飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

Black is fantastic ⇒ルドン#7NHK日曜美術館

2007-08-24 | 美術&工芸とその周辺
渋谷の東急文化村で開催中の展覧会「ルドンの黒」を観て

数年前の日曜美術館でルドンを取り上げていた。それを録画しており再見しました。ゲストは演出家の唐十郎氏とルドンの本を書いている本江邦夫氏。取り上げられたルドンもいいが、唐十郎氏が艶っぽくてよかったです。不敵な笑みを浮かべてルドンのことを語ります。不良少年の心を忘れていない眼の輝きを持っていました。

唐氏が語るルドンは心なしか演劇的に見えます。そのパワーはもう一人のゲストである研究者の本江氏を完全に食っちゃっていました。

その唐氏は、ルドンの絵は“ふわっと登場し、「こんちは」っといった感じて向こう側から私は誰でしょうとばかり訪問してくる絵画だ”だと言います。なる程言いえて妙だなと思いました。ルドンの絵は確かに異形の妖怪のような者らが多く、彼らは不意に突然に闇の世界からワープしてきたという感じがしますし、どことなくここが住みかではない、浮遊しながらやってきた印象も受けます。

さらに雄弁に唐氏は語ります。

“ルドンの地下水脈をたどっていくとディオニソス的なものに突き当たるであろう”

“眼球そのものを描き、その絵を観る眼球と一体何か?”

“(色彩の付いた著名な絵「閉じた目)を観ても)目を閉じていても頭蓋骨の内部は黒い世界がある”

“(晩年のパステル画についても)光と艶の世界、それがなければただの闇である”

“黒の迷宮と光の迷宮を行ったり来たりしている大人にならなかった画家”

“想像力の冒険をしていた画家、それは非生物の視点から自分を見る、不可能な視点から見ることだ”

などなど刺激的な言葉で語り、もしかしたらルドンを唐色に染めていっているそんな気がしました。そこにはルドンという異彩を放った画家に対して正面から切り込んで行く前衛演劇人の意気込みのようなものまでも感じ取れました

ルドンについての紹介も勉強になりましたが唐十郎の男っぷりのよさも目に付いた番組でありました。




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