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茶道に向き合う中国の学生

2016-05-27 07:15:00 | 報道/ニュース

5月14日 おはよう日本

中国の広東外国外貿大学。
外国語や貿易実務のスペシャリストを大勢輩出してきた名門である。
お茶をたてているのは茶道部の学生たち。
部が作られたのは7年前
日本語学科に力を入れているこの大学に
日本政府が茶室を無償で設置したのがきっかけだった。
稽古は週に1回
日本語学科の学生にとどまらず50人が参加している。
(茶道部の学生)
「茶道はとても奥深くて魅力的です。」
顧問の岩間宗恭さん。
大学側の要請で日本の裏千家から派遣されてきた。
稽古ではお茶をたてる作法だけでなく
相手への細やかな心遣いなど
茶道の精神を教えている。
茶室の掃除は大切な稽古のひとつである。
お客さんに気持ちよくお茶を飲んでもらうため隅々にまで気を配る。
お茶をたてる前には3分間黙想する。
心を穏やかに保つためである。
(広東外語外貿大学 茶道部顧問 岩間宗恭さん)
「お茶って特別だと思いがちですけど
 日常生活と結びついているところがたくさんあって
 そういうのを私が言わなくても感じてほしいと思いながら稽古しています。」
日本語学科3年の林璐さん。
活動をしていくうちに茶道の奥深さに惹かれていったという学生の1人である。
(広東外語外貿大学 日本語学科3年 林璐さん)
「道具を清めるとかお菓子をつくるとか
 自分の手で作ることがいっぱいあるところが一番好きです。」
林さんが茶道に惹かれる背景には中国の学生がおかれている機微いしい環境がある。
急速な変化を続ける中国の社会の中で
年々熾烈になる受験
就職での競争
日本語の同時通訳を目指して猛勉強を続けている林さんにとって
茶道は心のよりどころになっている。
(広東外語外貿大学 日本語学科3年 林璐さん)
「いつもプレッシャーを感じて生きてきました。
 でも茶室に入ると心が落ち着くんです。」
就職活動に備えるため
部活動は3年生の春で全員が引退する。
林さんたちはお世話になった人たちを招いて最後の茶会を開くことにした。
喜んでもらうためにどんな茶菓子を出すのがよいかを皆で考えた。
「おまんじゅうは中国人のお客さんには珍しいから喜ばれるんじゃない?」
「たしかにふだん食べられないからね。」
茶会の当日
茶室の掛け軸も自分たちで思いを込めて選んだ。
「きょうの卒業茶会のテーマは掛け軸に書いてある“一期一会”です。
 きょうは卒業する私たちにとって本当に一生に一度だけの茶会です。」
茶菓子は日本のまんじゅうを自分たちで作った。
中国で手に入る材料を使い
試行錯誤を重ねて一つ一つ仕上げた。
(招待された学生)
「茶室は静かで心が落ち着き
 すばらしかったです。」
茶会の最後に林さんは岩間さんに感謝の気持ちを伝えた。
(林璐さん)
「きょうは卒業茶会ですが茶道の修業は終わらないと思います。
 その気持ちをちゃんと大切にして
 これからも頑張っていきたいと思います。」
心を静めて
相手をもてなし
思いやる。
茶道の精神は中国の若者の心にしっかり届いていた。




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