心の栄養♪映画と英語のジョーク

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「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

2008-08-22 | 映画「さ」行
20世紀初頭。一攫千金を夢見る山師の男ダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)。
息子H.W.(ディロン・フレイジャー)を連れ歩く彼は、ある日ポールという青年から自分の故郷の
土地に油田があるはずだとの情報を得て、西部の町リトル・ボストンへと向かう。そして、すぐさま
土地の買い占めに乗り出す。そんな中、ポールの双子の兄弟で住人の信頼を一手に集める
カリスマ牧師イーライ(ポール・ダノ)が、ダニエルへの警戒を強めていく・・・。


先日見た「ノーカントリー」に引き続き、これまたすごい物を
見せてもらった・・という感じです。「ノーカントリー」のハビエル・バンデムも
それはもう素晴らしい演技だったけど、今回のダニエル・デイ=ルイスも
完璧と思える演技で、もう山師ダニエルが乗り移ったかのよう。

随所随所・・というよりも、ほぼずっと鳴り続けてる音楽が
今にも何か起こりそうな感じで怖ろしかったです。
お陰で臨場感は高まり、台詞が少ない分、すごく効果があったとは
思いますが、でも、あまりにもずっと鳴り響く、その重々しくも
怖ろしげな音楽に、徐々に閉口してしまいました。
映像とは合ってたとは思いますが、胸が苦しくなりそうでした。

最初の15分くらい、おどろおどろしい(?不快な?)
音楽とともに、ダニエル・プレインビューの下積み時代の
孤独な発掘作業を見せてくれていましたが、荒涼たる平原の
地味な作業。それに打ち込む彼の姿は目に焼きつきました。
その間全く台詞なしだったんですが、ダニエル・デイ=ルイスの
表現力の素晴らしさで、どんどん引き込まれていきました。

このダニエル・プレインビューという男、そばに寄りたくないような
男だったんですが、映画の中の人物として見ると、目が離せなく、
見入ってしまうんですよね~。映画として面白かったかというと、
そうでもなかったんですが、人間の本質的なところを、特に”悪”の部分を
存分に見せてもらった感じがして、見終わった後、ふぅ~・・・と
ため息が出ちゃいました。

自分本位、自分が可愛い、でもそれ以外の人は全部拒絶する、という風に
描かれてる彼。他人の成功を妬み、自分が成功することのみを追及する姿。
お金よりも大切なものがあるよ、悪を尽くせば後悔が待ってるよ、なんてことは
微塵もなく、勧善懲悪なんて全く切り捨てたようなこの映画。

”弟”と2人でダニエルが海岸に行って、砂浜に座っているシーンの
明と暗のコントラストが素晴らしいシーンがなぜか目に焼きつきました。
その他、映像的に印象に残るシーンも数々ありましたし。
でも、やっぱりこれは見終わって疲れた。
一番の原因はあの音楽だったと思いますが。なんでもないシーンを
なんでもなくないシーンに変えちゃうような、常に不穏な空気が流れてる風を
演出するあの音楽・・・すごいといえばすごいんですが、疲労困憊でした。

最後までダニエルの生き方はブレることがなく、あのようなラストで
もう堪りません、ってもんでした。
でも、彼に本当の肉親がいたら、血を分けた人物が傍にずっといたら
違ってたかもしれない・・・という含みはありました。
もしもいたら、どうだったんだろう?

そして彼と同じくらい、もうこんな嫌らしいやつはいないかも、と
思えるような牧師イーライをポール・ダノが熱演でした~!
ラスト近くでダニエルに言わされる言葉の繰り返しの部分は
震えちゃいそうでした。この映画はなんといっても
ダニエル・デイ=ルイスなんですが、ポール・ダノの存在も
大きかったなぁ、と感じました。

個人的お気に入り度3.5/5

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

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14 コメント

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Unknown (motti)
2008-08-22 11:33:42
メルさんこんにちは。
穂高涸沢のコメントありがとうございました。
そうなんですよ!メルさんとこ行きましたよ!
「城」よかったですよ!感激してしまいました!
息子はコレに住みたいとか言っちゃってましたw

そういえば上高地も松本市に合併していたことは今回初めて知りました。
栃木県でも日光市が近隣と合併して県の4分の1くらいにもなろうかとも思える広大な市になりました(人口はいなくて山林だろうけどw)が、平成大合併ですなぁ。

