井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

日高全山縦走踏破への道程

2015-08-16 09:11:14 | 日高山系の山
 7月30日にエサオマントツタベツ岳北側の尾根の未踏破部分800mを歩くことができました。
このことによって芽室岳から楽古岳に続く日高と十勝の国境稜線のすべてを歩くことができました。

 その記録を整理しておきたいと思います。
北の芽室岳から南の楽古岳へ向かって整理しました。
歩く方向ですが、ある時は北から南、また、南から北、その時々の条件によって歩いた方向が変わっています。

  アンダーラインを引いた部分をクリックすると縦走した記事へ飛ぶことができます。

 1 芽室岳からピパイロ岳1,911m肩まで
2014.3.24~28
    芽室岳から伏見岳まで 

2014芽室岳~ピパイロ岳【日高国境稜線大縦走】



 2 ピパイロ岳1,911m肩から北戸蔦別岳まで
2011.7.11~12
    伏見岳から北戸蔦別岳まで

 3 北戸蔦別岳から戸蔦別岳まで
2013.7.13~15
    北戸蔦別岳から幌尻岳まで

 4 戸蔦別岳から1、840mのコブ山まで
2013.3.28~29
    1,803mコブ山から戸蔦別岳まで

2013トッタベツ恐怖クレバス落下


 5 1、840mのコブ山からエサオマン北尾根1,670m地点まで
2013.2.12~14
    1,840m東コブ山からエサオマン北尾根1,670m地点まで

2013トッタベツ~エサオマン


 6 エサオマン北尾根(1,670m)地点からエサオマンJP(1,869m)まで
2015.7.29~30
    エサオマンJPからエサオマン北尾根(1,670m)地点まで

 7 エサオマンJPからカムイエクウチカウシ山東コル(1,700m)まで
2011.7.26~28
    エサオマンJPからカムエク東コルまで

エサオマン~カムエク1


 8 カムエク東コル(1,700m)からコイカクシュサツナイ岳の頭(1,719m)まで
2010.8.20~23
    カムエク東コルからコイカクの頭まで

 9 コイカクの頭(1,719m)からペテガリ岳まで
2011.8.26~30
    コイカクの頭(1,719m)からペテガリ岳まで

コイカク~ペテガリYouTube


10 ペテガリ岳から神威岳まで
2015.5.23~27
    神威岳からペテガリ岳まで

神威岳~ペテガリ岳国境稜線縦走2015年5月23日~27日



11 神威岳からソエマツ岳まで
2014.5.27~31
    神威岳からソエマツ岳まで

2014残雪期神威岳~ソエマツ岳


12 ソエマツ岳からピリカヌプリまで
2012.9.12~14
    ソエマツ岳からピリカヌプリまで

ヌビナイ右股3


13 ピリカヌプリからトヨニ岳まで
2012.3.3.~5
    トヨニ岳からピリカヌプリまで

2012厳冬期ピリカヌプリ2


14 トヨニ岳から1,268mコブ山まで
2012.2.22.~23
    1,268mコブ山からトヨニ岳まで

2012厳冬期トヨニ岳


15 1,268mコブから野塚岳まで
2011.4.18
    野塚岳から1,268mコブまで

野塚岳動画1.mp4


16 野塚岳から十勝岳まで
2014.2.27
    野塚岳から十勝岳まで

2014野塚岳~オムシャヌプリ~十勝岳


17 十勝岳から楽古岳まで
2015.3.25.~26 
    十勝岳から楽古岳まで

南日高 十勝岳~楽古岳残雪期縦走2015年3月25日~26日





日高主稜線縦走達成を目指して・エサオマントツタベツ岳 その2

2015-08-05 20:04:42 | 日高山系の山
 夏山に登っていると、朝まだ暗いうちに鳥の声が聞こえてきます。
時計を見ると3時半なのです。
そして、明るくなるまでうたた寝を楽しみます。
いつも山にはいると感じるのですが、この時間が最高です。

 4時に寝袋から出て朝食の準備をします。
隣のテントは早い時間から起き出しています。
朝食を食べているときにすでに出発のようです。

 私達も出発の準備ができたので不要な物をテントに残して出発します。
5:10分、テントサイトを出発です。
まずは雪渓の上を歩き札内岳とジャンクションピークを繋ぐ稜線に向かって登ります。
このルートが、なかなか難しいのです。

私達が前回カムエクまでの縦走に取り組んだときも取り付きは良かったのですが、途中でルートを間違えていました。
登山道といっても岩が累々と積み重なっており正規ルートを見つけるのが難しいのです。

