碧い山・青い海

趣味の山登りとか、技術とネット情報を照合し個人メモに・・

1610- ニューヨークで想ったこと 02

2016-10-11 | 旅行
 観光客以外の、ニューヨーカーを見ていて 最初に感じたのは 人の生活には階層がある・・と言う感覚だ。ホテルに住み、ホテルで朝食をして仕事に行く上級層、ホテルに泊まり、中の瀟洒な出店で サンドイッチと飲み物を新聞を読みながら済ませ15分ほどで出かける紳士・淑女がいると思うと街にはあちこちに屋台が出て通勤で急ぐ人に 安価なホッドドックはコーヒーを毎日買って それを飲みながら速足で仕事先に向かう人など・・。もう一つの階層、街は50m程のブロックで区画され歩いていると2ブロック毎に 一人程度の浮浪者がいて恐らく薬中毒かアル中とか病気を持つ人かもしれないが仕事を持てない人たちだ。人生に勝者と敗者、幸運と不運の人がいるならその様々な階層の人たちが一緒に住んでいる感じがする。

 背筋を伸ばして、颯爽と歩くニューヨーカー・雑誌もモデルかと思う美人が 赤レンガの外階段の下を通り抜けたり 何か不思議に全てが映画で見た一場面に見えてしまう。おそらくこの方たちは、自分の地位に高い誇りと価値を持ち紳士淑女はこうあるべきなのだと・・考えて暮らしているのだろう。
 家族で来ているレストランで5歳位の男の子に親は、メニューのアドバイスの後、自分でウェイターに注文させる風景は普通だが こんな子育てが人を自立させ紳士を作っていくのだろう。
 私たちみたいに、貰った割引券を出して買い物などしない階層なのだ。ここの路上生活者も、それぞれの芸とか役割に威厳が感じられるのも不思議だ。
そして富める人から、貧しい人への互助の精神が社会制度のあちこちに組み込まれているのも 日本ではあまり見られない風景だ。

 美術館の入館料は大人25ドル・シニア17ドルと決められている。シニア二人分の34ドルに対して35ドルを差し出し「幾ら払うの・・・35ドル」返事をして1ドル釣銭を待った。次の人応対を始めたので「お釣りは・・」と聞いてみた。すると「貴方は先ほど35ドルと言った・・」、と言う返事。それでやっと気が付いて「イエス・アンダースタンド」。
 つまりメトロポリタン美術館も自然博物館もお金の払えない人は1ドルでも2ドルでも入館OKなのだ。お金に余裕のある人は百ドル払って入館するのもあるのだから。MET入館は100ドルでも安い位なのだが こんな仕込みも、お金持ちが社会に感謝して 自由に街に還元できる仕組みなのだろう。
 路上演奏のJAZZマンも多い、楽器ケースを前に置き観光客から小銭を貰うが 中には50ドル・20ドル札も見える。中心部にはパントマイムで小銭を貰ったり、私たちもうっかり、セサミ・キャラクターに囲まれ写真も撮って貰ったら、チップを請求され10ドル取られてしまったが。
 地下鉄の自販機が、停止していたので困っていると本を読んでいた若い女性が 2ドルで改札を通してあげる・・と言う。二人分4ドルを渡すと、改札ゲートを自分のメトロ・カードを使ってゲートを開けてもらった。通常一人3-2.75ドルなので安いと思ったが、一週間乗り放題のフリーパス(30ドル)を持って生活費を稼いでいたのだ。観光客15人を利用させたら元が取れ後は大儲け。

 さらに、黒人街ゴスペルツアーに参加した。費用は実費で安いが、教会で寄付をする義務がある。 ゴカペルは今世界でも人気だ。このツアーを企画する現地日本人は、毎日日本人以外の観光客も含めて、中毒患者の更生活動として成果を上げ 教会も11年前より、見違えるような立派な教会になり 30人程のグループの歌声は見事だった。このARC教会のゴスペル合唱隊のリーダーの、路上生活の経験者で 独唱を含めた大いなる祈りの歌声は 今の幸福に感謝する心にこもった歌声と その迫力は聞いているほうも陶酔してしまうほどだ。コンサートで聞くのとは、まるで違う本場のゴスペルなのだ。ハーレムのアボロ劇場から、飛び出した有名な黒人歌手には 10万ドルの寄付する人も多いそうだ。

 個人主義と自己責任が徹底され、ランチを連れの分も一緒に二人分注文すると「ユアー・ハングリイ ?」と聞かれてしまう。
前に書いた、地下鉄自販機も世界の人種が使用することを考えられて 旧式で単純な機械だ。日本の券売機は3人分とか、路線選択とかで電卓の様な 多数のボタンがあるがそれは必要がないのだ。技術があるから、便利になると新機種に次々替えたりしない。世界中の人が理解できる様に・・時代遅れの機械でゆっくりと進むのが とても心地よい。建物も古く街も11年前と変わらない、街中がビル内部の工事中が多かったが 街の風景は相変わらずギャングが逃げ回る外階段の景色で、壊して新築されたのは911の「ワールド・トレード・センター」だけ。街中に警備のボリスマンも多い、要所には最新銃を抱えた軍人もいたがみんな一緒に写真を撮りたいほど恰好が良い。でもこの街の、豊かさと自由な雰囲気は米国人独特の明るさなのが 常に青空が見渡せる街の景観からくるものだろうか。

 自然史博物館の入場券窓口は、常に行列だ

 
 本場のゴスペル・マイクも使わず二階席まで届く済んだ歌声・・・


 五番街にある有名店プラダの前に浮浪者がうろうろ、面白い組み合わせだと写真を取るとチップを要求している強かさ・・。
前のトランプタワーがあり、横はティファニー店。