メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

マニアック タンゴ用語辞典  ディソシアシオン

2008年03月31日 22時39分16秒 | マニアック タンゴ辞典
今回のテーマは ディソシアシオン

英語で言うところのディソシエィション。
直訳すると「分離」

何が「分離」なんかっちゅーと、上半身と下半身の分離。


分かりやすい例では普通に歩いてるとき、
右手が前に出るときは左脚が前に出て、左手が前に出るときは右脚が前に出るよね?

たまに手と脚が同時に出てる人とか両手を同時に動かす人とかいるけどそういう人は身体のどっかが悪いので病院に行くこと。

           


これは人間の体のバランスを取るのに必要な行為で自然に行われる。

上と下が別の動きしてんだけどやっぱり繋がってるって感じ。
まぁ、よく分からんわな。
オレも字で説明するのは難しい。



ただこれを上手く使うことによってバランスが取りやすくなる。
というか、そのバランスが取れたポジションがその時の自分の正しいポジションということだ。


例えば前オーチョ。
女性が前オーチョをする場合。


まずタンゴの基本として上半身のセントロは常に相手のセントロの方を向いている。
そして女性が前に一歩。
前足に体重が完全に代わったとき、ディソシアシオンは最大の状態になっている。
つまり上半身は男性の方を向き、下半身(腰から下は)後ろに残っている。
軸に対しての身体のねじれ(?)が最大。


この状態からひねったゴムが戻るように腹筋と背筋が働き軸を中心に回転(ピボット)し、上半身を男性の方に向けることで反対向きの最大のディソシアシオンの状態になる。
上半身が男性の方を向き、下半身は進行方向にプロジェクシオンされた状態になっている。
(プロジェクシオンは軸の上にいながら次の進行方向に脚を出すこと)


つまりこの「ひねったゴム」システムを利用することで軸を崩さず、
フリーの脚腰や両腕などをリラックスしたままピボット出来るというわけだ。

これがいわゆる
  胸、 腰(&ピボット)、 脚
というやつである。


この動きは女性だけでなくもちろん男性も同じ。

女性はリードを受けるので基本的には必ずこの順番になる。
胸(上半身のセントロ)、腰、脚。

男性はリードをする上半身と自分が移動する下半身に分かれている。
例えば、上半身を固定したまま下半身を回転させ、その後上半身を回転させることで女性を連れてくる。
というようなこともするわけだ。

つまりリーダーである男性は自分の上半身、下半身と女性の上半身と下半身それぞれの向きを常に計算していなければいけない。
もちろん女性の下半身の向きは上半身によって決まるわけだが時間差があるのでそれを計算しておく。




このディソシアシオンとは逆にアソシアシオンというのも存在する。

アソシアシオンとは簡単に言えば横ステップ。
胸の向きと腰の向き(進行方向)が同じになる状態をいう。
上半身と下半身(腰)の向きが平行なのでXの状態になっているディソシアシオン時に比べてバランスは少し悪い。
(一枚板を立てるのとXになってる板を立てるのとじゃ安定度がちがうってこと)

この状態になるのは単に横だけでなく前後でもありうる。
たとえば日本語で言うところの「サリーダ」のクロスの手前のステップ。
男性が女性の右側にいるので女性の上半身は右側を向いている。
そして後ろに出る腰、脚も右。
アソシアシオンの状態での後ろステップである。


その後クロスのリードを女性の体重移動が終わる前にピボットしないように腰を固定しながらナナメ向きにしないといけない。

ムズッ! 

ハッキリ言って「サリーダ」は男女とも中、上級者向けシークエンスである。
クロスが上手くできない女性、リードできない男性、
「なんでここでクロスになるのか分からない」人がいても当然なのであまり気にしないように。



スペイン語ではデイソシアシオンの状態でのステップを
クルセ・アデランテ(前クロスステップ)、もしくは
クルセ・アトラス(後ろクロスステップ)と呼び、

アソシアシオンでの状態のステップをアペルトゥーラ(「オープン、開く」という意味)と呼ぶ。
アペルトゥーラだけだと普通の横ステップ、
アペルトゥーラ・アデランテ(前オープンステップ)、
アペルトゥーラ・アトラス(後ろオープンステップ)  がある。



と、いうわけで  
上半身と下半身は絶対的な関係にある。
上半身の向きで下半身の位置が決まってくる。
だから上半身の向きを無視して脚を揃えたり動かしたりするとバランスが崩れてしまう。

ま、これが上半身だけのコネクションで女性の身体をリードするという
タンゴのリードシステムの基本原理である。


もちろんいつものことながら人によって呼び方もいろいろ違うのでご注意。
たしかフリオ&コリーナはディソシアシオンのことをコントラ・ポジシオン(反対のポジション)と呼んでた気がする。




セクステート・ミロンゲーロ

2008年03月28日 03時43分02秒 | イベント
今週火曜日、Xではいつも通りデサフィオがあったんだけど、
ドナト&セシリア  海坊主ラウル&カリーナ だったので行かなかった。

この日はCITAの最終日。
ビルータで閉会ミロンガがあるということで入場パスをゲットしたのだ。


行く少し前にガストンから

「オレ、今日ポルテーニョで踊るんだけど見に来るか?」

とメールが届いた。


インビタード(招待客)にしてくれるつもりだろう。
今日はどう考えたって若者はみんなビルータかXに行くもんね~。
きっと応援がいないんだな。
かわいそうに、しょうがないヤツだなー。


「ごめん。今日はビルータ行くから」

とあっさり見捨ててやった。



そしてトコトコ、ビルータへ。


デモは全員1曲づつなのだが、最初からみんなヒドかった。
ダミアン&セリーヌは最近いっぱい見てもうショボいのが分かってたからいいとして、
次のフリオ&コリーナ、彼らを楽しみにして見に来たのに最悪。
リードボロボロ。
おかげでコリーナつまずきまくり。
ただのその辺の下手糞なおっさんだった。
いくら調子悪いとはいえこれはヒドかった。


