メン・ピン・タンゴ ツモっ!

南米のパリ、アルゼンチンはブエノス・アイレスで起こる
お洒落(?)な出来事を毒談と偏見で綴るブログ

テクニック 巻の壱

2008年12月05日 20時34分01秒 | マニアック タンゴ辞典
うーん、、、やっぱり文章にまとめるのは難しい。。。
いろいろ書いたけど意味分からんくなってきたのでだいぶ削りまくった。



とりあえず、「基本的な技術(テクニック)」 について。










テクニックは大きく分けて2種類。





1、 自分の身体をコントロールするテクニック。


2、 リード & フォロー








今回は1番目、「自分の身体をコントロールするテクニック」から説明しよう。






これは読んで字の如くなのだが、かなり難しい。








単純に身体を動かすには大きく分けて2種類ある。




意識して身体の1部分だけを動かしたり、1歩前に進んだりする、 

「完全にコントロールされた動き」

         と

「コントロールし切れずにそうなってしまう動き」 

(姿勢が維持出来ない、ゆっくり体重移動出来ない、落ちちゃう、倒れちゃう、表現がいつも同じになってしまう などなどなど)









コントロール出来てないと話にならないのでこれは置いといて、コントロール内の動きについて。









すべての「意識してコントロールされた動き」を外枠にしてその中に色んな動きがある。



大きい動きでは指を動かすとかジャンプするとか、小さい動きでは両足に50%ずつ乗ってる体重を49:51にするとか。


いろいろあってその中で例えばカンフーで使う動き、バレエで使う動き、卓球で使う動きなどがある。
んでもって、もちろんタンゴで使う動きもあるわけだ。

これら各スポーツ、格闘技、ダンスでいろんな動きがあり別種類のものでも被ってる動きと独自にしか使わない動きがある。


さっき書いた微妙な体重移動などはどの種目でも絶対に使うし、正拳突きバックドロップ(プロレス技)を卓球で使ってる人は見たことない(使えるかもしれないけどたぶん反則)。






ここで重要なのはどんなことをするにしても
そのアクションをちゃんとコントロール出来ているか?
ということ。



ただ動くだけでなく、そのアクションをしている間は全身に意識が行き渡っているし(たとえリラックスしていても意識はいっている)、アクションが終わった後もいつでも次のアクションに移れる状態になっている。




試合が、競技が、踊りが、終わるまでは一瞬たりとも気を抜くことはない。















身体を自由に動かすためには同じ人間の身体を動かす以上、共通した基本的な身体の使い方が存在する。
それが「セントロ」、「丹田」などであったりするわけだ。






どんな動きをするにしても


  どこまで、
    一瞬の気を抜くこともなく、
        完全にコントロールされているか?



というのがこの技術の力量である。





そしてもちろんこのテクニックが大きく他の技術に影響してくる。

自分の身体を自由にコントロール出来なければリードもフォローも上手くは出来ないし、音楽を表現することももちろん出来ない。




   基本中の基本  である。


タンゴダンサーでこれが一番出来ているのが セシリア・ガルシア だと思われる。









おまけ。



ときどき

「アルゼンチン人は身体のツクリがちがうから、、、」 

などと言う人がいるが、これはただの「出来ないヤツの言い訳」でしかない。

アルゼンチン人だって全員身体のツクリは違うのだ。




ただ良いダンサーは自分の身体を自由にコントロールできるように

「自分で身体を作っている」 



必要なところに必要な筋肉がなければコントロール出来ないというわけだ。



軸を取るにはそのために必要な腹筋や大腿筋などを付けないといけないし、いい姿勢を維持するためには色んな小さな部分の筋肉が必要になってくる。


もちろん筋肉があっても使い方が分からなければ一緒なのだが、なければ使いようもない。


ただ踊っているだけでは必要な筋肉を使っているかどうかは分からない。
使っていなければ鍛えられないわけで、何十年踊り続けてても上手くはならない。
(ミュージカリティなど筋肉と関係ない部分はある程度上達する可能性はある)



逆に必要な筋肉とその使い方さえ分かれば上達は早いし、
マッチョにならなくても必要な筋肉を的確に使えば十分に踊れるのである。




ツモっ! って1周年!

2008年12月02日 15時02分07秒 | その他
イベント続きでいそがしかったけど11月で(もう12月に入ったけど)


「メン・ピン・タンゴ ツモっ!」


になって1周年。








初代「メン・ピン・タンゴ」からだともう3年かー。
早いもんだね。
まさか自分でもこんなに続くと思わんかった。








知らん間にタンゴ・レポ ブログになってるし...






でもこれは予想外の収穫。

頼まれて何書けばいいのかわからんまま始めたけど、そのとき自分がどういう視点で人のデモを見ているのかを残せたのは今の自分を知る意味でもかなり役に立ってると思う。



昔の読むと「ぜんぜん分かってねーよ、オレ」って思うモンね。



自分自身が成長すれば見るところも変わってくるし、とうぜん好きなダンサーも変わってくる。






見る目がないころは肩書きや思い込みに騙されたり、派手なものに目が行きがちになるもの。
細かいところがみえてくるとタンゴの面白み、深みもわかってくる。
噛めば噛むほど面白くなるスルメ的ダンス&音楽。
もっと上手くなればもっと面白くなるんだろーなー。










ここブエノスのタンゴは日進月歩でみんなすごい速さで上手くなっていく。
若手のダンサーは上達が早く、デビューしたと思ったらあっという間に上位に上り詰めるダンサーだっている。




ここ数年世界的なタンゴブームということもあり、世界中でタンゴでフェスティバルが増えた。
今年世界のフェスティバルに数多く招待されいたのはアドリアン&アレハンドラガストン・トレリ(マリエラ、モイラ)などなど(もちろんチチョやフリコリも)。



自分から仕事をしに国外に出るのではなく各地のフェスティバルにダンサーとして招待されるのはやはりその実力を認められているからだ。
単純にその数の多いダンサーが人気の高いダンサーということになる。






いま、ダンサーたちの個性は多様化し、技術的にも差がなくなってきたためにスター的存在がいなくなり飽和状態になってきているのは確かだ。

今年人気があったからと言って来年も続くとは限らない。
みんなどんどん上手くなっているので満足して立ち止まっているとすぐに追い越されてしまう。




いっときはスター的存在であったチチョでさえ、未だに人気はあるもののそのカリスマ性は薄れてきている。










このブログでも何度も取り上げてるが、いま時代は世界的に「ミュージカリティを重視するようになってきている。


これは一般のタンゴファンの技術力が上がってきたため、「いいもの」を見分ける力が付いてきたからだ。




だがそのミュージカリティを表現できるようになるにはかなりの技術力が必要になってくる。








もう、一昔前までのように、子供だましのテクニックでは仕事は来なくなってしまった。








やっと本来の「タンゴの本分」に立ち返ってきたようである。












さすがに平均週3、4回もピンキリのデモを見てると、いろんなダンサーたちが成長していくのが良くわかる。
しかし、それと共に目もどんどん肥えていく。


最近は目が肥えすぎて評価がキビしくなり過ぎているかもしれない。

もう少し基準を下げた方がいいのかな?





とりあえず、いま現在オレがどういう基準でデモを見ているのかを確認するためにも、次回から「まとめ」ということで少しずつテーマ別で整理してみようと思う。
(あくまで予定)