映画ですが重厚な映画でしたよね。
石油がもったいないな~なんてショボイことも思い浮かべながら見ましたw
mottiさんへ♪ (メル)
2008-08-23 09:40:08
こちらこそ、あんなに綺麗な写真の数々を見せていただけて、すっごく嬉しかったです~(^▽^)V
mottiさんも見れたし(^ー^* )フフ♪
「城」良かったですか~^^そう言っていただけて
すごく嬉しいです♪上まで上られたんでしょうか?
もうその前に山に登ってるから、もういいか?!という気もしますが、なんだか曇り空だったし苦労して上っても景色はあまり良くなかったかも・・ですね。

>息子はコレに住みたいとか言っちゃってましたw
(^ー^* )フフ♪かわい~~~~~^^♪
夏は良いかもしれないけど、冬は寒いですよ~!(笑)

>上高地も松本市に合併していたことは今回初めて知りました。
そうなんです~。おっしゃる通り、平成大合併で
もうなにがなんやらわからん状態です(^^;;)
上高地が松本市・・その感じが、もう数年経ってるのに、地元にいつつもピンときません(^^;;)
日光市もそんな風になってたんですね~。
去年のGWにドライブかてがて行きましたが、久々に
行ったので新たにいろいろ感激して帰って来ましたが
そんなに膨大な市になってるなんて気づきませんでした(^^ゞ
そうそう、日光市と同じく、松本市もあんなに広くなったのに、増えた人口はたったの2万ちょっと(^^;;)
ほぼ山林ですから^^

で、映画ですが(^^ゞ
重厚でしたね~。ほんとに重い、そしてこんな彼の
人生の半分(?)を見せつけられて、まぁそりゃもう
ため息物でした。少々疲れましたが(^^ゞ

>石油がもったいないな~なんてショボイことも思い浮かべながら見ましたw

ですよね~(^^;;) このご時世、ちょっとこぼれた
原油でいいから、頂戴、ってもんですよね(^^
TBありがとうございました (sakurai)
2008-08-23 20:25:53
あの音楽は印象的でしたね。
重く響いてます。
人間の本質をこれでもかと見せつけられましたが、他人を信じず、孤独に生きるその末路は悲しく、救いがなかったのが、救いのような気もしました。

ところでメルさん、松本なんですか?
私の姉が松本に住んでますよ。
sakuraiさんへ♪ (メル)
2008-08-24 06:59:39
はい~、あの音楽は印象的でした~。
こんな音楽がずっと鳴ってるけど、何か起こるの?
とドキドキしたりしつつ、ず~~~っと見てたので
そのせいでちょっと疲れたかと(^^;;)
主人なんて、今にもゴジラが出てきそう、なんて
訳のわからんこと言っておりました(笑)

>人間の本質をこれでもかと見せつけられましたが、

ほんとですね~。これが人間の本質か・・と思うと
哀しいやら空しいやら。
こんなの嘘、ってすんなり思えれば良いんでしょうが
この強欲さと自分が一番可愛いという彼が、どこかでわかる、人間って突き詰めるとこか?、と思えるものだったから、余計に救われない、重い、寂しい、哀しい・・と感じてしまったのかもしれないです。

>ところでメルさん、松本なんですか?
>私の姉が松本に住んでますよ。

えぇぇ~~っ!そうなんですか~!
どうしよう、どっかで会ってたり
知り合いだったりして??(笑)
もともとこっちの人じゃない私ですが、主人の
実家がこちらにあるので、こちらへ。
でも、もう20年ちょっと住んでおります(^^ゞ
こんにちは♪ (ミチ)
2008-08-24 10:23:43
「ノーカントリー」といい、この作品といい、オスカーノミネート作はさすがにそれなりのインパクトがありましたよね。
メルさん同様音楽でまずやられてしまいました。
こんなに気分が滅入る(?)音楽はそうそうないですよね。
登場人物も負のパワーが強すぎて、見入ってしまうというか・・・。


ところで、メルさんは松本市在住だったんですね~。
ウチの息子が塩尻市にいるので、松本は時々訪れます。
今年の連休も息子を迎えがてら家族で松本観光をしましたよ。
松本城は何度行っても好きな場所です♪
私は金沢ですけど、城下町ってどこか風情が似ていて親近感を持ってます。
ミチさんへ♪ (メル)
2008-08-25 08:11:47
ほんと、「ノーカントリー」とこの映画、インパクトありまくりでしたね~。
立て続けに見たので、余計にそれを感じました。
やはりミチさんも、あの音楽にやられましたか(^^;;)
しょっぱなから、ほぼず~~っとながれてましたもんね~、なんだかこちらを不安にするような、なにかすっごく悪いことが起こるんじゃないか・・というような音楽が。