アドリアン&アレハンドラはデサフィオが良かったのでちょっと期待したらこれも全然ダメ。

今度はファクンド&ケリー、得意のミロンガに期待。
テクニックは仕方ないとして彼らもイマイチ。
得意のステップ「ファクンド」でなんとか盛り上げたがそれだけ。

次がファビアン・サラス
「いつも通りショボいだろう」
と思ってたらここまでのメンバーでは一番マシだった。


そしてミロンゲーロ、ニト&エルバ
いつもの振り付けだが今回一番盛り上がったのは彼らだった。
魅せ場をちゃんと考えてあって余裕で踊ってる。
アットホームな感じが場を和ませた。


前半の最後はカプッシ&マリアナ
今度こそちょー期待したけどやっぱイマイチだった。
ヌエボな動きを取り入れてからいまいちリードが仕切れてないと思う。
いちおうマリアナが変な動きして面白いけどあんま何も考えてない感じで、いつものを期待してると「手抜き」感が拭えなかった。    
どっちかというとこの後全員で踊ったときの方が面白かった。

    
            


そして後半。
トップはサウセド&マリッサ。ワルツ。
もちろん最初から期待してなかったがいつも通りチョー下手糞だった。
ボロボロの今日のメンバーの中なのでそんなに目立たなかったけどやっぱり下手糞。


2番手、ブルーノ&マリアンヘレス
テクニックは申し分ないんだがいつものメリハリのない踊りになってしまった。
柔らかくてすごくキレイな踊りなんだが魅せ場がないので飽きてしまう。
ブルーノはオレに教えるときに
「白黒をハッキリつけて踊るといいんだ」
と自分が今研究してることをオレにも教えてくれる。
ブルーノはオレと踊り方が似てるだよね。
彼もそれが分かってるのでそういう風に教えるのだ。


フェデリコ&アリアドナ
もう1年近くこの二人では組んで踊ってない。
仕事で仕方なく踊ってるのはプルポウィークとこのシータのときくらい。
もちろんテクニックはすばらしいが二人で練習してない気の合わなさが見えた。
フェデリコもブルーノと一緒で
「オレオレ、俺を見てっ!」
っていう主張がないから柔らかいんだけど魅せ場がないんだよね~。


最後はロドリゴ&アグスティーナ
やっぱり最後の若手3組はその他の年配軍団に比べてテクニックは断然良い。
ロドリゴ&アグスティーナは若手の中ではテクニックはないほうだがロドリゴには、
「オレオレ」
があるので他の二組よりはメリハリが付いてる。
そういうところもフリコリから習ったのだろう。
まだもうちょっと足りないが将来的に彼らが一番伸びそうだな。



コロールタンゴの演奏も名曲「デス・デ・エル・アルマ」以外は普通。
しかも歌がいつもの若い兄ちゃんじゃなくて変なおっさんだった。
有名なおっさんらしいが下手だった。


これならガストン見に行けば良かったよ。  
と思ったら二つ目のオルケスタが良かった!!


セクステート ミロンゲーロ Sexteto Milonguero



みんなもう知ってると思うけどオレは音楽のことは分からん。
オレが聴いて良いか、悪いか、でしか判断出来ん。

どうも演奏やってた人にはこのオルケスタは聴きにくいらしい。
もちろんオレには何のことかよく分からんが。

一人一人、各楽器の主張がものすごく強いのだ。
つまりみんな
「オレオレ」
つねに全員が主役なのだ。
だから聴き分けてる人にはどれをメインで聴いていいのか分からなくなるらしい。

んなこと気にしてないオレには自分の聴きたい音しか聞こえてこないから関係ないもんねー。
逆にみんな強いからインパクト抜群!
すごく強くてシャープな音だ。


ぷらす +


そこに登場、歌のお兄さん。
この歌のお兄さんがムチャクチャ上手い!!
しかもお兄さんの声がすごく甘くてせくすぃ~なのだ。

この甘くてせくすぃ~なお兄さんの歌と強くてシャープな演奏が上手く調和して良い感じになってる。
シナモンたっぷり辛口ジャワカレーに甘口バーモントカレーを混ぜるようなもんだ。


コロールタンゴは「デス・デ~」のとき以外は「仕事です」って感じの演奏だったのにセクステート・ミロンゲーロはみんなすごく楽しそうに演奏してる。

ビデオではみんなまじめそうだが今回の演奏ではみんなノリノリ。
歌のお兄さんなんかずぅ~と白い歯を見せてたから見てるだけでも楽しくなってくる。

やっぱりお客さんもノリノリ。
最後はチャカレラ2曲で〆て終了。
今年に入って初めて知ったオルケスタだがすごく良かった。




肉がない!!

2008年03月26日 11時41分57秒 | その他
緊急事態発生
スーパーの肉コーナーに肉がな~いっ!!

ここはアルゼンチンだぞっ!!
主食の肉がなかったらみんな死んじゃうよ。
一人当たり1日の 平均食肉量 500g の国でこれはまさに緊急事態!!

どうも新政府の政策で輸出関税を上げたことから農家の人たちが抗議のために
出荷を抑えてるらしい。


すでに先週から郊外のスーパーでは牛乳などの品不足の件がニュースになっていたがとうとうブエノスにまで来てしまった。

このさき一体どうなるんだぁ?

