飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

僕は知らない寺山修司NO.44⇒「レミング」(1982年「天井桟敷」公演ビデオ)

2007-05-31 | 寺山修司
ある日の朝、目が覚めるとアパートの壁が消えていた。隣人の生活が丸見えとなっている。まるでカフカの変身を想起させるような奇想天外な設定から始まる「レミング」その消えた 壁は実体ある壁なのか?それれとも個人の内面の壁なのか?精神を患った者に対する治療行為なのだという台詞とともに、映画女優、医者、母親などが次々と登場し主人公と絡んでくる。その辺りの虚実が入り乱れ真偽の程が曖昧、不明となってくる。これは . . . 本文を読む
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僕は知らない寺山修司NO.43⇒「レミング~世界の涯まで連れてって」(テラヤマ博)

2007-05-30 | 寺山修司
「レミング~世界の涯まで連れてって」(テラヤマ博) ■2007年5月2日(水) ■劇場:「-IST [イスト] 零番舘 ■作:寺山修司 ■演出・音楽:佐藤香聲 ■出演:栃村結貴子、千代神キリコ、小谷麻優子、三宅ひとみ、他 寺山修司漬けだった今年のGW。大阪で観た寺山演劇の2日目は、佐藤香聲率いる「銀幕遊學◎レプリカント」による「レミング~世界の涯まで連れてって」である。銀幕遊學◎レプリカント? . . . 本文を読む
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僕は知らない寺山修司NO.42⇒「アングラ時代のポスター展」(Bunkamura Gallery)

2007-05-29 | 寺山修司
「アングラ時代のポスター展」(Bunkamura Gallery) 5月16日に投稿した記事が同じギャラリーで開催された「幻想と異端の図書室」で、澁澤龍彦の美学を再現したような展示で、日本のアバンギャルドと題された第一弾の企画、そしてこの「アングラ時代のポスター展」が第二弾である。 展示されたポスターは寺山修司が率いた「天井桟敷」、唐十郎の「赤テント」やATGの映画のポスターなどなど。作家は横 . . . 本文を読む
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1冊/週の新書・第17週・・・『老後がこわい』香山リカ(講談社現代新書)

2007-05-28 | 新書(読書)
★★『老後がこわい』香山リカ★★ 香山リカ氏はこの本の中で自身の置かれている状況をふまえ(シングル子供なし)、私は年老いていった時どうなっていくのだろうと問いかける。 いつまで働けるの? 終の棲家は? 自由に体が動かなくなったときは? 病気になったときは? 病気になったときはどうなるの? 介護は誰がしてくれるの? 老後の生活費は? ひとりぼっちで死んでいくの? 葬式は誰があげてくれるの? どう . . . 本文を読む
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僕は知らない寺山修司NO.41⇒「大山デブコの犯罪」(寺山修司の戯曲2/思潮社)

2007-05-25 | 寺山修司
       ◇        ◇ ●子供:(ふいに)大山デブコは、こう言って笑ったんでしょ!     「役立たず!ベットの上のアザラシ!不能者!」        ◇        ◇        ◇ ●魔子:食べたいように食べて     飲みたいように飲んで     寝たい人と寝て     人生はお祭り     死ぬ日まで、どこかでおはやしがなっている。     うらぎられても笑い    . . . 本文を読む
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僕は知らない寺山修司NO.40⇒「大山デブ子の犯罪」(2004年池の下公演ビデオ)

2007-05-24 | 寺山修司
「大山デブ子の犯罪」(2004年池の下公演ビデオ) ■池の下プロジェクト公演ビデオ ■新宿:タイニイ・アリス 「大山デブ子の犯罪」は肝心のデブ子自身は登場せず、役者が台詞を綴る中で観客がその女性をイメージの中で構築していくという仕掛けになっている。この大山デブ子というキャラクターはかつて、つかこうへいが彼の出世作「熱海殺人事件」の犯人として登場させた大山金太郎と通底する部分があるのか否か。つか . . . 本文を読む
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僕は知らない寺山修司NO.39⇒「大山デブ子の犯罪」(テラヤマ博/演出:岩崎正裕)

2007-05-23 | 寺山修司
「大山デブ子の犯罪」(テラヤマ博/演出:岩崎正裕) ■2007年5月5日(土) ■劇場:「-IST [イスト] 零番舘 ■作 :寺山修司 ■演出:岩崎正裕 ■作曲:橋本剛 ■主演:森本研典、南勝、岸部孝子、篠原裕紀、他子 今年のGWは先にも書いたように寺山修司三昧であった。つまり寺山演劇を3作品連続で観賞したのである。その中の1本、「大山デブ子の犯罪」についてその感想を書いていきたい。 マ . . . 本文を読む
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1冊/週の新書・第16週・・・『日本の現代演劇』扇田昭彦(岩波新書)

