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人気の“島”から観光復活目指せるか

2021-08-16 08:47:11 | 報道/ニュース

2021年7月9日 NHKBS1「国際報道2021」


インドネシアの感染拡大は経済の再開に向けての動きにも大きな影響が出ている。
世界有数のリゾートを抱える東南アジアの観光業復活に向けた動き。
タイのプーケット島とインドネシアのバリ島。
どちらも日本人に人気の観光地だが
プーケット島は7月から隔離無しで外国人観光客の受け入れを開始。
そしてバリ島は国内の観光客やビジネス客の受け入れに力を注いできた。
タイ政府とインドネシア政府はこの2つの島を足掛かりに
観光業の復活を目指しているが
感染が拡大するなか2つの島の動きはどうなっているのか。

7月1日
世界的リゾート地として知られるタイのプーケット島で
隔離無しの観光客の受け入れが始まった。
義務付けられている2週間の隔離がプーケット島に限って免除され
閑散としていたピーチにはさっそく観光客の姿が見られた。
(観光客)
「ずっとここに来たいと思っていたの。
 隔離無しは本当に良いと思う。」
観光客を受け入れつつ感染拡大をどう防ぐか。
タイ政府が進めたのは
“サンドボックス”と名付けた計画である。
サンドボックスは
子どもが自由に遊ぶことができる砂場をイメージする。
自由に観光できるのを砂場に見立てた島に限ることで
感染リスクを封じ込めようというのである。
計画ではまず
島内の住民に重点的にワクチン接種を進めた。
対象の約7割はすでに接種済みである。
その上で観光客の受け入れは
政府が感染リスクが比較的低いと認めた68の国と地域に限り
ワクチン接種などの条件も付けた。
観光客は島から出ていないことが分かるよう
位置情報を提供するアプリの利用が義務付けられる。
船着き場のチェックポイントでは
観光客がもし条件を満たせなかった場合
検知され
外に出ることができない。
自由な旅行とまではいかないが
それでも政府は
3か月で10万人の外国人観光客が訪れると見込んでいる。
地元では受け入れ開始に期待が高まっている。
6連泊する場合さらに1泊無料を追加する特別プランを準備したホテル。
長く滞在する観光客を取り込もうとしている。
(ホテルのオーナー)
「これまでは国内の観光客しかいませんでしたが
 外国人観光客をまた迎えることができてとてもうれしいです。」
ただ
島のすべてが元に戻るわけではない。
外国人観光客でにぎわっていた歓楽街は真っ暗なまま。
“バーやクラブは感染リスクが高い”として引き続き営業が禁止されているのである。
受け入れのメリットは島全体には行き渡らないとして不満の声も出ている。
(歓楽街の団体 代表)
「怒りを感じます。
 すべてを再開させるべきです。
 小さな商店に利益が全く回ってきません。」

一方
バリ島などの観光地を抱えるインドネシアは
水際対策を強化したままの状況が続いている。
観光目的の入国は2020年4月から禁止され
再開は見通せない状況である。
観光業を支えようとインドネシア政府が2021年1月から開始したのが
国内向けのプロジェクト “ワーク・フロム・バリ”である。
観光を担当する閣僚自らがバリでテレワークを実践しPR。
首都ジャカルタなどから公務員やビジネスマンを呼び込み
仕事しながらリゾートも満喫する“ワーケーション”を広げようとしている。
ワーケーション向けに通常よりも宿泊費が大幅に安くサービスも充実したプランを提供しているホテル。
(ホテルの従業員)
「スイート・オーシャンビューの部屋は仕事がはかどると思います。」
485部屋あるホテルの稼働率はコロナ禍になって10~20%だったが
6月は公務員の団体を14グループ受け入れたことで稼働率も上がったという。
(ホテルの従業員)
「ワーク・フロム・バリによって少しずつ回復の兆しが見えております。
 私たちのホテルでは政府のワーケーションを受け入れ
 稼働率は50%になりました。」
実際にワーク・フロム・バリを始めた人がいる。
スタートアップ企業のコンサルタントをしているハルマトゥサディアさんである。
2020年7月 ジャカルタから拠点を移した。
島内の各地を転々としながら仕事をし
合間にはのどかな自然を楽しんでいる。
(ハルマトゥサディアさん)
「ジャカルタから多くの人がワーケーションに来ています。
 交流して
 お互いのプロジェクトのことを話したり
 何か一緒にやろうという話にもなったりします。」
地元の州政府は外国人観光客の受け入れの再開が始まるまでの間
ワーケーションの需要が頼りになると考えている。
(バリ州政府観光局 アスタワ局長)
「私たちは8月末までにバリ島の全住民のワクチン接種を終わらせようとしています。
 外国人観光客の受け入れを再開できるよう努め
 少しでも早くその日が来ることを望んでいます。」
しかしいま感染の急拡大で計画は厳しい状況に追い込まれつつある。
ジャカルタなどで感染者が増えたことで
バリ島でもビーチが閉鎖され
飲食店の店内飲食も禁止となった。
これにより予約のキャンセルや延期が相次いでいる。
インドネシア政府は2021年7月から「ワーク・フロム・バリ」のプロジェクトをさらに拡充する予定だったが
それどころではない状況に陥っている。
国内向けの需要を観光業復活の足掛かりにしようとしてきたインドネシア。
感染の急拡大で
計画は見直しを余儀なくされている。

 


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