いやぁ~、なんかトラブルあるとワクワクするよね。
どうせオレ、ボンビーだから肉喰えねぇし。




最後のクラス

2008年03月23日 01時59分09秒 | タンゴ・ブルホ
マティアス&カーラが1月に出稼ぎから戻ってきてまたレギュラークラスやるのかと思ったら忙しいので今回はやらないことになった。
3月末からまたヨーロッパツアーなので次にクラス取れるのは8月かぁ。
結局この1年は2、3ヶ月しかブエノスでクラス取れなかったな。


マティアスはオレがタンゴ始めたときはまだダナパブのところにいてダナパブの一番弟子だった。
オレがちょっと踊れるようになったとき、上手くなるために何か目標を作ろうと思った。
パブロにしようかと思ったんだけどパブロはあまりに遠いのでマティアスにすることにした。


それ以来ひたすらマティアスを追いかけ続けてきた。
マティアス&カーラはクラスでは細かい身体の使い方を教えてくれるので分かりやすいし、すごく親切。
DNIで働きながらも隠れてクラスに通ったし、辞めてからはブルホで働き始めたのでもちろんクラスは全部取った。

オレはいつも上達するために自分の持ってるものを捨てて新しいものを取り入れる。
つまり自分の中に出来るだけ固定観念を作らないようにしている。
ダナパブのところで2年半も育ててもらってオレの基礎はダナパブのスタイルだと思ってったけど、ふと自分の踊り方を見てみると、これのリード方法じゃん。

それにやっぱりいつでも一番取りたいクラスはのクラスだった。


次は8月かぁ、長いなぁ。。。

と思ってたら結婚することになった。

年末年始、ドイツにいたのはそのためだったのだ。
(彼女はドイツ人)
今回忙しいのもその準備で故郷のパタゴニアに行っていたからだ。

結婚式は3月8日にパタゴニアの実家で行われ、こっちでのお祝いは12日のビルータ。
そしてヨーロッパツアーの後、ドイツで奥さんの家族と住むらしい。

       


と、いうことは。。。。


もうのクラスは取れないっ!?

そうは今年のヨーロッパツアーでパレハ解消。
は奥さんのクラウディアとドイツで教えるらしい。
は今のところ新しいパートナーは見つかっていない。




先週またまたタンゴ・ブルホでフィエスタがあった。
          タンゴ・ブルホ http://www.tangobrujo.com.ar/
フィエスタとセミナリオ。

セミナリオはガストン&マリエラとマティアス&カーラが3日間集中でやった。

のブエノスでのクラスはこれで最後。
もちろん取らないはずがない。


テーマは構造(つねにお互いを探しあうため基本の動きがヒーロになるってやつ)
と コルガーダ

構造のほうはすでに何回か説明してるのでパス。
実際コルガーダのほうが今回はメインだった。


最初のクラスではコルガーダの基本4つ。
基本的にコルガーダは1歩と1歩の間(移動中)で発生する。
つまりタンゴの構造上から

横から前、前から横、横から後、後から横

の間で出来るわけだ。
この4つの基本を左右、8パターンやった。


           


30分休憩のあと、応用編に入る。 
応用編はナベイラの十八番、コルガーダしながら向きを変えるというやつ。
この日は横から後のコルガーダ状態から軸に戻さずに横から前のコルガーダに方向転換した。


その後これにボレオを入れる。
つまり最初の後部分で後ボレオ・コルガード、前に方向転換して前ボレオ・コルガード、前に着地、をリズミカルにやる。

カーラ
パンッ!(後)、ポンッ!(前)、タンッ!(着地)
と言いながら簡単そうにやるんだが全然簡単じゃない。

男はリードしながら横、後、横と回転する。
ちょーたいへん。

実際オレ達がやると、
ハッッ!!、テヤッ!!、ドリャッ!!、、、、はあ、はあ、はぁ、、、
と空手チックになってしまう。
しかもやりすぎて腹筋が痛くなった。



結局ここまでで時間終了。
誰もまともに出来てなかったが
「ほんとはまだ続きがあるんだけど。。。」
と言って続きを見せてくれた。

さっきやったやつをソルターダで両手を持ちかえて女の子の周りを回りながらやる。
そして最後にガンチョ。
しかも最終形は手の持ちかえはないが2周してガンチョという超難度のシロモノ。


のクラスは昔からめちゃくちゃ難しいんだよ。
中級とかいいながらダナパブの上級なんかよりずっと難しい。
はマニアだからわざと難しい技ばっかし考えるんだよね。

それでも彼らのクラスがいいのは上記したようにその日やることのベースになってることを教えてから応用をすること。
基本の形、リード方法が分かれば自分で応用できるし、基本がしっかり出来るようになればその日のシークエンスも出来るようになる。
チチョやナベイラはすでに完成されたシークエンスしかやらないので基本を押さえられない。つまり基礎が分からないで取りに行っても理解しないまま技をコピーするだけになってしまう(チチョのクラスを取ってる大体8割は外側をマネしてるだけ)




今までオレが取ったクラスを簡単なものから順に並べるとこうなる。

ダナパブ  、チチョ  ナベイラ    オラシオ

ま、オラシオは別枠だけどね。
ナベイラの技をさらに応用したのがのクラスだから難しくて当然。
もう5年近く彼らのクラスを取ってるのにいつまでたっても難しいなぁ
と思ったら彼らも上手くなってるんだから当然か。




DNIが出来ては完全に独立。
ガストンがブルホを開校してさらに分離。

ともに自分たちの踊りのスタイルを追及して二組ともすごくいいダンサーになった。
は個性的な踊り方と音楽を磨き、はその洗練されたテクニックにこだわりさらに磨きをかけた。


オレの頭の中で

 ダナパブ(師匠)  マティアス&カーラ(一番弟子)

という構図が出来上がってしまっていたのでずっと気付かなかったが、も自分達のスタイルを確立しダナパブの売りであるテクニック面でもすでにダナパブを越えていたのだ。



それが今回のデモでもはっきり確認できた。
フィエスタの主役はもちろん 
またまた受付だったが今回は入口を閉めてお金もってデモを見に2階に上がった。


1曲目は普通のタンゴ。
あいかわらず柔らかい動き。
この滑らかな動きはそのリード方法からくる。

そして2曲目にビートルズのこの曲をもってきた。

マティアス&カーラ Matias Facio & Kara Wenham


ブエノス・アイレス最後のデモンストレーション。
このあとにもちろんオトラ(アンコール)があるのだがこの曲を見ているときにすごく切ない気持ちになってしまった。
オレがタンゴを始めたときから習い続けてきた、そして目標にして追いかけ続けてきたダンサーの最後のデモ。
言葉には仕切れない気持ちでいっぱいだ。


