飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

「貴婦人と一角獣展」(国立新美術館)を見た

2013-04-30 | 美術&工芸とその周辺
六本木の国立新美術館で開催中の「貴婦人と一角獣展」へ行ってきました。1500年頃に制作されたとされる全6点の全長22メートルの「貴婦人と一角獣」のタペストリーはなかなかの見物であります。この作品はフランスの国立クリュニー中世美術館に展示され、ほとんど海外に出ることはなく今回フランスから国外へ出るのは1974年にアメリカに渡って以来とのことであるとか(実はその1回しか過去にないようです)。門外不出の . . . 本文を読む
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映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」(監督:ベン・ザイトリン)を見た

2013-04-29 | Weblog
■製作年:2012年■監督:ベン・ザイトリン■出演:クヮヴェンジャネ・ウォレス、ドワイト・ヘンリー、他   アカデミー賞の史上最年少の女優賞にノミネートされ、その授賞式をテレビで見ていて、へぇー、天才少女現るなのかなあ?と巨大な猪のような怪物と対峙している少女の図柄が気になっていた映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」を見ました。この作品は見る前にイメージしていたファンタジックな泣 . . . 本文を読む
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石川啄木「ローマ字日記」を読む

2013-04-26 | Weblog
石川啄木は日記魔で短い人生において何冊かの日記を残しています。その日記が短い生涯にもかかわらず啄木研究の大きな礎になっているのは間違いないことですし、先日書いた三谷幸喜のお芝居「ろくでなし啄木」のベースになっているのは間違いないでしょう。啄木の日記の中でとくに「ローマ字日記」と呼ばれているものは、彼の性的なことも赤裸々に書いており人間啄木を知るには、かっこうの素材であると言われています。私は三谷幸 . . . 本文を読む
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「ろくでなし啄木」(作・演出:三谷幸喜)

2013-04-25 | Weblog
■公演:2011年2月■作・演出:三谷幸喜■出演:藤原竜也、中村勘太郎、吹石一恵   今週は歌人の石川啄木について書いているのですが、これが申し合わせたように過去WOWOWで放送された三谷幸喜の作・演出による「ろくでなし啄木」というお芝居を収録したものを都合よく録画しており、じゃあ啄木ねっという感じでそれを見たのです。出演は石川啄木の役を演じる藤原竜也と中村勘太郎、吹石一恵が絡んでく . . . 本文を読む
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ムック「宮沢賢治と石川啄木」(徳間書店)を読む

2013-04-24 | Weblog
最近、書店を覗くといわゆるムック本といわれるテーマを持った雑誌形式の本が並んでいるのが目につきます。雑誌形式なので表紙のデザインは割りと派手でありパッと目につき、中を開くと写真が多いビジュアル重視の内容、値段も千円を切っているし気軽に読めそうと思わずレジへとそれを持っていってしまうという案配なのです。ですから私もこれまで江戸に関するもの、歴史に関するもの、宗教に関するものなどいくつかのムック本を購 . . . 本文を読む
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NHKカルチャーラジオ「啄木再発見」(講師:三枝昴之)を聞いた

2013-04-23 | Weblog
NHKラジオでカルチャーラジオなる番組があって、毎週30分3ヶ月間にわたり一つのテーマに沿って講師が話すという内容のものがあります。書店でNHKのテキストのコーナーに行くとこの番組のテキストもあるのですが、ラジオということもあり英語関係のテキストに紛れひっそりと並んでいます。私は昨年そのコーナーで1月~3月に渡り放送されることになる石川啄木についての番組に興味をもち、軽い気持ちで聞いてみようかなと . . . 本文を読む
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「ミュシャ展」(森アーツセンター)を見た

2013-04-22 | 美術&工芸とその周辺
女は花が好きである。女を花で飾るとさらに美しくなる。女は曲線的である。女を曲線で埋めるとさらに悩ましくなる。アルフォンス・ミュシャの絵を見てそう思いました。思えば西洋東洋問わず女が纏う服の意匠は花をモチーフとしたものが多いではないか?女が纏う服は曲線が多くないか?女を劇的な状況下や魅惑的なポーズをさせ、過剰なまでの装飾で美化すると、そこには神話的とも言える美の世界が浮き上がってくる。女はその絵を見 . . . 本文を読む
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ハネケの映画は哲学する#5…「隠された記憶」

