碧い山・青い海

趣味の山登りとか、技術とネット情報を照合し個人メモに・・

1307-振り子時計

2013-07-01 | 時計
 現在は、コンピューター中心の情報化時代で実際とバーチャルが混在していてその見分けに苦労します。別にそのまま受け入れて知識とすれば良いのですが、メカニカル設計に約40年関わってきた自分としてはこれがどうも納得できないのです。先日、長いこと岡山で焼物をしている備前焼作家さんとお会いして話したのも「自信をもって作られたものは良い作品になるが、手を抜いた物は後で直ぐに壊れたり使い勝手が悪い」「形ある物は必ずこの正直さがあるから一生懸命に作れる」と言う話を聞き、私の歯車とか時計設計とも全く同じ事を話されているとこれには共感しました。デジタルよりアナログ時計が好きなのも多分この事が頭に残っているからか、散々、設計ミスで苦労して来たことも原因なのかも。

今年、神戸の輸入雑貨屋さんでみつけた「振り子時計」をみつけたので紹介します。


 この時計はドイツのヘルムレ社(HERMLE)製の高級振り子時計で何故か「インテリア用に・・1800円」と表示されていたのを見て、本物なら10万以上するのでは・・と直ぐ購入しました。落としたか何かで動かず、更に振り子接続の部品が折れている様でした。部屋でいろいろ調べると振り子が合わず、動かないだけで付属の金の振り子は諦め、手持ちの適当な金具を分銅にして重さと長さを調節すると驚いた事に動き始めました。



 とても正価では買えませんが、良い音で時報も鳴るし、10日巻きで振り子の動きも見とれてしまいます。時計は何故発明されたか・・・に面白い話を見つけました。古代エジプトで800年頃に日時計・水時計・砂時計が発明されていたのですが、船が出来て現在地を知るのに正確な時計が必要になったそうです。それは1490年代にコロンブスとかヴァスコ・ダガマが新大陸発見した事がきっかけになり「海を制するものが世界を制覇できる」と1700年に欧州の国が発明者に賞金を用意したそうです。ガリレオもその参加者の一人でした。科学者は「地球は丸い。円は360度。24時間で一回転するから、1時間で15度回転する。だとすると、ある船が母港太陽が一番高いときに時計を12時(正午)に合わせ、出航すれば、後は船がどこにいても船上で太陽の南中する時刻を船の時計で見れば船の経度が分る。例えば、太陽の南中するときに船の時計が午後2時とわかれば、船が母港から30度西にいることがわかる」と。つまり、正確な時計があれば経度を導き出せると考え付いた訳だそうです。振り子時計の発明はホイセンスと言う人で、ゼンマイもこの方の発明のようです。

 昨年購入したクォーツ時代の振り子時計ですが近くの店で 格好が良かったので衝動買いをしたものです。可愛いくて時間精度は良くても、振り子が忙しく振れて、音もうるさい事であまり近くに置きたくないのが問題です。今も部屋の片隅に置かれて動いてはいますが失格です。