そしてマティアスがマイクをにぎり最後の挨拶。
その後ずっと一緒の部屋に住んでいた親友、ガストンを紹介する。



ガストン&マリエラも来週の水曜でブエノスでのクラスは最後。
はモイラと組み、はとりあえずパブロ・インサと少しの間踊ることになっている。
4月からのヨーロッパツアーで7月まで一緒に仕事をし、そのあとカンビオ・デ・パレハ(パートナーチェンジ)する。ほんとにカンビオ・デ・パレハだ。


はまだもう一度別のミロンガでデモが決まっているのでこれは最後ではない。
でもこの日のデモはむちゃくちゃ良かった。

ガストン&マリエラ Gaston Torelli & Mariela Sametband



2週間くらい前カニングでデモったときは踊りながらの顔が不機嫌になっていったくらいガストンの調子が悪かったのだが、
オレが思うにこの二日前にあったXでのオラシオのデモを見ても何かに気づいたのだろう。
音楽で遊びまくってすごくノリノリだった。
も得意のアドリブを合わせて入れる。



ブルホの顔だった2組が同時にパレハ解消というのはツラい。
2組とも独自のスタイルは出来ているし欧米でも大人気。
まだまだ伸びそうだし、ほんとにもったいないと思うが2組とも「寿パレハ解消」なので喜んであげるべきだろう。


            


そしてもう1組。
ブルホのレギュラー・メンバーではないがオレのお気に入りこの前レポった現在CITA出演中のパレハ、ブルーノ&マリアンヘレスも今回のヨーロッパツアーでパレハ解消になる。
ブルーノがロンドンに住んでいる彼女と一緒に住むことにしたからだ。
ブルーノはまだ24歳と若いのでいろいろ経験したいのだろう。
数ヶ月から1、2年ロンドンに住んで、彼女と一緒にブエノスに戻って来たいと言っている。

スンデルランドとサン・テルモのマリポシータでチノ(マルセロ)の代行を4月いっぱいまで担当する。
それが彼らの最後のクラス。

ブルーノ&マリアンヘレス Bruno Tombari & Mariangeles Caamano



大舞台は初めての彼ら。
CITAのシアターショーはすごく上手く踊れたらしく大喜びだった。



オレのお気に入り3組が同時にパレハ解消。
みんな長い付き合いだけに複雑な気分だ。

    



天才少女 セシリア・ガルシア

2008年03月18日 14時20分26秒 | プラクティカ X
またまた前回からつづいてまーす。
「ダミアン&セリーヌVSオラシオ&セシリア」
「奇跡の男 と 究極のタンゴ」
を読んでから読んでね。 



前回オラシオの話ばっかりになってセシリアの話がぬけてた。

まぁ、何回も出てきてるんでみんな知ってると思うけどオレのお気に入り、
サンティアゴ・ドルカスのパートナーでもある。

若干22歳。
頭もいいし、性格もいいし、かわいいし、文句のつけようがない。
クラスでも教えるのも上手いし、面倒みもいい(面倒みてもらってる)。

どこだったか田舎から5年前に学校に行くためにブエノスに上京
たったの2、3年でオラシオのパートナーになる。
オレが昔オラシオのクラス取ったころはまだオラシオ一人で教えてたから
オラシオのクラスもセシリアと組んでさらにおもしろくなったのだろう。

オレも5年近くタンゴ踊ってるのにエライちがいやな。


ブエノスに来る前から他の踊りをやってたので身体は出来てたんだろうがそれにしてもすごい才能だ。
コンテンポラリーダンスでも先生レベル。
表現力だけでなくアドリブ能力もおどろくほど高い。


オラシオと踊ってるのを見て思った。

「あー、このコも音楽を全部理解し(覚え)てるんだー」

天才はオラシオだけじゃなかった。
セシリアがいてこそあれだけの踊りが出来るのだ。


セシリアと踊ると他の女の子とはまったく違った感じを受ける。

すご~く軽い。
あれだけの筋肉が付いてるのに全然重くない。
しかもすごく柔らかくてあったかくてフワフワしてる。
まるでネコと遊んでるみたい。
それも毛の長いペルシャネコ。
脚もすごく軽くてネコのしっぽみたい。
普通筋肉の付いてるダンサー系の女の子は重量感があって固さもあるものだがまったく違った感じだ。

エウヘニアが近い感じがするくらい。
エウヘは軽いけど中に針金が通ってるような感じ。
ネコはネコでもシャムネコだ。



昨年の9月にサンティアゴとXで踊ったビデオがアップされた。
オレのお気に入りの一本。


サンティアゴ&セシリア Santiago Dorkas & Cecilia Garcia



もちろんインプロ。
ふたりの柔らかくてオシャレな動きがすごく音楽にあってる。
これだけの表現力を持ったダンサーは他にはいない。



そうそうデサフィオの結果は言うまでもないよね。
オラシオ&セシリアが相手じゃどうしようもない。
ダミアン&セリーヌはテンポに合わせて技やってただけだもん。
音楽が解かる人間ならこの勝負は一目瞭然。
かわいそうにダミアン&セリーヌ 
相手が悪かったね。。。





奇跡の男 と 究極のタンゴ

2008年03月16日 10時19分33秒 | プラクティカ X
前回からつづいてまーす。
「ダミアン&セリーヌVSオラシオ&セシリア」
を読んでからこっちに来てね。意味わかんないから。