2013-04-19 | Weblog
■製作年:2005年■監督:ミヒャエル・ハネケ  ■出演:ダニエル・オートゥイユ、ジュリエット・ビノシュ、モーリス・ベニシュー、他 今日もミヒャエル・ハネケ監督作品についてです。「隠された記憶」はとても不気味な作品で、どこかホラー映画に近い感覚を持った作品とも見ることができるかもしれません。しかし、それはこけおどしがメインのB級ホラー映画などとは違い、もっと練り込まれた心理的に追い詰め . . . 本文を読む
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ハネケの映画は哲学する#4…「タイム・オブ・ザ・ウルフ」

2013-04-18 | Weblog
■監督:2003年■監督:ミヒャエル・ハネケ■出演:イザベル・ユペール、ベアトリス・ダル、他 ミヒャエル・ハネケ監督の作品です。いきなり冒頭から思わずあっ!と声が出てしまう展開から始まります。親子と子供たち(姉と弟)が車で別荘のような所に来る。中に入ると別の家族がいる。その会話でこの別荘は訪れた家族のもので、中にいた家族は侵入者とわかってくる。侵入者の家族側の家族の父親は銃を構えており、ただ事で . . . 本文を読む
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ハネケの映画は哲学する#3…「ファニーゲーム」

2013-04-17 | Weblog
■製作年:1997年■監督:ミヒャエル・ハネケ  ■出演:スザンネ・ローター、ウルリッヒ・ミューエ、フランク・ギーリング、他   後味が悪い映画No.1と巷で言われている?のがミヒャエル・ハネケ監督の「ファニー・ゲーム」。そのお墨付きの映画を見ました。後味が悪いとなると過去にラース・フォン・トリアー監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を見たときに数日引きずるような後味の悪さ . . . 本文を読む
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ハネケの映画は哲学する#2…「カフカの『城』」

2013-04-16 | Weblog
■製作年:1997年■監督:ミヒャエル・ハネケ■出演:ウルリッヒ・ミューエ、ズザンネ・ロータ、他 ミヒャエル・ハネケ監督がカフカの小説「城」を映像化した作品です。テレビ映画として制作されたものらしいですが、私はもとよりヨーロッパのテレビ事情などわからないので感覚で言うだけですが、この映像がテレビのために制作されたの?と疑いたくなるような、ある意味で大衆に映像を流す装置としてのテレビにとって、もっ . . . 本文を読む
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ハネケの映画は哲学する#1…映画「愛、アムール」を見た

2013-04-15 | Weblog
■製作年:2012年■監督:ミヒャエル・ハネケ  ■出演:ジャン・ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ、他  カンヌ国際映画祭のパルムドールを2年連続で受賞、そして今年の米国アカデミー賞の外国語映画賞も受賞と、もはや世界の映画界において揺るぎないトップ・ランナーであるミヒャエル・ハネケ監督。彼の話題の新作「愛、アムール」を見ました。作品は老いと死と愛をテーマにしたもの . . . 本文を読む
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「トロイアの女たち」(演出:蜷川幸雄)

2013-04-12 | Weblog
WOWOWでかなり前になりますが日本を代表する演出家の蜷川幸雄が、日本人、イスラエルのユダヤ人、イスラエルに住むパレスチナ人という3つの民族の俳優らの混成による前代未聞の演劇、ギリシャ悲劇の「トロイアの女たち」を上演するプロセスを追っかけたドキュメンタリーを放送していて興味深くそれを見ました。言葉の壁、そして紛争が絶えず現在も最も深刻で大きな壁があるユダヤとパレスチナという民族的な障壁を乗り越えて . . . 本文を読む
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映画「青春の殺人者」(監督:長谷川和彦)

2013-04-11 | Weblog
■製作年:1976年■監督:長谷川和彦  ■出演:水谷豊、原田美枝子、内田良平、市原悦子、他 映画「青春の殺人者」は昨日も書いたように中上健次の小説「蛇淫」を原作として、長谷川和彦監督が映画化したものです。学生だった私はこの映画を名画座で見て上映終了後、観客席から拍手が起こるという珍しい体験をしました。それは当時の若者の気分を絶妙にとらえたものとして鑑賞者の心をグッと掴んだからに相違な . . . 本文を読む
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中上健次「蛇淫」を読む

2013-04-09 | Weblog
中上健次の短編小説「蛇淫」を読みました。この小説は長谷川和彦監督の「青春の殺人者」という映画の原作で、学生時代にそれを見て、えらく感動した記憶があります。映画は名画座で見たのですが、上映が終了した後、観客席から拍手が起きたような記憶があります。映画を見て実際に拍手が起こるなんて滅多に経験しないことなので珍しい体験として記憶しているのです。   さて、中上健次の小説は実際に起きた事件を . . . 本文を読む
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