飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

NHK放送番組「八百万の神々がすむ山河 ~村治佳織 白洲正子の祈りの道を往く~」

2011-06-03 | 美術&工芸とその周辺

「八百万の神々がすむ山河 ~村治佳織 白洲正子の祈りの道を往く~」というNHKの番組(録画しておいたもの)を見ました。白洲正子が歩いたいくつかの道や古寺や神社をギターリストの村治佳織(初めて知った方ですが美人でいらっしゃいます)が訪れるという内容のものです。私が読んだ白洲正子の「西国巡礼」や「かくれ里」は関西が舞台となっているので、東京に住んでいる私は仕事もあるし、思い立ってホイホイと行けるものでもありませんので、映像を通して本で書かれたところが、どんなところであるのかというのを知るのはそれはそれで面白いのであります。(全く本を読んだことがない場合とでは同じ映像を見ても違ったとらえかたになるでしょう)

 

映し出される自然の映像はハイビジョンなのでとにかく美しいです。どこかで記憶の淵にある白洲正子の紀行文のフレーズがナレーションとして重なってきて目に染み入るような感じになります。映像と言葉が幸福な重なりを見せ、こちらも思わずため息が出てしまいます。とにかくそこは自然が雄大で交通の便も悪いであろう、当時、白洲さんはどこまで車で行って、どこから徒歩で歩いたんだろうかと変に思ってしまいます。彼女の執筆活動は後半生のはずだから、険しい山道などホイホイといけないだろうになあと。まあ、それは今回のナビゲーターの村治佳織さんも同じなので(その洋服じゃあちょっとそこを歩くのは無理があったんじゃない?なんて)

 

映像で紹介された白洲が訪れた場所は、熊野の那智の大滝、白山の白山長瀧寺と長瀧白山神社(名前があべこべになっている)や苔が見所の平泉寺、吉野の金峯寺や天河弁財天社、日月山水図屏風のある金剛寺などなど。テレビを見ているといずれも映像として最高なショットを切り取り編集しているので、つい見とれてしまい、どれも機会があれば一度行ってみたくなると思ってしまうばかりです。時折流れる白洲の言葉は知と感性に溢れ、私もこうした場所がもしかしたら至福の空間なのではないのか?いいなあと思えるのは、歳をとったということだろうか?

 

ところでこの大自然を背景にギタリストの村治さんは名曲を奏でるのですが曲と背景が合っていないんじゃないのかな?と思ったのは私だけ? 

西国巡礼 (講談社文芸文庫)
多田 富雄
講談社
かくれ里 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
白洲 正子
講談社
十一面観音巡礼 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
白洲 正子
講談社
近江山河抄 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
前 登志夫,森 孝一
講談社
私の古寺巡礼 (講談社文芸文庫)
白洲 正子
講談社
明恵上人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
白洲 正子
講談社
白洲正子の世界 (コロナ・ブックス)
白洲 正子
平凡社
白洲正子のすべて (和樂ムック)
小学館
小学館

 

 

 

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1 コメント

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グローバルサムライ (出雲の神々)
2024-03-31 20:11:53
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学思想にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の工業・工学・技術の一神教的観点でなく日本の独創とも呼べるような多神教的発想と考えられる。

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