去年の音楽特訓のおかげで自分の出来ることと出来ないことが分かってきた。


大切なのはどんなことをやるにしても音楽に合ってないと何の意味もないということだ。


オレはずっとテクニック重視で練習してきたのではリード&フォローには自信がある。
チチョやナベイラ、色んなダンサーの技も知ってる、自分でも即興で新しい技を作れる。
問題はそれをどう使うかということ。


たとえばシークエンスを覚えてたとしてもそれをいつ始めれば音楽に合うか?
とか考えるより音楽に合った動きをしないと意味がない。

もともとオレはシークエンス覚えれるほど記憶力よくないので曲を聞いて1アクション1アクションを音に合った身体の動きを使って表現して(だから新しい技ができる)踊ってたつもりだったんだけど、実際は音楽自体が聴けてなければムリだったんだよ。


音楽に合わせて踊るのに音楽がどういう風に演奏してるか分からないで踊れるわけがない。

音楽を聴くというのは音楽を、その曲を知りつくす、解析するということ。
いつどこでどの楽器がどんなことをやってるのか完全に把握してなければ音楽をほんとに聴いてることにはならないのだ。

そうしなければ音楽に近づけない、音楽を踊りで表現するなんていうのはムリなのだ


ときどきすごく気持ちよく踊れるときがあって、それはカンで音楽の流れに乗れているときだ。
もともとオレは音楽の知識がないので感じたものを表現して踊る。
分かりやすい音楽だと乗りやすい。

いつも音楽には流れがあってそれに乗れていないときはたとえテンポがリズムが取れていようと音楽は死んでしまう。
(決まったシークエンスをテンポに合わせて繰り返すなんてお話にもならない。
それこそ音楽を侮辱した踊り方だ

そしてその流れを作っているのは演奏している各楽器のかけ引きなのだ。
そのかけ引きが分からなければ音楽に乗れるわけがない。
音楽が聴けてないということだ。



そしてこの男の登場である。

オラシオ・ゴドイ Horacio Godoy

タンゲーラのモーラ・ゴドイの弟。
ラ・ビルータのDJ。
タンゴも音楽もないただのバレエ、ショーダンサーである姉モーラとはまったく対象の位置に立つ男。


昨年このデサフィオで彼の踊りを見たときはすごく感動した。
もともとすごいすごいとは思ってたがあのデモはほんとにすごかった。
そしてこのオヤジは天才的な音楽センスの持ち主なのだと思った。
昨年は音楽の知識があまりになかったためチチョやナベイラのように音楽を表現する能力が高いだけだと思っていた。

音楽センスというのが存在するならたしかにそれもすごく高いのだろう。
しかしそれははっきりとした裏付けのもとに存在したのだ。
この男は完全に音楽をすみずみまで知り尽くしているのだ!

オラシオ・ゴドイ&セシリア・ガルシア Horacio Godoy y Cecilia Garcia


ニューシネマ・パラダイスのテーマ曲をエステバン・モルガードの生演奏で踊る二人。


このビデオを初めて見たとき身震いがした。
ビデオの後半、セシリアの足がギターを弾いてるっ
その他にも細かく見てみるとオラシオとセシリアが色んな楽器のパートを演奏しているではないかっ!

これはこの曲を知り尽くしているオラシオだから出来る芸当だ。
たいして派手な技を使うわけではないのでタンゴのことをよく知らない人には地味に見えるかもしれないがこれははっきり言って神技である。

チチョの変わった技が難易度9とするならオラシオは100。
桁違いのダンサーだ。


そしてこのミロンガ。



おっさんやっぱりアホ や。

こんなアホなことを出来るのは、ここまで音楽で遊べるのはこのおっさんしかいない。
オラシオの脚が勝手に動いていった後、セシリアが
 「お父さん、だいじょうぶ?」 
ってなってるのがまたかわいい。
セシリアのアドリブ能力のよさをバツグンに発揮してる。

彼の踊りを見た後だと「音楽センスがいい」などと言われるチチョでさえ、

「ただリズム取ってるだけじゃん。
  ときどき変なことするので音楽の流れからはずれてるし、ショボー
と思ってしまう。



そして今回のデサフィオ。
ちゃんとビデオ撮ってきたよー。  
ユーチューブにアップしたよー。


1曲目のタンゴはDJがオラシオだと思って意地悪したらしい。
まったく聞いたことない曲だった。
でもオラシオは知ってる様子だったがやはりマイナーな曲なのであまり細かくは分からないらしく普通に終わってしまった。
不満そうなオラシオ。

そして2曲目にこのミロンガがかかった。
いきなりオラシオの顔が変わりジャケットを脱ぎ始めた。



ちなみに最初に「えっそー!!」と叫んでるのはオレ。

完全即興!!!
この男は曲をすみずみまで知り尽くしている。
そして音楽を自由自在に操れるのだ。

「音楽が見える」
というのはこういうことだ。

メロディーをいろんな楽器になって交互に演奏したり、
おのおのが新しい楽器になって流れにあったリズムを奏でたり。

この男は聴こえた音楽を聴こえたまま踊りにしている。
そして曲の中で遊ぶ。
おしりでピアノを奏でるセシリア。
ボルカーダを裏拍子で着地させるところなど超マニアック!
音楽が聴こえない人にはこのすごさは分からないだろう。


これだよ、これ!!
オレがずっと探し続けていたタンゴ。

完全即興。
音楽が見える踊り。
音楽の中で遊ぶ。
音楽を知り尽くしそれを表現するテクニックを持ったものだけがたどり着ける境地。

今現在、この「究極のタンゴ」を踊れるのはまだこの男しかいない。


タンゴを始めて5年。
やっと入口にたどり着いた気がする。
頂上はまったく見えないがはるか遠く上を登っているオラシオの背中と目の前の入口がやっと見えた。
また最初からやり直しだ。
でも見えればいつかは追いつける。
何年かかるか分からんが。


