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フランスで需要高まる修理しやすい家電

2021-06-01 07:06:33 | 報道/ニュース

2021年5月13日 NHKBS1「国際報道2021」


赤から黄色 緑に色分けされた数字。
これは家電の「修理のしやすさ」を表す指数。
フランスで販売されているスマートフォンや洗濯機など
一部の家電製品に表示が義務付けられていて
数字が大きいほど修理がしやすいということである。
フランスでは以前からごみを出さない社会への転換が進んでいたが
新型コロナの感染対策として厳しい外出制限が行われたこともあり
家電製品が故障しても自分で修理せざるを得ない状況に追い込まれた。
そうしたことからこうした修理のしやすさを求める動きが社会全体に広がってきている。

いまフランスで人気を集めているオンラインでの家電の修理相談。
(利用客)
「脱水できず鈍い音がします。」
(エンジニア)
「洗濯機を見せてもらえますか。
 私が見えるようにカメラを向けてください。」
洗濯槽が回らなくなったという女性からの相談。
通話機能を使って洗濯機の状態を見せてもらいながら原因を探っていく。
(エンジニア)
「洗濯槽を回すベルトが切れていると思います。
 モーターは回っているのにベルトが切れていて洗濯槽が回らないんです。」
いくつかの質問をしただけで故障原因が特定でき直すことができた。
(利用客)
「30分相談で問題解決なんてすばらしいです。」
9年前にパリ郊外で創業した会社。
オンライン相談で故障の原因を特定したあと替えの部品を販売する。
さらに修理のしかたを説明する動画を作り
誰でも閲覧できるようネットで公開している。
(エンジニア)
「きょうは縦型洗濯機のご説明です。
 それでは説明と分解を始めましょう。」
公開している動画は900本近く。
洗濯機や食洗器 冷蔵庫など製品ごとに詳しく解説している。
コロナ禍の機関の売り上げは2,5倍に拡大。
人気の理由のひとつは価格である。
業者に直接修理してもらう場合と比べ料金は3分の1ほど。
平均約5,000円と格安である。
(利用客)
「何でも自分でやるのが好きだし
 その方が安いです。
 捨てるのは環境に良くないし
 安く直せるなら使い続けたいです。」
コロナ禍でそもそも修理を業者に思うように依頼できなかったことも需要を押し上げたという。
(部品販売会社Spareka マラテールCEO)
「フランスでは毎日1万5,000台の洗濯機が故障します。
 修理するにも業者が訪問できず
 オンラインでの相談が大幅に増えました。」
こうした動きをフランス政府も後押ししている。
2021年1月に表示が義務付けられた“修理しやすさ指数”。
現在 洗濯機 テレビなど5つの品目が対象である。
最高評価は10。
分解やスペア部品の入手のしやすさなどの基準をもとに
メーカーが自ら評価し
政府の機関が監督する。
(指数導入を推進するNGO バスル共同代表)
「修理のしやすさがひと目で分かるのでメーカーは競争を始めるでしょう。
 自社製品をアピールしたいのです。」
修理しやすい製品とはどのようなものか。
分解するのにドライバー以外特別な工具は必要ない電気圧力鍋。
(修理業者)
「部品は簡単に分解できます。
 カバーもガラスもです。
 溶接ではなくはめ込み式なので工具もほとんど使いません。」
心臓部の基盤もソケットにはめ込むだけで簡単に交換できる。
メーカー側も対応を進めている。
頭部リヨンに本社を置く大手家電メーカー。
10年以上前から業界でもいち早く修理しやすい製品づくりを進めてきた。
修理に欠かせないスペア部品の準備にも万全を期している。
倉庫には部品600万点を保管。
注文を受けてから数日以内に世界各地に届けられる態勢をとっている。
(大手家電メーカー グループセブ幹部 ポトロさん)
「部品を保管するには広い場所が必要でコストがかかりますが
 1ユーロ(j130円余)の部品があれば
 500ユーロ(6万6,000円余)の部品を修理できます。
 消費者のメリットは非常に大きいです。
 10年前に購入した製品も修理できるのです。」
生産が終了した製品の部品も3Dプリンターで作るという
力の入れようである。
(大手家電メーカー グループセブ幹部 ポトロさん)
「企業のブランド価値を高め
 顧客獲得につなげたいと考えています。
 これからは修理可能なだけでなく
 時代の変化にも対応していかなければなりません。



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