メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

男性のリード と 女性の音楽 その1

2008年04月07日 03時08分11秒 | マニアック タンゴ辞典
最近、日本から来た人や日本に住んでる人とメールのやり取りをしてて気付いたことがある。
んなのでちょっとここで取り上げてみることにした。



男性の「リード」と女性の「音楽」 についての関係


タンゴではよく
女の子は勝手に動いちゃダメ
と言う。

まぁ、たしかにその通りなんだけどそれとは別に
女性も自分で踊らないといけない
と言うのもある。


いったいどっちなの?

って女の子は思うよね?
オレもそう思う。
はっきり言ってこれはそうとう難しい問題だ。



あのジゼル・アンでさえ
自分で踊るのとリードに従うことの境がいちばん難しい
とタンガウタのインタビューで答えていた。

出来る人はすぐに出来るのであろうがこれは女性が抱える大きな悩みの1つだ。





まず最初の部分。
女性は勝手に動いちゃダメ

これは「リードを無視してはいけない」ということを指している。

リードがあればそのリードに従わなければいけない。
リードを感じることを忘れて好きなように踊ってはいけない。
ということ。

これはしかし、裏返せば
リードがなければ勝手に動いていいのね!?


その通りである。

リードがない  動くスペースがある  そこに動く

この方程式は成立する。


ぽるけっ   どうして?


理由は簡単。
男性は女性をリードするときに次に移動するスペースを作ってあげてリードする。
けして押したり引っ張ったりしてムリヤリ動かしてるわけではない。つまり、

移動するスペースがある  リードされている

と女の子は感じるわけだ。
だからもし女の子に勝手に動いて欲しくなかったら女の子に動けるスペースを与えてはいけないということだ。
それなりのテクニックが男性には要求される。



しか~しっ!!



これは女性にも言えることなのだ。
女性にはフォローのテクニックが必要。
それは何か と言うと、

そっきの「スペース」がどれだけあるのか?
という問題である。

この「スペース」はどうやって形成されているのか?
それは2人の「コネクション」によって形成されている。

1つは上半身のセントロによるコネクション
もう1つは肉体的コンタクト+エネルギーによるコネクションである。

女性はこの2つのコネクションを自分からは絶対に切ってはいけない。
この2つのコネクションがいわゆるリードなのだ。
これを自分から切ってしまうと

あの女は独りで踊る」 と後ろ指さされることになるので注意。

コネクションが切れたためにリード外の「スペース」が出来てしまうのだ。


あとは慣性の法則、遠心力、反発力などの自然の力をタンゴでは利用するのでそれも無視してはいけない。
自然な力が働くようにしっかりと軸が取れていなければいけないし、各関節はリラックスしていないといけない。


1つ目のセントロによるコネクションはタンゴの基本だし、集中力さえ欠かさなければそれほど難しいものでもないが、
2つ目の肉体的コンタクト&エネルギーの伝達は確実にテクニックを要求される。



たとえば、
正しい姿勢が出来ていなければリードのエネルギーは伝わらないので無視してしまう可能性はある。


体重移動のとき
軸に乗る前に足を揃えただけでコネクションは切れてしまう
軸に乗る前に足を揃えてしまうことでバランスが取れず、リードされる前に別の方向に倒れてしまうということはよくあることだ。



前回の「ディソシアシオン」のときに書いたようにリードは基本的に上半身で行われ、下半身の向き、位置はすべて上半身のそれによって決まる。
上半身を無視して下半身を動かすと「勝手に動いている」ことになる。


つまり男性が女性の脚の間に自分の脚を入れてきたからといって
それはガンチョのリードではない。 そこに脚があるだけ。
もしそこで上半身のリードが来る前に勝手にガンチョを入れてしまったらそれは
リード無視ということになる。

※注これは「完全リード式」の踊り方であって、
「察知式」のトラディショナルダンサーにはこれを「アドルノ」と捕らえる人もいるし、
「それがガンチョのリードだ」というダンサーもいる。

このブログでは現在アルゼンチンで主流の「完全リード式」の考え方で進めている。)



結局2人ともテクニックは必要ということだな。
長くなってきたのでまたまた次回に        つづく。





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