 案の定、先行して登っている2人も左に寄りすぎて右往左往しています。
私達は、きっちりとルート選択ができています。
   
   振り返ればテントが小さく見えています。

 6:00分、稜線に到着です。
ここまでの登りは、下部はザラザラの岩場、上部は狭く細い沢状の急斜面です。
両手で左右の枝を掴みながら慎重に登らねばいけません。

 稜線上は風が出てきています。
空は高曇りですが視界は良好です。
   
   目の前にエサオマンの山頂がクッキリと見えています。
   そして、山頂から右手の稜線をよく見て、前回登った地点を確認します。

 ジャンクションピーク手前のテントサイトで休憩を取ります。
   
   南側を見るとスカイラインにうっすらとカムエクが見えています。

   
   札内岳方向の稜線です。

 ジャンクションピークからいったん降ります。
   
   「エサオマンの窓」といった切れ込みです。 


   左側に私達のテントが見えています。

 6:35分、コルに到着です。
ここにはテントを張ることができます。
そして、ここから5分ほど登った所にもテントが1張張れる場所があります。
   
   このテントサイトが、On氏が山頂側から歩いてきていた最終到達点でした。

 On氏は、このテントサイトに着いた時点で日高全山縦走を達成したことになります。
しかし、私とSz氏は山頂の向こう側8百メートルほど降らねばなりません。

 ハイ松を掻き分け、山頂を目指して登ります。
しかし、一応登山道が付いている上にハイ松の背丈も低いのでドンドン歩けます。

   
   山頂手前からジャンクションピークを振り返ったところです。

 6:50分、エサオマンの山頂に着きました。
   
   以前はなかったと思いますが、小さな山名板がありました。

 さあ、ここから神威岳に向かっての稜線を降ります。
最初はダラダラと降りますが、二股に分かれる所から一気に斜度が増します。
転がり落ちそうになりますのでハイ松の枝を掴みながら慎重に降ります。
尾根筋をはずさないように降りますが、よく見ると廃道状態ではありますが以前の登山道が足下にあるのです。
その登山道を外さないように降ります。

 7:50分、尾根の様子を見ながら降り、前回登ってきた最終到達点まで降りました。
   
    最終到達点から見たエサオマンの山頂です。
    エサオマンの山頂は一番左のピークです。

 ここで、Sz氏と私も日高全山縦走を達成したのです。
目の前には日高幌尻岳のどっしりとした姿とその右手にクッキリとした三角形の戸蔦別岳が見えています。
そのさらに奥には、ピパイロ岳や伏見岳も見えています。
この北側の稜線のスカイラインの先まで私達は歩いているのです。


 日高全山縦走を達成したといえ、まだまだ今回の山行は続きます。
まずは、エサオマンの山頂まで登り返さなければなりません。
これが意外と早く登れました。
下から見上げる方が登山道を見つけやすいのです。
約1時間ほどで山頂まで戻ることができました。

 8:45分、エサオマンの山頂で記念写真を写します。
   

 テントサイトには10:00分に戻りました。
ここで腹ごしらえをしてテントを畳みます。

 10:30分、エサオマンの北東カールを出発します。
   

 ここからは気持ちも軽く登山口を目指して沢を降ります。
天気が良くなり太陽が顔を出し強い日差しを降り注いできます。
汗だくになりながら岩を飛び、足が暑くなったらわざと沢水の中を歩き足を冷やします。

 15:00分、登山口まで戻ってきました。
これで、今回の目的だった日高の未踏破部分の踏破を達成することができました。

 思えば5年、3人で力を合わせ、怪我することもなく達成できたのは幸運でした。
また、一緒に歩いてくれたKo氏とmocoさんにも感謝しなければなりません。

 この時、私の心には全山縦走を達成できた喜びより、これで苦しい山行をしなくてもいいという、ホッとした気持ちの方が強かったのです。

 しかし、帰ってきて写真の整理をしたりブログの文章を考えているとジワリジワリ本当に歩けたんだという喜びの気持ちが湧いてくるのです。

 私の登山スキルを上昇させてくれた日高。
 友達の大切さを再認識させてくれた日高。
 日高に、感謝!感謝!です。

 

日高主稜線縦走達成を目指して・エサオマントツタベツ岳 その1

2015-08-03 20:07:47 | 日高山系の山
 私達が、ここ5年越しに取り組んできた日高の主稜線縦走は、春5月に南日高の神威岳からペテガリ岳を歩いたことにより残された部分はエサオマントツタベツ岳の山頂部を挟んだほんの少しだけになりました。
On氏は、エサオマントツタベツ岳とジャンクシションピークのコルからジャンクションピークまで、Sz氏はコルから山頂を越えた神威岳(北日高と南日高に神威岳があります。)側の尾根を8百メートルほど降った場所まで、私はエサオマンの山頂からSz氏と同じ山頂から8百メートルほど降った場所がそれぞれ未踏となり残された部分でした。

 今回は、その未踏部分を歩き、日高の主稜線縦走を完結させようとするものです。

 7月29日(水曜日)