去年のデサフィオでは勉強不足で見えなかったものが今は見えるようになった。
この1年でオレもだいぶ成長したようだ。
やっぱり音楽だ。
音楽が聴こえないやつにタンゴは踊れない。
音楽が聴けるようになるまでそうとう先は長いな。



ダミアン&セリーヌ vs オラシオ&セシリア

2008年03月14日 00時10分27秒 | プラクティカ X
先週から始まった デサフィオス・マエストロス

今回の対決は
      ダミアン&セリーヌ  オラシオ&セシリア




それにしても先週から場所が変わったX。
細長くなって狭くなって床が悪くなって踊りにくくなって最悪。

ただでさえCITA前で外人いっぱいでコミコミの時期なのにどうよ?
これデサフィオス終わったら客減りそうだなー。
オレもこれが終わったら他のプラクティカに行こうかと検討中。



今回はフランスに住んでいて一回もクラスを取ったことのなかったダミアン&セリーヌとタンゴ界最高の音楽センスを持つ男オラシオ&セシリアの組み合わせだということでクラスから取ることにした。  


昨年は1回も取らなかったし先週は時間がなくて行けなかったのでデサフフィオのクラスを取るのは今回が初めて。

主催者のパブロ・インサがやってきてコインを投げてどちらのパレハが先に教えるかを決める。
持ち時間は各組、最初30分ずつ、その後15分ずつもらえる。


今日のテーマはもちろん ミュージカリティー  

先に教えるのはダミアン&セリーヌになった。

まず簡単なシークエンスを覚えさせてメロディーに合わせて踊れ。
というのが最初の課題。

先生達がやって見せるのだが踊ってるのは音楽のメロディーではなく自分達が感じたように表現してる。
つまりそれっぽく踊れ、ということ。

その後は普通に踊ってるときにダミアンが「シークエンス」と言ったらシークエンスをやる。
そのほか「スローモーション」「ストップ」「オープン・エンブレイス」「クローズ・エンブレイス」
などというので踊りながら即座に対応するというものだった。
つまりまったくミュージカリティーのクラスではなかった。


オラシオはやっぱり教えるのむちゃくちゃ上手い。
まずは男女を向かい合わせに2列に並ばせる。




この時点で「?なにやるんだろ?」って感じになる。
実際ここでやったのは
「口でゆっくり5カウント数えながら1歩だけ前に進む」
というもの。
実際には一列にならなくても出来るけどわざわざ生徒の気を引くためにこうやるのだ。


そのあとサロンを4つのエリアに分ける。
各エリアは「」「」「」「」の4つのエレメントに対応している。
ミロンガのように回りながら踊っていくのだが各エリアではそのエレメントにあった踊り方をしなければならない。


」のエリアではさっきのゆっくり一歩進むを使う。
身体が水の中に浸かってるように強いがゆっくりと動く。花を踏むようにつま先から柔らかく踏む。

」のエリアでは同じ場所から動かずに身体の中に熱いエネルギーを流しお互いを感じあう。

」のエリアでは風のように軽く、自由に踊る。

」のエリアは「水」と似ている。ゆっくり強く動くのだが嫌いなやつを踏みつけるように踵から力強く踏む。


これがTVゲーム世代には楽しくてたまらん。
おっさん、「風」を説明するときは椅子の上に乗って「I'm Freee!!」って叫びながらパタパタ鳥みたいに飛んでるし。ほんまアホやわぁー。


つぎは
「ここにこれから踊る曲の楽譜があるから見に来い」
と言って紙を出してきた。
50人以上いる生徒達が集まってきて小さなレポート用紙を覗きこむ。

すると、、、

そこには黒のサインペンで細い線が棒グラフのように並んでるだけだ。

???

そしておっさんが説明を始める。
一番上の段には棒が、長い、短い、長い、短い、長い、短い、、、、
と均等に並んでいる。


棒を順番に指差しながら
「ズン!、チャン!、ズン!、チャン!、。。。」
つまり長い棒は強拍、短い棒は弱拍を表していたのだ。

長い棒だけを指差しながら
「ズン!、、、ズン!、、、ズン!、、、。。。」
などよく知ってる曲に合わせて説明する。

他にも棒が細かく連続しえるものは
「タラララララ、、、」、、、、、

のように16分音符の羅列を表していたり、

強拍のすぐ後に細い線があると、
「ズンチャッ、、、、、ズンチャッ、、、、」
4分音符32分音符だったり、

よく知ってる曲のメロディーに合わせて音の鳴ってるタイミングと音のイメージを絵にしてあるのだ。
これはすごく分かりやすい説明だ。
鳴ってる音の位置や長さ(音符の種類)、音の強さ、感じ(踏むときのイメージ)を視覚で確認できるのだ。



あと、「バイオリンの音だけ取って踊れ」とかあったけど全然できなかった。
よく知ってる曲なのにメロディーが静かに鳴ってるときは聞こえるけど全部の楽器が鳴ってるときは強い音に隠れてバイオリンの音が聞き分けられなくなる。

昨年の猛特訓で楽器を結構聞き分けれるようになったつもりだったが全然ダメ。
しかも音を聞いてからリードしてたら間に合わないので1歩も動けなかった。
もちろん出来てるやつなんて一人もいなかったけどあまりの出来なさに自己嫌悪


しかしこんな素晴らしいクラスは今まで受けたことない。
オラシオのクラスを大分前に何度か取ったことあるけどここまで面白くなかった。
おっさん説明も上手いし生徒の気を引く方法も知ってる。
やっぱおっさんすごいよ。



クラスではデサフフィオ(対決)はオラシオ&セシリアが完全に圧勝。
ダミアン&セリーヌのクラスはほんとつまんなかった。
あまりのクラスの出来の差に生徒達の表情もまったくちがった。