>登場人物も負のパワーが強すぎて、見入ってしまうというか・・・

まさしくそうでした。不安な音楽と登場人物たちの
強烈な”負”のパワーですよね~・・
引きずり込まれそうで怖かったけど、私も見入っちゃいました。

>ウチの息子が塩尻市にいるので、松本は時々訪れます。

わぁお~!これまたすごい驚きです~!!!
息子さんが塩尻!目と鼻ですよ~♪
お一人で暮らしていらっしゃるんでしょうか?
もしもなにかお困りなことがありましたら
是非おっしゃってください~。
うちの息子は横浜にいますが、一人暮らしで
昨年マイコプラズマ肺炎になったときは、本当に
オロオロしてしまった経験があるので、そのような
ことはないに越したことはありませんが、もしものときはなんなりとお言いつけ下さい。
・・って、連絡先教えてないのに無理ですね~(^^;;)

お、松本観光もなさったんですね♪^^
松本城は、私もだれか友達が来るたびに連れて行ってますが、何回行っても私も飽きません^^
ミチさんは金沢なんですね~♪
一回しか行ったことがありませんが、私も大好きな場所です♪
そうそう、城下町なので似てるところがありますよね。
私もまた金沢に行きたくなりました~(^▽^)V

ほんと、スゴイものを観ちゃったね (ちゃぴちゃぴ)
2008-08-28 23:30:36
TB&コメントありがとうございます。
この映画、なかなか借りられなくって、メルさんとこでUPしてあった時は、スルー。後から行こう!と決めてました。

あの冒頭が、私も印象的で、
気がつくと台詞がまだないなぁ…、思わず、今何分?と確認してしまったわよ。
感情移入できないような人間でありながら、ぐぐっと見入ってしまいました。
あのイーライも、とんでもない!聖職者の仮面をつけてる欲のかたまりだし。
そうそう、これは音楽がすごく効果ありましたねぇ。不穏な雰囲気醸し出してて…。
ノーカントリーがまったく音楽がなかったのと対照的です。
最後の台詞が、また効いてました。
息子は、本当に血がつながってなかったんでしょうか?
彼なりに、とても愛していたようだけど。

宗教的な面も、面白かったなぁ。
スゴイ映画が、つづくわぁ~。
ちゃぴちゃぴさんへ♪ (メル)
2008-08-29 08:46:09
ほんと、すっごいものを見ちゃいましたね~。
ノーカントリー、そしてこれ、と立て続けに
見ちゃったので、ここんとこ良く出来た作品に
恵まれてるなぁ、と思いました。
でも一番楽しんだのは「バンテージ・ポイント」でしたが(^^ゞ

そうそう!最初、全く台詞がなくて、同じく
時計を見ちゃいました、私も(^^;;)
不穏な音楽のみ流れ、あとは映像で堪能してください、って感じでしたよね。
その監督さん(?)の期待通り、見入っちゃいましたよね~。

イーライはある意味ダニエルよりも嫌なやつでしたよね~。
ああいった人はなんか許せないって思っちゃいました。
聖職者の仮面をつけた悪魔だわ、って。
ダニエルの方がかえって人間的だったかも・・。

最後の台詞も効いてましたね~!
はヵ~・・・と脱力でした。

息子は謎でしたよね。彼にしては珍しくあんなに
愛情かけてたから・・・彼の言葉を信じるべきか
実は・・なのか、良くわかりませんでしたよね~・・。

少なくとも見たことを絶対に忘れないだろう
すごい映画でした~。
こんばんは (David Gilmour)
2008-09-03 21:16:25
でも、ほんとにこの映画、すごかったですよね。

おっしゃる通り、人間の悪を見せ付けられた感じです。

でも、偽の弟との海岸シーンはよかったですね。あそこに家族をもたないダニエルの家族に対する憧れ、安堵があったような気がしました。

ラストシーンが、あまりにも残酷でショックを受けてしまいました。

黒い血というより、ダニエルの冷血部分が大変ショッキングでした。
David Gilmourさんへ♪ (メル)
2008-09-04 10:09:11
人間って本質はもしかしたらこうなのかもしれないと言う意味の”悪”を見せてもらえましたよね~。
でも、極悪非道ってほどでもなく、人間らしい悪というか、上手く言えないけど、ある意味わかる、みたいな”悪”の部分でしたたよね。

そう!あの海岸のシーンはとても好きでした。
弟かもしれない彼とのあのシーン・・
映像も素晴らしかったですし、ダニエルが切望してたであろう家族、血の繋がりへの憧憬だったように思いました。

ラストは衝撃でしたよね~。
イーライのあの情けなさと悪ぶりの方が
私は嫌い、と思っちゃいましたが(^^ゞ

TB&コメント、どうもありがとうございました♪