末端に2名が埋没した。

    写真の中央に縦に2本の筋が見えますが、これはスキーで滑った後のようです。

    

    

 この事故は、幸いに死亡事故とならなかったのです。
雪崩の規模が小さかったのが幸いでした。
しかし、この日はキロロスキーワールドでも雪崩事故があったように、全道的な気象条件によりどこで雪崩が起きてもおかしくない状況がありました。

 普段から毎日の天気に十分気を付けながら雪崩の危険性を考えなければいけません。

詳しくは、日本雪氷学会北海道支部のHPをご覧ください。
https://avalanche.seppyo.org/snow/modules/bwiki/index.php?%BB%F6%CE%E3%2F2021%2F02-28%BE%E5%C0%EE%B3%D9

 現場写真と地図2葉は日本雪氷学会北海道支部調査報告から転載しています。    

無意根山・大沼山へ!

2021-03-03 21:16:01 | 札幌近郊の山
 3月3日、今日はひな祭りの日です。
ここ数日の吹雪も昨夜でやっと終わりました。
今日は天気が回復してくるとの天気予報を信じて札幌近郊にある無意根山・大沼山へ行ってきました。
この大沼山(標高1111m)ですが、無意根山から余市岳に続く稜線にあるコブ山です。
千尺高地から余市岳に向かって二つ目のコブ山が大沼山になります。

 コース自体は、ほとんど林の中を歩きます。
そのため多少の風が吹いても安心して登れる山なのです。

 いきなりのスタートは、まず2mほどの雪の壁を登るところから始まります。
    
     これは除雪車が削った雪の壁です。
     垂直の壁ですので多少の技術を要します。

 この壁を登ると旧鉱山社宅跡となる雛段上の斜面を登ります。
全体的に右手の斜面を中心に登ります。

 最初の注意点は、途中にあるコブ山(875m)に登らず、このコブ山の西側をトラバースしながら登ります。
あとは一心不乱に上へ上へと登ります。
途中で二か所ほど開放した斜面が現れ、帰りに滑る楽しみをもたらしてくれます。

    

    

 今日の雪質は、表面はパウダーなのですが、下の方に重い雪があり、しかも全体で膝下ほどの深さですのでラッセイルが大変でした。
このため思うように進みません。
幸いなことに風は弱く気温も高めで小雪がチラチラといったところですので安心して歩けます。
何回か休憩を取りながらゆっくり歩きます。

 やがて、樹木がまばらになり、傾斜が増してくると山頂が近くなった証拠です。
風の音が変わり、稜線を吹き抜ける音となり、冷たさが増してきるので分かります。

    
    前方に雪庇が見えてくると山頂です。

 山頂手前の雪庇部分は固いので直登を避け、少し高度を落として稜線の上に出ます。
本当ですとここからは羊蹄山が見えるのですが、今日も雪雲の中に隠れていて見えません。

    
    山頂からは千尺高地の方が少し見えましたが、無意根山の山頂は雪雲の中です。

    
    千尺の手前の稜線には大きな雪庇が見えています。
この景色もいつもの通りです。

 さあ、あとはスキーのシールを剥がし、滑るのを楽しむだけです。
しかし、その肝心の滑りも雪が深いのでスピードが出ません。

楽しさ半分のちょっと難儀しながらの下山となりました。 

速報! キロロスキーワールド管理区域外で雪崩発生

2021-03-02 18:52:05 | 札幌近郊の山
 2月28日午後0時30分頃、キロロスキーワールド管理区域外で雪崩発生!!


この雪崩によりガイドが引率するお客5人のうち東京から参加していた女性が巻き込まれました。
仲間により救助されましたが搬送先の病院で死亡が確認されました。

ここ最近の天気は寒気と暖気が繰り返しており、雪崩発生の危険性が危惧されていました。
詳しい雪崩の様子は分かりませんが、沢型の地形に入り込んでいたとしたら、その地形を選択したガイドの責任が問われるかもしれません。

このシーズンにおけるキロロスキーワールド周辺の管理区域外での雪崩による死亡事故は、これで2件目となります。

本州から北海道へバックカントリを楽しみに来る方へ警告します。
北海道の山はガイドといえとも安全性を100%確保してくれるものではありません。
この事を胸に刻み、バックカントリーに入ってください。

自分の命を守るのは自分しかいません。
少しでも危険性を感じるならそのコースを選択するのではなく、自分の判断でコースを選んでください。
それができないのであれば、おとなしくスキー場で楽しんでください。

これ以上、雪崩事故で死亡者が出ないことを祈っています!!