そしてプラクティカが始まりガンガン踊ってほんとのデサフィオの時間になった。

先攻は
ダミアン・ロセンタル&セリーヌ・ルイス Damian Rosenthal & Celine Ruiz



曲は2つともすごくよくミロンガでかかる曲だった。
観客が選べるのはオーケストラ(と歌手)だけ。
踊りやすい曲をわざとDJが選んでいるのだ。

彼らのデモをナマでみるのは始めて。
ビデオでは何度か見たことあっていい身体の動きをしてるので一度見たかった。


しかし即興は全然ダメだった。
ま、クラスの時点で音楽センスはないだろうと思ってたがやっぱりダメ。
曲は知ってるので普段どおり踊ってるのだろうが
テンポに合わせてなんとなくイメージに合わせて踊ってるだけ。
得意技のコルガーダ、ボルカーダを入れるのだが音楽のイメージに合ってない。

しかも何か魅せないといけないと思って焦ってるのがダミアンの顔にはっきり出てる。

ビデオでは振り付けのやつしか見たことなかったがもっと柔らかい動きをしてたんで期待してたんだけどセリーヌは結構カクカクしてた。
リード&フォローは問題ないが身体の使い方がイマイチ。

結局2曲目も同じようなことやって終わり。
そのへんのミロンガで踊ってるただの人だった。
まぁ、完全即興だからこうなるのが普通なんだけどね。



長くなってきたんで次回に   つづく。




は、は、歯、、、

2008年03月09日 12時36分35秒 | その他
 歯がとれた。

1年位前にとれたやつである。
一回、歯医者に行って治してもらったんだけどすぐに取れて500ペソ(約2万円)以上、まったくの無駄遣いだった。
前歯3本。差し歯。

いつも大体1ヶ月おきくらいにとれるんだよ。
で、取れるたびにアロンアルファーみたいな瞬間接着剤でくっつけてた。

これが結構良くてちゃんと元通りに付くんだよね。
この作戦で日本帰るまで持たせるつもりだった。
こっちの歯医者イマイチ信用でけへんし。

しかしっ!
おとといの晩、
また取れた差し歯をつけようとして差し歯に接着剤を出したとたん、、、

ぶチュッ!!

と大量にこぼれてしまった。
3本の差し歯は接着剤まみれ。
持ってた指もベトベト、  から               
               パリパリになって キターーっ! 
                               
      

アイヤイヤイヤ、やいやいや
       ァィャィャィャ、ゃぃゃぃゃ、、、(大助花子)

焦りまくって、とりあえずお湯で洗うことにした。

しかし瞬間接着剤の威力は強力。
すでに左手の指3本と差し歯3本は一体化していた。

いそいでそれを剥がそうとした右手もパリパリ。

口をモゴモゴいわせながらなんとか手から差し歯を引き剥がし、くっついてる指も引き剥がした。

パリパリ、ガサガサになった両手の指と接着剤まみれの差し歯。

手についたパリパリをとらねば何も出来ない。差し歯の接着剤もとれない。
あまりにもいっぱい付いてるので簡単にはとれそうにない。
しかたないのでボールにお湯を入れ接着剤と指の皮をふやかして取ることにした。

これがまたマヌケである。
30過ぎた大人がボールに差し歯と両手突っ込んで、歯の抜けた口開けたまま上向いてボーとしてるんだから。


        


正味2時間。
必死こいて指に付いた接着剤をなんとか使えるくらいまではがした。


はぁ。

と休憩してるヒマはない。
差し歯に付いてる接着剤を取らねば。
これがまたタイヘン。
針でつついて削り取っていくしかない。
しかもいつもと違って大量についてるのですごく時間と根気のいる作業だ。


         


さらに2時間。
だいたい削れた。

ふうぅ。。。

よしっ、接着剤でくっつける前に試し入れしよう。


カコッ、コッ、コッ、、、、


は、はいらない。。。

いくらやってもうまく入らない。
再度削りなおして入れる。

やっぱり入らない。



どうしようもないのでその日は奥まで入らないまま接着剤でくっつけて寝ることにした。
次の日外してまた削って試したがやっぱりカッチリ入らなかった。

腹をくくって歯医者に行くことにした。
歯医者に行ったらまた最低500ペソは覚悟しなければならない。

はぁぁ、、、またオレの1か月分の生活費が飛んでいくのかぁ。。。



友達にお薦めの歯医者を紹介してもらって
先生が忙しいらしくその日の4時からしか空いてないらしい。
次だと来週の水曜。

プライベートクラスの仕事が4時から入ってたんだが仕方ないので他の日に変えてもらうしかない。
歯医者の予約を入れて生徒にキャンセルの


家を出るまでに少し時間が合ったので差し歯の掃除をすることにした。
接着剤が付いてるのが歯医者さんにばれるとはずかしいやん。

またちまちま針でつついて何度も洗う。


出発時間直前。
最後に差し歯がどれくらい入るのか試そうと入れてみると。。。

カチッ!

と音がしてきっちりハマった。
ビミョーに前より隙間があるがぜんぜん問題なし!!
いそいで歯医者に
キャンセル。

よかったぁー         
500ペソ助かったぁー





アドリアン&アレハンドラ vs マリオ&アナベラ

2008年03月07日 16時36分42秒 | プラクティカ X
今年もこの季節がやってきた!!

デサフィオス・マエストロス

毎週Xで2組のパレハがクラスとデモを一緒にやる。
面白いのはデモは完全インプロ(即興)!