 朝6時に札幌を発ちます。
天気予報では、雷の発生もあり得る不安定な天気です。
気温が高くムシムシする何ともいやな空気なのです。
順調に高速を走り、十勝清水で下道に入り、戸蔦別林道の登山口に着いたのが9時20分を少し回った頃でしょうか。

 何と、以前は6号堰堤のゲートが閉じられて、ここが登山口となっていたのですが、ゲートが開いているではありませんか。
嬉しくなってそのまま車を走らせます。
約1,100mほど走った所のゲートが閉じられています。
しかし、ちょうどエサオマンの登山口となる場所ですのでものすごく得した気分です。
   
   戸蔦別林道のゲートです。

   
   車が2台止まっていました。

 さっそく登山準備をします。
9:45分、今日のテントサイトである北東ーカールを目指します。
   
   エサオマンの廃道となっている林道にもゲートがあります。

 ここからは、廃道となった林道を上流に向かって歩きます。
所々笹が背丈ほどの高さに生い茂っている所があります。
この笹を掻き分けて歩くと、本当に日高に来たのだという思いを強く感じます。
40分ほど歩くと最初の渡渉点に着きます。
   
   水量は少ないようです。

 ザブザブと水の中に入り対岸の巻き道を歩きます。
さあ、ここからが沢歩きです。
3人とも何回か歩いているエサオマンの沢ですので順調に沢歩きを楽しみます。

 25分ほど歩いた所にちょっとした溜まりがあります。
On氏が、ここで20分ほど釣りをしたいといいます。
天気もいいし、特段急ぐ理由もないので20分ほど休憩を取ります。
その間、On氏が淀みの中に釣り糸を投げ込むと直ぐにオショロコマが掛かります。
   

   

 20分の間に15cm程のオショロコマが5~6匹釣れました。
この魚は今晩のおかずにします。

 さあ、後はどんどん登ります。

 11:15分、F1の滝に到着です。
    

 今回は水量が少ないので巻き道よりも沢沿いにドンドン歩きます。

 12:10分、流木が両岸を埋めるようになってきます。
ほどなく、2年前に雪崩のデブリで埋まっていた場所に来ました。
    
 2年前は、この地点にたかさ3~4mの雪がデブリとなってうず高く積み上がっていました。

    
    雪崩は神威岳側の主稜線から落ちてきました。  
    これは対岸ですが、雪崩の直撃を受けて地肌が削られています。

    
    主稜線から落ちてきている沢です。
    この沢の奥から雪崩が落ちてきたのです。
    最奥に見える稜線近くの山肌が露出しています。ここから雪庇が崩れて雪崩になったのでしょう。

しかし、そのデブリも今は流され、沢は綺麗な水が流れています。

 13:05分、997m二股に到着です。
ここにはテント1張りが張れるテントサイトがあります。
   

   

   

 ここで少し休憩を取ります。
私は全身汗まみれで、呼吸が苦しくなっています。
どうやら蒸し暑さのせいで脱水症状を起こしているようです。
沢水をゴクゴク飲んで脱水症状を軽減します。

 それほど重くもないザックですが、実は350ccの缶ビールを6個持ってきているのです。
休憩後も足が上がらず、辛抱しながら沢を登ります。
ひょっと前方を見ると人が歩いているではありませんか。
その先にもう一人歩いています。
追いついて話をすると駐車場に止めたていた2台の車の人達でした。
彼らも今夜は北東ーカールで1泊の予定です。

「お先に!」と声をかけて先を歩きます。

苦しい登りが続きます。
ひょいと顔を上げると滑滝下にある大きな滝が見えてきました。
   

 14:18分、大滝の下まで来ました。
   
   いつ見ても勇壮な滝です。

 さあ、ここまで来るとこの先に続く300mの滑滝を登ると北東カールです。
あと一息です。
滝の左岸を登ります。

   
足下の岩は滑らないのですが、ここは慎重に歩きます。

   
   細い流れが続きます。

   
   少しずつ沢一杯の流れになってきます。

   
   ここからが滑滝のハイライトです。

   
   右に左に中央部と快適な登りが続きます。

やがて沢の流れが収束され細くなってきます。
もうすぐカールに入ります。
   
   
   

 15:00分、カールに到着です。
今夜のテントサイトは、左岸側を少し登った窪地にします。
ここは最高のテン場です。
下草が生い茂り、エアーマットがいらないくらいです。
   

 すぐにテントを立てると濡れていた服を全部脱いで横にある白樺に干します。

   
   札内岳側の稜線です。
   この中央部を登ります。

   
   カールの全景です。
   
   
   エサオマンの山頂が覆い被さるように見えています。

 小1時間程すると2人組が登ってきます。
声がしたので、左岸側に登ってくるといいテン場があることを伝えます。

 今夜は、2グループ5人でこの北東ーカールを独占です。
さっそく冷やしたビールを振る舞い5人での宴会に突入です。
山談義の楽しい時間の始まりです。