2007-05-22 | 新書(読書)
★★『日本の現代演劇』扇田昭彦★★ 青年芸術劇場(福田善之)、状況劇場(唐十郎)、早稲田小劇場(鈴木忠志)、68/71黒テント(佐藤信)、オンシアター自由劇場(串田和美)、東京ヴォードビルショー(佐藤B作)、東京乾電池(柄本明)、東京壱組(大谷亮介)、現代人劇場(蜷川幸雄)、第七病棟(石橋蓮司)、木冬社」(清水邦夫)、転形劇場(太田省吾)、中村座(金杉忠雄)、天井桟敷(寺山修司)、東京キッドブラザ . . . 本文を読む
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豪腕映画人・今村昌平の追悼特集(東京国立近代美術館フィルムセンター)

2007-05-21 | 今村昌平
「追悼特集 映画監督 今村昌平と黒木和雄」(東京国立近代美術館フィルムセンター) 東京国立近代美術館フィルムセンターで4月中旬から6月初旬にかけて「追悼特集 映画監督 今村昌平と黒木和雄」と題して、2人の偉大な映画監督の作品を上映している。そこでボクはなかなか観ることができない今村昌平のドキュメンタリー作品をお目当てにフィルムセンターに行ってきたのです。 そういえば昨年のお盆に池袋の新文芸座 . . . 本文を読む
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偏在する乱歩・S→「その時歴史は動いた」日本ミステリー誕生~江戸川乱歩・大衆文化との格闘~

2007-05-18 | 江戸川乱歩
■放送日:2007年5月16日(水) ■放送局:NHK総合 ■番 組:「その時歴史は動いた」日本ミステリー誕生~江戸川乱歩・大衆文化との格闘~ NHKの知的娯楽番組「その時歴史は動いた」に江戸川乱歩が取り上げられた。タイトルにあるとおり乱歩はミステリー文学の父である。番組は大衆文化としてのミステリー興隆に貢献した乱歩のプロデューサーとしての側面に光をあてていました。 乱歩が尽力した探偵作家クラ . . . 本文を読む
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1冊/週の新書・第15週・・・『快楽なくして何が人生』団鬼六(幻冬舎新書)

2007-05-17 | 新書(読書)
★★『快楽なくして何が人生』団鬼六★★ 団鬼六と聞けば杉本彩が主演し話題となった映画「花と蛇」の原作者、古いところでは日活ロマンポルノのSM映画の原作者が思い浮かぶ。彼の小説は読んだことがないが、映画は観たことがある。禁断のSM世界を描いた小説、そのハードな世界にはそんなに興味はなく今まで手に取ることはなかった。SMの代名詞のようなイメージのある団鬼六、その人が書いた新書となれば何かおもしろい発 . . . 本文を読む
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澁澤龍彦、幻想の世界NO.8・・・「幻想と異端の図書室」(Bunkamura Gallery)

2007-05-16 | 澁澤龍彦
渋谷・東急のBunkamura Galleryにて、日本のアバンギャルド特集その第一弾として「幻想と異端の図書室―文学とアートのコラボレーション―」と題した展示が開催されている。 タイトルから想起されるようにこの展示は澁澤龍彦の世界なのでありました。ギャラリーなので小規模展示ですが中々よく集まっているなと思いました。 澁澤龍彦のサイン本、初版本、泉鏡花のいわゆる鏡花本(というものなのか?)、は . . . 本文を読む
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僕は知らない寺山修司NO.38⇒第4回国際寺山修司学会(名古屋・愛知学院大学)・2

2007-05-15 | 寺山修司
第4回国際寺山修司学会に参加して、その運営の悪さは昨日も書いたとおり。今日は、せっかく名古屋まで行ったんだからと講演&研究発表の備忘メモです。 ◎九條今日子 ・天井桟敷では制作の仕事、劇団の芝居づくりの現場にはいなかった。初日の幕が開いた時に観た方がいいといのが自論。 ・地方出身者の役者は方言をそのまま舞台に乗せるのがいいと寺山は言っていた。役者がシロウトと言われたが生身の本人がそのままでて . . . 本文を読む
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僕は知らない寺山修司NO.37⇒第4回国際寺山修司学会(名古屋・愛知学院大学)

2007-05-14 | 寺山修司
ボクもかなり物好きだなとそう思います。というのも、国際寺山修司学会なるものがあることを知り、その大会が5/12(土)に名古屋であることを知り興味が沸いたのです。研究者でなくとも参加はできるらしい。とは言っても、東京から名古屋までの往復の交通費を考えるとけっして安いものではありません。どうしょうかなとかなり悩んだのですが、行けばよかったと後悔するなら行こうと日帰りで名古屋へと向かいました。 ボクは . . . 本文を読む
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1冊/週の新書・第14週・・・『悪役レスラーは笑う』森達也(岩波新書)

2007-05-11 | 新書(読書)
★★『悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷―』森達也★★ GW期間中に読んだ新書は、これ。実はボクは根っからのプロレス・ファンなのである。岩波新書にプロレス?ということで気になって手にしたのでした。 作者はボクより5歳年上のドキュメンタリー映像作家・森達也氏。(たとえばオウム真理教を取扱った「A」などが知られる)映像によって事実の断片を切り取ってきて、それを組み立てていくドキュメ . . . 本文を読む
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