何が完全インプロかと言うと、、、
観客が踊って欲しい曲を選べるのだ。

入口でもらうアンケート用紙に書いてあるオルケスタの中から2つ選んで投票し多数決でどのオルケスタになるか決まる。
曲自体はDJが選ぶことになっている。

ダンサー達が出てきて実際に曲がかかるまで何の曲がかかるか分からないのだ。
曲がかかったときのダンサー(特に男性)の表情を見るのも楽しみの一つ。

音楽にウトいオレなので何の曲だったかを説明できない。
とりえあず今回はすべてよくミロンガでかかる曲だった。




今週の対決はアドリアン&アレハンドラマリオ&アナベラ

どっちのパレハが先に踊って欲しいかも投票で決まる。
先攻は、、、

アドリアン&アレハンドラ Adrian Veredice & Alejandra Hobert


いやー、上手くなったよ、ふたりとも。
3、4年前はちょー下手クソでカチコチだし、音楽合ってないし、リードできてないし。
あまりにヘタだったんで見たくなかったんだよね、ずっと。

しかし今回はすご~く上手くなって帰ってきた。
トラディショナルからヌエボに転身。
それが良かったんだと思う。
こっちの世界は完全リードじゃないと相手にされないからね。

もちろんまだまだ硬さは抜けてないし、表現がちょっと強すぎるところもあるが音楽も普通にとれてるし見てて安心できる踊りだった。
得意技の「連続ガンチョスカし」も音楽に合わせて入れてた。
完全インプロでここまで出来れば十分。


そして次が

マリオ&アナベラ Mario Consiglieri & Anabella Diaz-Hojman


これがひさびさ大ヒット!!
マリオめちゃくちゃ上手くなってる!!
去年も彼ら出てて良かったんだが去年の時点ではちょっと地味な感じだった。
しかしそこを克服。
ディナミカがだいぶ付いた。
テクニックは完璧!!
音楽も余裕であそんでる。
すごい安定性。クリアーなリード。
変なクセがないのですごくきれいな踊りだ!!
しかも2週間くらい前に坊主にしたのがスーツと似合ってめっちゃかっこいい。
柔道部がスーツ着てるような安定感。

アナベラは前から上手かったがさらに動きがよくなった。
しかもかわいいなー、やっぱり。
えー、オレは踊りだけでなくダンサーの女の子の評論家もかねてます。


最後は二組でパートナーチェンジしながら踊った。
二組とも踊れるので去年のような大変なことにはならなかった。


今回A&Aも良かったがやっぱりマリオ&アナベラの勝ち!!
ここまでいいデモは年に1,2回しか見れない。

ひさびさまーじゃん

2008年03月03日 12時18分47秒 | 日本旅館
先週ちょー久しぶりに麻雀やったらめっちゃおもろかった。


なんか最近このブログもタンゴネタばっかしで全然オモロないし、
やっぱ麻雀でしょ、マージャン!
だいたいオレ、麻雀やるためにアルゼンチンにいるんだし。

日本旅館もぜんぜん人来なくてあまりにヒマなんで、管理人のテツさんも毎日
昼間っから酒飲んでクダまいてる。
( あ、これはいつものことか )


と、いうわけで先週、
「マージャン出来ます」
ていう若造がいたんで部屋で寝ている杉井君をムリヤリ起こして打つことになった。


なんでかわからんけど卓囲むと元気になるよね。やる気が出てくる。
( 踊るときにやる気出せよ

オレ、ちょっと間があくとカンを取り戻すのに時間がかかるんだけど今回はそうでもなかった。
順調にオーラスまで単独トップ。

いつもどおり楽勝、楽勝。

と思いきや、最後にテツさんに跳満上がられて2着。
若造君はやっぱりケツ。
どうやらテツさん達とはすでに何回か打っていたらしく、

やっぱ またケツだー。もうやらねー!

と言ってどっか行ってしまった。
ので、半荘1回でおわり。

素人なんだからあんまイジメちゃダメだよー。
たまには勝たせてあげないと。
結局メンツ集まんなくなって困るの自分達なんだから 




マニアック タンゴ用語辞典  セントロ

2008年03月01日 02時41分47秒 | マニアック タンゴ辞典
アルゼンチン・タンゴはまだまだ未開発な分野の踊りなので踊り方もリード方法も様々。
教え方も人それぞれで使う言葉も違う。
同じ言葉を使ってても先生によってちがう意味のときが多々ある。

だから言葉の定義づけはむずかしいんだけど大体一般的に使われている意味合いでこのブログでは使っている。


今回はセントロについて。

セントロとは英語でいうところのセンター。
つまり「中心」という意味。


タンゴでセントロというと人によって違うところを指すことがある。


まず1つは上半身のセントロを指す場合。

肋骨の割れ目のあたり、胃のあたり。
上半身のセントロとは実際には中心ではないのだけれど上半身をコントロールしてる部分を指している。
この部分を引き上げることによって姿勢を維持し、下半身との分離を図る。

ミロンゲーロ・スタイルなどではこの部分にエネルギーを集中して前に出し、相手とのコンタクトを取る。

ミロンゲーロでなくとも全てのスタイルにおいてこの部分は超重要でこの部分でつねに相手を探すことによってコネクションを保っている。



2つ目は下半身のセントロを指す場合。

お腹の下、骨盤の中心のあたり。
腰の骨が動くことによってその下の脚が反応ため 歩いたり、体重移動したりするときはこの部分をコントロールして骨盤を動かし移動する。
もちろん上半身を固定しておいてこの部分だけを回転させてピボットしたりすることもある。
「脚を開いて両足に体重を乗せて上半身を固定し腰だけを左右に振る」
などの技も可能。



最後は身体全体のセントロを指す場合。

人によって胴が長かったり、脚が長すぎたり(オレ)するがこの場合、お腹のあたりを指す。
ここは基本的に閉まっている。

基本的には上半身のセントロと下半身のセントロは上下の位置関係にある。
上記のような(腰フリフリ)特殊な技でない限り移動するときは同時に動く。
よって、その真ん中にあたるお腹も一緒に動くことになる。



と、セントロひとつとっても先生によって指してる部分は様々である。
もちろん上記の3つの部分を他の言葉で表す先生もいる。
ただ単に「中心」という意味で使うときも多々ある。

このブログではただ「セントロ」と書いてある場合は上半身のセントロを指している。
他の部分は下半身のセントロ、腰、お腹、腹筋などと表記している。

ちなみに英語でいうところの「CityCenter」も「セントロ」である。